タグ: 精製

  • [Bio-Edu] 遺伝子組換え大腸菌からタンパク質を精製する製造フロー概略 – ID6624 [2020/01/09]

    [Bio-Edu] 遺伝子組換え大腸菌からタンパク質を精製する製造フロー概略 – ID6624 [2020/01/09]

    製造方法の概要

    1. 大腸菌に目的蛋白質の遺伝子を導入
    2. 大腸菌の培養
    3. 刺激剤(IPTG)添加
    4. 低温培養
    5. 大腸菌の最大増殖(蛋白質は大腸菌内に蓄積)
    6. 蓄積した蛋白質は、立体構造が異常(Inclusion body)
    7. Inclusion bodyは不溶性
    8. 蛋白変性剤(塩酸グアニジン、尿素)により可溶化処理
    9. ランダムなSS結合を切断するために還元剤の添加
    10. 最大希釈により、添加剤の濃度を薄める
    11. 立体構造が再構成される不溶性から可溶性になる
    12. 緩衝液の置換処理
    13. 各種レジンによるクロマト精製
    14. 緩衝液の置換処理と濃度調整
    15. 原薬の分注

    以上

  • [rAAV-Edu] rAAV9の精製方法 – 特許, 2017 – ID2566 [2023/10/23]

    [rAAV-Edu] rAAV9の精製方法 – 特許, 2017 – ID2566 [2023/10/23]

    概要

    リコンビナントAAV(rAAV)の大規模精製方法に関する方法特許(Method Patent)です.

    精製のためのスタート原材料は,rAAVを発現した細胞培養上清です.

    精製ステップは,2段のクロマトグラフィーになっています.1段目には,高い塩濃度で吸着が可能な疎水クロマト,2段目には,低塩濃度で吸着が可能な陰イオンクロマトです.

    以上のステップにより,目的遺伝子を包含していな不要なウイルス粒子を効率的に除去可能であるとしています.

    rAAV9の精製条件

    当該特許は、現時点では「国際調査報告公開」です。

    特徴的なのは、pH10.2を採用していることです。タンパク質にとってpH8以上のアルカリ性は、タンパク質に良い条件ではありません。それと、システイン残基のSS結合が緩むのが、pH8から上のpHです。それをpH10.2を使っているのは、それでしか精製できないからでしょう。ある程度のタンパク質の劣化を許容しているということですが,劣化も精製度もコントロールできるのであれば,品質上問題ではありません.ただし,その結果が効力や副作用などに影響する場合は,投与の仕方を工夫する必要性が生じるでしょうか,それも臨床試験で確認していけばいよのです(Mr.Harikir, 2020/10/01)

    • Buffer A: 20mM Bis-Tris propane (BTP), pH10.2
    • washing: 10mM NaCl, 20mM BTP, pH10.2
    • gradient: 10mM to 190mM NaCl
    • correct rAAV9 by A260/A280 ratio monitoring

    クレーム

    1. AAV9の分離方法.pH10.2条件下の陰イオン交換クロマトグラフィーに吸着し、塩濃度勾配で溶出させA260とA280でモニタリングし、A280/A280の比率でAAV9 full capsideを回収
    2. A260/A280比が1未満から1以上になる
    3. 溶出ピークにおける伝導度が20mMから190mN NaCl相当となる
    4. AAV9中間体は50nM(50mMばはないのか、typo? 各所み見られる) NaCl相当で溶出する
    5. 不純物が10%未満
    6. 純度は少なくとも95%
    7. many more

    国際特許の権利発生までのフローは、このリンクを参照のこと。

    国際特許検索は、このリンクを参照のこと。使用方法は、このリンクを参照.

    特許庁 実務者向け説明資料は、このリンクを参照のこと.

    文献

    特許

    WO 2017/160360 A9, SCALABLE PURIFICATION METHOD FOR AAV9

    https://patents.google.com/patent/WO2017160360A9/en

    編集履歴

    2019/10/15 Mr.HARIKIRI
    2020/10/01 追記(pH10.2について)
    2023/10/23 追記(pH10でウイルスの品質に影響はあるだろうが,開発段階では問題にせずに,先に進むのが良い)
    2023/10/24 追記(概要)