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  • [用語] ADC :  – Antibody Drug Conjugates – 抗がん効果を高める技術 [2023/10/14]

    [用語] ADC : – Antibody Drug Conjugates – 抗がん効果を高める技術 [2023/10/14]

    ADC

    Antibody-Drug-Conjugatesの略号である.抗体は目的の癌細胞の表面に対して結合力を持つモノクローナル抗体が使用される.ドラッグには,目的の癌細胞を殺すために効果がある毒素が使用される.すなわち,がん細胞への毒素のデリバリーによる効果的な抗がん効果を目指す薬剤の形である.

    ドラッグの結合反応では,タンパク質である抗体(Antibody)と化学物質の毒素である抗がん剤を結合させる結合反応工程が必要である.抗体のどこかにあるアミノ酸のアルギニンがあれば,その高い反応性を利用して化合物を結合させることができる.なければ,抗体の結合活性に影響がでない箇所のアミノ酸をアルギニンに置換するのが一般的である.

    以上,効率的な結合反応と結合量,抗体や抗がん剤の効果を低下させない条件など,医薬品の開発会社の腕のみせどころである.

    Ambrx社

    Ambrx社は,非天然アミノ酸をタンパク質に導入する技術を持っている.その技術により抗がん剤と特異的に反応できる反応基を持つ非天然アミノ酸を抗体の生産時に導入することで,その後精製した非天然アミノ酸を含む抗体に抗がん剤を特異的に結合させてADCを効率よく作ることが可能である.

    Ambrx Inc.

    About | Ambrx

    編集履歴

    2021/10/16,Mr.HARIKIRI
    2023/10/09,追記 (ドラック結合反応について)
    2023/10/14,追記 (Ambrx社)
  • [用語] CMC; Chemistry, Manufacturing and Control

    [用語] CMC; Chemistry, Manufacturing and Control

    はじめに

    CMCということば,医薬品メーカーにおける部署に使われている.医薬品開発では,創薬開発を担う研究所が最初に思い浮かぶが,その開発段階として臨床試験に入る前からレイトステージでの工業化検討など,コマーシャルに向けて必要な検討は,研究所では難しい.そこで,専門性を分離させ,CMCという部署がつくられることが多い.

    CMCでは,GMPにも準拠した活動が必要である.なぜなら,臨床試験はGMP準拠で製造された医薬品を使う必要があるためだ.GMPの準拠のしかたも,レイトな開発段階,即ち,コマーシャルに近づいていけば行くほど,GMPへの準拠の度合いは,どんどん強く深くなっていかなければならない.

    コマーシャル品が市販されてからも,cGMPといってcurrent GMP,すなわち,最近の技術・知見なども積極的に自分たちのGMP活動に取り入れていく必要がある.これが医薬品メーカーの責任である.

    CMC

    CMCとは、Chemistry, Manufacturing and Controlの略です。治験薬製造と製造承認申請、商用製造に関わる仕事全判を示している.

    • 原薬・製剤のChemistry(化学): 製造法開発
    • 原薬・製剤のManufacturing(製造): GMP製造
    • 原薬・製剤のControl(品質管理): 品質規格の設定、試験法開発

    編集履歴

    2021/10/13,Hr.HARIKIRI
    2023/10/03,追記(はじめに)
  • [用語] pharmacovigilance; ファーマコビジランス; 安全性情報管理 [2021/01/19]

    [用語] pharmacovigilance; ファーマコビジランス; 安全性情報管理 [2021/01/19]

    はじめに

    医薬品の開発が終了し承認審査された直後では、その医薬品の安全性情報は不十分であるため、市販後のPV活動が重要となる。最近では、開発段階から市販後においてもPV活動の実施が求められる時代となった。そのためには、医薬品リスク管理計画(RMP)の作成と実行によりリスク・ベネフィットのバランスを最大化することも重要な活動となってきた。

    スキーム

    1. 科学的安全管理
    2. 薬事関連規制
    3. 日常的なPV業務

    pharmacovigilance; 安全性情報管理

    製薬会社における薬の安全性に関わる業務を意味します。医薬品の適正管理を維持するために、市販後の調査として業務がスタートします。薬が世に出ている限り継続的に情報の収集が行われます。患者に対して広く長く使用することで、臨床試験で認められなかった新たな副作用や効果の発見があります。

    WHOによる定義:

    「医薬品の有害な作用または医薬品に関連するその他の問題の検出・評価・理解・予防に関する科学と活動」

    厚生労働省に対して医薬品や医療機器が承認申請されると製薬会社や医療機器会社は、約1年以内で当局から承認され、製造および市販することができます。その際、当然、日本では薬価、保険点数が付きます。市販された後も副作用などの実態調査が製薬会社の責任のもと実施されます。この活動をpharmacovigilance といいます。

    pharmacovigilanceのもと実施される具体的な手法に、製造販売後調査; Post marketing Surveillance (PMS)があります。

    因みに、承認申請は、厚生労働省に対して行いますが、実際に審査する実施機関は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA; Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)です。

    安全性情報管理(PV・ファーマコビシランス)とは

    https://www.tempstaff.co.jp/kmenu52/faq/pharmacovigilance/
    「医薬品に関する有害な作用やその他の問題の発見、評価、理解と予防に関する科学と行動」とWHOによる定義がなされている。

    製造販売後調査(PMS)と医師の役割

    製造販売後調査; Post Marketing Surveillance

    https://japhmed.jp/PM06.pdf

    製造販売後調査(PMS)で新薬の上市後も有効性と安全性を調べます

    https://www.cro-japan.com/clinical_trial/PMS.htm

    医療機器の製造販売後調査の現場と留意点について

    https://www.pmda.go.jp/files/000203239.pdf

    編集履歴

    2021/01/19 Hr.HARIKIRI