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  • [Bio-Edu] 細菌・ウイルスをフィルターろ過で除去する[2020/05/25]

    [Bio-Edu] 細菌・ウイルスをフィルターろ過で除去する[2020/05/25]

    はじめに

    バイオ医薬品の製造において、製品段階では細菌が含まれないことを保証する必要があります。

    ウイルスにおいても、どれくらいの確率で含まれないかを証明する根拠となる予備データと、その確率を保証できる条件でろ過したことを保証する必要があります。

    ウイルスに関しては、少々コストを要することになります

    細菌のろ過による除去

    バイオ医薬品は蛋白質です。細菌との大きさの違いを利用して、フィルターによるろ過により細菌をフィルターに捕捉して除去します。

    • 細菌を除去する工程の実施
    • 細菌が含まれないことを示すテストの実施

    細菌をタンパク液から除去するには、0.22μmのフィルターを使用します。

    • 大きい
    • 細菌(5μm)
    • フィルターろ過 (サイズ: 0.22μm)
    • タンパク質 (~10nm)
    • 小さい

    ウイルスのろ過による除去

    ウイルスの除去については、細菌の除去のようには、簡単ではありません。理論的には、ウイルスは1個であれば感染すると考えられます。ウイルスの測定も簡単ではありません。ウイルス除去は、ウイルス・クリアランス試験という項目があり、詳しい説明はそちらに任せます。

    簡単な説明は、以下の通りです。

    バイオ医薬品の世界では、ウイルス除去フィルターが市販されています。公称としては、20nm, 30nmなどの孔径(ポアサイズ)がありますが、バッファー条件、温度、ろ過速度なでど、ウイルスの運動・形状などか変化するため、除去効率は変化してしまいます。

    • 大きい
    • 細菌(5μm)
    • フィルターろ過 (サイズ: 0.22μm)
    • ウイルス (20nm~100nm)
    • ウイルス除去フィルター(20nm, 30nm, etc)
    • タンパク質 (~10nm)
    • 小さい

    まとめ

    細菌もウイルスもろ過による除去方法は、基本的にその大きさを利用しています。ただし、ウイルスの場合は、その大きさが、細菌と比べて相当小さく、タンパク質に近いため、サイズによる分別除去は簡単ではありません。ウイルスを除去するためには、フィルターのポアサイズを厳密にコントロールできる高度な製造方法を要するためです。

    バイオロジクスにおけるウイルスの除去に関しては、ウイルス・クリアランス試験という項目が設定されています。ちらもご参照ください。

    編集履歴

    2020/03/07 はりきり(Mr)
    2020/05/25 追記(ウイルス濾過)

    以上

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    [Bio-Edu] 細胞・細菌・ファージ・マイコプラズマ・ウイルスの大きさ — ID11542 [2020/05/23]

    ID11542

    はじめに

    バイオロジクス研究を志す者として、必要となる関連知識は沢山あり、且つ学際的です。色んな事柄を知っておく事は、とにかく重要です。

    今回は、バイオロジクスの遺伝子組換えのホスト細胞としてよく使われる動物細胞を基準に、疾病の原因であるウイルスやホスト細胞としても良く使われる大腸菌などの大きさを確認しておきましょう。

    生物ごとの大きさ(1)

    細胞、細菌、ウイルス、ファージの大きさは、一言で以下の通りです。

    単位

    3桁毎の単位として、m(ミリ)の1/1,000はμ(マイクロ)、μの1/1,000はn (ナノ)です。m(メーター)の1/1,000を表すのにmm(ミリメーター)とします。以下、μとnを使って、それぞれからの1/1,000を表します。


    1mm = 1,000μm = 1,000,000 nm

    大きい > 細胞 > 細菌 > ファージ > ウイルス > 小さい


    病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い — 大幸薬品

    https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/infection/dengerous_pathogen.html

    生物ごとの大きさ(2)

    実は、これら以外に、真菌、マイコプラズマ、リケッチア、ファージも役者として追加してみます。

    真菌の形は、球菌 (球状)、 桿菌 (棒状)、らせん菌 (らせん)などと色々あるため、大きさを定めのは難しいですが、細胞あたりの大きさに設定しました。

    • 大きい
    • 細胞(10μm) | 真菌
    • 細菌(5μm)
    • ファージ(0.025μm ~ 0.2μm)
    • マイコプラズマ(0.2μm ~ 0.8μm)
    • リケッチア (0.1μm ~ 2μm)
    • ウイルス(0.02μm (20nm) ~ 0.1μm)
    • 小さい

    大きい > 細胞 | 真菌 > 細菌 > ファージ > マイコプラズマ > リケッチア > ウイルス > 小さい

    以上、ウイルスと細菌の大きさの違い – 秋田大学 大学院医学系研究科・医学部 – より

    http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/kansensho/virus17/virus2-2.html

    リケッチアを含む「微生物」の大きさ

    臨床微生物学基礎編 より

    http://www.kankyokansen.org/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/publication/edu_03_pdf/uid000001_332D325F32332E706466

    3 マイコプラズマの検出と除去・予防 – より

    最小の自由生活・自己複製微生物、大きさ: 0.2μm~0.8μm、細胞質を持たない単純な原核細胞、180種類以上が確認されている

    http://www.lonzabio.jp/pdf/mycoplasma.pdf

    微生物の特徴

    実利増殖遺伝子核膜細胞壁
    ウイルスDNA or RNA
    細菌DNA有(まれに無)
    真菌DNA
    原虫DNA

    目でみる真菌症シリーズ2

    http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me02.html

    細菌を包んでいる膜

    • グラム陽性菌 (菌の内側から)
      • 分厚い「細胞膜」: リポタイコ酸、タイコ酸
      • 薄い「細胞膜」 : 二重膜
    • グラム陰性菌 (菌の内側から)
      • 薄い「外膜」 : 二重膜(ポーリン孔、リポ多糖)
      • 薄くて弱い「細胞壁」: ペリプラスム空間
      • 薄い「細胞膜」: 二重膜

    大腸菌

    実験者の間では、E.coli(いーコリー)と言ったりもします。

    遺伝子組換えに使用される大腸菌は、グラム陰性菌です。組換え産生タンパク質は、ペリプラスム空間に溜まる場合は、比較的、立体構造を保っている場合があります。

    臨床微生物学基礎編

    http://www.kankyokansen.org/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/publication/edu_03_pdf/uid000001_332D325F32332E706466

    臨床微生物学基礎編

    https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf

    まとめ

    生物は細胞で作られています。細胞は一つの生命活動の単位です。その細胞内に似ているものの生物としてヒトや動物を形作らい面々がいます。一般的に病原体と呼ばれています。

    これらは、細胞に似ているから病原体になるのかもしれません。

    この解説では、以上のような背景を踏まえて、それぞれの大きさいを比較しました。

    以上

    編集履歴

    2020/03/07 はりきり(Mr)
    2020/05/06 追記 (生物ごとの大きさ(2))
    2020/05/09 文言整備
    2020/05/23 追記 (真菌、大腸菌)
    2021/10/31 追記 (単位の説明を修正)