ICH Sシリーズは何番まであるのかな? [2025/05/06]

ICH Sシリーズ

ICHのSシリーズ(Safety:安全性)ガイドラインは、S1からS13まで存在します。枝番も含めると17あります.以下に、各ガイドラインの番号、タイトル、および概要をまとめます。​

番号タイトル概要
S1A医薬品の発がん性試験の必要性に関するガイドライン医薬品の発がん性試験を実施すべき条件を定義し、不必要な動物試験を避けることを目的としています。
S1B医薬品の発がん性試験に関するガイドライン発がん性試験の実施方法や代替試験法についての指針を提供し、ヒトへのリスク評価を支援します。
S1C(R2)医薬品の発がん性試験における用量設定に関するガイドライン発がん性試験における高用量の選択基準を示し、試験デザインの最適化を図ります。
S2(R1)ヒト用医薬品の遺伝毒性試験およびデータ解釈に関するガイドライン遺伝毒性試験の標準的なバッテリーとデータ解釈の指針を提供し、遺伝毒性リスクの評価を支援します。
S3A毒性試験における全身曝露の評価:トキシコキネティクスに関するガイドライン毒性試験における全身曝露の評価方法を示し、トキシコキネティクスの重要性を強調しています。
S3B繰り返し投与組織分布試験に関するガイドライン繰り返し投与後の組織分布試験の必要性と実施方法についての指針を提供します。
S4動物における慢性毒性試験の期間に関するガイドライン齧歯類および非齧歯類の慢性毒性試験の適切な期間を定め、試験デザインの標準化を図ります。
S5(R3)ヒト用医薬品の生殖および発生毒性の検出に関するガイドライン生殖および発生毒性試験の設計、実施、データ解釈に関する包括的な指針を提供します。
S6(R1)バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床安全性評価に関するガイドラインバイオテクノロジー由来の医薬品に特有の非臨床安全性試験の要件と方法論を示しています。
S7Aヒト用医薬品の安全性薬理試験に関するガイドライン安全性薬理試験の一般的な考え方と実施方法についての指針を提供し、薬理学的リスクの評価を支援します。
S7Bヒト用医薬品によるQT間隔延長の可能性に関する非臨床評価ガイドライン医薬品がQT間隔を延長させる可能性を非臨床試験で評価するための指針を提供します。
S8免疫毒性試験に関するガイドライン免疫系への影響を評価するための試験デザインと実施方法についての指針を示しています。
S9抗がん剤の非臨床評価に関するガイドライン抗がん剤特有の非臨床試験の要件と実施方法についての指針を提供します。
S10光安全性評価に関するガイドライン医薬品の光毒性リスクを評価するための試験方法とデータ解釈の指針を示しています。
S11小児医薬品の非臨床安全性試験に関するガイドライン小児向け医薬品の非臨床安全性試験の設計と実施に関する特有の考慮事項を提供します。
S12遺伝子治療製品の非臨床バイオディストリビューションに関するガイドライン遺伝子治療製品の体内分布を評価するための非臨床試験の考慮事項を示しています。
S13オリゴヌクレオチド系治療薬の非臨床安全性試験に関するガイドラインオリゴヌクレオチドを基盤とする治療薬の非臨床安全性試験の設計と実施に関する指針を提供します。

これらのガイドラインは、医薬品の安全性評価における国際的な調和を目的としており、各ガイドラインの詳細や最新情報については、ICHの公式ウェブサイトをご参照ください。


ICH Sシリーズ(S1〜S13)の分類一覧

分類カテゴリ該当ガイドライン主な内容(簡略)
① 発がん性・遺伝毒性評価S1A:発がん性試験の必要性
S1B:発がん性試験の設計
S1C(R2):発がん性試験の用量設定
S2(R1):遺伝毒性試験と評価
ヒトへの発がん・遺伝毒性リスクの評価に関する指針(試験の必要性・設計・評価方法など)
② 毒性試験の設計・評価S3A:毒性試験における曝露評価(トキシコキネティクス)
S3B:組織分布試験
S4:慢性毒性試験の期間
S5(R3):生殖・発生毒性試験
毒性試験の実施方法、試験期間、用量設定、TK、組織分布、再生産毒性などの評価に関する指針
③ 特定医薬品・技術に対する非臨床評価S6(R1):バイオ医薬品
S9:抗がん剤
S13:オリゴヌクレオチド医薬品
特定の医薬品(バイオ医薬、がん治療薬、核酸医薬)に適した非臨床安全性試験の指針
④ 安全性薬理・心毒性評価S7A:安全性薬理試験の原則
S7B:QT延長の非臨床評価
主要臓器(心血管、中枢など)への影響を評価する薬理試験や心毒性(QT延長)評価の指針
⑤ その他特殊評価領域S8:免疫毒性
S10:光毒性(光安全性)
S11:小児向け非臨床試験
S12:遺伝子治療製品の体内分布
特殊毒性領域(免疫、光、遺伝子治療、小児医薬品)に関する非臨床安全性評価の指針

📝 一覧で見たい方へ(ガイドライン別分類表)

ガイドライン分類カテゴリ内容概要(簡略)
S1A発がん性評価発がん性試験の要否判断
S1B発がん性評価試験方法の選択(1年間試験 vs 2年間試験など)
S1C(R2)発がん性評価発がん性試験の用量設定原則
S2(R1)遺伝毒性評価試験バッテリー・解釈の標準化
S3ATK評価トキシコキネティクス(毒性試験での曝露評価)
S3B分布評価組織分布試験(繰り返し投与後)
S4慢性毒性試験齧歯類・非齧歯類の試験期間標準
S5(R3)生殖毒性評価発生毒性、生殖毒性の設計と評価
S6(R1)バイオ医薬品バイオ製剤の非臨床評価指針
S7A安全性薬理一般的な薬理試験(循環器、中枢、呼吸など)
S7BQT評価QT間隔延長の非臨床評価(心毒性)
S8免疫毒性免疫系への毒性評価指針
S9抗がん剤抗がん剤特有の非臨床安全性試験の方針
S10光毒性光安全性評価の試験と解釈
S11小児評価小児医薬品の非臨床評価(成長・発達等)
S12遺伝子治療遺伝子治療製品のバイオディストリビューション試験
S13オリゴ系医薬品オリゴヌクレオチド医薬品の安全性試験

🧭 分類まとめ

分類カテゴリ該当ガイドライン
発がん性・遺伝毒性S1A, S1B, S1C, S2
一般毒性試験・評価S3A, S3B, S4, S5
特定医薬品の評価S6, S9, S13
安全性薬理S7A, S7B
特殊領域(免疫、光、小児、遺伝子治療)S8, S10, S11, S12

編集履歴

2025/05/6 Mrはりきり with ChatGPT