AAVおよびAAVベクターの特徴
- AAV(アデノ随伴ウィルス)はパルボウイルス科(Parvoviridae)のデペナドウイルス属(Dependovirus)
- 直径20nm直径
- 32個のカプソメアからなる正20面体の粒子構造
- エンベロープを持たない1本鎖DNAウイルス
- AAVベクター*1は,染色体への組込みは稀
- 非分裂の細胞にも効率に感染可能
- 重複感染が可能
- ヒトやサルから100以上のAAV型が発見
- ヒト成人の85%でAAVに対する抗体を有する
- ヒトへの病原性は証明されていない.
- AAVはアデノウイルスとの間でDNA塩基配列の類似性はない.
- 自立で増殖できない
- アデノウイルスをヘルパーととして,共感染状態で増殖できる
- 変異原物質存在下で宿主細胞が同調分裂を行う条件下では自立増殖できる.
*1 : 人工的にAAVウイルスの殻を作り、そこに目的遺伝子と機能性遺伝子を封入した人工のAAV(recombinant AAVともいう)
感染の順序
- 宿主細胞の表面にあるレセプターにウイルスが吸着
- 細胞内への侵入
- (上記1、2の説明)細胞との接触
- 融合型
ウイルス・エンベロープが宿主細胞膜と融合し、粒子内部のヌクレオカプシドが細胞質内に送り込まれる膜融合タイプ(エンベロープを持 つウイルス) - 貪食型
宿主細胞の飲食作用(エンベロープを持たないウ イルス) - バクテリオファージ型
吸着したウイルス粒子の尾部にある管を通しての移動 - カプシドごと細胞内に侵入
- 融合型
- カプシドが分解
- 核酸が宿主細胞質に遊離
- 核酸の複製とウイ ルス・タンパク質の合成は、基本的には別々に行われる
- カプソメアが核酸を包み込みカプシドを形成し、ヌクレオカプシドが作られる
- 出芽や宿主細胞が死ぬことにより、宿主細胞外に放出
Refference : https://www.chem-agilent.com/stratagene/strategies/pdfs/19.3/Strategies%20Vol.2%20No.3_p8.pdf
編集履歴
2019/07/20, Mr. Harikiri