免疫グロブリンの種類と役割
免疫グロブリンは、自然免疫の代表格ですが、その種類は5つあり、それぞれ役割があります(図1)。
ひと昔前では、測定技術低さ・検出感度の低さの問題から、IgMの増加タイミングは、1~2週間後から、IgGについては、2~4週間後からと言われていました。
しかし、最近では、検出感度の改善により、IgMは、感染早々から, IgGでは、感染後1週間後からと、相当早い段階から産生され初めているようです(図2)。ただし、免疫力を発揮する濃度に達するまで産生されるには、それより数日から数週間を待つ必要があるはずです。
上記のように以前と今の違いを図2から考察してみます。IgMもIgGも産生されて、その濃度が最大になる頃を見てみると、IgMでは2週間、IgGでは1ヶ月になっています。したがって、それぞれ、産生量のピークとなる頃の期間であると認識すれば、正しい解釈であるとも言えます。
- IgG : 1量体(150kDa) source、血中に存在する、長期間の免疫、感染後1週間後から増加する
- IgA : 1および2量体(320kDa) source、唾液・涙に豊富、粘膜の粘液中に多く存在していて、遺物の体内への侵入を防ぐsource
- IgM : 5量体(900kDa, 稀に6量体) source、血中に存在する、体内に侵入した異物を5ヵ所の結合部位で数珠繋ぎにすることでがんじがらめにする source。初期感染時(感染後早急)から作られるて異物に対処し、その後IgGに引き継ぐ
- IgD : 1量体(180kDa)、2009年頃までその薬やは不明でしたが、呼吸器感染の免疫を担っているとのこと。上気道感染(扁桃腺、上気道組織)において分泌され、抗原との結合を切っ掛けに好塩基球が活性化するsouece
- IgE : 1量体(200kDa)、寄生虫関連の抗体、IgEとアレルゲンの結合にヒスタミンがマスト細胞から放出されることにより痒み(その他)が症状して注意喚起する役割ですが、量が多いとアレルギーという症状に繋がりますsource
図1. 免疫グロブリンの種類
感染時のIgM/IgGの血中濃度
図2. 免疫グロブリンの挙動、自然免疫の補体活性及び赤血球凝集活性を測定することで、感染と免疫応答を観る
CFとHIの説明
補体結合反応(CF) | 抗原抗体複合体と結合した補体を感作血球の不溶血を指標として間接的に証明。 | ●群特異性が高い ●比較的早期に抗体消失 ●感染スクリーニング用 |
赤血球凝集抑制反応(HI) | 赤血球凝集能をもつウイルスの場合、その凝集を抑制する抗体を証明。 | ●型特異性が高い ●早期に抗体が上昇、持続する |
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