欧米では
欧米における三役に相当する役職?
- 欧米においても、日本のGQP省令における「三役」と類似する役割が存在しますが、それぞれの役職や責任分担は、各国の規制や業界基準に基づいて異なる場合があります。以下に、欧米の医薬品品質管理体制における類似の役割を説明します:
- 1. 総括製造販売責任者(General Marketing Authorization Holder)
- 類似する役割: 欧州連合(EU)では、Qualified Person (QP) がこの役割に相当します。
- 役割: QPは、製造販売承認に基づき、製品が適切な規制要件(GMPや承認事項)に準拠して製造・流通されていることを保証します。
- 制度: 欧州医薬品指令(EU Directive 2001/83/EC)に基づき、QPは法定要件となっています。
- 2. 品質保証責任者(Quality Assurance Manager)
- 類似する役割: 欧米では、品質管理および品質保証業務は通常、Quality Assurance Manager (QA Manager) または Quality Control Manager (QC Manager) によって担われます。
- 役割: 製品が規定された品質基準を満たすことを保証するため、内部プロセスや手順の管理を行います。
- 補足: 欧州でも米国でも、ISO 9001やICH Q10(医薬品品質システム)などが基準となります。
- 3. 安全管理責任者(Safety Management Officer)
- 類似する役割: 欧州では、Pharmacovigilance Responsible Person (EU-QPPV: Qualified Person for Pharmacovigilance) がこの役割に対応します。
- 役割: 市販後の安全性データ(副作用や有害事象)の監視と、規制当局への報告を担当します。
- 米国での類似職: 米国では、Pharmacovigilance Manager や Safety Surveillance Manager などが同様の責任を負うことがあります。
- まとめ
- 欧米では、日本の「三役」に完全に一致する役職はありませんが、Qualified Person (QP) や Pharmacovigilance Responsible Person (EU-QPPV) など、日本の役割と類似した重要なポジションが設けられています。また、それらの役職は、欧州連合(EU)や米国食品医薬品局(FDA)の規制に準拠して、それぞれの国で運用されています。
製販がGQP省令に従った最低限必要な運用文書
GQP省令に即して製造販売業者(製販)が適切な品質管理体制を運用するためには、以下の文書が最低限必要です。これらの文書は、GQP省令で求められる各項目に対応し、品質管理業務の実施と記録を確実にするために重要です。
1. 品質標準書(Quality Standard Document)
- 目的: 製品ごとの品質基準や試験方法、承認事項を記載。
- 記載内容:
- 製品の承認事項(製品の一般名、成分・分量、効能効果など)。
- 試験方法と基準。
- 製造工程に関する取り決め。
- 市場出荷判定基準。
2. 品質管理手順書(Quality Management Procedures)
- 目的: 各業務の実施手順を文書化。
- 記載内容:
- 市場出荷管理手順書:
- 出荷判定の基準と手順。
- 出荷記録の管理方法。
- 品質不良処理手順書:
- 品質不良の報告、調査、是正措置(CAPA)までのプロセス。
- 製品回収手順書:
- 回収の判断基準、実施手順、記録管理方法。
- 市場出荷管理手順書:
3. 製造業者および試験機関との取決め文書
- 目的: 製造委託や試験委託の管理を適切に行うための取り決め。
- 記載内容:
- 委託先との責任分担。
- 製造および試験データの提供方法。
- GMPやGLPの遵守に関する取り決め。
4. 教育訓練記録
- 目的: 品質管理業務に従事する職員が適切な知識とスキルを持つことを保証。
- 記載内容:
- 実施した教育訓練の内容。
- 参加者名と実施日。
- 理解度や評価結果。
5. 自己点検記録
- 目的: 定期的な自己点検を実施し、品質管理の適切性を確認。
- 記載内容:
- 点検項目と実施日時。
- 点検で見つかった不備や改善事項。
- 是正措置(CAPA)の実施状況。
6. 変更管理記録(Change Control Document)
- 目的: 製品やプロセスの変更が品質に与える影響を管理。
- 記載内容:
- 変更内容の詳細。
- 変更の理由とリスク評価。
- 実施後の確認結果。
7. 文書および記録の管理規程
- 目的: 品質管理に関する文書および記録を適切に保管・管理。
- 記載内容:
- 文書や記録の作成、改訂、廃棄の基準。
- 保管期間と保管方法。
これらの文書は、GQP省令に基づく運用を実現し、製販業者が市場に安全で有効な製品を提供するために必要不可欠です。また、文書の整備だけでなく、これらを活用した実効的な管理体制の運用も重要です。
GQP省令の条文の解説
委託先との品質取り決め書(quality agreement)など契約書には,取決めの背景や根拠法など記載する必要があり,どの法律のどの条項であるかを記載するには,以下のレジメが役に立つ.例えば,製造業者との取決めについては,GQ背省令(7条)であることが分かる.
・医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(◆平成16年09月22日厚生労働省令第136号)
1章. 総則(第1条~第2条)
- 趣旨: GQP省令の目的を明確にし、品質管理の基準を定めることを規定しています。
- 定義: 「品質管理業務」や「市場への出荷」など、GQP省令で使用される用語の定義を示しています。
- 品質管理業務
- 医薬品
- 医薬部外品
- 医薬品等(医薬品,医薬部外品,再生医療製品)
- 医薬品等の市場への出荷の管理
- 製造業者
- 医薬品等外国製造業者 (法13-3-1)
- 再生医療等製品外国製造業者 (法23-24-1)
- 市場への出荷
- ロット
- 細胞組織医薬品
2章. 医薬品の品質管理の基準(第3条~第16条)
2.1 総括製造販売責任者の責務(第3条)
- 製造販売業者は医薬品等総括製造販売責任者に以下の業務を行わせる
- 品質保証責任者を監督し、品質管理業務を適切に実施する責任を負う
- 品質保証責任者からの報告(意見を尊重)に基く措置・決定し,品質保証部門等,責任者に指示する
- 品質保証部門と安全管理統括部門,その他品質管理業務に関係する部門との密接な連携を図らせる
2.2 品質管理業務に係る組織及び職員(第4条)
- 品質管理業務を適切に遂行するための組織体制や人員の確保を求めています。
- 品質保証部門の設置(人員と能力)と販売部門からの独立性
- 品質保証責任者の設置(部門内に設置, 品質管理業務その他これに類する業務に3年以上従事した者,能力,販売部門に属さない
- 製販は,品質管理業務に関して管理体制を文書化すること
2.3 品質標準書(第5条)
- 製品ごとに品質標準書を作成し、製造販売承認事項や品質に関する必要な事項を記載することを規定。
- 以下内容精査途中
2.4 品質管理業務の手順に関する文書(第6条)
- 市場出荷管理、品質不良処理、回収処理、自己点検、教育訓練などの手順を文書化することを求めています。
- この条項は,品質管理手順書の策定が必要であるとこを示している.
2.5 製造業者等との取決め(第7条)
- 製造販売承認を受けた製販が,製造業者や試験機関との間で、製造管理や品質管理に関する取り決めを行うことを規定。
- この条項は,品質取決めに関する契約書の締結が必要であることを示している.
2.6 市場への出荷管理(第9条)
- 市場に出荷する製品が適切な品質であることを確認する手順を規定。
2.7 品質不良等の処理(第11条)
- 品質不良が発生した場合の対応手順や原因調査を規定。
2.8 回収処理(第12条)
- 製品の回収が必要な場合の手順を規定。
2.9 自己点検(第13条)
- 品質管理業務の適切性を確認するための定期的な自己点検を求めています。
2.10 教育訓練(第14条)
- 品質管理業務に従事する職員に対する教育訓練を実施することを規定。
2.11 文書及び記録の管理(第16条)
- 品質管理に関する文書や記録を適切に管理し、必要に応じて更新することを求めています。
3章. 医薬部外品及び化粧品の品質管理の基準(第17条~第20条)
- 医薬部外品や化粧品に特化した品質管理基準を規定しています。
- 医薬品の品質管理基準を準用しつつ、製品特性に応じた調整が行われています。
4章. 再生医療等製品の品質管理の基準(第21条)
- 再生医療等製品に関する特別な品質管理基準を規定しています。
- 製品の特性に応じた品質管理が求められます。
5. 附則
- GQP省令の施行に関する詳細を記載しています。
- 施行日,経過措置,過渡的措置,例外規定
これらの項目は、製造販売業者が製品の品質を確保し、市場に安全で有効な製品を提供するための基準を包括的に示しています。