[Knowledge] ニューロンとグリア細胞 – ID12734 [2020/12/16]

余談

アインシュタインの脳は、死後も保存されているという。研究者によれば、アインシュタインのニューロン数は、一般平均と同等であったが、脳重量は、平均より重かった。その重量差は、グリア細胞の数の多さであった。

考察するに、ニューロンを長時間活動させることに資するグア細胞(アウトロサイト)の多さが、深く思考するために必要であるのではないかと考えられる。

脳の細胞

ニューロン : グリア細胞 = 1 (>0.1兆個) : 10 (>1兆個)

ニューロン

  • 神経細胞
  • 信号伝達のノード
  • ニューロン同士の結びつきが思考のパターン
  • プログラム言語でいうと、if then文
  • 大昔のコンピュータで言うと「リレー・ユニット」
  • 少し前のコンピュータで言うと、「トランジスタ」

グリア細胞の種類

  • 活動電位を発生しないサイレントな細胞と思われて来た
  • 睡眠時に脳内から有害物質を除去している
  • グリア同士のやり取り
    • ATPを使う(サイエンス2004/7月号)
  • オリゴデンドロサイト
    • ミエリン鞘を作る
    • ミエリンが無いと信号伝達速度は1/100に落ちる
    • ミエリンは、神経回路の固定化
    • ヒトの神経が再生しない原因の一つ
    • 生後〜20歳ごろまでに作られる
  • ミクログリア
    • 多機能細胞である(膜貫通タンパク質 TREM2/DAP12 – ITAM)
    • 神経細胞の増殖・生存、視細胞の貪食、リソソーム機能、脂質代謝のホメオスタシスなどの調整
    • 中枢神経系 (CNS)での免疫機能を担う (感染症・がんなどによる炎症や、ミエリンの代謝回転シグナルに応答する)
    • 骨髄由来の造血幹細胞が未熟な内に脳内に入ったもの
    • * TREM2 : Triggering Receptor Expressed on Myeloid cell 2
    • * DAP12 : DNAX-activating protein of 12 kDa
    • * ITAM : Immunoreceptor tyosine-based activation motif
  • アストロサイト
    • グリア細胞の中で最も数が多い
    • 多数の突起を軸索に伸ばして、脳空間を埋めている
    • 栄養の運搬、過剰なイオンの吸収、損傷の修復
    • BBBを担っている
    • (星細胞と言われたりする)
  • シュワン(Schwann cell, オリゴデンドロサイトと同種)

グリア細胞 – 日本生物部理学会 – より

https://www.biophys.jp/highschool/A-08.html

Recent studies utilizing human genetics, brain imaging, and single-cell RNA sequencing have substantively elucidated the biochemical and gene expression programs that support microglial responses to damage – Vigil社, 2020/12

https://www.vigilneuro.com/trem2

神経軸索ガイダンス因子

  • RGM-A,B
    • Neogenin関連
  • Nogo-A~C
  • Netrin
    • 細胞膜
  • セマフォリン
  • エフリン

Blood Brain Barrier (BBB)

脳内の毛細血管の周囲には、脳内毛細血管内皮細胞を介してアストロサイトが取り巻いている。

脳内毛細血管内皮細胞は一層であり、その細胞と細胞の間を「Tight Junction」と呼び、BBBの本質である。

BBBが存在しない脳領域

全身に及ぶホルモンの分泌が必要な脳領域には、BBBは存在しない.

  • 脳室周囲機関
    • 松果体・漏斗
    • 脳下垂体
    • 最後野

編集履歴

2020/03/29 はりきり(Mr)
2020/07/14 追記(アインシュタイン) 2020/12/16、追記 (ミクログリアが多機能である分子機構TREM2について)