🔹 ICH Mシリーズ一覧(M1〜M13)
番号 | タイトル | 内容(概要) |
---|---|---|
M1 | メディカルタームとコードの統一 | MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities)の使用 |
M2 | 電子的標準とインフラの調整 | 情報交換のための電子的手法の調整(例:電子提出) |
M3 | 非臨床安全性試験のタイミング | 開発段階に応じた非臨床試験の実施タイミング |
M4 | 共通技術文書(CTD) | 承認申請書類の構造と内容(M4Q/M4S/M4Eに細分化) |
M5 | 医薬品のメタデータに関する調和 | 医薬品情報の標準化(例:ID・コードなど) |
M6 | バイオアナリティカルメソッドの検証 | 分析法のバリデーションに関するガイドライン |
M7 | DNA変異誘発物質の管理 | 遺伝毒性不純物のリスク評価と管理 |
M8 | 電子的共通技術文書(eCTD) | CTDの電子提出フォーマットに関する仕様 |
M9 | バイオアベイラビリティおよびバイオイクイバレンス試験 | 生物学的同等性試験に関するガイド |
M10 | バイオアナリティカルメソッドの妥当性確認 | M6のアップデート的内容で、詳細化・国際調和を強化 |
M11 | 臨床試験プロトコルの標準化 | 試験計画書(プロトコル)フォーマットの国際調和 |
M12 | 薬物相互作用試験の評価 | DDI(Drug-Drug Interaction)に関する国際的な評価手法 |
M13 | 生物学的同等性試験の設計 | 生物学的同等性試験の統計的設計(草案段階) |
参考
ICHのガイドラインは、テーマによって以下のように分類されており、それぞれに頭文字がつけられています:
項目 | 略号 | 内容 |
---|---|---|
品質 | Q(Quality) | 医薬品の化学的・製造的な品質に関するガイドライン |
安全性 | S(Safety) | 非臨床(動物)試験などの安全性に関するガイドライン |
有効性 | E(Efficacy) | 臨床試験など有効性に関するガイドライン |
学際的事項 | M(Multidisciplinary) | 上記3つにまたがる、または共通の技術的事項に関するガイドライン |
Multidisciplinary : 学際的(いろいろな学問に関わること)
📌 備考
- 一部のガイドラインは最終版(Step 4)ですが、M13などはまだ**草案(Draft)**段階にあります。
- ICHはガイドラインの内容を定期的にアップデートしており、番号が飛んでいることもあります(例:M5→M6)。
🔹 ICH Mガイドライン(M1〜M13)の分類一覧
分類カテゴリ | ガイドライン | 内容概要 |
---|---|---|
① 用語・データ標準関連 | M1 | MedDRA:医薬用語・コードの国際標準化 |
M5 | 医薬品識別情報などのメタデータ標準化 | |
② 電子的提出・情報共有関連 | M2 | 電子的情報交換のインフラ(例:eCTD等の技術調整) |
M8 | eCTD(電子共通技術文書)の技術仕様 | |
③ CTD関連 | M4 | 共通技術文書(CTD)の構成(M4Q, M4S, M4E) |
④ 非臨床・臨床開発設計ガイドライン | M3 | 非臨床試験の実施タイミング(治験前・臨床移行時など) |
M11 | 臨床試験プロトコルの国際フォーマット化 | |
M12 | 薬物相互作用試験(DDI)の評価手法 | |
⑤ バイオアナリティカル関連 | M6 | バイオアナリティカル法のバリデーション指針(旧版) |
M10 | バイオアナリティカル法の国際的バリデーション(M6の発展) | |
⑥ 生物学的同等性試験(BE試験)関連 | M9 | BE試験の評価と統計的扱い |
M13 | BE試験の設計と統計解析(M9の補足・拡張) | |
⑦ 毒性・リスク評価関連 | M7 | 遺伝毒性不純物(DNA変異誘発物質)のリスク評価と管理 |
🧭 一覧から見えるポイント
- M4 は「CTDそのもの」に関する中心的ガイドライン。
- M8 はその電子版「eCTD」に関する技術ガイド。
- M6 / M10 / M9 / M13 は、バイオアナリティカル評価やBE試験など「定量・比較系の試験」に関する内容。
- M3 / M11 / M12 は「開発設計」や「試験実施方針」などに関する指針。
- M7 は毒性リスクの管理という少し特殊な分類。
ICH(医薬品規制調和国際会議)のMシリーズガイドラインは、M14以降も策定が進められています。
🔹 M14ガイドライン
- タイトル:「医薬品の安全性評価のためのリアルワールドデータを活用した薬剤疫学研究の計画、設計、解析に関する一般原則」
- 概要:このガイドラインは、リアルワールドデータ(RWD)を用いた非介入型薬剤疫学研究の計画、設計、解析に関する国際的な調和を目的としています。U.S. Food and Drug Administration+5U.S. Food and Drug Administration+5gmp-compliance.org+5
- 進捗状況:2024年5月21日にステップ2として承認され、現在はパブリックコメントを受け付けています。
🔹 M15ガイドライン
- タイトル:「モデルインフォームド創薬(Model-Informed Drug Development:MIDD)に関する一般原則」raps.org+5gmp-compliance.org+5database.ich.org+5
- 概要:このガイドラインは、薬物動態、薬力学、疾患進行モデルなどの数理モデルを活用して、医薬品開発の効率化と意思決定の質を向上させるための一般原則を示しています。
- 進捗状況:ステップ2bとして承認され、現在は科学的ガイドラインとして検討が進められています。 European Medicines Agency (EMA)
📝 まとめ
ICHのMシリーズガイドラインは、M14およびM15が現在進行中であり、将来的にも新たなガイドラインが策定される可能性があります。これらのガイドラインは、医薬品の研究開発や規制における国際的な調和と効率化を推進することを目的としています。
編集履歴
2025/05/06 Mrはりきり with ChatGPT