タグ: プラスミド

  • [Kw] 細菌にも性がある – 核外遺伝子: プラスミドを持っているものが雄

    [Kw] 細菌にも性がある – 核外遺伝子: プラスミドを持っているものが雄

    細菌の性

    細菌の細胞も動物の細胞も、細胞内に核があり、そこにはDNAがあります。このDNAを雌の菌に注入できるのが雄の細菌です。

    編集履歴
    2020/05/08 はりきり(Mr)

    雄には、Fプラスミドというリング状の遺伝子を持っています。このFプラスミドには、繊毛を作る遺伝子が含まれており、作られた繊毛が雌の菌を抱え込む装置となります。雌の細菌ょ抱え込んだあと、DNAを雌に注入します。

    まとめ

    大腸菌などの細菌にも、雌雄があることに驚きました。このFプラスミドの発見が、遺伝子組み換え技術に発展しました。

    Fプラスミドと最近の性 – 2015/01/07

    http://www.jarmam.gr.jp/situmon3/f-plasmid.html

    プラスミドは核外遺伝子であり、自己増殖し、細胞分裂の際に伝達される。プラスミドという名称は、195r2年、Lederbergによって提唱。1940年代には、細菌の性を決定するF因子が、1960年代には、薬剤耐性因子が、それぞれ精力的に研究された。1970年代中期からは、遺伝子操作ベクターとして盛んな研究が行われた。

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/41/9/41_9_652/_pdf

    プラスミドとは、細胞質性遺伝子であり、細菌の核にある染色体とは別ものとして存在する輪っか状のDNA分子
    – 遺伝子の組換え – 高木康敬, 有機合成化学 第36巻第11号 (1987)

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/yukigoseikyokaishi1943/36/11/36_11_982/_pdf/-char/ja
  • [rAAV-Production] – 治療用AAV Vector製造 – 考慮事項 – SM-ID12844 [2020/10/14]

    [rAAV-Production] – 治療用AAV Vector製造 – 考慮事項 – SM-ID12844 [2020/10/14]

    ウイルス・ベクターと宿主細胞の準備

    • ベクターに適合した宿主細胞(master cell bank, working cell bank)
    • ベクター
      • construction
      • generation
      • premaster seed
      • master seed
      • working seed
    • PCLとは
      • Packaging or Producer Cell Line
      • Three Plasmid Transfectionに代わる生産系である
      • 目的遺伝子以外のAAVベタクー産生に必要な遺伝子を既に組み入れた生産細胞、または、目的遺伝子さえも組み入れた生産細胞
      • Oxgene™️、Vigeneなどが持っている

    目標のAAVベタクー発現量

    15cm ディッシュ1枚から 1-2×1011 genome copies (GC)、または、1011-1012 GC/mL(各細胞あたり 2×104 – 1×105 ウイルス粒子)

    Material

    Plasmid DNA Batch

    [ignore]

    • non-GMP製造(14.0千万円/3 x Plasmid/200L/3m)
    • GMP製造(16.0千万円/3xPlasmid/200L/3m)
    • 分析(0.5千万円/3 x Plasmid/3m)
    • カルタヘナ申請 (0.5千万円/3m)

    [/ignore]

    ITRに組換えが少ないプラスミドを得る。

    プラスミドの品質: 形質転換後の ITRs による組換えは、プラスミドのサイズを減少させるので、これを抑制させる。Life Technologies社の Stbl3 コンピテントセルをプラスミドの増幅に用いる。

    Plasmidの精製

    1. プラスミドDNAをE.coliに形質転換
    2. シングルコロニー
    3. 拡大培養
    4. アルカリSDS法による粗精製
      • アルカリ-SDSは、大腸菌染色体DNAを細胞壁とともに除去するため、プラスミドDNAのみを得るのに信頼性の高い方法 (Lab向き)
    5. クロマト精製
    6. 脱塩
    7. 濃縮
    8. Sterile Filtration
    9. 分注
    10. 凍結保存(-30℃)
    11. 二種カルタヘナ法対応(GMP製造開始前)

    pDNA培養特許

    大腸菌中でプラスミドdnaを製造規模で生産するための流加発酵法及び培地 (特許, 2011), link

    pDNA精製特許

    プラスミド精製 (2007), link

    Cytivaによる精製ストラテジー

    ヒトおよび動物の遺伝子治療用プラスミドの精製プラスミドDNA (2007), link

    アルカリSDS法レジメ

    ラボでの調製のレジメを以下に示した。

    1. 大腸菌の培養
    2. 遠心/E.coli
    3. 添加・懸濁(25mM Tris-HCl, pH8.0, 10mM EDTA, 50mM Glucose), 100μL
    4. 穏やかに添加・撹拌(0.2M NaOH, 1% SDS), 200μL
    5. Incubation 4℃ for 5min
    6. 添加・懸濁 (7.5M 酢酸アンモニウム、pH7.6、氷冷)、150μL
    7. Incubation 4℃ for 5min
    8. 遠心(15,000rpm x 10min)/sup回収
    9. Sup/(100+200+150=450μL)
    10. 添加・懸濁(イソプロパノール), 270μL
    11. Incubation R/T for 10min
    12. 遠心(15,000rpm x 10min)/ppt回収
    13. 添加・懸濁(2M酢酸アンモニウム、pH7.6)、50μL
    14. Incubation 4℃ for 5min
    15. 遠心(15,000rpm x 10min)/sup回収 (pptにはタンパク質)
    16. 添加・懸濁(イソプロパノール)、50μL
    17. Incubation R/T for 10min
    18. 遠心(15,000rpm x 10min)/ppt回収
    19. 添加・懸濁(70% EtOH)、
    20. 遠心pptを乾燥
    21. 添加・懸濁; TE(10mM Tris-HCl, pH8.0, 1mM EDTA pH8.0), 25μL
    22. RNA分解: 添加(リポヌクレアーゼA)、1μL
    23. Incubation 37℃ for 30min
    24. 反応停止: 添加・懸濁(2M酢酸アンモニウム、pH7.6)、12.5μL
    25. 添加・懸濁(イソプロパノール)、37.5μL
    26. Incubation R/T for 10min
    27. 遠心(15,000rpm x 10min)/ppt回収
    28. 添加・懸濁(70% EtOH)、適量
    29. 遠心pptを乾燥
    30. 溶解: TE(10mM Tris-HCl, pH8.0, 1mM EDTA pH8.0), 25μL

    GMPグレード/pDNAの調達

    • タカラバイオ – GMPグレードでのブラスミドDNA製造受託 – サイト
    • 和研薬 – プラスミドベクター製造 – サイト
    • WAKO – GMP準拠設備での高品質なプラスミド生産 – サイト
    • メディリッジ – 高品質 プラスミドDNA製造 – サイト
    • 徳島大学医学部 – 【学外受託サービス】 プラスミドDNA精製受託 – サイト

    種類

    1. pAAV
    2. pRC
    3. pHelper

    品質試験

    • 無菌試験 (JP 4.06, USP71, Ph Eur 2.6.1)
    • Endotoxin (JP 4.01, USP 85, Ph Eur 2.6.14)
    • 純度 (紫外線分光)
    • 制限酵素地図試験(アガロース電気泳動)
    • 塩基配列 (サンガー法)
    • CCC含量試験(アガロース電気泳動)
    • 宿主DNA (qPCR)
    • pH (JP 2.54)

    日本薬局方

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html

    薬局方の国際調和

    https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0005.html

    E.coli 産生株

    治療用rAAV Vectorの調製には、3種類のPlasmid DNAが消耗品として必要である。

    Plasmid DNAの調製にもGMP製造で行う必要があるため、Plasmid DNAを増やすための産生株(E.coli)の構築が必要となる。

    [ignore]

    • 製造(1.0千万円/3m)
    • 分析(0.5千万円/3m)

    [/ignore]

    試験項目

    • ファージ否定試験(寒天培養)
    • 生菌数(コロニー)
    • コロニー形成能(目視)
    • 栄養要求試験(チアミン要求性、寒天培養)
    • 生化学反応(菌種同定試験)
    • 表現型試験(UV感受性、寒天培養)
    • プラスミド保持率試験(コロニー形成)
    • プラスミドコピー数(qPCR)
    • 制限酵素地図試験(アガロース電気泳動)
    • 塩基配列試験(サンガー法)

    Master Cell Bank

    継代数の少ない、健康な 293 細胞を使用する

    [ignore]

    • 製造(1.5千万円/1y)
    • 分析(2.5千万円/1y)

    [/ignore]

    製造に関しての考慮事項

    Transfection

    以前は、以下のリン酸カルシウムが使用されたりしていたが、最近は、ポリエチレンイミン (PEI)を使用するが、よりグレードの高いPEIが開発されている。

    • コストを抑えるためにリン酸カルシウムを使用できるが、pHにセンシティブ(0.05の変動でも影響を受ける)であるため、HBSバッファの使用を推奨する

    阻害要因

    トランスフェクションの阻害要因には、以下のDNAセンサーに関わるものが考えられるsource: invivogen.com。

    いずれも、多少なりとも細胞死に関わっている。

    • 細胞質の核酸センサー : dsDNAの感知
      • AIM2
        • AIM2は、パターン認識受容体 (その他にNLRP3)
        • dsDNAに強く反応、カスパーゼ1の活性化、炎症性サイトカイン誘導(IL-1β、IL-18)[1]
      • サイクリックGMP-AMPシンセターゼ(cGAS)
        • STING / TBK1 / IRF3シグナル伝達、1型IFN刺激因子(ISG)の発現誘導

    Post Transfection Culture

    プラスミドの濃度や比率、PEIの比率、加えて、培養条件によっては、発現効率は異なってくると考えられる。DoE手法による詳細な検討の実施が必要である。

    • 培地の血清の有無によって、発現量が異なる。Serotypeによっても異なる
    • トランスフぇクション後、72時間後まで引っ張れば、効率的であったとの報告もあるが、5日後で効率的であったとの報告もある(44)

    44)
    Lock M., Alvira M., et al.
    Rapid, simple, and versatile manufacturing of recombinant adeno-associated viral vectors at scale. Hum. Gene Ther. 2010;21(10):1259-1271. [PubMed]

    Harvest & Clarification

    目的rAAV以外の不純物は、ヒトへの投与では炎症の元となる

    • 細胞由来たんバク質
    • 細胞由来DNA
    • 血清タンパク質
    • 培地成分
    • ヘルパーDNA または、ヘルパーウイルス


    References:

    [1]. Patrick, K.L. et al. 2016. For Better or Worse: Cytosolic DNA Sensing during Intracellular Bacterial Infection Induces Potent Innate Immune Responses. J Mol Biol 428, 3372-3386.

    発現タイターの検討

    GFP コントロールウイルスでトランスフェクション効率条件を検討する。

    Process Development

    • USP/DSP

    [ignore]

    (2.0千万円/50L/6m)

    [/ignore]

    2015年現在、AAVの精製の報告

    • rAAV1
      • Poros 50HQ→Poros 10HQ→Sephacryl S-300 HR (AEX/AEX/SEC)
      • Iodixanol→HiTrap (UC/AEX)
      • AVB sepharose HP (IAC)
      • CsCl→Mustan S→Mustang Q (UC/DIAM)
      • CHT→AEX→HIC/SEC (Apatite/AEX/HIC/SEC)
    • BAP rAAV1
      • Monomeric avidin agarose (IAC)
    • rAAV2
      • Poros 20PI (AEX)
      • Poros 50HQ→Poros 50HQ (AEX/AEX)
      • Poros 50hS→Poros 50HS (CEX/CEX)
      • Poros 50HS→Q-Sepharose xl (CEX/AEX)
      • SP Sepharose HP→HiTrap Q (CEX/AEX)
      • SP Sepharose HP→Source 15Q (CEX/AEX)
      • Poros 20 HE (HEAC)
      • Iodixanol→HiTrap Q (UC/AEX)
      • Iodixanol→Herain (UC/HEAC)
      • Sulfonated cellulose (AC)
      • Iodixanol Poros HE (HEAC)
      • Poros HE (HEAC)
      • Poros 20 HE→Poros 50 PI (HEAC/AEX)
      • CHT→DEA Macroprep→Cellufine sulfate (Apatite/AEX/AC)
      • Heparin (HEAC)
      • Heparin→Phenyl-Sepharose→Heparin (HEAC/HIC/HEAC)
      • AVB sepharose (IAC)
      • Mono Q HR→Superdex 200 (AEX/SEC)
    • His6rAAV2
      • Ni-NTA agarose (IMAC)
    • rAAV4
      • Poros PI→Poros HQ (AEX/AEX)
      • Poros HQ (AEX)
    • rAAV5
      • Mustang S→Mustang Q (DEAM
      • Mono Q HR→Superdex 200 (AEX/SEC)
      • Iodixanol→HiTrap Q (UC/AEX)
      • SP Sepharose HP→Source 15 Q (CEX/AEX)
      • Poros PI (AEX)
      • mucin coupled Sepharose (AC)
    • rAAV6
      • Poros 50HQ→Poros 50HQ (AEX/AEX)
    • rAAV8
      • SP Sepharose HP→Source 15Q (CEX/AEX)
      • CsCl→Mustang S→Mustang Q (UC/DIAM)
      • Sephacryl S-300 HR→Poros 50HQ (SEC/AEX)
      • Pep8-agarose→HiTrap ! (IAC/AEX)
    • His6rAAV8
      • Ni-NTA agarose (IMAC)
    • rAAV9
      • CHT→Poros 50HS→CsCl (Apatite/CEX/UC)

    Scalable Downstream Strategies for Purification of Recombinant Adeno-Associated Virus Vectors in Light of the Properties. 2015, Curr Pharm Biotechnol. 2015 Aug; 16(8):684-695

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5388796/?report=classic

    Analytical Development

    • USP DevelopmentやDSP Developmentと同様に、その品目に特異的な分析法の開発が必要

    AAV Vector drug substance batch

    • non-GNP Batch
    • GMP Batch
    • Relase Test
    • Characterization ( if needed)
    • Stability Test

    [ignore]

    • non GMP Batch (13.0千万円/3m)
    • GMP Batch (16.0千万円/3m)
    • Release Test (2.0千万円/3m)
    • Characterization (??)
    • Stability Test (2.0千万円/0,1,3,6,12,24,30,36)

    [/ignore]

    AAV Vector drug product Batch

    • non-GMP Batch
    • GMP Batch
    • Release Test
    • Stability Test

    [ignore]

    • non-GMP Batch (0.4千万円/3m)
    • GMP Batch (0.6千万円/3m)
    • Release Test (2.0千万円/3m)
    • Stability Test (2.0千万円/0,1,3,6,12,24,30,36)

    [/ignore]

    編集履歴
    2020/03/31 Mr.HARIKIRI
    2020/10/14 追記(pDNAの精製、GMPグレード受託情報)

    Cell bank

    Post Views: 400 バイオ医薬品とは バイオ医薬品は、英語でバイオロジクスと言います。バイオロジクスには、ヒトの体内に存在するタンパク性物質をターゲット(狭義)にしているため、よく知られている「抗体」以外のタ…
    Post Views: 252 もとの設計図 天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)のゲノムは、1本鎖DNA (single stranded DNA; ssDNA)です。両端に遺伝子複製に関わるITRがあり、その間にAAV…
    Post Views: 214 細胞の同一性 アイソエンザイム解析 細胞株の同一性試験としては、規制当局の要件としてアイソエンザイム解析がある。 RAPD 同様に同一性試験としてDNAを対象にしたRandom ampli…
    Post Views: 193 生産細胞株 通常、Cell Bankの保管は、劣化を極力抑えるために液体窒素蒸気下の極超低温で行われます. 保管容器 Nunc™ Press Out Tool for Cryobank a…
    Page: 1 2

    参考文献

    セルバイオラボ(Cell Biolabs)社 アデノ随伴ウイルス(AAV)発現/パッケージングシステム (コスモバイオ)

    アデノ随伴ウイルス(AAV)とは (コスモバイオ)

    STRATAGENEカタログ (コンピテントセル、トランスフェクション試薬

    Scalable Downstream Strategies for Purification of Recombinant Adeno-Associated Virus Vectors in Light of the Properties, 2015

    各SerotypeのrAAVの精製方法の文献からreviewした文献

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5388796/?report=classic