序
作用機序から目的バイオロジクス(モノ)を探索し、発現系構築・精製法検討を進めながら、試験管レベルでのヒットを得る。
モノの培養・精製による取得と並行して、動物での薬理的効果を確認しながら、製造スケールは徐々に大きくしていく。最終的はに、商用スケールを目指しているためだ。
以下、もう少し詳しくその流れを見ていこう。
基礎的検討 (Stage 0)
薬を世の中に出すことは大変な労力と時間およびお金がかかります。バイオロジクスでいうと、病気に効きそうな蛋白質(など)が特定され、そこから5年〜7年程度かけて基礎的検討が行われ、やがて研究成果もでてきつつ、商用生産スケールの培養スケール(1000倍以上)で製造がと可能となり、培養・精製が恒常的に実施可能な状態になります.ここまでで更に5年程度かかります。
- 目的疾患とバイオロジクス
- 遺伝子配列、発現系構築、精製法検討開始
- 特許調査・特許出願
- 評価系構築
- 物取り、試験管レベルの評価(細胞など)
- 動物を用いた評価
- 毒性否定試験
- 特性解析、安定性試験
- ヒトでの安全性試験開始
プロセスバリデーション
Stage 1: Process Design
これまでに実施した開発・スケールアップの知識から商用製造プロセスを定義する段階
- QbDアプローチ、実験計画法による開発、段階的なリスクアセスメントの実施によるリスク低減化、CQA,
- 培養条件、精製条件それぞれについて、各パラメータの範囲を定義していく段階
- 分析系バリデーション
技術移転プロジェクトを立ち上げ、研究所と製造サイトの共同作業により技術移転が推進される段階。
- 培養の技術移転および精製の技術移転
- Stage 2に備えます
Stage 2: Process Qualification
定義したプロセスが再現性よく商用生産できることの確認する段階
安定稼働プロジェクトを立ち上げ、研究所がサポートしながら、工場が主体で安定稼働を確認が推進される段階
- 3ロットの製造の実施で確認
- 安定性試験の開始
- 特性解析による物性の確認
Stage 3: Continued Process Verification
継続的な検証により、ルーチンで実行している商用製造がコントロール下(最近のトレンドは、PATによるリアルタイムモニタリングによるデータ比較)にあることの確認を得る段階
*1: PAT: Process Analytical Technlogy。説明は、ここを参照できます。
- レーザー解析: 原薬粉砕工程での粉砕粒子径のモニタリング
- NIR (拡散反射法): 造粒中の水分
- NIR(透過法): 打錠工程の製剤均一性
参考
FDA, Guidance for Industry Process Validation: General Principles and Practices (22 page of all)
2019/12/17 改定