大腸菌
大腸菌では、翻訳後修飾における糖鎖付加機能がないものの、糖鎖の付加がされないタンパク質で、且つ比較的分子量が小さいバイオロジクス製品に採用されている。その理由は、不溶化(Inclusion Body)するほど高い生産性、低分子でのRefoldingは確立されているためである。
ただし、抗体医薬などの高分子蛋白質においては、Re-folding技術は確立されておらず用途はこれらに限られる。
- 原核生物に属する細菌 (染色体DNAが、裸で細胞内に存在する)
- 倍化時間 : 20分
- 生産性は、酵母より数倍高いと考えられる
- 糖鎖付加しない
- 産生タンパク質は、細胞内に留まる(Inclusion Body)
- 糖タンパク質でない医薬品として、数十年の実績がある
酵母・カビ
酵母では、翻訳後修飾における糖鎖付加機能はヒトと同様にあるものの、付加される糖鎖は巨大な酵母型であり、ヒトにおいて免疫原性のリスクがある。ヒト型糖鎖付加の研究は地道になされているようであるが、道のりは長い。
- 動物細胞と同じ真核生物である真菌(違いは、硬い細胞壁)
- 倍化時間 : 2時間(酵母)
- 高い生産性(Pichia Pastoris: >10g/L、カビ: >100g/L)
- 酵母・カビ由来の巨大な糖鎖付加
- 生産タンパク質は、菌外に分泌される
- 医薬品として実績が殆どない
酵母とシステムバイオロジー
https://tenure5.vbl.okayama-u.ac.jp/HM_blog/?p=97
岡山屋大学
動物細胞
CHO細胞では、哺乳細胞のであることから付加される動作はヒト型に類似していたものの、生産性が現在と比べて1/100 ~ 1/1000と低くコスト高であった。しかし、CHO細胞の改変と培養技術や培養用培地の改良された。
- 倍化時間 : 24時間
- ヒト型の糖鎖付加
- 生産性は、抗体医薬で10g/Lの報告がある
- 生産物は、細胞外に分泌される
- 医薬品として数十年の実績がある
細胞株
商用化されている抗体医薬では、以下の細胞株が使われている。日本において70程度の抗体医薬品が薬価収載されているが、80%程度は、CHO細胞である。残りは、SP2/0とNS0であ。
- CHO
- SP2/0
- NS0
- HEK293 : 抗体医薬ではラボSource: ThermoFisher、rAAVベクターでは製品Source: BioProcess International
- YB2/0 : クリニカル・レベル