タグ: Pfizer

  • [COVID-19] ファイザーが開発している飲むCOVID-19治療薬 ritonavir (Paxlovid) – EUの当局(EMA)が臨床データ検討を開始 [2021/11/19]

    [COVID-19] ファイザーが開発している飲むCOVID-19治療薬 ritonavir (Paxlovid) – EUの当局(EMA)が臨床データ検討を開始 [2021/11/19]

    ID35108

    EMAはCOVID-19患者を治療するためのPaxlovidのレビューを開始します

    EMAは、ファイザーが開発したCOVID-19の経口治療であるパクスロビッド(Paxlovid/PF-07321332/ritonavir)の使用に関する現在利用可能なデータを検討しています。これは、マーケティング承認前に、緊急使用設定など、COVID-19の早期使用を決定する可能性のある国家当局を支援するためのものです。

    EMAの人間医薬品委員会(CHMP)は、重篤な病気に進行するリスクが高い軽度から中等度のCOVID-19の非入院患者におけるダミー治療(プラセボ)の効果を比較する研究のデータを調べます。予備結果は、パクスロビッドが症状の開始から3〜5日以内に治療を受けたときのプラセボと比較して入院または死亡のリスクを減らしたことを示しています。CHMPはまた、薬の品質と安全性に関するデータを確認します。

    より包括的なローリングレビューは、マーケティング承認の申請に先立って開始されると予想されますが、この現在のレビューは、可能な限り最短時間でEU全体の推奨事項を提供し、医薬品の早期使用に関するエビデンスベースの決定を下したい国家当局が使用できます。

    EUの当局は、EUの高い安全性と有効性基準を満たしていることを確認しながら、非常に必要なCOVID-19治療とワクチンの評価を促進することに引き続きコミットしています。EMAは、このレビューが終了したら、このレビューの結果について通知します。

    薬についてもっと

    パクスロビッドは、SARS-CoV-2(COVID-19を引き起こすウイルス)が体内で増殖する能力を低下させる経口抗ウイルス薬です。活性物質PF-07321332は、増殖するためにウイルスに必要な酵素の活性をブロックします。パクスロビッドはまた、PF-07321332の分解を遅らせるリトナビル(プロテアーゼ阻害剤)の低用量を含み、ウイルスに影響を与えるレベルで体内に長く滞在することを可能にする。この薬は、COVID-19患者の入院の必要性を減らすことが期待されている。

    手順の詳細

    EMAのエグゼクティブディレクターは、欧州医薬品規制ネットワーク全体の専門家を集めたEMAのCOVID-19パンデミックタスクフォース(COVID-ETF)との予備的な議論の後、規制726/2004の第5条(3)に基づくレビューを要求しました。

    このレビューは、EMAの人間用医薬品に関する質問を担当するEMAの人間用医薬品委員会(CHMP)によって実施されています。委員会は、正式なマーケティング許可が発行される前に、EU加盟国が国内レベルでこの薬の使用に関する決定を下す際に考慮すべき最短期間内に科学的意見を発行します。

    参考

    EMA starts review of Paxlovid for treating patients with COVID-19 (2021/11/19, EMA)

    https://www.ema.europa.eu/en/news/ema-starts-review-paxlovid-treating-patients-covid-19

    編集履歴

    2021/11/22,はりきり(Mr)
  • [Vc] Pfizerの新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン – Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine の組成  [2021/06/10]

    [Vc] Pfizerの新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン – Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine の組成 [2021/06/10]

    BNT162とは

    ドイツのBiopharmaceutical New Technologies (BioNTech) 社とPfizerが共同開発するmRNAをベースとする新型コロナウイルス感染症に対するワクチンです。開発ワクチンは、SARS-CoV-2受容体結合ドメイン(receptor binding domain; RBD)をコードするヌクレオチド修飾メッセンジャーRNAをベースのワクチン(BNT162b2)

    • 2020/11/09, 4万3千人を対象に進められているP3臨床試験の途中集計として、その予防効果は90%以上あることを発表したsource
    • 2020/10/20, 日本人におけるBNT162b2の安全性、認容性および免疫原性を評価目的にPhase 1/2試験(160名、20~80歳日本人、BNT162b2とプラセボの比 3:1)を開始したと発表。BNT162b2は30μgを21日間隔で2回接種し、最終接種から12ヶ月後まで評価する計画。BNT162bは、最適化されたスパイクタンパク質の全長をコード強いる。BNT162b2は、ドイツ、米国、ブラジル、アルゼンチンを含む世界で最大120治験実施施設で、44,000人の参加で国際共同治験2/3相が評価中。この試験と、今回の日本出の試験のデータを用いて、日本での製造販売用視認を申請する予定です。承認が得られた場合、1億2000万回分のCOVID-19ワクチンを2021年上半期に日本に提供されるsource
    • 2020/07/31, 日本に対して来年6月までに6000万人分の供給を約束した
    • 2020/07/01, BioNTech社との共同研究であるSARS-COV-2に対するmRNAベースのワクチンの臨床試験(4候補、Phase I/II)の早期データを発表(45例の評価) source
      • 10μg/30μgの投与
      • 28日目, RBD結合IgG抗体濃度が上昇し、SARS-CoV-2に対する中和抗体価が確認された
      • 深刻な有害事象は無かったことから、今後のPhase IIb/3での有効性試験における主要候補と容量レベルの選択が可能となった

    BioNTech

    mRNAをベースに治療薬を開発するベンチャー source

    • mRNAベースの治療薬開発
    • コンピューターテクノロジー
    • 共同研究など他社との協業
      • Genmab
      • Sanofi
      • Bayer Animal Health
      • Genentech
      • Genevant
      • Fosun Pharma
      • Pfizer

    因みに、AstraZenecaが開発している新型コロナウイルス感染症ワクチンは、Adenovirsを使ったワンチンです。T細胞の免疫応答の強化が期待できるため、mRANワクチンよりもワクチン効果が高いことが期待されています。関連記事もご覧ください。

    ワクチンの臨床結果による有効性の比較

    世界の製薬企業であるPfizer, ModernaおよびAstrazenecaの臨床試験の成績の比較は、以下のをご参考にしてください。

    Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの組成

    Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2表面の改変したスパイク・糖タンパク質(spike (S) glycoprotein)をコードするメッセンジャー RNA (modRNA)を脂質膜で粒子状にした製剤です。提供形態は、凍結品で以下の組成になっています。

    • 凍結品 (ドライアイス; 75℃程度)で保管・輸送
    • 使用時には、1.8 mLの0.9% Sodium Chloride (diluent) で希釈
    • 複数回用
    • 0.3 mL投与
      • 30mg of modRNA
      • 0.43 mg (4-hydroxybutyl)azanediyl)bis(hexane-6,1-diyl)bis(2-hexyldecanoate)
      • 0.05 mg 2[(polyethylene glycol)-2000]-N,N-ditetradecylacetamide
      • 0.09 mg 1,2-distearoyl-sn-glycero-3- phosphocholine
      • 0.2 mg cholesterol)
      • 0.01 mg potassium chloride
      • 0.01 mg monobasic potassium phosphate
      • 0.36 mg sodium chloride
      • 0.07 mg dibasic sodium phosphate dihydrate
      • 6 mg sucrose
      • (contributes an additional 2.16 mg sodium chloride per dose)
    • 3週間空けて2回の接種

    Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine – Fact Sheets and Additional Information – FDA

    特に、日本語のファクトシートを見たい場合は、ワクチン接種を受ける人と介護従事者のためのファクトシートを参照

    https://www.fda.gov/emergency-preparedness-and-response/coronavirus-disease-2019-covid-19/pfizer-biontech-covid-19-vaccine

    審査結果報告書

    製造方法

    審査結果からわかる製造方法は以下の通り。

    • plasmid DNA(pDNA)を大腸菌の培養により得る
    • 大腸菌を溶解してpDNAの抽出、精製される
    • pDNAを直鎖DNAにしてから、転写によるmRANを得る。必要な精製処理が行われる
    • 転写で使用されるUTPは、改変されたものである
    • mRNAはLNPで製剤化されている

    コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS- CoV-2)

    (有効成分名:トジナメラン) , H2年 3月 12日

    https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_4.pdf

    編集履歴

    2020/07/23 はりきり(Mr)
    2020/07/31 日本との合意
    2020/11/09 予防効果は90%以上
    2021/02/03 Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの組成
    2021/06/10 追記(審査結果報告書)
  • 気になる企業 – Pfizer – 今後もバイオシミラーに主力/新型コロナウイルス・mRNAワクチンは日本における最初の承認 [2021/12/04]

    気になる企業 – Pfizer – 今後もバイオシミラーに主力/新型コロナウイルス・mRNAワクチンは日本における最初の承認 [2021/12/04]

    Pfizer

    日本でPfizerが知れ渡ったのは、新型コロナウイルスのワクチンを最初に日本で承認されたことでしょう。Pfizerは、日本での製薬会社の最大手である武田製薬工業よりも、何倍もある大きな製薬会社です。

    新型コロナウイルスのmRNAワクチンでは、BioNTechと共同で開発しました(2021/12/04 by Mr.Harikiri)。

    • 2019年売り上げ 約5.2兆円
    • Biopharmaの売り上げは、約3.9兆円
    • Biosimilarの売り上げは、約0.8兆円(2027には予測6兆円)
    • 2016, Pfizer Acquires Bamboo Therapeutics in a $645M Deal, source

    PFIZER REPORTS FOURTH-QUARTER AND FULL-YEAR 2019 RESULTS

    https://investors.pfizer.com/investor-news/press-release-details/2020/PFIZER-REPORTS-FOURTH-QUARTER-AND-FULL-YEAR-2019-RESULTS/default.aspx

    新しいバイオロジクスの製造工場を作っている(Pfizer site, 2019)

    1. Andover Clinical Manufacturing Facility (ACMF)
    2. 投資額 : 2億ドル(200億円)
    3. 5つの製造スイート (75 employee)
    4. アンドーバー、マサチューセッツ州
    5. 175,000ft2
    6. 生物製剤とワクチンの開発と製造(商業生産可能)

    PfizerのPipelineの検索サイト

    Hospiraの買収

    • 米国のHospira社を買収、2015/9/3
    • 世界屈指のバイオシミラー企業

    低分子医薬品

    • ADENOSINE : 内皮細胞上のアデノシンA2A受容体に結合して、好中球の遊走抑制、炎症性サイトカイン(TNF-α、INF-γ、IL-12, IL-6)産生抑制
    • ARGATROBAN: トロンビン阻害剤
    • ARTHROTEC : 関節炎

    ワクチン

    • 新型コロナウイルス・ワクチン
      • 2020/11に、アメリカでの緊急使用を申請
      • アメリカには、2020年内に2,500万人分の提供予定
      • 日本は、6,000万人分の供給を約束
      • 日本における新型コロナウイルスに対するワクチンとして最初に承認されたのがPfizerでした。その後、Modernaが昇進されています(2021/12/04)。

    Biosimilar

    PfizerのBiosimilarの売り上げは、約319億円(2016)から約1,000億円(2020)に伸長し、その後、2027には、6,000億円を見込むForbes

    • Inflectra (infliximab-dyyb), injection
      • Remicade biosimilar (2018/12/10, JP)
    • Nivestym (filgrastim-aafi), injection
    • Retacrit (epoetin alfa-epbx), injection
    • Ruxience (rituximab-pvvr), injection
      • Rituximab biosimilar (2020/01/20, JP)
    • Trazimera (trastuzumab-qyyp), injection
    • Zirabev (bevacizumab-bvzr), injection
      • Avastin biosimilar (2019/12/09, JP)

    Pfizerサイト – より

    https://www.pfizerpro.com/product/biosimilars/hcp

    編集履歴

    2020/06/19 はりきり(MR)
    2020/06/24 追加(RocheのBiosimilar戦略, 2015版)
    2021/12/04,追記(新型コロナウイルス ワクチン(mRNA)は日本における最初の承認となった)