カテゴリー: BIOLOGICS
SDS – 安全データシートを作る
以前はMSDSが使用されていましたが,今はSDSになっています.記載の様式がことなり,より安全対処に重きが置かれました.
MSDSとSDSの違い (Copilot)
MSDSとSDSの違い
MSDS(Material Safety Data Sheet)とSDS(Safety Data Sheet)は、どちらも化学物質の安全性に関する情報を提供する文書ですが、その名称と内容には少し違いがあります。
違いのポイント:
- 名称の変更:
- MSDSは以前の呼び方で、日本語では「化学物質等安全データシート」と呼ばれていました。
- SDSは国際的な基準(GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)に基づいて改名されたものです。
- 統一基準:
- SDSはGHSに基づいており、情報の内容や形式が統一されています。
- 一方、MSDSはGHS導入前に使用されていたため、フォーマットが標準化されていない場合があります。
- 目的:
- 両者とも化学物質の取り扱いにおいて、使用者の安全を確保し、環境への影響を最小限にするために重要な情報を提供します。ただし、SDSは最新の国際基準を反映しているため、より詳細で一貫性のある情報が記載されています。
要するに、SDSはMSDSの進化形です!もし化学物質に関する具体的な情報を知りたい場合、最新のSDSを参照するのがおすすめです。
SDSは取扱者の安全性に重点が置かれるようになった
SDSは取扱者の安全性に重点が置かれるようになった
Hazard Communication Standard: Safety Data Sheets
SDS(安全データシート)とは? 交付義務や作成方法、項目について簡単にわかりやすく解説! | スマートSDS ジャーナル
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2025/03/10 Mrはりきり
- 名称の変更:
[バイオ医薬] 製造におけるバイオバーデン管理について
はじめに
バイオ医薬品の製造における精製工程は下流工程と称され,培養工程とは異なりオープン作業が基本である.例えば,カラムに樹脂を充填する作業はオープンで行われるため,細菌などの汚染のリスクがあり管理が必要となる.これをバイオバーデン管理という.パオバーデンによる細菌などの毒素汚染のリスクも含まれる.細菌汚染により製造バッチの廃棄による経済的損失も無視できない.一旦発生すれば,カラム樹脂の廃棄,根本原因の解明とサイトの消毒作業により操業が停止することで大きなコストが発生する.
以下,cytivaのwhite paperからまとめた.
バイオバーデン
潜在的な微生物汚染物質として以下の形態が考えられる.それぞれの特徴をしることでリスク軽減が可能となる.バイオバーデン管理として器具のNaOH洗浄は代表的な処置法である.
- 細菌
- ウイルス
- 細菌より小さくマイクロろ過ではまったく除去できない
- 脂質膜を持つウイルスでは溶剤・界面活性剤で不活化される.
- ウイルス除去膜(ナノろ過)である程度の比率で除去可能
- 1M/0.5M NaOH処理による不活化データがある
- カビ(真菌)
- B. subtilisなど胞子形成細菌
- 胞子はケラチン外層であり化学物質(NaOHなど)や熱に耐性を持つ (対応策は,1M NaOH, 22℃,1時間処理による不活化)
- 121℃過熱や次亜塩素酸ナトリウム,過酢酸などの酸化剤には弱い
- 外毒素
- 一般的に分子量が大きいタンパク質で抗原性がある.
- グラム陽性・陰性菌の細胞内で生成され一般的に熱に弱い
- ペプチドベースの外毒素は熱・化学体制がある
- 内毒素
- エンドトキシンはグラム陰性菌の外膜由来で熱耐性のリポ多糖類).
- エンドトキシンの不活化には,0.1M NaOHが有効
- 0.1M NaOHよりは0.5M/1.0Mでの不活化は高い効果を示す(0.1Mでは50時間,1.0 M/0.5 Mでは8時間から20時間の処理で検出限界以下となる)
バイオバーデンの発生源
- 土壌,空気,植物,動物及びヒト : 細菌,真菌,ウイルス
- 様々な経路を経て製造プロセスに侵入する
- 原材料
- 製品と直接接触する原材料や加工助剤は潜在的リスク
- カラムレジン,UF膜
- 製品と直接接触する原材料や加工助剤は潜在的リスク
対策
- ろ過
- クロマトグラフィー
- 低pH処理による不活化
- Solvent detergent (溶剤洗剤)処理
- 保持時間の短縮
- オープン作業の削減
- プロセス水の監視
- エリアの微生物粒子の監視
- 衛生活動,適切な教育訓練とSOP
バイオバーデン管理
- CytivaのProtein A
- 樹脂の微生物規格として100 CFU/mLから20 CFU/mLに削減された.
- 樹脂のエンドトキシン規格として<5 EU/mLが導入された.
- シングルユースバッグの使用
- 事前に消毒された製品を使い捨てで使用する
- 洗浄 (装置,レジン及びUF膜)
- 一般的には,1M NaOHが使用される.
- 保管管理の条件
- 自動化
- カラムパッキングなどの人を介さない自動化
- レジンの包装からの取り出し(人の介入)
- 自動充てん装置(人の介入なし)によるレジンの充填
- 連続製造技術
- ホールドタイムの短縮
- ただし,製造バッチサイズが大きくなると製造期間が長くなり逆にリスクが高くなる.
- バッファの自動化導入による準備
- 自動バッファ調製(in line conditioning)によるリスク低減化によりfoot printeの削減や調製の簡素化
- 再現性の高い調製
- カラムパッキングなどの人を介さない自動化
再生医療用医薬品~ アクーゴ~ (サンパイオ)
まとめ
- 機能性の細胞
- 開発番号 : SB623
- 2024/7/31に先駆け指定制度のもと条件及び期限付き製造販売承認を取得
- サンパイオが開発している脳内移植用の再生医療製品
- 細胞の由来 : 健康成人骨髄液由来 肝細胞系乾漆細胞を加工・培養して作製された骨髄由来加工間質系幹細胞 (国際一般名 : バンデフィテムセル)
- 脳内の損傷した部位に移植する
- 移植部位では,FGF-2が増加し損傷した神経細胞の再生力が増すことで,治療効果が期待される
- サンパイオ : 2001年に米国のカリフォルニア州で創業,アンメットニーズが高い中枢神経系領域の疾患を主な研究開発・事業化領域としている.
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2025/02/14 Mrはりきり
[医薬品] 肝細胞増殖因子; Hepatocyto Growth Factor [2024/01/08]
HGF
2024年までは,日本において条件付き承認されたAnges社のCollategeneがありましたが,取り下げています.Collategneは,pDNAにHGFをコードする核酸医薬でした.
HGFと疾患の関係
ADとHGFとの関連
脳に存在する各種の細胞(ニューロン、アストロサイト、ミクログリア、オリゴデンドロサイトなど)では,HGFの発現が確認されている.
以下の論文では,データベースで初期のアルツハイマー病(AD)のマーカー(Aβ42, pTau, tTau)と脳髄液中の肝細胞増殖因子(HGF)の相関について統計学的に調査しており,その結果,脳髄液HGFの濃度が高いと,ADマーカーが高濃度であり,軽度認知障害(mild cognitive impairment (MCI))の認知機能低下の速度は速いことに関連していた.
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2025/01/08 Mrはりきり[GMP] OOS/OOTについて、いずれも規格品質試験の結果の態様、対処方法が異なる
目次
先ずは、規格とは,
specificationのことです.OOS/OOTを説明するためには,最初に規格について説明をする必要があります.以下、バイオ医薬品に関して説明を進めます。
規格を検査するための試験があります。
この規格試験とは,医薬品の品質をできるだけ網羅的に把握するために一般的には複数の試験で構成されています.
ある医薬品の製造ロットが完成すれば,QC部門で規格試験が実施されます。設定されている全ての規格試験で合格すれば,その製造ロットは使用可能,即ち出荷可能との判定が得られます.
一方,構成されている規格試験の内の1つでも試験結果が規格範囲内に収まらない場合,その製造ロットは使用も出荷されず廃棄されることになります.
OOS/OOT
- * OOS : out of specification
- * OOT : out of trend
OOSとは,
検査結果が規格外となった試験検査結果のことです。公定書、または社内で定められた許容基準の外側となった試験結果を指します.もしも.規格試験に組み込まれた試験項目の内,1つの試験項目でその分析結果が「不適」と判断されれば、そのロットは廃棄されなければなりません.
OOS結果への対処法としては、「欠陥調査」と呼ばれる手法があります。この手法はFDAのガイダンスに基づいて、実験室の欠陥を明確に立証できれば、再試験を実施して「適」の判定結果がでると,前回のOOS結果を無効にすることも可能です.
OOS結果の調査には、「実験室の調査」、「製造工程の調査」、「再試験の実施」などのフェーズがあります.OOS結果は、製品の品質に影響を与える重要な問題なので、適切な対応が必要です.OOTとは,
検査結果がこれまでに製造してきたロットの検査結果のトレンド(傾向)に合致しないことを指します.
以下は,CoPilotの説明をもとに添削した説明です.
OOT(Out of Trend)とは、傾向外試験結果のことを指します。試験結果が規格外(OOS: Out of Specification)とはならないものの、これまでに得られたデータの傾向から外れていることを意味します。このため、OOTは品質管理において、将来の規格外結果を予防するための重要な警告指標とされています。
一方でOOSは、試験結果が既存の規格から逸脱した場合を指し、直ちに調査や対応が必要となります。OOTとOOSは異なる概念でありながら、どちらも医薬品の品質管理を維持する上で重要な役割を果たします。
OOSとOOTの対処法としては,以下の手順があります.対処手順
OOSへの対処
1. 初期調査(Phase Ia)
- OOSが発生した場合、まず分析担当者と監督者が初期調査を行います。この段階で以下を確認します:
- 試験方法、機器、試料、標準品に明確なエラーがないか。
- 試験データに疑わしいピークや異常が含まれていないか。
- 明確なエラーが認められた場合:
- 試験を無効としてOOSデータも無効とします。
- 再試験を実施します。
- エラーが特定できない場合、更なる詳細な調査(Phase Ib)に進みます。
2. 詳細調査(Phase Ib)
- 試験担当者と監督者が試験結果やプロセス(*)をさらに詳細に調査します:
- 根本原因の特定を試みます。
- 試験結果の傾向や差異を確認します。
- 他成分や潜在的な干渉の可能性を検討します。
- 原因が特定された場合:
- 是正措置・予防措置(CAPA)を策定し、試験結果を記録します。
- 原因が特定できない場合、製造部門やQAと連携して製造に関する調査(Phase II)を行います。
- * : プロセスとは,
- 試験の手順
- 試験で使用する機器の状態
- 試験機器のキャリブレーション(校正)やメンテナンスが適切に行われていたか。
- 機器のエラーや異常動作がなかったか。
- 試薬や試料の取り扱い
- 試薬や試料の保存条件や管理が適切だったか。
- 使用した標準品や試料に劣化や汚染がなかったか。
- 操作環境
- 試験が実施された環境(温度、湿度、清潔度など)が適切だったか。
- 試験室の条件が試験への影響を与えないものであったか。
- 人為的ミス
- 担当者が試験操作中に手順を誤った可能性。
- 試験データの記録方法に間違いや抜け漏れがなかったか。
- つまり、「プロセス」とは試験全体の流れや環境、手順を指し、問題が生じている箇所を特定するために、試験を構成するすべての要素を包括的に見直すことを意味しています。
3. 製造に関する調査(Phase II)
- 製品品質に影響を与える可能性のある以下の要素を調査します:
- 製造工程、操作方法、設備の問題。
- 原材料の品質など。
- 製造で原因が特定された場合:
- 是正措置・予防措置(CAPA)を策定し、記録します。
- 製造で原因が特定できない場合、製品の品質への影響を評価する「インパクト調査」(Phase III)に進みます。
4. 製品へのインパクト調査(Phase III)
- OOS結果が製品の品質、安全性、有効性に影響を与えるかどうかを科学的根拠や統計的分析に基づいて評価します。
- 製品に影響がない場合:
- 試験結果を記録し、調査を終了します。
- 製品に影響がある場合:
- バッチ廃棄、リコールなどの必要な対応を実施します。
OOTへの対処
「OOT(Out of Trend)への対処では、試験結果が規格内であることを考慮し、再試験や再サンプリングは基本的に行わないことが推奨されます。これは、OOTは規格外(OOS)とは異なり、品質基準を満たしているため、再試験を実施することでデータの一貫性を損なうリスクがあるからです。
代わりに、OOTへの対処では試験結果の傾向や変動を分析することが重要です。このため、以下の手法を活用します:
- 品質照査: 過去の試験結果やバッチ間の一貫性を確認し、異常な傾向が繰り返されていないかを確認します。
- トレンド分析: 通常値管理幅(Control Limits)や予測区間(Prediction Intervals)を設定し、試験結果の異常値を統計的に評価します。
- 潜在異常の推定: 傾向からの逸脱が将来的に規格外(OOS)につながる可能性を検討し、リスク評価を行います。
これらの分析結果をもとに、必要に応じて(*1)CAPA(是正措置・予防措置)を発動し、試験結果と対応を記録します。OOTは早期警告の指標として、品質管理における予防的な役割を果たします。
*1 : 必要に応じてCAPA発動のケース:
1. 傾向の持続的な逸脱
- OOTが単発ではなく、複数のロットや時間経過にわたり繰り返して発生している場合。
- この場合は、プロセスや操作に根本的な問題がある可能性があり、それを是正するためにCAPAを発動します。
- 問題について具体的には例えば、「製造プロセス中の一貫性の欠如、あるいは定期的なメンテナンス不足が該当する可能性がある場合.
2. 将来のOOSのリスクが高い
- トレンド分析の結果、傾向外試験結果(OOT)が規格内にとどまっているものの、今後OOS(規格外試験結果)に発展する可能性が示唆される場合。
- OOSに発展する可能性の例: 「予測区間を超える変動が観察された場合」や「統計的に有意な傾向が確認された場合」といった客観的な基準。
- この場合は、予防措置を講じる必要があります。
3. 製造工程や管理基準の不備が判明
- OOTの分析から、製造工程、試験手順、または管理基準に問題があり、逸脱が発生している原因が特定された場合。
- 例えば、機器の微細な不具合、設定ミス、または環境条件(湿度や温度)の変動などが該当します。
- その他,工程記録の不備や人為的ミス
4. OOTが複数のバッチに波及している
- 特定のバッチのみならず、他のバッチにも同様の傾向が見られ、製品シリーズ全体にわたり同様の傾向が観察され影響が懸念される場合。
- これにより製品の一貫性や信頼性が損なわれる可能性があります。
5. 患者の安全性や品質への潜在的影響
- OOTの原因が製品の品質、安全性、または有効性に何らかの潜在的影響を与える可能性が示された場合。
- たとえば、有効成分の濃度が異常に変動する可能性がある場合などです。
- 具体的な影響は,科学的根拠や臨床的リスク評価を用いて分析する必要がある。
6. 法規制または監査対応
- 規制当局や内部監査によって、OOTが重大な問題として指摘された場合や、それに対する明確な対応が求められる場合。
- 特にGMP(医薬品製造管理基準)の遵守が重要な場合です。
- OOT問題として例えば, 「OOT管理が不十分であると判断された場合や、逸脱が文書化されていない場合」など。
7. データの傾向を説明できない場合
- 詳細な調査を行ってもOOTの原因が特定できず、なおかつ将来的なリスクを否定できない場合。
- このようなケースでは、予防措置としてCAPAを発動することが一般的です。
- 予防措置として例えば,管理基準の再設定や試験条件の見直しを行う。
参考:
- Investigating Out-of-Specification (OOS) Test Results for Pharmaceutical production – Guidance for Industry (FDA/CDER 2022)
- Handling of Out of Trend (OOT) Analytical Test Results (2020)
- OOSとOOT – OOS Phase 1初期調査の進め方 (2017)
- 【用語集】医薬品の英略語
- 規格外に対する取り扱い (2008)
- OOT管理手順
- Copilotの回答
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2024/01/25, Mrはりきり
2025/03/18, 内容整備[医薬品製造] バイオ医薬品製造には欠かせないシングルユースバッグ(SUB) – Merckの4層(PureFlex, PureFlex Plus)と6層(Ultimus)のフィルムが使用されるMobiusバッグの柔軟性、低ガス透過性、および不活性な製品接触性の特徴について [2025/01/25]
Mobius ® 2D and 3D Assemblies and Storage Systems – Merck
MerckのMobius シングルユースバッグは,4層 (PureFlex Film, PureFlex Plus Film)あるいは6層 (Ultimus Film)の異なる素材の多重フィルム構造になっており,柔軟性、低ガス透過性、および不活性な製品接触層を提供するように設計されている.
品質保証
- メビウスのアセンブリは、cGMPに準拠したメルクの施設で製造
- ファミリー構成材料は、ガンマ線照射後に試験されており、クラスVIプラスチックのUSP <88>生物学的反応性試験の基準を満たしています。
- 各ロットで圧力減衰法を使用したリークインテグリティテストにより、製品の品質が保証されます。
- すべてのメビウスアセンブリには、材料と仕上がりの品質保証が付属しています。
完全性保証を高めるためのヘリウム完全性製造放出試験
- メビウスのシングルユースアセンブリ*は、ヘリウム完全性製造放出試験でも試験することができます。
- ヘリウム完全性試験は、2 μmの小さな欠陥を検出することが検証されており、チューブや接続ポイントを含むシングルユースアセンブリ全体を試験するように設計されています。
- ヘリウム完全性試験を完全性保証戦略に組み込むことで、製造プロセスにおける漏れや微生物の侵入のリスクを減らすことができます。
認証レベル
- お客様は、プロセス開発のあらゆる段階で、品質、コスト抑制、規制遵守を求めています。
- ゴールド、シルバー、ブロンズの認定レベルでは、自分に適したオプションを選択できます。
PureFlex™フィルム
PureFlex™フィルムは、柔軟性、低ガス透過性、および不活性な製品接触層を提供するように設計された、高純度の医療グレードの共押出フィルムです。PureFlex™フィルムは、幅広いシングルユースアプリケーションに柔軟性を提供し、1つのフィルムを生産プロセス全体の複数のプロセスステップで使用できます。
UltimusとPureFlex™のシングルユースプロセスコンテナフィルムの構造®
素材の解説
- ULDP: 低密度ポリエチレン,非毒性,耐衝撃性,安価
- LDPE, LLDPE : 手密度ポリエチレン,Low Density Polyethylene(LDPE), Linear Low Density Polyethylene(LLDPE), 製造法の違いでLDPEとLLDPEに分類できるが,特性的にほぼ同じ.
- EVA : エチレン酢酸ビニル,柔軟性,化学的耐性
- EVOH : エチレンビニルアルコール,高性能バリアフィルム,酸素バリア性,ガスバリア性,生体適合性
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2025/01/25 Mrはりきり
[医薬品製造] 原料等の供給者の管理に関する手順書 [2025/01/24]
あじめに
医薬品の製造には,多くの種類の原料・基材などを使用する.医薬品の製造業者の仕事は,その供給業者の管理が主体業務といっても過言ではない.
2022年の改正GMP省令により新たに作成が必要となった手順書として,題記の手順書がある.大阪府のホームページに手順書案がアップされている.
原料等の供給者の管理に関する手順書 (案) – 大阪府ホーム …
改正GMP(2022)での必要な手順書
4つの基準書が手順書として新しく加わり,施行規則(2013/08/30では追加されていた手順書がGMP省令に明記された.- 構造設備および職員の衛生管理に関する手順 (新規,以前は基準書)
- 製造工程、製造設備、原料、資材および製品の管理に関する手順 (新規,以前は基準書)
- 試験検査設備および検体の管理その他適切な試験検査の実施に必要な手順 (新規,以前は基準書)
- 安定性モニタリングに関する手順 (GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 製品品質の照査に関する手順(GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 原料および資材の供給者の管理に関する手順(GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 製造業者等の委託を受けて試験検査その他の製造・品質関連業務の一部を行う他の事業者の管理に関する手順(GMP施行通知 2013/8/30では追加されていた手順書)
- 製造所からの出荷の管理に関する手順
- バリデーションに関する手順
- 第14条の変更の管理に関する手順
- 第15条の逸脱の管理に関する手順
- 第16条の品質情報および品質不良等の処理に関する手順
- 回収等の処理に関する手順
- 自己点検に関する手順
- 教育訓練に関する手順
- 文書および記録の作成、改訂および保管に関する手順
- その他適正かつ円滑な製造・品質関連業務に必要な手順
廃止された基準書と手順書化
従来の3つの基準書 (衛生管理基準書、製造管理基準書、品質管理基準書) が廃止され、それぞれ手順書となり具体的な記述が必要な文書となった。(上記の赤字部分)
その他必要なSOP
データインテグリティと品質リスクマネジメントは、当然に全ての部門、全てのプロセスに必要でいる.改正GMP省令において,これら2つの手順書の作成は必要ではないものの,この2つの考え方は盛り込まれている必要がある.あるいは,これら,データインテグリティ,品質マネジメントに関する考え方や具体的な作業の方法について手順書化することは望ましいと考える.
因みに、
品質リスクマネジメントに関するガイドラインは,2005年に発出されている.
データインテグリティに関するガイドラインは,日本では存在しない。編集履歴
2025/01/24 Mrはりきり
医薬品製造 – 製造設備・装置の除染作業の能力検査にはBio Indicatorが使用される.
Bio Indicatorとは,
(以下は,Copilotも活用してまとめた内容です)
Bio Indicatorは,密閉された容器に指示菌体が封入されており,化学薬品による燻蒸や過酸化水素蒸気による設備・装置などの除染(滅菌)を実施する際に,除染効果を測定するために使用される.
主なサプライヤーには,以下のメーカーがある.
Thermo Fisher Scientific: 世界最大の科学機器メーカーで、幅広い製品ラインとグローバルな市場シェアを持っています。
Merck KGaA: ドイツを拠点とする大手企業で、特にバイオテクノロジーと化学品分野で強い存在感を持っています。
Sigma-Aldrich: バイオテクノロジーと化学品の供給に特化しており、広範な製品ラインを持っています。
Mesa Labs: 小規模な企業ですが、特定の分野で高い技術力を持っています。以前は,Raven Laboratoriesでした。2009年に社名をMesa Labsに変更.
3M: 「3M™ アテスト™」シリーズの生物学的インジケータが広く知られています。
構造
容器には菌と培地が封入されている.
- 芽胞菌などが封入: BIには、耐久性のある芽胞菌(例:Geobacillus stearothermophilus)が封入されている。
- 容器: 容器とその他の構成(例:ペーパーストリップ、ステンレスディスク、ガラスアンプルなど)。
- 培地: 滅菌後、BIは無菌的に培地に移され、芽胞菌の生存を確認するために培養するための培地。
原理
- 滅菌プロセス: BIは滅菌プロセス(例:高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、過酸化水素ガス滅菌など)に曝露される。
- 培養と観察: 滅菌後、BI容器の中の菌と培地混合され、一定の温度でそのままの状態で培養される。培養中に芽胞菌が生存していれば、培地が変色(例:黄色になる)し、滅菌が不十分であることを示す1。
- 結果判定: 培地の変色を観察し、滅菌の効果を判定する。