タグ: protein A

  • [用語] Protein A; プロテイン A [Bio-Tech] [2022/09/03]

    [用語] Protein A; プロテイン A [Bio-Tech] [2022/09/03]

    Protein A

    Protein Aは、Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌)の細胞壁に存在する46.7 kDaのタンパク質です。Protein Aは免疫グロブリン(特にIgG)のFc領域に特異的に結合します.IgGとのアフィニティー結合サイト(Ka=10-8M)は4箇所あります。Protein Aは4Mウレアや6Mグアニジン塩酸にような変性剤にさらした後でも活性を保持しています.

    みんなが知りたいプロテインA/G/Lの性質|知っておきたい!タンパク質実験あれこれ 第14回 – Learning at the Bench(新しいタブで開く)

    https://thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/protein-basic14/

    編集履歴

    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [Bio-Edu] IgGの精製はProtein Aに対する親和性を利用する – 溶出バッファは何を使う? – ID7074 [2021/02/04]

    [Bio-Edu] IgGの精製はProtein Aに対する親和性を利用する – 溶出バッファは何を使う? – ID7074 [2021/02/04]

    IgGの精製

    IgGという蛋白質は、Protein Aという蛋白質に対して強い結合親和性を持っている。この原理を利用してIgGを特異的に吸着させて集めることを専門用語でキャプチャリングという。

    ヒトの皮膚などに常在しているStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌、以下S. aureus)の細胞表面から得られた蛋白質

    IgGの構造は、FabとFc領域の2つに大きく分けることが出来る。Protein Aは、そのFc領域に対して強い親和性を持っている。

    その理由は、IgGのFabは、免疫における細菌などを殺すための刃物のようなものであり、その向きを自分に向けさせないことで、自分を守るためと考えられる。

    Streptococcus(レンサ球菌)の細胞表面蛋白質もprotein Aと同様に抗体に結合するProtein Gという蛋白質が知られている。Protein Aと結合特性がことなることから、これら2つは、IgGのサブクラスに応じてつか分けられる。

    生化夜話 第31回:主語と目的語が逆でした – protein A

    https://www.gelifesciences.co.jp/newsletter/biodirect_mail/chem_story/111.html

    溶出バッファの種類は?

    タンパク質の溶解性については、acetic acid (酢酸)が高いことは知られているところです。pHに関して、acetic acidのpHは3~ですが、citric Acid (クエン酸)は、pH2程度と低くなります。

    伝導度に関して、acetic acidは、citric acidと比較して分子量が低いため、同じモル数でも低い伝導度になります。抗体は一般的に塩による伝導度が高いと疎水性が高まり凝集しやすくなります。以上の前提で、以下の参考文献を読み解きましょう。

    本文献では、10mM~100mMのcitric acidとacetic acidの濃度で溶出させて、そのプールした溶出画分のpHや回収される液量および溶出パターンを比較しています。一点気になっているのは、citric acidのpHが3としている点です。通常はpH2程度のはずなので疑問です。

    citric acidの溶出パターンは、ブロードになっているのが確認できます。この理由は、前述の前提から推測できす。citric acidは凝集しやすくなることが影響していると思われます。

    Citric acid or acetic acid?

    Understanding the impact of elution buffer on mAb purification processes – Merck Millipore –

    https://www.merckmillipore.com/Web-NZ-Site/en_US/-/USD/ShowDocument-Pronet?id=201510.174

    その他の溶出バッファ?

    血液中のTransferinをAnti Transferin抗体カラムでbind/elutionする論文には、formic acid (ギ酸)が使われています。Protein Aと抗体の結合力は、抗原抗体に匹敵するためProteinAの溶出バッファとして使用可能と思われます。

    蟻酸は、酢酸を少し単純化した構造ですwikipedia

    ギ酸

    学式CH2O2
    モル質量46.025 g mol−1
    示性式HCOOH
    出典 : wikipedia

    酢酸

    化学式C2H4O2
    モル質量60.05 g mol−1
    示性式CH3COOH
    出典 : wikipedia

    Chromatographic Monoliths for High-Throughput Immunoaffinity Isolation of Transferrin from Human Plasma (2016)

    https://hrcak.srce.hr/file/244999

    編集履歴

    2020/01/22 Mr.Harikiri
    2021/02/04 追記 (溶出バッファとしてcitric acidとacetic acidの比較)
  • 気になる企業 – ProteNova – 日本のベンチャー企業 – ID3820 [2020/11/28]

    気になる企業 – ProteNova – 日本のベンチャー企業 – ID3820 [2020/11/28]

    ProteNova

    ProteNovaは、従業員7名、徳島県発のバイオ関連ベンチー企業です。

    抗体のアフィニティ精製用担体の製造に使用するリガンドの開発に特化して開発を行ったいるようです。Protein AやProtein Lをベースに改変を加えて工業的な使用耐え得るリガンドの開発を進めています。

    一方で、糖鎖分析などの受託業務も行っています。

    感想

    日本のバイオベンチャー及びそれを支えるバイオ関連ベンチーには、頑張って欲しいと強く思っています。世界3位のGDPを誇る日本でも、バイオの世界では、世界から置いてきぼりです。バイオ医薬品は、様々な分野の技術が密に組み合わせって、その結果、高度なバランスで作られる非常に高性能な製品です。ProteNovaは、その一躍を担っており、目的タンパク質の精製、特に、抗体医薬品の最初の精製ステップであるキャプチャリングに関わる精製担体のリガンドを開発・販売しています。

    しかし、近時、世界のバイオ医薬品における抗体医薬品は、もう既にコモドディティ化が進んでおり、参入障壁は急激に下がって来ています。ある意味、誰でも、抗体医薬関連分野に参入することが可能であり、競争が激しい段階に入りました。

    世界のバイオ医薬品は、遺伝子治療に舵(がじ)を切っています。世界の大手医薬品メーカー、大手製造受託会社(CDMO)は、遺伝子治療用の医薬品の開発を独自で進めてきたベンチャー企業の買収や、その技術導入をほぼ完了してしまいました。今後は、目的物質であるAAV Vectorという病原性の無いウイルスパーティクルのアフィニティー・リガンドについて、大手の部材メーカー二より開発が、進められるでしょう。何故なら、AAV Vectorの精製方法は、まだ確立されておらず、誰どても高度に精製できるものでは無いためです。しかしながら、すでに、Thermo Fisherは、AAV selectという血清型に依存する事なく、高いアフィニティー特性を持つラクダ型抗体を開発し、レジンにカップリングした精製用担体を販売しています。この分野でもCytivaが一番乗りだったものの、性能面では、後発のThermo Fisherの製品が優れているようです。Thermo Fisherが一人勝ちの様相を示していますが、今後は、この精製用担体についても、抗体医薬品の時と同じ様に、更なる高性能を求め、競合他社がひしめき合う状態が、必ず来るはずです。数年もしないうちに。

    プロテノバ、徳島県、日本

    編集履歴
    2020/11/28 Update, Harikiri(Mr)
  • [Bio-Edu] 抗体のFc Domainに強い結合親和性を持つStaphylococcus aureus protein A (通称 Protein A)について – ID3817 [2019/12/03]

    [Bio-Edu] 抗体のFc Domainに強い結合親和性を持つStaphylococcus aureus protein A (通称 Protein A)について – ID3817 [2019/12/03]

    Protein A

    抗体のFc領域に強い結合親和性を持つStaphylococcus aureus protein Aを一般にProtein Aと呼んでいる。ここでは、Pronte A (SpA)と称する。

    SpAは、IgMのFabに対しても結合親和性がある。

    Crystal structure of a Staphylococcus aureus protein A domain complexed with the Fab fragment of a human IgM antibody: Structural basis for recognition of B-cell receptors and superantigen activity

    2次構造

    E-D-A-B-C

    3次構造

    • Protein A 3D構造 :
      • 1DEE : SpA bound to human IgM Fab
    • Protein A (B-domain)
      • 1BDD : SpA B-domain (3 x Helix)
      • 5U4Y : SpA B-domain (3 x Helix) bound to IgG Fc
      • 1BDD : SpA B-domain (3 x Helix)
      • 4NPF : Two tandem B-domain
    • Protein A (C-domain)
      • 4WWI : bind to IgG Fc