CD
CD; circular dichroism; 円偏光二色性。この測定結果のスペクトルからタンパク質の立体構造の変化を知ることができます。バイオロジクス(タンパク質医薬品)の品質について分析する手法の一つです。
Release Testとは、医薬品の製造が正常に実施され、それによって製造された原薬または医薬品について、予め定めた規格試験に合致することを確認する試験であり、確認されることで問題の無い品質として出荷できるお墨付きが与えられる試験である。
MR.HARIKIRIの理解で表現すると、「Comparability Testとは、一般的に原薬のRelease Testを項目を網羅している。すなわち、物性、不純物など多数の項目で構成される品質試験であり、製造法変更などによる同等性を確認する試験群の塊」である。規格試験よりも、更に詳細な物性、例えば「糖鎖分析」、「フリーシステイン数」、「in vitro/in vivoなどによる活性評価」などの試験が追加される。
開発している医薬品の開発ステージが進むほど、高い同等性が求めらめることは当然であり、臨床試験でのPK/PDも必要となる場合もある。
バイオロジクス医薬品は、先行バイオ医薬品と同等性または同質性を持つ医薬品です。ここで、同等性/同質性 (comparability)とは、以下のように理解されます。
バイオロジクス医薬品は、化学合成ではなく細胞や細菌が作り出すため、分子量が大きく構造が複雑です。そのため、同等性/同質性を確保するために厳格な評価が行われます。日本では、バイオ後続品の承認審査が進められており、多くのバイオシミラーが既に承認されています1.
このようなバイオシミラーは、先行バイオ医薬品と同等な品質を持ちつつ、治療効果を提供する重要な選択肢となっています。
詳細情報
3.fujifilmkyowakirin-biologics.com
以上がCoPilotの答えた同等性/同質性の解釈 (2024/06/21現在).
バイオロジクスは、低分子ドラッグと比較して細胞などの生命原理を利用した製造原理であり、完全に理解されているものではない。また、Upstreamの培養、Downstreamの精製工程も複雑であるため、製造方法は、開発当初から完全な条件設定が完了することはできない。そこで、段階的な最適化が進められるのが通常である。製造承認取得後も、これら製造工程の変更が行われることも多いが、その変更される主な理由は、主に経済性であり以下の通りである。
Potential impact (潜在的影響)としては、不純物が増加したり、目的物質の物性変化、最悪の場合は活性の低下など品質への影響が考えられる。品質以外の結果として、毒性が顕在化することもあり得る。
Potential impactを検出するために、Release Test (出荷試験)にあげられる試験項目の実施の他に、extended Characterization Test (追加的な物性試験)が、追加される。
また、品質における変化があれば、Stability studies data (保存安定性)に影響することも考えられ、悪い影響としては、安定性が維持できず保存期間の短縮化という悪影響も起こり得る。
変更箇所 | 考えられるインパクト | 原因 | 試験方法 |
培養方法、条件 | 細胞の生理学的(physiology)な影響、プロダクトの変化、C末端Lysの脱落(clipping)、その他翻訳後修飾(post-translational modifications;PTMs) | 細胞の生理的活動の変化による生体化学反応の変化 | N型糖鎖分析(glycoforms)、IEF, SDS-PAGE, SEC, AUC, ESI-MS, Freeチオール、ペプチドマッピング |
精製方法、条件 | 重合体(aggregates), 分解物(fragments), 2本作が1本作ずつに乖離(dissociation)など, variants, 不純物(Impurity level) | 成分の変化による相対的なインタラクションの変化 | SEC, AUC, SDS-PAGE, IEX, ESI-MS, oligosaccharide |
UF/DF, buffer, time | aggregates, fragments, dissociation, conformation, activity | 濃度の変化やシェアストレス、Donnan-Effectによるバッファ組成の変化 | CD, peptic mapping(MS/MS), Cell Based Assay |
Comparability Protocols for Human Drugs and Biologics: Chemistry, Manufacturing, and Controls Information, Guidance for Industry, DRAFT GUIDANCE (2016), 24 page/all
https://www.fda.gov/files/drugs/published/Comparability-Protocols-for-Human-Drugs-and-Biologics–Chemistry–Manufacturing–and-Controls-Information-Guidance-for-Industry.pdf
ICH Topic Q5E
Comparability of Biotechnological/Biological Products, Step 5 (2005), CPMP/ICH/5721/03
https://www.ema.europa.eu/en/documents/scientific-guideline/ich-q-5-e-comparability-biotechnological/biological-products-step-5_en.pdf
ICH Topic Q5Eの解説 – Brigitte Brake BfArM Germany – @2011 ICH, International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use
https://admin.ich.org/sites/default/files/inline-files/SESSION_II_ICH_Q5E_Comparability.pdf
pmdaサイトにあるQ5Eの文書「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の製造工程の変更にともうなう同等性/同室性評価について」
https://www.pmda.go.jp/files/000156276.pdf
2020/02/02, Mr. HARIKIRI 2021/04/17 追記(表1に項目「原因」を追加) 2021/08/16,文言整備 2021/08/27,追記(開発ステージ関連の記載) 2024/06/21,追記(CoPilotの解釈)
抗体医薬などのバイオ医薬品の物理化学的評価 (抗体医薬などのバイオ医薬品の物理化学的評価, 内山 進, 2016)