Working Cell Banking
マスターセルパンク(MCB)の拡大培養により細胞を増やし、MCBと同様に品質試験されて、正式に決定された生産細胞株であるWorking Cell Bank (WCB)を作ること。ルーチン製造に使用される。
編集履歴 2020/08/24 Mr.はりきり
GMPに従いマスターセルバンク(Master Cell Bank; MCB)を製造し液体窒素による超低温保管する。日本、米国、欧州の3つの薬局方(3局)の合意としてICH Q5Dガイドラインがあります。MCBは、「細胞基材」です。その調整にあたり、材料となる元の細胞の履歴、行った作業などについて詳細に記録することが求められます。細胞自体の安定性、産生されるバイオ医薬品の目的物の品質、など多数の試験項目により、MCBの品質を保証する必要があります。
生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)製造用細胞基剤の由来、調製及び特性解析 – ICH Q5D, PMDA –
https://www.pmda.go.jp/files/000156150.pdf
編集履歴 2020/08/24 Mr.はりきり 2021/10/14,追記(ICH Q5D)
GMPに従いマスターセルバンクとワーキングセルパンクを製造し液体窒素による超低温保管すること。セルバンクには、開発段階ごとに以下のようなものが作成される。
遺伝子組換えしようとしている元の細胞株に遺伝子導入して、目的の物質を生産する遺伝子組換え細胞を作製し、単一のクローンにセレクトしたり、生産性の高いものを選んだりしながら、RCBを作製します。その後、更に、確実なモノクローンにしてMCBを作製します。バイオロジクスの開発段階、臨床の初期段階では、MCBを出発材料として、臨床用サンプルを製造します。その後、MCBの一部を使用して、拡大培養しWCBを作製します。その後は、WCBを使用して臨床用サンプル、商用の医薬品を作製することになります。
編集履歴 2020/08/24 Mr.はりきり 2021/10/14,追記(RCB, MCBおよひWCBに関する記載)
バイオロジクスの開発には欠かせない装置です。遺伝子をホストセルに電気パルスなどで導入したあと、導入できていて、元気がよく、且つ生産性が高い細胞の1個をセレクション(スクリーニングによる)する必要があります。ClonePixは、モノクローンの細胞をビックアップする装置です。現在では、昔のように顕微鏡を見ながら細胞をスポイドで吸うなんてことはしません。
サイトの説明から。
モノクローナル抗体やバイオ医薬品を生産する細胞株樹立ワークフローの効率化
ClonePix™ 2システムは、抗体医薬候補のタンパク質高産生クローンを効率的にピッキングする自動動物細胞ピッキングシステムです。ClonePixテクノロジーは世界中の100ヶ所を超える製薬企業や研究機関に導入され、モノクローナル抗体やバイオ医薬品を生産する細胞株樹立ワークフローの効率化に貢献してきました。
ClonePix 2 自動動物細胞コロニーピッキングシステム
https://www.moleculardevices.co.jp/systems/clonepix-2-system#gref
細胞株の同一性試験としては、規制当局の要件としてアイソエンザイム解析がある。
同様に同一性試験としてDNAを対象にしたRandom amplified polymorphic DNA (RAPD)試験がある。
具体例として、参考文献1が参考になる。
その他にも、Short Tandem Repeat (STR)分析がある。
RAPD-PCR法によるトラフグ、ハコフグ、うまづらはぎおよびアンコウの肝臓の判定
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/25273/1/35-p086.pdf