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  • [Bio-Process] Affinity & Polishing chromatography – 抗体の精製 [2021/10/30]

    [Bio-Process] Affinity & Polishing chromatography – 抗体の精製 [2021/10/30]

    ID8453

    Bio-Process-Chromatography

    タンパク質精製の基本であるクロマトグラフィーには、以下のモードがある。

    抗体の精製では、長い歴史があり精製プラットフォームが完成しているため、使用するカラムの種類とその順序は検討する必要は通常ない。それぞれのクロマトの条件についても、検討範囲はある程度狭く限定するとが可能である。

    • Affinity chromatography
      • 抗体のどの部位に結合するかで、以下の3種類のタンパク質が知られている。フルレングスのIgGの場合は、Protein Aが使用される。Fc領域と親和性が高く結合する。
      • Fc領域を持たないデザインの抗体ではProtein Aは使用できない。Fc領域ではない領域と結合するProtein GやProtein Lが使用できる。
      • Protein A
      • Protein G
      • Protein L
    • IEX (Ion Exchange Chromatography)
      • 抗体の精製には、一般的な精製用の担体を用いたクロマトです。Anionは、Endotoxinやウイルスなどの吸着除去の機能を期待して使用されます。Cationは、抗体の分解物や重合体の分離を期待して使用されます。
      • Anion Exchange Chromatography
      • Cation Exchange Chromatography
    • HIC (Hydrophobic Interaction Chromatography)
      • HICは、疎水性の強弱で分離するクロマトに使用します。イオン交換クロマトで十分な精製ができない場合に使用を検討します。
      • Phenyl
      • Butyl
    • HA (Hydroxyapatite)
      • HAはマルチモーダルな特性があり、イオン交換クロマトで十分な精製ができない場合に使用を検討します。塩濃度、pH、リン酸濃度などの条件を詳細に設定することができれば、効果的な精製を可能にします。

    Protein A Column chromatography

    抗体を産生株した培養液は、清澄ろ過してから、Protein AカラムによるBinding/Elutionモードで抗体のアフィニティ精製を行う。

    注意しなければならないこと

    • 電気泳動では、抗体の染色バンドのみが確認できるので、精製度は高いと思われがちであるが注意が必要
    • HCP、HCDは多量に含まれている。そのような理由から、精製とは呼びにくく、キャプチャリング(capturing)工程と呼ばれる
    • 次工程として、少なくとも、ハイドロキシアパタイトやAEXを実施すべきである。

    AAV (rAAV)の精製においても、抗体の精製プラットフォームに従うように、レジンの開発が勧められており、Affinity resinの市販品も既に存在する。

    • Anti AAV antibody
      • Cytiva製
      • ThermoFisher製

    Mobius® FlexReady Solutions

    https://www.merckmillipore.com/JP/ja/Mobius-Single-Use-Manufacturing/Mobius-FlexReady-Solutions/EcGb.qB.e04AAAFZUuNiYtcV,nav

    Single-use for Downstream, GE Healthcare –

    https://www.gelifesciences.com/en/us/solutions/bioprocessing/products-and-solutions/downstream-bioprocessing/single-use-for-downstream

    編集履歴

    2020/02/02, Mr. Harikiri
    2021/10/30, 追記(レジンに期待する機能など)

  • [Bio-Edu] タンパク質を精製用のカラムにロードする量 – ID4318 [2019/12/14]

    [Bio-Edu] タンパク質を精製用のカラムにロードする量 – ID4318 [2019/12/14]

    ロード量

    タンパク質の精製には,樹脂への吸着を多用する.吸着に吸着する目的のタンパク質は,効率性の面から出来るだけ多くを吸着させるべきである.

    しかし,吸着可能な最大量で吸着させるべく,目的タンパク質を含む溶液をカラムにロードしていくと,最大吸着容量に達するまでに,乗除に吸着できずに漏れ出てくる.

    漏れ出てくる量は,合理的に見積もりロードを決定すなければならない.求められた吸着容量をBinding Capacityという.

    Break Through Point

    ResinのBinding Capacityを求めるには、カラムクロマトにおいて、目的物を含む溶液をカラムにロードしなから、カラムから出てくる液をフラクションとして回収していく。ある時点のフラクションを測定し、目的物の濃度が、ロードサンプルの濃度(100%)と比較して、その濃度が5%を超えた時点のロード量をBreak Through Pointという.

    Binding Capacity

    Break Through Pointのロード量を更に、一般的には70%~80%にした値をBinding Capacityと定義する.Protein Aカラムを使用する抗体の精製では、これがベストプラクティスである。

    イオン交換クロマトの2つの方法

    イオン交換クロマトでは、精製を優先した場合、Binding Capacityのロード量で行うクロマトは一般的ではない。一方、少なめのロード量(30% Binding Capacity)で吸着させて,溶出バッファのグラジェント効果を高める方法がラボ精製では良く使われる.

    グラジェント精製

    インタラクションに強度の高低を持たせることができるイオン交換クロマトなどの場合、グラジェントによる精製は純度を上げるには効果的である(page 2).

    少ないロード量では、カラムの上部にしか、目的物が吸着していない状態とすることができる。その状態からバッファグラジェントを開始すると、カラムの上から下まで移動していくにつれて,初期の吸着物集合体は、Resinとの相互インタラクションに違いがあればある程,それぞれの成分は、分離されていく.

    ステップワイズ精製

    グラジェント精製は,実製造スケール(スケールアップされた)では,同一のクロマトを実施して品質を一定に管理すことは,一般的に難易度が高い。そのため,実製造では、グラジェント精製は行われることは少ない.

    そこで、グラジェント精製に極力近づけたステップワイズ精製が選択されることが多い(page 3).

    ステップワイズ精製のロード量は,精製効率が犠牲になる場合があるものの、ロード量をBinding Capacityに近づけられる可能性もあり、COGs改善の可能性も考えられる(page 3).

    Break Through Point for Capturing

    カラムの吸着容量