カテゴリー: BIOLOGICS

  • [遺伝子治療] アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子治療薬 – 学者の承認済み/間近/臨床試験中 – ID1124 [2020/07/17]

    [遺伝子治療] アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子治療薬 – 学者の承認済み/間近/臨床試験中 – ID1124 [2020/07/17]

    AAVベクターによる遺伝子治療

    2020/7現在、承認及び間近の品目

    • Zolgensma (骨髄性筋萎縮症; Spinal Muscular Atrophy; SMA), Novartis-AveXis
    • Valrox (血友病A; Hemophilia A), BioMarin
      • 昆虫細胞を使用

    2020/6現在、臨床中

    • SPK-8011 (血友病A; Hemophilia A), Roche-Spark
    • SB-525 (血友病A; Hemophilia A), Pfizer-Sangamo Therapeutics連携 (2017/05~)sourceしていたが、現在は、Pfizerに引き継がれているsource
      • 昆虫細胞を使用
    • AMT-061, UniQure(血友病B; Hemophilia B)
      • 昆虫細胞を使用

    2003年の文献。

    http://jsv.umin.jp/journal/v53-2pdf/virus53-2_163-170.pdf

    編集履歴
    2020/01/22 Mr.HARIKIRI
  • [Bio-Edu] IgGの精製はProtein Aに対する親和性を利用する – 溶出バッファは何を使う? – ID7074 [2021/02/04]

    [Bio-Edu] IgGの精製はProtein Aに対する親和性を利用する – 溶出バッファは何を使う? – ID7074 [2021/02/04]

    IgGの精製

    IgGという蛋白質は、Protein Aという蛋白質に対して強い結合親和性を持っている。この原理を利用してIgGを特異的に吸着させて集めることを専門用語でキャプチャリングという。

    ヒトの皮膚などに常在しているStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌、以下S. aureus)の細胞表面から得られた蛋白質

    IgGの構造は、FabとFc領域の2つに大きく分けることが出来る。Protein Aは、そのFc領域に対して強い親和性を持っている。

    その理由は、IgGのFabは、免疫における細菌などを殺すための刃物のようなものであり、その向きを自分に向けさせないことで、自分を守るためと考えられる。

    Streptococcus(レンサ球菌)の細胞表面蛋白質もprotein Aと同様に抗体に結合するProtein Gという蛋白質が知られている。Protein Aと結合特性がことなることから、これら2つは、IgGのサブクラスに応じてつか分けられる。

    生化夜話 第31回:主語と目的語が逆でした – protein A

    https://www.gelifesciences.co.jp/newsletter/biodirect_mail/chem_story/111.html

    溶出バッファの種類は?

    タンパク質の溶解性については、acetic acid (酢酸)が高いことは知られているところです。pHに関して、acetic acidのpHは3~ですが、citric Acid (クエン酸)は、pH2程度と低くなります。

    伝導度に関して、acetic acidは、citric acidと比較して分子量が低いため、同じモル数でも低い伝導度になります。抗体は一般的に塩による伝導度が高いと疎水性が高まり凝集しやすくなります。以上の前提で、以下の参考文献を読み解きましょう。

    本文献では、10mM~100mMのcitric acidとacetic acidの濃度で溶出させて、そのプールした溶出画分のpHや回収される液量および溶出パターンを比較しています。一点気になっているのは、citric acidのpHが3としている点です。通常はpH2程度のはずなので疑問です。

    citric acidの溶出パターンは、ブロードになっているのが確認できます。この理由は、前述の前提から推測できす。citric acidは凝集しやすくなることが影響していると思われます。

    Citric acid or acetic acid?

    Understanding the impact of elution buffer on mAb purification processes – Merck Millipore –

    https://www.merckmillipore.com/Web-NZ-Site/en_US/-/USD/ShowDocument-Pronet?id=201510.174

    その他の溶出バッファ?

    血液中のTransferinをAnti Transferin抗体カラムでbind/elutionする論文には、formic acid (ギ酸)が使われています。Protein Aと抗体の結合力は、抗原抗体に匹敵するためProteinAの溶出バッファとして使用可能と思われます。

    蟻酸は、酢酸を少し単純化した構造ですwikipedia

    ギ酸

    学式CH2O2
    モル質量46.025 g mol−1
    示性式HCOOH
    出典 : wikipedia

    酢酸

    化学式C2H4O2
    モル質量60.05 g mol−1
    示性式CH3COOH
    出典 : wikipedia

    Chromatographic Monoliths for High-Throughput Immunoaffinity Isolation of Transferrin from Human Plasma (2016)

    https://hrcak.srce.hr/file/244999

    編集履歴

    2020/01/22 Mr.Harikiri
    2021/02/04 追記 (溶出バッファとしてcitric acidとacetic acidの比較)
  • [用語] DNA : Deoxyribonucleic acid

    [用語] DNA : Deoxyribonucleic acid

    DNA : Deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸 核酸の一種

  • [Bio-Edu] RNA とは – mRNAはタンパク質を作る直接的な設計図 – その他 rRNA, tRNA – ID7254 [2020/01/15]

    [Bio-Edu] RNA とは – mRNAはタンパク質を作る直接的な設計図 – その他 rRNA, tRNA – ID7254 [2020/01/15]

    主なRNAは3種類

    • mRNA: messenger RNA
    • rRNA: ribosomal RNA
    • tRNA: transfer RNA

    DNAには機能領域、すなわち遺伝子配列を持っており、それを鋳型としてmRANが作られます。

    更にmRNAはタンパク質の鋳型となります。生体内での生物機能を果たすための最終形態である蛋白質をmRNAをもとにつくるということです。

    • mRNAの構造 : 5’末端非翻訳領域 – 翻訳領域- 3’末端-ポリA
      • 非翻訳領域は、翻訳効率に影響する
      • 翻訳領域は、効率的翻訳を狙うにはコドンの最適化が必要
      • 3’末端非翻訳領域は、安定性に影響する

    mRNAが鋳型として使われる場所は、細胞内のリボソームという機関です。

    リボソームはrebosomal RNA (rRNA)と呼ばれるRNAと蛋白質が結合した特殊な構造をしています。

    リボソーム RNA (rRNA) 転写調節機構の存在が明らかになってきており,rRNA は細胞内外の状態に応答して転写され,結果としてリボソーム量および細胞のもつタンパク質合成能が調節されています。

    このリボソームにmRNAが端から取り込まれて、3コドンごと読まれて、そのコドンに応じたアミノ酸をtRNAが運んできます。

    mRNAが、その情報を最後までリボソームにより読まれれると、アミノ酸が繋がった蛋白質が完成します。リポソームは、小胞体 (Endplasmi reticulumn)、特に粗面小胞体に付着(それを粗面と称した)して存在しています。

    編集履歴

    2020/01/15, Mr. Harikiri
    2022/06/14, 文言整備

    ウィキペディア-転移RNA より

    https://ja.wikipedia.org/wiki/転移RNA

    ヤクルト研究所 – リボソームRNA (rRNA, ribosomal RNA))

    https://institute.yakult.co.jp/dictionary/word_6697.php

    核小体・rDNA 構造とリボソーム RNA 転写 I―3 リボソーム RNA 遺伝子の転写調節, 2013

    http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/06/85-10-05.pdf

    [用語] RNA, tRNA, rRNA, etc. [Biotech] [2022/09/03]

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    [Bio-Edu] DNAとRNAの違い – レジメ – [2020/10/11]

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    [Bio-Edu] 各種RNAの生物学的な作用点のマップ – by Qiagen – ID9331 [2020/02/13]

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  • [Bio-Edu] 遺伝子 – 生体内におけるDNAからタンパク質の合成 ・基礎知識 –  [2020/06/13]

    [Bio-Edu] 遺伝子 – 生体内におけるDNAからタンパク質の合成 ・基礎知識 – [2020/06/13]

    ID2216

    遺伝子

    遺伝子組換え技術を知るには、遺伝子の知識が必要だ。基礎知識について以下記載した。

    遺伝子からタンパク質まで

    細胞核にはDNAがあり、その遺伝子が働く時、mRNAに変換されます。mRNAは、タンパク質の鋳型となってタクパク質が合成されます。

    • 細胞
      • {染色体;
      • chromosomes →
      • (unpackaging) →
      • Nucleosome structure (Histone + DNA; 構造を意味する = genome; 全遺伝子情報を意味する) →
      • スプライシング (必要な遺伝子のみを取り出す工程) →
      • gene (遺伝子) →
      • DNA(と呼び変える) →
      • (RNA polymerase, by Transcription )→
      • mRNA} → (核からmRNAが飛び出る)
      • mRNA →
      • 細胞質
      • 細胞質 {mRNA →
      • Ribosome (tRNAとAmino Acid, rRNA(ribosomal RNA), RibosomeはERに付着している )でタンパク質合成, by Translation ) →
      • protein →
      • ER; 小胞体 (folding, glycosylation ) →
      • Golgi body (de-mannosylation, fucosylation, galactosylation and sialylation) }

    遺伝子 (gene)はDNAであり、それを鋳型として転写酵素 (RNA polymerase)によりmRNAが合成される。RNAの場合は、構成ヌクレオチドは、DNAの場合の 「T」が、「U」に置き換わる。

    構成物質

    以下の示すヌクレオチドは、A(or U)はT、GはCと結合します。この相補性が鋳型となる基本機能となって働いています。

    DNAを構成するプリン塩基、即ちヌクレオチドは4種類

    • A アデニン
    • T チミン
    • G グアニン
    • C シトシン

    mRNAを構成するプリン塩基も4種類(AがUに替わる)

    • U ウラシル
    • T チミン
    • G グアニン
    • C シトシン

    コドン

    開始コドン

    一般的にメチオニン(AUG)が開始コドンである

    終止コドン

    対応するアミノ酸(とtRNA)が存在しないコドン。一般的に以下の3つがある。

    • UAA(オーカー)
    • UAG(アンバー)
    • UGA(オパール)

    翻訳の場所

    細胞内にあるリボソームの中でmRNAからproteinへの翻訳が行われる。

    希少なコドン

    プリン塩基(U, T, G, C)の3の組み合わせでコドンが作られます。最も多い種類のコドンで同じアミノ酸を作れたり、1つのコドンでしかそのアミノ酸を作れなかったり、アミノ酸によって異なっています。プリン塩基はコドンの原材料、コドンは、アミノ酸の原材料です。原材料は、生体に依存しています。原材料が枯渇することもあります。

    6種のコドンで作ることができるアミノ酸は、Arg, Leu, Ser, の3つです。この3種類のアミノ酸は、これらを作る原材料であるプリン塩基が枯渇しにくいと言えます。一方、生体には沢山必要としているとも言えます。

    一方1種類のコドンでしか作ることができないアミノ酸は、Metです。Metの場合は、枯渇しやすい/少量でしか必要でない、と言えます。

    残りのアミノ酸は、コドン種が2種類、3種類、4種類で作ることができます。

    まとめると、1種類、2種類、3種類、4種類、および6種類のコドンでアミノ酸は作られます。

    アミノ酸コドン

    厳密には、(mRNAの)コドンがアミノ酸なのではなく、コドンがアミノ酸に変換されることを意味します。コドンに相補的に一致するtRNAがアミノ酸を結合して連れてきます。これがアミノ酸への変換です。

    3文字記号1文字記号呼称 (link to wikipedia)コドン
    AlaAアラニンGCU、GCC、GCA、GCG
    ArgRアルギニンCGU、CGC、CGA、CGG、AGA、AGG
    AsnNアスパラギンAAU、AAC
    AspDアスパラギン酸GAU、GAC
    CysCシステインUGU、UGC
    GlnQグルタミンCAA、CAG
    GluEグルタミン酸GAA、GAG
    GlyGグリシンGGU、GGC、GGA、GGG
    HisHヒスチジンCAU、CAC
    IleIイソロイシンAUU、AUC、AUA
    LeuLロイシンUUA、UUG、CUU、CUC、CUA、CUG
    LysKリシンAAA、AAG
    MetMメチオニンAUG
    PheFフェニルアラニンUUU、UUC
    ProPプロリンCCU、CCC、CCA、CCG
    SerSセリンUCU、UCC、UCA、UCG、AGU、AGC
    ThrTトレオニンACU、ACC、ACA、ACG
    TrpWトリプトファンUGG
    TyrYチロシンUAU、UAC
    ValVバリンGUU、GUC、GUA、GUG
    開始コドンAUG、(AUA)、(GUG)
    終止コドンUAG、UGA、UAA
    https://ja.wikipedia.org/wiki/コドン#コドンはmRNA上にある

    遺伝情報の発現、転写と翻訳 ~ 転写 > なぜ直接DNAから蛋白質を作らないのか?

    https://www.nig.ac.jp/museum/genetic/03_c.html

    コドン – ウィキペディア より

    https://ja.wikipedia.org/wiki/コドン

    リボソーム - ウィキペディア

    https://ja.wikipedia.org/wiki/リボソーム

    DNAからタンパク質に変換

    以下の動画は、染色体のDNAがmRNAに変換され、細胞質にあるRibosomeというタンパク質でできた装置とtRNAによりタンパク質が合成される様をわかりやすく3D動画で説明されています。

    YouTubeより
    編集履歴
    2020/01/13 はりきり(Mr)
    2020/06/13 追記(希少なコドン)
    2021/10/30 文言整備

    [用語] RNA, tRNA, rRNA, etc. [Biotech] [2022/09/03]

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    [Bio-Edu] DNAとRNAの違い – レジメ – [2020/10/11]

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    [Bio-Edu] 各種RNAの生物学的な作用点のマップ – by Qiagen – ID9331 [2020/02/13]

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  • [ED] 生物学 (レジメ) – 生物学とその方法、生命の科学的基礎、生物多様性を整理する – ID6988 [2020/11/03]

    [ED] 生物学 (レジメ) – 生物学とその方法、生命の科学的基礎、生物多様性を整理する – ID6988 [2020/11/03]

    生物学

    東京医科歯科大学のサイトに掲載の資料をレジメとしてまとめた。

    ベテランでも参考になります。

    編集履歴
    2020/01/12 はりきり(Mr)
    2020/05/23 追記 (「生物学とその方法」をレジメとしてまとめた)
    2020/05/26 追記 (「生命の化学的基礎」)
    2020/11/03 追記 ( 「進化」取りまとめ開始 ) 

    参考文献

    東京医科歯科大学より

    1. 生物学とその方法

    • 生物学(biology)は、科学(science)の一つ。語源は、ラテン語の知ること(scientist)
    • 発見(serendipity)と帰納(induction)
    • 検証可能性(testability)
    • 仮説(hypothesis)と演繹(deduction)
    • 実験(experiment)
    • 観察→仮説→実験→(観察か仮説に戻る)
    • 科学的な態度(scientific attitude)
    • 科学的な事実(scientific fact)
    • 法則(law) : 相互関係
    • 理論(theory) : 解釈
    • 昔の生物学では、無機物にはない特殊な生気(vital force)が宿る
    • パスツールの実験(フラスコ(白鳥の首)では、滅菌した肉汁は腐らない)
    • 教科書(texbook)と講義(lecture)
    • Referencesとしての原著論文(original paper)、総説(review article)、単行本(monograph)
    • 観察のための道具 : 顕微鏡(microscope)
      • 電子顕微鏡
        • 透過電子顕微鏡(TEM)
        • 操作型電子顕微鏡(SEM)
      • 光学顕微鏡
        • 明視野顕微鏡
        • 暗視野顕微鏡
        • 位相差顕微鏡
        • 微分干渉顕微鏡蛍光顕微鏡
    • 観察のための道具 : その他
      • 細胞培養術
      • 細胞分画法
      • クロマトグラフィ
      • とレーザー技術(放射性同位元素の使用)
      • セルソーター
      • PCR
      • 遺伝子操作
      • ノックアウト技術
    • 系統分類学(Systematics, Taxonomy)
    • 進化生物学(Evolutionary biology)
    • 古生物学(Palentology,地学の一領域)
    • 生態学(Ecology)
    • 行動生物学(Behavioural biology)
    • 解剖学(Anatomy)
    • 形態学(Morphology)
    • 生物機構学(Biomechanics)
    • 組織学(Histology)
    • 組織学(Histology)
    • 細胞生物学(Cell biology)
    • 発声生物学(Physiology)
    • 神経生物学(Neurobiology)
    • 神経生物学(Neurobiology)
    • 内分泌学(Endocrinology)
    • 免疫学(Immunology)
    • 遺伝子学(Genetics)
    • 生化学(Biochemistry)
    • 分子生物学(Molecular biology)

    第1章 生物学とその方法

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt1.pdf

    2. 生命の科学的基礎

    1. 生物には水 (H2O)が必要である。水は、負に帯電した酸素原子(O)と正に帯電した水素原子(H)でできている。2つの水素原子は、105°の角度で位置しており、水素原子1個を酸素原子2個で共有してしているよな水素結合(弱い結合)している
    2. 水は、正と負に帯電しているため、電荷を持つタンパク質と水素結合を作ることで溶解という状態になる
    3. 生体の構成物は、水、タンパク質(protein)、核酸(nucleic acid)、多糖類(polysaccharide)、脂質(lipid)であり、モノマーの複合体で有るポリマーとして存在している

    タンパク質

    1. タンパク質は、アミノ酸のポリマーである。アミノ酸の中心元素は、炭素(C)であり、4本の手があり、2本はアミノ基、カルボキシル基、残り2本には、水素と官能基(R)が結合している。
    2. アミノ酸は、20種類あり、Rが異なっている
    3. タンパク質の2次構造は、αヘリックス構造とβソート構造がある
    4. αヘリックスは、3.6個のアミノ酸残業毎に1回転するヘリックス構造であり、その構造を支持しているのは、アミノ酸残基の>HNの水素原子が、3個先のアミノ酸残基の>COの酸素原子と水素結合を作るためである。Rはラセンの外側を向いている
    5. βシートは、回転せず構造が伸びた状態であり、隣り合ったアミノ酸のベリペプチド同士の間で水素結合を形成しているため、平面状の構造となっている。
    6. これらの構造は、側鎖の種類に依存する。Prolineの側鎖は、環状構造で有るため水素結合を作ることができない。Glycineは、側鎖はHであり、水素が1つと少なく、または、小さいため、水素月号を作れないので、αヘリックス構造は形成しにくい。したがって、二次構造を作らず、タンパク質分子の表面に出てくる
    7. タンパク質の3次構造では、2次構造同士が更に構造をとり立体構造をとることになり、1次構造上で距離が離れているアミノ酸同士が近づく場合が生じる。3次構造を取る場合に関わる側鎖は、親水性と疎水性の側鎖で有る
    8. 親水性は、タンパク質の表面に出てくる。疎水性は、タンパク質の内側に向く。その結果、タンパク質の表面には、凹凸ができる。これらの凹凸は、タンパク質の機能にかかる構造であるこが多い
    9. 4次構造は、同種のタンパク質が重合化している場合で有る。この構造により新たな機能を持つことがある
    10. タンパク質の色々
      1. 構造タンパク質(組織支持) : コラーゲン、エラスチン
      2. 貯蔵タンパク質(アミノ酸貯蔵) : 卵白アポアルブミン、ミルクタンパク質のカゼイン
    11. 運搬タンパク質(生体物質の運搬) : ヘモグロビン、酸素
    12. ホルモンタンパク質(生体機能) : インスリン、成長ホルモン
    13. 受容体タンパク質(信号の受信) : 細胞表面に局在する各種受容体
    14. 収縮タンパク質 (細胞運動) : アクチン、ミオシン
    15. 防衛タンパク質 (病原体からの防衛) : 抗体、補体
    16. 酵素タンパク質 (生体化学反応) : 消化酵素、トリプシン

    核酸

    1. 核酸は、ヌクレオチドのポリマーである
    2. ヌクレオチドは、5単糖(リボース or デオキシリボーす)、リン酸、核酸塩基でできている
    3. 核酸と呼ばれている物質には、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)がある
    4. DNAの構造の共通骨格は、でおきしりぼーすとリン酸である。共通骨格の糖から塩基がでている。これら並行する2本のそれぞれの塩基の水素結合により2本鎖の分子になっている
    5. 塩基には、A、G、C、Tの4つあり、水素結合する組合せは、A-T, G-Cである。この結合により、2本の分子はらせんを形成する
    6. DNAの片方のヌクレオチド鎖だけが必要である。5’から3’への塩基の配列に意味があり、それがタンパク質をコードしているRNAの鋳型となっている。
    7. 塩基3個の組み合わせが1つのアミノ酸をコードしているが、塩基のある組合せが1つのアミノ酸に限定されるものではなく、アミノ酸によって、その組合せの数は、多いものと少ないものがある

    第2章 生命の化学的基礎

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt2.pdf

    3. 生物多様性を整理する

    1. 生物多様性(Biodiversity)
    2. 植物41万種
    3. 動物114万種
    4. (発見されていない種も含めれば、推定1億種)
    5. http://biodiversity.uno.edu/(Biodiversityを実感するサイトへの入り口集)
    6. リンネ(学者)以前
      1. アリストテレス分類 (~18世紀末)
        1. 大きくは、動物と植物に分類
        2. 動物
          1. 有血動物 : 今でいう脊椎動物
            1. 人類
            2. 胎生四足類
            3. 卵生四足類
            4. 鳥類
            5. 魚類
          2. 無血動物
            1. 軟体類
            2. 軟殻類
            3. 有節類
            4. 植物に近い動物
      2. 大航海時代(1400~1650): ラテン語でバラバラな命名
        1. 色々な生物がヨーロッパにもたらされた時期
        2. ラテン語によるバラバラな命名
          1. ノバラ
            1. ある学者は、Rosa sylvestris inodora seu canina
            2. 別の学者は、Rosa sylvestris alba cum rubore, folio glabro
            3. これらは、リンネは、Rosa caninaとした
        3. アジア、アフリカ、アメリカからもたらされた大量な数の新しい生物が更に命名を混乱
        4. この頃、化石は、神の創造物であり、なんかのかわからなかった。
        5. リンネに影響を与えた2人の学者
          1. Nehemiah Grew (イギリス、1641-1711) : 顕微鏡で植物を分類、花が生殖器出有ることを発見(The Anatomy of Plants, 1682)。はじめて比較解剖学(comparative anatomy)の用語を使った。
          2. John Ray (イギリス, 1627-1705)は、イギリスでは博物学の父と呼ばれている。
    7. リンネの自然体型
      • Carl Linnaeus also known as Carl von Linne (スエゥーデン、1707-1778)
      • 分類学の父
      • 神学と哲学に拠り所とする、ランキングとクラス分け
      • 父はルーテル派の牧師
      • 1727/ルンド大学、医学、薬草賭しての植物の研究、採集旅行、
      • 1735/オランダで医師資格、ライデン大学入学、Systema Naturae初版(14ページ、雄しべ/雌しべで分類)、その後10版
      • 1738年スウェーデン帰国、開業医、科学アカデミー、王室宮殿医
      • 1761年爵位を与えられ、Carl von Lineと名乗った
      • 1774年没、息子もすぐに亡くなり、資料は、イギリス自然史家(Sir James Edward Smith)に売却され、これがイギリス・ロンドンにあるリンネ学会が作られる元となった。
    8. リンネの考え方
      • 神の創造物で有る生物を正しく知る
      • 英知と秩序を知ることができる。
      • 「神が創り、リンネが分ける」
      • 多くの植物を集め、スウァーデンで栽培、環境に適応して変化するすることで、種は普遍でないことを知る。
      • 二名法
      • 雄しべは雌しべより優位
      • 花を持たないシダは、隠花植物網と、「Cryptogamiia, plants with a hidden marriage」の意味である。
      • 自然分類ではなく、人為分類であることを認めている
    9. 分類学の基礎
      1. 種の概念
        1. 種(species)は、形態の不連続性(実際にはそうではない)から、属と種名をラテン語で記載する(二名法)
      2. 分類学は、メンデルの再発見以後に目覚ましい発展を遂げた遺伝学に助けられ、新しい発展を遂げた。
      3. 現在では、マイヤの種の定義から、「種とは、実際的にも、可能性においても、互いに交配しうる自然集団である。それは、他の集団からは生殖の面で隔離されている」と定義し、生物学的種を定義する(種分類学)。
    10. 種より上位の体型を分類する分類学を体系分類学という
    11. 界:kingdom > 門:phylum > (亜門:subphylum) > (上網:superclass) > 網:class > (亜網:subclass) > (下網:infraclass) > (上目:superorder) > 目:order > (亜目:suborder) > (下目:infraorder) > (上科:superfamily) > 科:family > (亜科:subfamily) > 属:genus >(亜属:subgenus) > 種:species > (亜種:subspecies)
    12. ヒトは、動物界:Animal Kngdom > 脊椎動物門:phylum vertebrata > 哺乳網: class mammalia > サル(霊長) 目: order primates > サル(真猿類) 亜目: suborder anthropoidea > ヒト類上科: superfamily hominoidea > ヒト科:family hominidae > ヒト属:homo > ヒト:sapiens となり、homo sapiens、と表記する。

    第3章 生物多様性を整理する

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt3.pdf

    4. 進化

    • 創造説 : The Creation : 6000年前、全てを神が作り出したもの
      • 作り出された全てのものは、その時から変わらず普遍なものである
      • 万有引力の発見者であるニュートンでさえ、神の技を証明したと考えていた。
      • 経済学者であるケインズによるニュートンの研究では、ニュートンは、「理性の時代の最初の人」ではなく、「最後の魔術師」であると評している。
      • ニュートンは、錬金術の研究も行なっていた
    • ダーウィン以前
      • リンネの時代には、新しい種が作られることが証明され、種の不変性が疑われた始めた
      • エラスムス・ダーウィン (1731-1802))は、生物は海に生まれ進化したと述べている。
      • ダーウィンは、植物学者、哲学者、ナチュラリストであった。
      • 家畜化した動物、自然の動物の行動観察により、雄同士の闘争により、その結果として進化すると考えた
      • ラマルク(1744-1829)は、生物の種の変化は認めていなかったが、環境変化に対応していくことは認めていた。
      • すなわち、必要な機能を獲得していく下等から高等へ向かう事であり(用・不用説)、キリスト教の進歩の思想が見られる
      • 生命は、神が作ったのではく、自然発生によって物質から生じたと考えていた
      • ただし、複雑な生物は、はるか昔に発生し、単純なものは、最近発生したとした
      • 用・不用説は時代に認められなかった
      • これらの考えが生まれた背景には、比較解剖学、比較発生額、古生物学の発展が関わっている
      • 比較解剖学者には、フランスのヒュビエ(Cuvier, 1769-1832)、イギリスのオーエン(Owen, 1804-1892)がいる
      • 比較解剖学は、相似(analogy)、相同(homology)という重要な概念も確立された
      • 相同の例として、動物の腕では、5つの部位を考えることができる。カメ、ヒト、ウマ、トリ、コウモリおよびアザラシにおいて、以下の骨を確認できる。
        • 上腕骨
        • とう骨と尺骨
        • 腕骨
        • 掌骨
        • 指骨
      • ハットン、ライエルによって生まれ発展した地質学は、地球が6000年の歴史でないことを示した
      • 以上の背景から、ダーウィンが登場する

    以下、途中

    第4章 進化

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt4.pdf

    第5章 遺伝の法則

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt5.pdf

    第6章 すべての生物は細胞から

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt6.pdf

    第7章 細胞の構造

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt7.pdf

    第8章 DNAからタンパク質へ

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt8.pdf

    第9章 タンパク質の生合成

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt9.pdf

    第10章 タンパク質のはたらき

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt10.pdf

    第11章 細胞周期と細胞分裂

    http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt11.pdf

  • [Bio-Culture] CHO細胞の培養における制御パラメータ、添加物及び装置・設備の事例 – ID6721[2020/09/08]

    [Bio-Culture] CHO細胞の培養における制御パラメータ、添加物及び装置・設備の事例 – ID6721[2020/09/08]

    細胞培養とは

    細胞を無菌・人工的に育てること

    制御パラメータ

    • 培養装置
      • 細胞バンクの保管容器
      • フラスコ (ポリ材質)
      • WAVE培養装置
      • iCellis (付着細胞用)
      • Bioreactor (浮遊細胞用)
    • シングルユースバッグ(ポリ材質)
      • Extractable and leachables (E&L/溶出物/浸出物)の問題を抱えている
      • ThermoFisher SciencesのSingle Use Bagす少ないらしい
      • E&L試験の概要 source: 一般社団法人化学物質評価研究機構
      • リスク評価→溶出試験(ワーストケース試験)→毒性試験→浸出試験(実環境の製品)
    • ステンレスタンク
    • 微量混入
      • タングステン(W)
    • 細胞周期
      • ダブリングタイム
        • 安定的に目的タンパク質を生産できる細胞の世代数は、細胞株の構築時に確認されている
        • プロダクション培養のスケールまで拡大培養していく過程で、その世代数は進む
        • プロダクション培養では、一般的に15日以内で終了することになるが、確認された世代数以内で完了しなければならない
      • 安定期
      • 分裂期
    • 温度
      • 基本的に37℃付近で制御する。酵母などでは動物細胞と違い発熱量が多いため基本的に冷却するが、動物細胞の場合、加温することが基本である。
      • 200L SUBでは、Jacket(7L)にLauda製の温度制御装置は、2.25kW加熱、1.25kW冷却を備える5)
    • pH
      • 新陳代謝によるpHの変動を制御。乳酸が蓄積されてくるとpHは下がる
      • 炭酸ナトリウム添加、CO2のスパージ
      • センサープローブ (Finess 5))
    • DO
      • Air, O2のスパージ
      • 30%~90% 5) : 一般的に40%を設定
      • DOプローブ (Finess 5))
    • 通気量
      • BIoreactorのトップからの吹付け、スパージング
      • 200L SUBのO2, Air, N2,では、20 standard liters/minute (SLPM)、CO2では、5 SLPM5)
    • 攪拌速度
      • 細胞の均一化、継続的・随時供給する栄養素の供給の均一化
      • 200L SUBでは、95~140rmp5)
    • 培地
      • 基礎培地 & フィード培地
        • アミノ酸
        • 栄養素
    • 酸素分圧
      • 細胞の呼吸
    • 二酸化炭素分圧(pCO2)
      • 二酸化炭素の培地中溶存量によりpH制御。pCOが低下するとpHが上がる。
      • 細胞培養により代謝産物として作られた乳酸は、pHを下げる
      • 下がったpHを上げるには、CO2を吹き込んでpCOを高める
    • エネルギー源: グルコース
      • 細胞が分裂したり目的蛋白質を生産するエネルギー源
    • ミネラル
      • 細胞が正しく活動するため
      • 亜鉛
      • マンガン
    • 無機塩
      • そのためpH制御のために炭酸ナトリウムの随時添加
    • 脂質
      • 細胞は細胞膜が一番外側にあり、その構成ようしは、蛋白質と脂質の混合構成となっていおり、細胞分裂に必要
    • 成長因子
      • 直接的な細胞増殖のために添加される
    • Antiform, Pluronic F68 5)
    • 代謝産物(中間体)の役割
      • ある代謝サイクルにおける律速の充足効果は研究が続けられている
      • α-ketogultalate (AKG) の添加効果(最近のアンチエイジングのマウスへの摂食研究では、健康寿命や寿命自体が伸びる)

    参考文献

    1)

    1から分かる細胞培養における培養環境

    https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/cell-culture-environment/
    2)

    Chinese Hamster Ovary(CHO)細胞を用いた高品質 な抗体医薬の高生産培養システムの開発

    https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=36952&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1&page_id=13&block_id=83
    3)

    公開特許公報(A)_細胞培養制御方法、細胞培養制御装置及びこれを備える細胞培養装置

    https://biosciencedbc.jp/dbsearch/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2011229215.html
    4)

    CHO プロトコール System200

    https://www.gelifesciences.co.jp/tech_support/manual/pdf/wave_03_16.pdf
    5)

    The Unican Concept: Engineering Dual Capability into Single-Use Vessels

    https://bioprocessintl.com/upstream-processing/upstream-single-use-technologies/unican-concept-engineering-dual-capability-single-use-vessels/
    編集履歴
    2020/01/11 HARIKIRI(MR)
    2020/09/08 追記(付着及び浮遊細胞用装置、AKG代謝)
  • [Bio-Edu] バイオ医薬品における生産細胞株の構築の方法 – ID5029 △[2020/08/19]

    [Bio-Edu] バイオ医薬品における生産細胞株の構築の方法 – ID5029 △[2020/08/19]

    細胞株の構築

    最近のバイオ医薬品の生産細胞株構築フローを以下に示します。

    1. Host Cell : 目的のタンパク質を発言させるために使用する出発材料である最適化された細胞。目的遺伝子を導入する予定の細胞。
    2. Transfection : 遺伝子の導入プロセス
    3. Selection & Cloning : 高い生産性と増殖による世代安定性を維持するモノクローンを選択するプロセス
    4. Cell Bank : Master Cell Bank (MCB)の候補となる細胞株
    5. MCB : 品質試験されて正式に決定した生産細胞株(Characterized Cell Bankという言い方もある)
    6. Working Cell Bank (WCB) : Expanded MCB/マスターセルバンクの拡大培養により細胞を増やして、MCBと土曜用に品質試験されて正式に決定した生産細胞株。ルーチン製造に使用される。

    生産細胞株の構築フロー

    Post Views: 251 GMP; Good Manufacturing Practice GMPを知るには、ICHガイドラインが基本ですが、それ以外にも、世界でも通用する知識とするには、用語などの英語表現も必要で…
    Post Views: 238 Working Cell Banking マスターセルパンク(MCB)の拡大培養により細胞を増やし、MCBと同様に品質試験されて、正式に決定された生産細胞株であるWorking Cell …
    Post Views: 237 Master Cell Banking GMPに従いマスターセルバンク(Master Cell Bank; MCB)を製造し液体窒素による超低温保管する。日本、米国、欧州の3つの薬局方(3…
    Post Views: 210 Cell Banking GMPに従いマスターセルバンクとワーキングセルパンクを製造し液体窒素による超低温保管すること。セルバンクには、開発段階ごとに以下のようなものが作成される。 Res…
    Post Views: 250 目的物質の生産性、生産物の品質、培養容易性、培養安定性の観点からからプール細胞のスクリーニングとモノクローニングすること。 スクリーニングに用いられる評価試験項目は以下の通りです。 目的物…
    Post Views: 236 transfection transfection ; トランスフェクションは、遺伝子組換え技術の基本である目的遺伝子(plasmid)を細胞 (Host Cell)の中に入れる操作です。…
    Post Views: 241 Host Cell 目的のタンパク質を発現させるために使用する出発材料となる最適化された細胞のこと 編集履歴 2020/08/24 Mr.はりきり

    導入遺伝子の構築

    • gene配列の合成
    • Plasmid DNAの合成
    目的遺伝子をのりしろ付きで合成し、Plasmidにパッケージする

    制御遺伝子には、Promoter、Enhancer などがあり、高い生産性を目的とする。抗生物質耐性遺伝子は、目的遺伝子が正しく細胞に導入された場合、それと共に発現するため、抗生物質を添加した培地でも生き延びることが可能となる。遺伝子が導入できなかった細胞は、死滅させることができる。

    遺伝子導入とは

    遺伝子の導入 (transfection)するの目的は、ある細胞に目的遺伝子を導入(Transfection)することで、宿主細胞の力を借りて、その遺伝子にコードされている蛋白質を生産させることである。

    どんな細胞を使うか

    一般的に通常の細胞は寄り添います。たとえば、皮膚細胞は、それぞれの細胞は積み上がることなく横に広がる性質があります( monolayer cell ).

    バイオ医薬品に使用される細胞は、1個1個の細胞が単独で浮遊するように改良が加えられており、細胞の培養において、個々の細胞に栄養分が均一に行き渡らせることが可能です。コントロールしやすい細胞になっています。

    長い歴史の中で、HEK細胞、CHO細胞などが、遺伝子導入する細胞として適しているとして多くのバイオロジクスで使用されています。

    原材料

    細胞とPlasmid DNAについて

    • 1個の細胞を使って1のPlasmid DNAを、その細胞に導入できる技術は、世の中にはありません。
    • 細胞もPlasmid DNAも物理化学的に不安定な部類です。人工的な処理やある環境下では、一定の確立で死ぬか壊れてしまいます。
    • 実際の導入には、細胞やPlasmidが、死ぬか壊れるかを考慮し、確実に細胞に遺伝子を導入するために、細胞数として数十万個、あるいは数百万個を用意します。
    • 細胞の中に導入したいPlasmid DNAも細胞に対して等倍はあり得ず、複数倍を用意します。経験則も存在します。

    導入 ( Transfection )

    導入法の種類

    • リン酸カルシウム
      • リン酸カルシウム溶液とPlasmid DNA複合微粒子を細胞に混和すると、プラス荷電化によりマイナス荷電している細胞膜表面に結合し、その後、エンドサイトーシス機構で取り込まれる
    • 陽イオン性脂質 (lipofection*1)
      • Plasmid DNAを包含したリン脂質と細胞膜が膜融合する原理で導入する
      • 試薬 ThermoFisher
    • マグネットフェクション (magnetofection)
      • 作製した磁気ナノパーティクルとPlasmid DNAの結合物を、底に沈めた細胞がある容器に注入し、細胞へ向かうように容器の下から磁気をかけて導入する
      • 試薬 funakoshi
    • エレクトロポレーション (electroporation)
      • エレクトロトランスポレーターを使用して電気のパルスをかけて細胞膜に小さな穴を開けてPlasmid DNAを導入する
      • 装置 参考記事*
    • ウイルス (virus vector)
      • 原理的にはLipofectionと類似。包含体としてのキャリアとしてウイルスを使われる。retrovirusなどが使われる

    参考記事

    遺伝子導入から細胞株構築まて

    遺伝子増幅

    生産量を増加させるには、導入遺伝子の増幅が行われるDHFR(Dihydrofolate reductase)系、GS(Glutamine synthetase)系などがある。

    • DHFR
      • DHFRの拮抗剤である MTX(methotrexate)の添加
      • dhfr 遺伝子が増幅す る現象を利用
      • dhfr 欠損 CHOを使用する
        • DG44
        • DXB11
      • 増幅方法 : MTX の濃度を徐々に上げていく

    蛋白質科学会アーカイブ, 2, e050 (2009)

    http://www.pssj.jp/archives/files/articles/050.pdf

    スクリーニングとクローニング

    スクリーニングとモノクローニングは、手法によって前後することができる。

    スリーニング

    スクリーニングの目的

    染色体DNAに導入された数十・数百万個の細胞には、以下のような違いが生じます。それを均一な集団にしていく作業がスクリーニングです。

    • 導入操作によって死んでいたり、弱っているいる細胞が混在している
    • 導入位置よっては、今は死んでいないが、数世代の分裂増殖によって細胞が弱わり死んでしまう細胞が混在している
    • 目的遺伝子による目的蛋白質の生産性が低い細胞が混在している
    • 元気がよく、目的蛋白質の生産性が高い細胞が非常に低い確立で含まれている

    スクリーニングの操作

    • まだ、クローンになっていない段階をプール(株)といいます。トランスフェクション後の細胞について、大まかな集団を一塊として、選別を行なっていきます。
    • 選別基準
      • 高い細胞増殖性 : 組み込んだ遺伝子により、生産される目的物質の生産量が培養当に多くなる
      • 高い培養期間生産性 : 一定の培養期間で高い生産性により、生産される目的物質の生産量が培養当に多くなる
      • 培養安定性 : スクリーニング過程では、継時的な培養が進められます。その過程では、細胞の世代数が進んで行きます。即ち老化です。すると、死んでいくプールもあり脱落します。元気に生きていくプールが残って行きます

    クローニング

    クローニグの目的

    スクリーニングによって元気が良く、目的蛋白質の生産性が高い細胞について、何種類かを選別できたあと、1つの細胞から増やしてクローン株として取得します。

    クローニングの操作

    • 先ずは、目的達成のために、処理する母数を増やす
    • 最終的には、1個の細胞のみを小さい容器に振り分ける操作の実施(限界希釈法)
      1. 数十個から数百個の細胞プールとして小さい容器に振り分ける(数千から数万プール)
      2. 培養装置により増殖させて元気がいい細胞プールを選別する。
      3. 1と2を何回か繰り返し、細胞プールを数十に絞る
      4. 限界希釈法により計算上1の細胞になるよう容器に振り分ける
      5. 元気が良いものを選び、生産性も高い10個程度の方法細胞を選出する
      6. 最終的には、生産する蛋白質の品質を確認し良い細胞1つに決定する。
      7. 選んだ細胞がモノクローンであることを確認する。

    Cell Bankの調製

    限外希釈により、1個の細胞しか、1の培養ウェルに入っていないことを確認して、拡大培養させます。ある程度の細胞数が得られたたら、それをCell Bankとして、クリオバイアルに分注して、液体窒息保管します。

    細胞融合法

    トラディショナルな技術です。

    ELISA用の抗体など、試薬に使用する抗体は、マウス由来の免疫抗体がほとんどです。ずいぶん昔では、このような抗体でもそのままか、抗体のフレームにヒトの配列と差し替えたりしてキメラ化した抗体が、医薬品として使用されていたこともあったようですが、免疫原性の問題を解決すべく、最近の抗体医薬は、完全ヒト化がほとんどです。

    細胞融合法による抗体産生細胞株の作成方法の概要は以下の通りです。

    • 細胞融合法の手順
      • 抗原取得(精製品)→
      • 動物に接種(免疫)→
      • サクリファイ→
      • 抗体産生細胞の取得(脾臓)→
      • 不死化細胞と細胞融合(ミエローマ; SP2/0, etc)→
      • ハイブリドーマ(hybridoma cell)→
      • スクリーニング→
      • 増殖性を獲得した抗体産生モノクローナル細胞
    • 細胞融合法には。
      • 融合効率は、1e-6 ~ 1e-4 (細胞1万個から100万個から1個)
      • PEG法
      • 電気融合法 (以下に最初の文献リンク)

    高効率細胞融合技術の開発

    https://www.tosoh.co.jp/technology/assets/2009_02_02.pdf

    Human Hybridoma Cells Produced by Electro-Fusin
    FEBS Letters, Vol.147, Issue 1, 1982

    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6982832/

    用語

    *1: Lipofection : DNAを封入した脂質二重膜を細胞と接触させて、膜融合の現象により、DNAを細胞内に取りませんるTransfection手法の1つ

    参考文献

    徹底網羅!トランスフェクションにおける化学的手法、生物学的手法、物理的手法まとめ

    https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/gene-delivery-technologies/

    MATra-Magnet Assisted Transfection / Lipofection - マグネットフェクションとリポフェクションの原理に関する参考文献

    https://www.nacalai.co.jp/update/pdf/Information-441-light.pdf

    MSD マニュアル プロフェッショナル版 – 医療についての情報サイト

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル

    MSD マニュアル 家庭版 – 医療についての情報サイト

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム

    3.遺伝子導入と発現シリーズ 遺伝子導入と発現(1),

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/7/2/7_2_92/_pdf

    安定型細胞株作成のガイドライン

    http://www.lonzabio.jp/tech/pdf/tech_12.pdf

    トランスフェクション手法の紹介・比較

    https://www.funakoshi.co.jp/contents/65100
    編集履歴
    2020/01/11 はりきり(Mr)
    2020/04/23 追記 (Cell Bankの調製)
    2020/06/26 追記 (細胞融合法によるHybridoma cell取得)
    2020/08/19 追記 (構築フロー)
  • [Protein] tissue plasminogen activator; tPA [2020/01/09]

    [Protein] tissue plasminogen activator; tPA [2020/01/09]

    tPA; tissue plasminogen activator

    製品名グルトパはtissue plasminogen activator (tPA, 72kDa)であり、ウロキナーゼと同様にフィブリンを溶解するPlasminの前駆体であるPlasminogenを分解してPlasminにするセリン蛋白分解酵素である。

    Tissue-type Plasminogen Activator (t-PA)/ Plasminogen Activator Inhibitor, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jat1973/23/9/23_9_519/_pdf
  • [Bio-Edu] 医薬品製造に使われる原材料の動物由来について – ID6684 [2020/01/09]

    [Bio-Edu] 医薬品製造に使われる原材料の動物由来について – ID6684 [2020/01/09]

    動物由来原料

    対策は2通り。

    • 最初から使わない
    • 低減化しながら、使用できる原産国のものを使用

    医薬品製造に動物由来の原料が使われている場合、感染性、BSE/TSE、などの問題を低減化するために、危険性の高い産地の物は使用しないようにする。

    または、完全除去が事実上できない場合、医薬品を作るに際して使用する原材料については、その由来を明確にしなければならない。

    また、動物由来について、使用することが厳格である宗教上の理由などには、最初から使用しない対応などが求められる。

    医薬品の中にある動物由来物質の今

    https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/160860-1-14.pdf