ビジョンから戦術まで
会社経営において、会社の目指すビジョンの設定は、まず必要な作業です。
このビジョン/ミッション/方針がなければ、その下位概念である戦略、戦術を策定することは無意味です。
個人的な「夢」の実現にも同様の作業を行うことは効果的です.
夢とは、お金儲けでもいいし、なりたい自分でも、世界平和でもいいのです。そのビジョン/ミッション/方針が決定できたら、その手段としての「戦略」を策定し、その具体的な策としての「戦術」を順次策定します。
最初に設定すべきは、ビジョンです。上位から下位に,すなわち「ビジョン/ミッション/方針」→「戦略」→「戦術」と立案する.
- ビジョン/ミッション/方針
- 戦略
- 戦術
ビジョン
ビジョンは、簡潔です。会社経営のビジョンの場合、顧客視点で策定するのが、最近の定石です。例えば、食に関わる業種・業態の場合は、「消費者の健康的な食生活の達成」、旅行やIT産業の場合は、「顧客のエクスペリエンスを最高にする事」、サービス業の場合は、「顧客の美の要求を充足させる事」、などが思い浮かびます。
医薬研究者なら、「Xという病気の根本原因を究明し患者さんの治療法の選択肢として最高のものを提案する」でもいいし、製造研究者なら、「現行製造コストを低減化する事で、安価に製品を提供し顧客のクオリティ・オブ・ライフに貢献する事」などのビジョンを設定することができます。
どんな業種・業態・職業・役割など、どんな思いにもビジョンは設定可能です。
Appleのビジョン/ミッション
Apple Inc. (UNITED STATESSECURITIES AND EXCHANGE COMMISSIONWashington, D.C. 20549)の情報から、以下の言葉が拾えます。
to bringing the best user experience to its customers through its innovative hardware, software and services source: sec.gov /カスタマーの革新的なハードウェア、ソフトウェア及でサービスを通じてユーザーのエクスペリエンスを高める事
Microsoftのビジョン/ミッション
to empower every person and every organization on the planet to achieve more. /地球上の全ての個人と企業に更なる達成の力を与える事
戦略
戦略 (strategy)とは、その下位の複数の戦術という駒をどのように配置して、どのようなタイムラインや条件で、順次動かしたり、撤退したりする作戦です。研究者なら、Aという研究データを先に取得するか、その前にBという研究データを取得した方が、Aの研究の作業時間が少なくなるのか、色々な方向から戦略を考えて、効果的、効率的、低コスト、期間、データの質などを考慮して戦略を決定します。
戦術
戦術は、具体的な策です。研究者なら、それは実験方法です。キットを使うのか自前で開発した測定方法を使うのか。戦術自体の決定のレベルは、戦略にも関わります。戦略として市販のキットを使う方が、データの取得時期が早まるのであれば、戦略として、キットを使う戦略もあり得ます。
まとめ
物事を始めるためには、先ず最初に明確な思い、自分としてしっくりくる思いの設定作業が、今後の成果の良し悪しに影響します。会社組織を作るベンチャーにおいて、創業者の思いは重要なファクターです。このビジョン/ミッションを投資家は重要視しています。会社組織内においても、自分の役割について、どれくらいの強い想いがあるのかで、その成果も変わってきます。その強く熱い思いを具体化していく作業が、今回紹介した「ビジョン → 戦略 → 戦術」のフレームワークです。
編集履歴 2020/08/12 Mr.HARIKIRI 2022/10/23 修正: MSのビジョン/ミッションのリンクが切れていたので復旧