あじめに
医薬品の製造には,多くの種類の原料・基材などを使用する.医薬品の製造業者の仕事は,その供給業者の管理が主体業務といっても過言ではない.
2022年の改正GMP省令により新たに作成が必要となった手順書として,題記の手順書がある.大阪府のホームページに手順書案がアップされている.
原料等の供給者の管理に関する手順書 (案) – 大阪府ホーム …
改正GMP(2022)での必要な手順書
4つの基準書が手順書として新しく加わり,施行規則(2013/08/30では追加されていた手順書がGMP省令に明記された.
- 構造設備および職員の衛生管理に関する手順 (新規,以前は基準書)
- 製造工程、製造設備、原料、資材および製品の管理に関する手順 (新規,以前は基準書)
- 試験検査設備および検体の管理その他適切な試験検査の実施に必要な手順 (新規,以前は基準書)
- 安定性モニタリングに関する手順 (GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 製品品質の照査に関する手順(GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 原料および資材の供給者の管理に関する手順(GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 製造業者等の委託を受けて試験検査その他の製造・品質関連業務の一部を行う他の事業者の管理に関する手順(GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 製造所からの出荷の管理に関する手順
- バリデーションに関する手順
- 第14条の変更の管理に関する手順
- 第15条の逸脱の管理に関する手順
- 第16条の品質情報および品質不良等の処理に関する手順
- 回収等の処理に関する手順
- 自己点検に関する手順
- 教育訓練に関する手順
- 文書および記録の作成、改訂および保管に関する手順
- その他適正かつ円滑な製造・品質関連業務に必要な手順
廃止された基準書と手順書化
従来の3つの基準書 (衛生管理基準書、製造管理基準書、品質管理基準書) が廃止され、それぞれ手順書となり具体的な記述が必要な文書となった。(上記の赤字部分)
その他必要なSOP
データインテグリティと品質リスクマネジメントは、当然に全ての部門、全てのプロセスに必要でいる.改正GMP省令において,これら2つの手順書の作成は必要ではないものの,この2つの考え方は盛り込まれている必要がある.あるいは,これら,データインテグリティ,品質マネジメントに関する考え方や具体的な作業の方法について手順書化することは望ましいと考える.
因みに、
品質リスクマネジメントに関するガイドラインは,2005年に発出されている.
データインテグリティに関するガイドラインは,日本では存在しない。
編集履歴
2025/01/24 Mrはりきり