[rAAV-Edu] rAAV9の精製方法 (ウイルスの一般的な精製方法を理解できる) – 特許,2018 – ID2559 [2023/10/23]

rAAV9 vectorの精製方法

培養液のバッファ組成をTFF処理で調整、硫安(AmSo4)沈殿処理と第4級アンモニウム陰イオン交換クロマトグラフィー(HiPrep Q XL)によるFlow through mode、最後にSECによる精製でrAAV9を得る

rAAV9 vectorの調製方法

  1. Transfection by 3 plasmid (with PEI, FBS-free)
    • 遺伝子治療用としてウイルス・ベクターを使用するはに,目的遺伝子,ウイルスの殻,それてHelper因子,など必要なコンポーネントとしてそれぞれの遺伝子をウイルス増殖用の細胞内に挿入させる.
  2. Post culture
    • 遺伝子を挿入した生産用細胞を培養する.
  3. Harvest supernatant
    • 培養上清からウイルスを取得する場合は,遠心上清を回収する.細胞内に存在するウイルスを取得する場合は,遠心の沈殿画分を回収する.
  4. TFF process
    • バッファ組成を整えたり,ウイルス濃度を高めたり,更に,ろ過液に不純物を透過させて不純物除去したりする.
  5. 1/3 sut. concentration AmSO4 precipitation
    • 疎水性を高くして不純物の沈殿化させる工程(塩析)
  6. centrifuge
    • 33%飽和濃度の硫酸アンモニウム処理して遠心により沈殿化した不純物を沈殿へ分離し上清を回収する.
  7. 1/2 sut. concentration AmSO4 precipitation
    • 更に,硫酸アンモニウムを添加して50%飽和濃度にすることで,更に分割沈殿化させる.
    • 急な塩濃度の上昇は,共沈するのでそれを避けるために分割操作を行う.
  8. centrifuge
    • 遠心して上清を回収する.
  9. Dilution to 7.3 mS/cm
    • カラムクロマトで処理できる条件に整えるために,上清を水(でよい)で希釈して伝導度を下げる
  10. AEX
    • HiPress Q XL 16/10 column chromatograph with flow through mode
  11. TFF process
    • 30kDa : ウイルスの濃縮
  12. SEC column chromatography
    • HiLoad 16/60 Superdex 200, MNH pH6.5, 300mM NaCl, 0.01% F-68

Highly Efficient Ultracentrifugation-free
Chromatographic Purification of Recombinant
AAV Serotype 9

https://www.cell.com/molecular-therapy-family/methods/pdfExtended/S2329-0501(18)30111-6

Improved methods for purification of recombinant aav vectors, EP2443233A1, 2009

https://patents.google.com/patent/EP2443233A1/en

編集履歴

2019/10/15, Mr. Harikiri
2023/10/23, 追記(永木の精製ステップについて日本語でコメント追加)