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  • [Synology] セキュリティ改善法 – Threat Preventionとファイヤーウォールの運用を連携する  [2021/08/01]

    [Synology] セキュリティ改善法 – Threat Preventionとファイヤーウォールの運用を連携する [2021/08/01]

    はじめに

    Synology NASおよびRouter製品のセキュリティの話です。今回は、Router製品の上位機種であるRT2600acのパッケージ「Threat Prevention」の分析結果をネットワーク管理者としてファイヤーウォールとの連携について解説します。

    Threat Preventionは、日々、怪しいパケットの重大度に応じて、バケットを「ブロック」、「アラート」及び「何もしない」の3つの基本的な処理を実行してくれます。

    怪しい動作をするパケットのデータベースは、外部のデータベースであり有志によって日々アップデートされています。Threat Preventionでは、重大度の高いパケットは、デフォルトでドロップ(ブロック)されます。

    たまには、Routerの管理者は自らで、Threat Preventionのログを確認して、怪しいパケットのIPアドレスを確認し、頻繁にアクセスするIPアドレスに対して、ファイヤウォールによる拒否設定をしておくことが、ネットワークセキュリティをより安全に維持できると考えます。以下は、そのルーチンワークとしての設定して方法を簡単に解説しました。

    ルーチンワークの概要

    1. Threat Preventionのログの日々の確認
    2. 怪しいIPアドレスを認識したら、
    3. ファイヤーウォールの設定で、そのIPアドレスを拒否設定

    ルーチンワークの詳細

    • 週に一度は、Threat Preventionのログを見る
    • Threat Preventionからのドロップ通知メールを活用しても良い
      • 例えば、通知メールがきたら、そのタイミングを活かしてThreat Preventionのログを確認する
    • Threat Preventionのログを確認して、アクセスしてくる(ソース)、または、自サイトのデバイスからの、アクセス先(ディスティネーション)として、頻度の多いIPアドレスを確認する
    • Threat Preventionのログにおいて、自動でドロップされているものは、セキュリティに重大な影響を与えるものと認識されているので、そのIPアドレスを手元に控える(コピー)
    • ネットワークセンターのセキュリティからファイヤウォールタグを開き、そのIPアドレスの「拒否」設定を行う

    Threat Preventionでは、アラート処理に留まっており、ドロップしていないことがログよりわかりました。何かの対応策が必要です。

    Threat Preventionの操作

    ネットワークセンターの操作

    ネットワークセンターのセキュリティからファイヤーウォールを開いて、目的のIPアドレスを「拒否」設定する。「作成」タグを開いたら、設定画面が現れる。以下の設定リストを参照して、「名前」、目的のIPアドレスは「ソースIP」、「操作」は「拒否」に設定、その他はデフォルト(すべて)で問題ないと思います。

    Alert

    ET POLICY Outgoing Basic Auth Base64 HTTP Password detected unencrypted

    • ID/PWをHTTP経由で送信する場合に、MD5アルゴリズムでBASE64(バイナリ基数64)に変換(エンコード)される。これは決して暗号化を意味していない
    • DDNSのサービスを提供している「myDNS.jp」関係で、このファルター検出に引っかかることがある(要調査)。

    RT2600acにいて

    Synology RT2600ac (WiFiルーター)については、以下の記事もご参照ください。

    まとめ

    Synology Router RT2600acのパッケージツールとして、「Threat Prevention」と「ファイヤーウォール」の連携による運用(ルーチンワーク)の事例を解説しました。

    Threat Preventionは、Synology Routerのパッケージなので、その他のメーカーのルーターで、同様の機能があれば、今回と同じ概念で運用が可能だと思います。因みに、Threat Preventionは、シンプルなIDSのひとつですが、一般的な家庭用ルーターには装備されていません。

    編集履歴

    2021/03/22, Mr. はりきり
    2021/05/08, 文言整備
    2021/08/01, 文言整備
  • [Synology] 自宅に設置したNASにWordPressを構築してblog配信、高まるネット・リスクとセキュリティ対策 –  [2020/12/31]

    [Synology] 自宅に設置したNASにWordPressを構築してblog配信、高まるネット・リスクとセキュリティ対策 – [2020/12/31]

    ID22342

    はじめに

    これまで、DS918+を導入しblogを公開してから1年程度のサーバー管理をしてきましたが、アドレスを公開する前後では、サイバー攻撃を受ける割合が相当増えました。

    WordPressへのログインは、ログを取っていない(何かいいプラグインがあるかも知れません)のでわかりませんが、DSMへのログイン攻撃が増加しました。これは、別の記事でも述べている通り、正に、「Low and Slow」によるブルートフォース攻撃です。ブルートフォース攻撃では、DSMのログインに対して、2~3分ごとに、IDをAdminやその他考えられるIDに変更しながら、パスワードを試行してくるのです。

    今年2020の春ごろにDS918+のログを何気に見て気がついたので良かったものの、そのログから3ヶ月以上の間ひたすら2~3分毎に試行を繰り返していました。少し冷や汗が出てきます。

    この攻撃に対して、どのように対処したら良いのか、最近起こった「ドコモ口座」の内容に絡めて解説します。

    ドコモ口座の不正引き落としサイバー事件

    ドコモ口座は、簡単な手続きで広くユーザーに使ってもらうというコンセプトがあったようです。その結果、ドコモ口座の取得には本人認証がなく、偽名での口座開設が可能だったこと、更に、コンピュータからのドコモ口座へのアクセスも可能であった事から、コンピューターパワーを使ったサイバー攻撃により、口座IDとパスワードが盗まれたのではないかと推定されています。

    ドコモ口座について

    ドコモ口座は、数十もの銀行と連携しており、ドコモ口座のアプリをインストールした携帯電話などに現金を振り込み(チャージ)できます。そのチャージで簡単に決済ができる仕組みです。

    連携しているとは、ドコモ口座にログイすれば、ドコモ口座と連携している自分の銀行の口座から、ドコモ口座への入金が簡単にできてしまう事を意味します。

    日本の銀行が、二段階認証を進めているのに、連携している「ドコモ口座」が「ザル」では、セキュリティは台無しになります。ドコモ口座は、セキュリティホールになっていました。

    考えられるパスワードの漏出

    ドコモ口座の構造が分かれば、攻撃手法は想像に難しくありません。私が経験した「Synology NASに対する不正ログイン攻撃」の手法が、まず考えに浮かびます。

    そうです、2~3分おきにIPアドレスを変えながら(これを「Low and Slow」攻撃と言います)、一定のIDとその都度パスワードを変えて試行する事を、数ヶ月でも繰り返すやり方です。これをブルートフォース攻撃(あのブルートの力任せという意味)と言います。

    前回、春頃と今回、クリーンインストールした直後に攻撃された際のログを見ると規則的に試行しているのが分かります。

    あとは、類似の手法として、リバース・ブルトーフォース攻撃です。これは、パスワードを一定にその都度IDを変えて試行することを繰り返すやり方です。これらのほとんどは、攻撃に気付かれないように「Low and Slow」のやり方と合わせて攻撃してきます。最後に、参考文献では、「パスワードスプレー攻撃」というものもあるようです。少しロジックが凝っているので、ハッカー好みかもしれません。詳しくは、参考文献を確認してください。

    Synology NAS製品での対策

    Synology製品のルーターおよびNASであるRT2600acおよびDS918+では基本的に以下の対策を講じることができます。ルーターを直接攻撃あるいはアクセスしてくることは、機器の性質上から少ないのですが、それでもインターネットからのログインでルーターの管理を実施できるようにしている場合は、NASと同様の対策が必要です。Synology Routerの設定については、別の記事をご参照ください。NASの場合の設定は、「コントロールパネル」から行います。

    1. 管理者権限ユーザーの2段階認証を設定
      • 「ユーザー」画面から設定する
      • 管理者を選択して、2段階認証を有効に設定する
    2. パスワードを出来る限り長く複雑にする
      • ユーザー画面から設定する
      • 今回の「ドコモ口座の事件」では、他の銀行と同様にパスワードは4桁でした。ブルートフォース攻撃をしやすい桁数です
      • なぜなら、ドコモ口座へのログインは、パソコンを使用できるため、世界に溢れるその手のツールを使って、パスワードをハッキングする事は容易です
      • Synology NASやパソコンは、銀行口座のようにパスワードの長さ制限について、人間のレベルとしてほとんど無いと言えます。できるだけ長くして複雑にすれば、ハッキングでパスワードを盗まれるリスクは低下します
    3. 「ファイアウォール」によるIPアドレス、ポートの閉鎖
      • 「セキュリティ画面」の「ファイアウォール」タグから設定する
      • Synolgoy製品には、NASとRouterがありますが、いずれもLinux系のOSが使用されています。もちろん、Linuxはサーバーを意識した設計であり、UNIXを親に持つため、サーバー系のツールが豊富にあります。Synolgoyは、台湾の企業であり世界的な企業です。自社製品に対する最適化は日々続けています。安心して導入しましょう。
      • NASでは、今回の攻撃に対して、「ファイアウォール」の設定によって、どうにかこうにか、攻撃を退けることができました。
      • 設定としては、受け付けない「IP」、「国」、「Port」を設定(Deny}することができますが、1つの設定に15か国までしか選択することができません。すべての国を選択し終えるには、数十のルールを作りました。日本以外のすべての国をDenyにします。この設定の結果、身に見えて2~3分の間隔でのアタック間隔は長くなり数十分程度になりました。漏れもあり完全ではありません。この漏れ対策は、以下の「自動ブロック」に続きます
    4. 「DoS保護」
      • 「保護」タグから設定します
      • 「DoS保護を有効にする」をチェック
    5. 「自動ブロック」によるブロックリスト化
      • セキュリティ画面の「アカウント」タグから設定します
      • 「自動ブロックを有効にする」をチェック
      • 「ログイン回数」を10 (緊急時には1:リアルタイムでの対策時の設定、でも1でもいいかも知れません)
      • 「分以内」を1440 (長い間隔でも漏らさないため)
      • 「ホワイト/ブロック リスト」ボタンで現れる画面から、「ブロックリスト」タグを開くと、自動で登録されたブロックIPアドレスを確認できます。このリストはエクスポートして、別のNASにインポートしておきましょう
      • ホワイトリスト」タグでは、ローカルのアドレスを設定しておきましょう。いざという時に、ローカルでのログインができるように。
      • 漏れたIPアドレスは、自動的に「ブロックリスト」に登録されますが、この設定の結果、「ファイアウォール」の設定により、70余りのIPアドレスがブロックリストに登録されました。その後、数日間続いたDSMへのログイン攻撃は、全く無くなりました
      • 自分の操作として出先から、DSMへのログインを上記の設定を超えて失敗した場合、自分の通信事業者のIPアドレスがブロックリストに追加されてしまい、出先からのログインができなくなります。その場合の対処方法は以下の通りです
        • 自宅に帰ってから、ホワイトリストに登録していローカルアドレスでログインして、ブロックリストから、おそらく通信事業者は日本のはずなので、日本を目当てにプロックされている項目を探して解除する。その他自分に関連するものも解除する
        • 出先からは、VPNに接続してローカルアドレスでログインして、上記の内容と同様に解除します
    6. もしもSynology Routerを使用しているなら、「Threat Invension」は是非導入すべきです。もちろん「ファイアウォール」も設定することもできます。

    参考文献

    「ドコモ口座」で相次ぐ不正出金、なぜ地銀だけが狙われた? 専門家の見解は

    https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2009/09/news048.html

    「ブルートフォース攻撃」と「リバースブルートフォース攻撃」の違い

    https://wa3.i-3-i.info/diff312attack.html

    パスワードスプレー攻撃とは?仕組みと被害の特徴、対策方法について徹底解説, 2019 – CyberSecurity.com –

    1) ブルートフォース攻撃とリバース・ブルートフォース攻撃 : ブルーとフォース攻撃とは、あるIDに対して、総当たりのパスワードを入力して当たりを探す、力任せの攻撃。転じて、リバースが付くリバース・ブルートフォース攻撃は、パスワードを固定してして、IDを総当たりで行ってくる攻撃

    2) パスワードスプレー攻撃 : 同じパスワードで、同時に多数のアカウント(ID)に対して、不正アクセスを試みる攻撃

    3) Low and Slow攻撃 : 攻撃もとのIPアドレスを一回一回変えながら、しかも、数分の間隔を空けて、不正アクセスを試みる攻撃の手法。ブルートフォースなどの攻撃手法と組み合わせて攻撃してくる

    https://cybersecurity-jp.com/column/30629

    まとめ

    Synology NASの不正ログイン試行への対策について解説しました。レンタルサーバーを使わない茨の道を選んだのですから、頑張って地道に確実に行きたいものです。

    編集履歴

    2020/09/11 はりきり(Mr)
    2020/12/31、追記 (自分がログインを何度も失敗してブロックされた場合の対処方法)
  • [Synology] NAS/Router ログ・センターは、毎日1回は見るべし – サーバーへの総当たり攻撃を発見、システムのログイン制限の適切な設定と自動ブロック-  [2021/08/01]

    [Synology] NAS/Router ログ・センターは、毎日1回は見るべし – サーバーへの総当たり攻撃を発見、システムのログイン制限の適切な設定と自動ブロック- [2021/08/01]

    ID16720

    はじめに

    この2021/07/27から8/1にかけて「brute-force attack」によるUID/PW情報を破る試行行為が静かに行われていました。Synology NASおよびRouter製品のセキュリティの話です。

    前回、2020/06に気が付いたケースでは、Mail Serverへのattackを3ヶ月間、もしかすると半年間許してしまったことに焦りを感じました。それ以来、Log Centerの確認は1日に1回は無理でも1週間に数日は確認するようにしていたため、このコロナ禍の7/30には、そのattack (DSMへのログイン試行)を認識することができました。数日後の8/1まで対策に時間を要したのは、対策方法を見つけるまで時間がかかったためです

    Warning Logの内容は以下の通りです。

    User [admin] from [xxx.xxx.xxx.xxx]failed to log in via [DSM] due to authorization failure.

    以下、今回のケースの対策方法についても、この記事にまとめておきたいと思います。

    前回(半年以上のアタックを受けていたケース)の対策を施してからは、Log Centerの日常な監視を強化して、追加の設定等により、その有効性を高めていたつもりでした。Log Centerの確認では、表示したいグループを、接続(Connection)にして、黄色で表示されるWarning情報に記録されている怪しいIPアドレスはブロックリストに登録し、更に、効果的な自動ブロックはアクセス制限の設定値を熟慮して設定しています。

    NASやRouterには、必要なセキュリティ機能が装備されています。ローカルネットワークの外からのアクセスを許可している場合は、適切に設定しておかなければ、不正アクセスの踏み台になったり、データを失ったりすることもあり得ます。NAS/Routerには、それぞれで、何らかのサーバーが構築されているはずです。これらのサーバーへのattackを受け難くするために、Synology製のNAS/Routerには、不正ログインやアタックを阻止する強化された機能があるので、適切に設定することでよりセキュリティを高めることが可能です。

    前回のケースは、MailPlus Serverに対する不正ログイン試行 (frute-force-attach)を偶然に発見しました。その日まで半年の間、四六時中、ログイン試行を許していたのでした。

    以下に紹介した方法は、外部からのアクセスを許しているサーバー全般に対して、ログイン試行 (brute-force-attack)を共通に自動ブロックして阻止することができます。この自動ブロックは、特定のIPアドレスに対してのものであり、一定期間で解除される仕組みとなっています。しかし、今回のように、Synology DSMに対して、特定のポート番号を知られて、毎回、IPアドレスを変更してくるattackには完全に遮断することができておらず、Log Centerの記録に警告(warning)として残ることになりました。このケースの場合、基本設定というよりは、対処療法となります。その都度対処することが対応策の基本ということです。

    今回のケースではDSMへのLog in試行でしたが、IDは[admin]固定でIPアドレスを変化させながら、また、PWは色々と試行していると考えられます。以下に解説している基本設定のままでは、警告「ログインの失敗」(failure to log in)が4分おきに記録されていました。この状態を良しとしておいてもしばらくは良いと思いますが、その内、ヒットされる危険性もあります。でもadminは無効にしておけば、ヒットされることはありませんが。でも、ログに残ってくるattackは鬱陶しいですね。

    ログセンターをまだインストールしていない場合は、パッケージセンターからインストールを済ませておきます。インストールできていれば、下図のように「ロクセンター」が表示されるはずです。

    Mr.Harikirの環境の場合、Routerのログは、NASに転送して一元管理しています。RouterとNASにLog Centerをインストールしてあり、ログが集まってくるNASのLog Centerを定期的に確認しています。

    図1. ログセンターは毎日確認

    Log Center

    Log Centerが少しトリッキーなので、少し注意点と簡単な使用方法を以下に示しておきます。

    1. 注意点、概要とログのタグページがありますが、表示内容がなぜか一致していない。概要ページのログには記録されているログインの失敗情報がログページで接続(connection)表示させても、その情報が無い場合がある。
    2. 使い方、表示を一般から接続(connection)にして警告(warning)を確認する。
    3. 今回のケースでは、DSMへのログインの失敗が約4分間隔で記録されていた。以下に開設している今日までの設定では、Mail Serverへのattackには効果がありました。しかし、DSMへのattackに対しては、attack自体を許しており、そのため記録が残っている。

    これまで2回のattackに対する設定概要

    1. 前回のケースであるMail Serverへのattackの対策は、以下の「基本設定」以降に詳しく解説しています。
    2. 今回のケースであるDSMへのLog in attackの対策は、追加事項として、ここに示しておきます。
      1. DSMへのログイン(log in)では、ポート番号が知られてしまっているため、attackを許していると考えて以下の対策で解決しました
      1. コントロールパネル→ネットワーク設定→DSM設定
      2. ポート番号の変更と適用。モグラ叩き的な対策ですが有効な対策の一つです(2021/08/01)。
      3. DSMのポート番号は、PhotoStationやCalenderなどに使われているので、クライアントからの接続設定も更新しておく必要もあります。

    基本設定

    前回のケースでは、attackを受けたのはMail Serverであったため、Mail Serverへのattackが無くなるように設定されています。今回の対応により、その設定内容の変更はありません。今回のDSMへのログイン試行の対処療法として設定すべき項目は、DSMのポート番号の変更のみです。

    前回、MailPlus Serverへのattackを受けた時の状況

    これまで、Log Center (ログセンター)のログは、時折確認していました。しかし、Warningに関しては、重要視していませんでした

    たまたま、今日(2020/06/05)、Warningをしっかり見てみたところ、3分間隔で、MailPlus Serverに対するログイン試行を繰り返していることに気づきました。しかも、3日間に渡ってです。Logを遡って見てみると、以下のことがわかりました。

    • 一回の攻撃は、約3日間をひとまとまりとして行われていた
    • その約3日間が数日間の間隔を置いて、同様の攻撃が行われていました
    • これを大きな「かたまり」として1つと勘定すると、まとまった攻撃の回数は半年間で、5回を確認できました
    • 3日間でのやり口は、約3分間隔でログインの試行をユーザー名を色々と変えながら行っていました。
      • ユーザーIDは、home、ad, user, user0など、よく使われるものでした(図1)

    この攻撃を許していたことに冷や汗です。

    図1. MailPlus Serverへのログイン試行ログ

    基本設定による対策

    DS918+のアクセス制限の適切な設定

    アクセス回数によるログインの制限を、以下のような考え方によって適切に設定します。

    • 3分間隔のログイン間隔を前提にします
    • 3回のログイン・ミスが生じた場合にブロックするようにします
    • 3 x 3 =9 分間で、3回のミスが生じた場合をブロックできれば良いことになります
    • 時間に余裕を持たせて例えば、12分を設定します
    • 回数は、3回を設定します

    コントロールパネル→セキュリティ→アカウント

    図2. ログイン制限の設定

    設定例

    当初の設定では、時間の設定を1分にしていました。早めに検知できた方が良いと直感的に考えたからでしたが、その設定は間違いでした。1分以内で実行できるログイン試行数は、それほど多くありません。時間は、10分から60分程度が、検知するには必要です。更に、自分がログインしてすることと、不正アクセス者がログイン試行することを考えると、60分の時間内でのログイン試行数が設定の鍵になります。

    例1

    12分間の間で、3回~(最大4回)のログインを試行して失敗した場合、自動的にブロックします。4分間隔以下を検出できます。この場合、12分間で3回間違えるとブロックされます。自分がログインする場合も同様なので、少ない回数の3回については注意が必要です。

    • ログイン試行回数(Login Attempts) : 3 回
    • その時間範囲 (Within) : 12 分

    例2

    例1は、4分間隔のログイン思考を前提にしましたが、不正アクセス者は検知をさせるためには、間隔を更に長くすることも考えられます。

    そこで修正して、各値を約3倍にを考えてみます。60分間の間で、10回のログイン試行のブロックを考えます。この場合、60分間以内に、10回ミスするとブロックできます。自分がアクセスする場合、10もミスはしないと思います。また、不正アクセス者が、10回の限られた回数でID/PWを破れるとは考えられません。妥当な設定だと思います。ただし、この設定では、不正ログイン試行を6分に1以上のアタックに対しては、自動ブロックができません。

    この自動ブロックができない状態がそのまま続いたとして24時間経過後には、240回のログイン試行がおこなわれてしまいます。

    • ログイン試行回数(Login Attempts) : 10 回
    • その時間範囲 (Within) : 60分
    • 自動ブロックができない最悪のケースでは、24時間後には、240回のログイン試行を許してしまう

    例3

    例2の、10回、60分の設定では、最悪の場合、24時間後には、240回のログイン試行を許します。

    そこで、10回のミスは、自分もあり得ると許容して、時間をもう少し考えます。24時間以内に10回ミスしたら、自動ブロックするようにすればどうでしょうか。

    自分がログインする時、1日の内に連続して10回もミスはしません。10回、24 x 60 =1440分の設定を最終案として考えてみましょう。

    不正ログイン試行が、この設定を最悪逃れられた場合、1日(24時間、1440分)で10回を許すことになります。1日で10回ということは、1週間で70回の試行回数になります。

    Log Centerの確認を毎日行えば、10回の試行回数で発見できます。1週間毎の確認であれば、70回の試行回数で発見できることになります。なかなか、リーズナブルな設定値になってきました。これを最終提案とします。

    • ログイン試行回数(Login Attempts) : 10 回
    • その時間範囲 (Within) : 1440分
    • 自動ブロックができない最悪のケースでは、24時間後には10回、1週間では70回ののログイン試行を許してしまいますが、それ以外は自動ブロックできます。
    • 妥当な設定であると判断しました。

    設定の効果

    ログイン制限の設定は、12分-3回に設定してみました。今、まだ、不正ログイン施工を実行中(bot)ですが、以下の様に、3回のログイン試行により、自動的にブロックされたことが、Log Centerのログから確認できました。

    図3. 自動ブロックされたことを確認

    メール通知

    NASシステムの通知方法として、メールアドレスを設定しているなら、前述の設定で、自動ブロックされた時には、メールで通知がきます。

    図4. 自動ブロックされたると携帯に通知がくる

    永遠にブロックする

    自分がブロックされることもあると思います。そこで、自動ブロック期間は、1日にしています。

    自動ブロックの通知が届いた場合は、自分に関係しないIPアドレスは,設定から永遠にブロックしておきます。

    コントロールパネル → セキュリティ→ アカウント→ブロックリスト

    ブロックリストには、自動的にブロックしたIPアドレスがリストされていので、そのIPアドレスを控えておき、作成したブロックリストを改めて作成します。上書きするか聞いてきますが、気にせず上書きして、永遠にブロックします。

    自動ブロックの通知が届いた場合は、設定から永遠にブロックしておきます。

    図5. ブロックリストに永遠にリストしておく

    まとめ

    1回目の「Brute-force-attack」と思われる不正アクセスの心込みについは、新型コロナウイルスのため、自宅待機していたことで気が付けましたが、これまでの少なくとも6ヶ月間、不正アタックを放置していたことになります。

    ざっくり計算してみると,3日間で3分間隔の不正ログイン試行では、その総試行回数は、3 × 24 × 60 ÷ 3 = 1,440回です。

    それをこの半年間で、少なくとも5回行われていたので、1,440 x 5 = 7,200回の不正ログイン試行を許してしまったことになります。

    Log Centerは、週に2回は見ていましたが、今思えば、なんの基準もなく漫然と見ていました。今回は、それでも偶然見つけた訳ですが、大事になる前で良かったと思います。

    Log Centerは、最初に設定した時や設定を変更した時には、しばらくは、できれば毎日見た方が良いですし、今回の教訓から特にWarningは、文字通り注意して見る必要があります。特に,同じIPアドレスが何度も記録されていることは要注意です。

    前述した「例3」の設定では、24時間で10回以上、または、1週間で70回以上のログイン試行を同じIPアドレスからされた場合に自動ブロックできます。

    もしも、自動ブロックが出来ない間隔で不正ログイン試行をされた場合でも、毎週1回のLog Centerの確認によリ、最悪でも70未満の試行回数で発見できます。もちろん、毎日のLog Centerの確認により、10回未満の試行回数で発見できます。

    勿論、少ない回数で鍵を開けられない程度の複雑なPW設定を前提にしています。攻撃者に対して、決して、宝くじの当たる確率を上げないように運用していきたいものです。

    Synology Routerの設定

    以上の設定は、Synology Routerにも同様に設定できるので、それぞれがターゲットとなっても大事に至らないよう、同様に設定しておきます。

    • ネットワークセンター → セキュリティ → 自動プロック

    まとめ

    レンタルサーバーを使わず、自前のマシンを使っってBlogをしたり、ホームサーバーとして構築していたとしても、外部からのアクセスを許して運用している御同輩の皆さんは、一般ユーザーとは異なり、私もそうですが、茨の道を進んでいるのです。

    防御能力は攻撃能力よりも重要です。しっかり「マイホーム」を守れるように日々精進したいと思います。

    以上

    編集履歴

    2020/06/05 はりきり(Mr)
    2020/06/06 追記(例3)
    2021/01/22 文言整備、図の追加
    2022/11/20 文言整備
  • [用語] Brute-Force-Attack [security]

    [用語] Brute-Force-Attack [security]

    Brute-Force-Attack

    Brute-Force-Attack; ネットワークのセキュリティ関連用語。アニメ「ポパイ」のライパル「ブルート」は腕力があり悪者。ネットワークの世界では、力任せな攻撃、総当たり攻撃のことを指す。

    ログイン画面に、UIDとPWを色々と入力して総当たりの攻撃は、Brute-Force-Attackにあたる。

  • [Synology] サイバー攻撃の種類と対策概要 – Fire Wall、IDS/IPS、WAF – RT2600acにはThreat Preventionがある [2021/04/09]

    [Synology] サイバー攻撃の種類と対策概要 – Fire Wall、IDS/IPS、WAF – RT2600acにはThreat Preventionがある [2021/04/09]

    Webサイトへのサイバー攻撃の種類

    抗原の種類と概要については,参考ぺー字 「サイバー攻撃の種類とWebセキュリティ, CyberSecurityTIMES」sourceを参考にしました.ここの攻撃の詳細については,それぞれ別のページを参考にしました.

    SQLインジェクション攻撃

    • 攻撃概要 : Webサイトの入力フォームなどに不正な文字列を入力し送信することで,データベースへの不正アクセスを試みる攻撃.もしもウェブアプリケーションに脆弱性があるとSQL文が実行されてしまう.
    • 攻撃手段 : SQL文を送信
    • 攻撃対象 : Webサーバの裏にあるデータベース。NASにWordPressを構築している場合、MariaDBなどのデータベースが標的になります
    • 被害内容 : データベース内の機密情報の漏えい、ファイルの改ざんや消去.
    • 対策 : Synologyでは、RouterのRT2600acのパッケージにIPSの「Threat Prevention」があり、これで対応できます

    安全なウェブサイトの作り方 – 1.1 SQLインジェクション – IPA

    https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity-HTML-1_1.html

    OSコマンドインジェクション攻撃

    • 攻撃概要 : Webサイトの入力フォームなどに不正な文字列を入力し送信し悪意のあるコマンドを実行
    • 攻撃手段 : 実行可能な命令文
    • 攻撃対象 : OS
    • 被害内容 : 情報漏えい、データの改竄
    • 対策 : ファイルのアクセス権の設定(パーミッション)。アクセス権が「777」では誰でも読み書き及び実行されるため、自分が実行することが無ければ少なくとも「644」にします。
    drwxrwxrwx
    ディレクトリ読み書き実行読み書き実行読み書き実行
    自分自分自分グループブループグループ他人他人他人
    自分、グループおよび他人に、それぞれrwxが設定される。r:read, w:write, x:excecute。16進数表記で、rwxは、0/1の値をとり、1が有効/0が無効。111は十進表記で4+2+1 = 7。

    安全なウェブサイトの作り方 – 1.2 OSコマンド・インジェクション – IPA –

    https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity-HTML-1_2.html

    LDAPインジェクション攻撃

    • 攻撃概要 : LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)というディレクトリサービスへの不正リスクエストによりユーザー権限奪取
    • 攻撃手段 : 不正なリクエストの送信
    • 攻撃対象 : 正規ユーザーの権限、セキュリティホール
    • 被害内容 : LDAPは、サーバやアプリケーション、パソコン等のネットワークに接続する機器を一元管理しているため、多岐に及ぶ
    • 対策 : 攻撃対象に関するセキュリティ改善,一般的なセキュリティ対策

    StorageTek Virtual Storage Manager GUI ユーザーズガイド – Oracle –

    https://docs.oracle.com/cd/E80554_01/VSMGU/ldap001.htm

    DoS/DDoS攻撃

    • 攻撃概要 : 膨大なトラフィックを送りつけてサーバーをダウンさせる嫌がらせ
    • 攻撃手段 : 大量のトラフィック、多数のPCからの送信
    • 攻撃対象 : ネットワークサーバー
    • 被害内容 :ネットワーク帯域、CPU、メモリ、ディスクの枯渇によるサービス停止
    • 対策 : Synology NASのDSMの設定に、DoS対策の設定があります

    クロスサイトスクリプティング攻撃

    • 攻撃概要 : 掲示板サイトなどへの投稿にリンクの埋め込みにより、サイト閲覧者からフィッシング
    • 攻撃手段 : 投稿
    • 攻撃対象 : そのWebサイトを閲覧するユーザー
    • 被害内容 : 偽ページへ誘導、個人情報を窃取の危険、ブラウザ上から取得可能なユーザコンピュータ上の情報(Cookie等)などの漏洩
    • 対策 : 一般的なセキュリティソフト(ウイルスバスターなど)

    ディレクトリ・トラバーサル攻撃

    • 攻撃概要 : 公開(許可)していないファイルを、推測されやすいディレクトリに当たりをつけて探し、セキュリティホールなどからアクセス権を奪取
    • 攻撃手段 : 簡単に推測されやすいディレクトリのファイルを探す
    • 攻撃対象 : Webサーバ
    • 被害内容 : ファイルの閲覧や改ざん
    • 対策 : 推測され難いディレクトリ名にしたり、パーミッションの適正設定

    ドライブバイダウンロード攻撃

    • 攻撃概要 : 悪意のあるファイルをアップロードして、サイトのユーザーを踏み台にする
    • 攻撃手段 : 仕掛けたプログラムを閲覧したユーザにウイルスを感染させる
    • 攻撃対象 : ユーザがよく利用するWebサイト(企業、団体)
    • 被害内容 : アクセスユーザーのウイルス感染
    • 対策 : 不用意にダウンロードしたファイルを実行しない。ウイルスソフトによる検査

    ゼロデイ攻撃

    • 攻撃概要 : セキュリティパッチ情報を取得後、パッチを当てていないサイトを探して、その脆弱性を攻撃
    • 攻撃手段 :ベンダーからセキュリティパッチ(修正プログラム)が適用されるまでの期間で、その脆弱性を攻撃
    • 攻撃対象 : サーバ、OS、ミドルウェア、アプリケーションなど全てのプログラム
    • 被害内容 : 脆弱性に関わる不正アクセス被害、改竄被害など
    • 対策 :初期バージョンでは不安定な場合も多く、それが二の足を踏む大きな理由です。しかし、ソフトウェア更新は、セキュリティ面では、即実施するべきです。

    パスワードリスト攻撃

    • 攻撃概要 : 不正入手したID・パスワード情報によるログイン試行して権限を奪取
    • 攻撃手段 : ID・パスワード情報(ネットにはリストが出回っている)によるログイン試行
    • 攻撃対象 : ログインが可能な全てのサーバー
    • 被害内容 : 不正アクセスによる情報漏洩、改竄、データ破壊
    • 対策 : Synology NAS、Routerには、ログインの失敗について、同じIPアドレスからのものは、その失敗回数と期間を指定してロックアウトすることができます

    ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)

    • 攻撃概要 : ID・パスワードによるユーザー認証を手当たりしだいに試行して権限を奪取
    • 攻撃手段 : 手当たりしだいのログイン試行
    • 攻撃対象 : ログインが可能な全てのサーバー
    • 被害内容 : 不正アクセスによる情報漏洩、改竄、データ破壊
    • 対策 : SynologyのNAS製品およびRouter製品には、ログインの失敗について、同じIPアドレスからのものは、その失敗回数と期間を指定してブロックすることができます。

    Webセキュリティ対策

    一般論の脆弱性とその対応・知識

    • ローカルネットワークに、htmlサーバーをインストールしてほったらかしにしているNASやPCはないか
      • デフォルトのindex.htmlの存在は脆弱性がある → サーバーのuninstall
      • ただし、Haney potとして、攻撃者の手口をLogから知るために、あえて設定しておくこともできる
    • 例えば、Haney potののLog
      • editBlackAndWhiteList : サーバーのAPI
        • NVR, DVR, IPC機器などの脆弱性に関連
      • 遠隔でsetup.phpの起動を試みている
        • 権限を設定できていないと遠隔でSetupが起動されてしまう。
        • 起動されると初期設定される
        • DBのphpMyAdminの起動がされると危険
        • その他setup.phpも当然、起動されると危険

    状況の把握

    不正アクセスを仕掛けているIPアドレスから、その住所や会社名などを調べます。

    対策 – アクセス拒否の設定

    • ローカル・アドレスへのアクセスを拒否 (ドメインのみにする)
      • NGINXの場合の設定
        location / { root /user/share/nginx/html; index index.html index.htm;}

        location / { return 444;}
      • Apache HTTP Server 2.4の場合の設定
        <VirtualHost _default_:80>内にある
        <Location /> </Location>の中に
        Require all deniedを挿入する
    • 実行ファイルをURL経由で実行させない設定にする
      • アクセス拒否する設定
      • 代替の実行ファイルを実行させる設定
    • Webの公開ディレクトリはデフォルトにしない
      • redirect
      • 実行ファイルは公開ディレクトリの外に置く

    参考 : Webサーバーに対するアタックについて、以下のサイトの記事を参考にさせて頂きました

    https://www.cman.jp/network/support/ip.html

    対策 – SSLの設定

    • SSLとは通信情報の暗号化に関する仕組み
    • ヒトが読むことができるコードで通信、すなわち平文では、第三者に傍受されて内容が把握されるリスクがある(パケットキャプチャ)
    • そこで、通信内容を暗号化すれば、パケットキャプチャのリスクは、その分低くなる(通信元、通信先、通信プロトコルなど一部確認は可能)
    • 一般的に使われている暗号化手法(プロトコル)にSSLがある
    • Webサーバでは、httpにsが付いた「https://」がSSL対応になっています。
    • 自宅のNASにWordPressを立ち上げている場合、SSL対応にするには、第三者の証明書の取得が必要
    • Synology NAS, Router製品では、Webサーバにhttpsを強制的に使用するように設定が可能です。また、httpsを使えるようにするには、第三者証明書が必要です。無料である「Let’s Encrypt」が世界中で数億が発行されています。有料版は、個人では必要ない時代になりました。

    対策 – ファイアウォール (FW)

    • ファイアウォールというプログラムのサーバーをネットワークの出入り口(ポート)に設置
    • 防御に有効な攻撃
      • ポートスキャン
    • 設定したルールに基づいて許可する通信、不許可による制御の実施
    • この制御をパケットフィルタリングという
    • このルールを記述したものをACL(Access Control List)と呼ぶ
    • 指定したサイトやソフトウェアによるネットワーク接続について、拒否・許可が可能
    • ルールで許可したもの以外は、接続できないため、組織のネットワーク利用ポリシーに反する(仕事に必要でない)通信(P2P,etc)を防ぐことが可能
    • 通信ルールの範囲でのサイバー攻撃は可能なため、「なりすまし」の不正アクセスは当然可能
    • ファイアウォール以外の対応も必要
    • IDS/IPS(不正通信防御/検知システム)やWAFなどの併用
    • SynologyのNAS/Router製品での設定
      • Fire Wallの設定により地域をフィルターする
        • ファイアウォール・プロファイルの「規則の編集」
        • 安全を期するために、「可能」の設定として、全てのポート、全てのプロトコルに対して、可能な地域を「日本」に設定。ただ、これでは、その他全てを拒否したことにはなりません
        • 更に、日本以外の設定を「拒否」にする
        • SMBで使用するポート445 (そのほか137~139)にアタックするパケットは非常に多いref。Synology RT2600acのアプリであるThreat Preventionは、SMBでのアクセスを自動でドロップ(排除)してくれる。Fire Wallでの設定でも可能。
      • ポート転送の設定でも対応できます
        • プライべートでの通信では、ポート設定は自由に行えるので、例えば、ポート80は内部だけに通じるようにしておき、インターネットでは8080やその他、なんでも良いので、ポート番号を設定することで、あるサービスが、デフォルトでないポート番号となり、アタックされにくくはなります。

    対策 – IDS/IPS

    参考 : 「WAFとIPS/IDSのちがいとは?, CyberSecurityTIMES」source

    • ローカルネットワークとインターネットの通信をリアルタイム監視する
    • 防御に有効な攻撃
      • SQLインジェクション
    • 不正アクセスを検知すれば、それを防御する
    • 防御方法
      • ネットワーク型
      • ホスト型
    RT2600acによる対処

    Synology Router RT2600acを使用しているなら、「Threat Prevention」パッケージを導入すれば、初期設定で危険なアクセスは、自動的にドロップしてくれます。

    この機能は、一般的に言うと以下でも紹介している「IPS」と言います。

    • IDS : Intrusion Detection System; 不正侵入検知システム
    • IPS : Intrusion Prevention System; 不正侵入防止システム

    対策 – WAF

    参考 : 「攻撃遮断くん」source

    WAF ; Web Application Firewall

    • 送信されるリクエストを解析し、不正な文字列を監視する
    • 防御に有効な攻撃
      • SQLインジェクション
      • パスワードリスト攻撃
      • クロスサイトスクリプティング
    • 「攻撃遮断くん」という有料のソフトがあります。
    • Synologyでこの機能に相当する無料のパッケージがあります。RT2600acに適用する「Safe Access」です。

    まとめ

    自宅にNASを置き、さらにWordPressも置いているオーナーにとっては、レンタルサーバーを利用したWordPress設置と比較して、セキュリティ対策を考慮することは重要です。サイバー攻撃の種類を知って、その対策について知識を持つことは、常にセキュリティ対策を実施していがなければならないオーナーとしては、必須の知識です。

    これからも、セキュリティについては、知識のアップデートをしていきたいと思います。

    以上

    サイバー攻撃を更に深く知る

    以下のサイトには、キャノンによる高度サイバー攻撃対策について詳しい記事があります。

    高度サイバー攻撃対策 – Canon –

    https://eset-info.canon-its.jp/business/threat-solution/?utm_source=facebook&utm_medium=cpc&utm_campaign=edr_edtd&fbclid=IwAR1_IjW1DRA8L3opO993WGh0m0T_YPfVLxTOfmAQnjEyNT46-QF-kBJKvbQ#anc03

    編集履歴

    2020/03/20 Mr.HARIKIR
    2020/08/16 追記 (サイバー攻撃の種類、対策)
    2020/12/04 追記 (高度サイバー攻撃対策 ~ Canon ~)
    2021/04/09 追記 (SMB;ポート137~139,445について、その参照文献)
    2022/09/05 追記 (IPAの脆弱性対策を追加)

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    Threat Preventionとは

    Synologyのパッケージ「Threat Prevention」は、IT業界における一般的な名称は、「侵入検知システム (IPS: Intrusion Prevention System)」です。

    攻撃を受けた

    Threat Preventionのログを眺めていると、少し怖いログが残っていました。調べてみると、Brute-Force-Attackと呼ばれる不正にアカウントを取得する総当たり攻撃であることがわかりました。

    Threat Preventionでは、アラート処理に留まっており、ドロップしていないことがログよりわかりました。何かの対応策が必要です。

    参考
    ブルートフォースアタックとは?実験から分かる危険性と有効な4つの対策

    https://japan.norton.com/brute-force-attack-9215

    攻撃内容

    その内容は、18:30から始まり、44分間で35回のWordPress Longin が試みられていて、どれも異なるIPアドレスからでした。

    最初は1分間隔で、後半は2分間隔の攻撃で、ログには、”ET POLICY Cleartext WordPress Login”とあり、以下の図の様に実行されていました。

    WordPressには、時間と回数によるセキュリティは掛けていました、IPアドレスが異なると機能しなはずです。

    35回程度でPWを破られることは無いと思われますが、2段階認証(2ステップ認証)も導入しておかないと危険であると判断しました。

    2019/11/24 はりきり(Mr)

    threat prevention

    CAPTCHの導入を考える

    このような攻撃に対処するreCAPTCHAプラグインをWordPressにインストールすることにしました(2019/11/24)。

    追記 (2019/11/24)

    Brute-force attack (参考1)と呼ばれるアカウント取得のハッキングのようです。多くのHTTP Brute Force Attack Toolは、ネット上に存在するポートが空いているプロキシサーバーのリストをもとに、そこを中継して攻撃をしてくるため、IP Addressが異なることが多いようです。

    このため、このプロキシサーバーのリストにあるIP Addressを全てブロックできればよいようですが、個人そこまでできません。

    デバイスCookie

    既知および未知のブラウザまたはデバイスからの認証試行を個別にロックアウトすることも検討できます。 デバイスCookieを使用したオンライン推測攻撃のスローダウンの記事(参考2)では、特定のブラウザーが既にログインに使用されているかどうかに関する情報に基づいて、ロックアウトメカニズムのプロトコルを提案しています。 このプロトコルは、単純なアカウントのロックアウトよりもDoS攻撃の影響を受けにくく、効果的で実装が容易です。

    CAPTCHAの使用

    よくある写真で自転車だけ選びなさいとか言うやつです。パズルもありますね。

    最終的に、GoogleのreCAPTCHAを利用するWordPressのPlugin “Login No Captcha reCAPTCHA”をインストールしました。インストール方法は、TechMemoさんをご参照ください。

    Amazonに行く

    参考1

    Blocking Brute Force Attacks

    https://www.owasp.org/index.php/Blocking_Brute_Force_Attacks

    参考
    デバイスCookieを使用したオンライン推測攻撃の速度を落とす

    https://owasp.org/www-community/Slow_Down_Online_Guessing_Attacks_with_Device_Cookies

    参考3

    ブルートフォース攻撃のブロック

    https://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&u=https://www.owasp.org/index.php/Blocking_Brute_Force_Attacks&prev=search

    編集履歴

    2020/03/20 文言整備、用語整備、参考サイトの整備

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