GxPにおけるデータインテグリティ(DI)と日米欧での違い 及び監査 [2025/04/17]

📖 2. 従来(過去)の考え方

以前(2000年代以前)は、電子記録の管理が未整備な装置(例:UV計、GC、HPLCなど)では、印刷紙が原記録とされることが多かったのは事実です。たとえば:

  • 紙出力しかできない古い機器
  • 記録紙に自動で時刻・パラメータが印字されるタイプ

このような場合は、「印刷物を正として運用管理する」ことが例外的に許容されていました。


🌍 3. 日・米・欧の対応の違い(2020年以降)

地域規制機関・文書印刷物の原記録扱いの可否補足
🇯🇵 日本(PMDA)明示的なDIガイダンスは少ないが、GMP事例集等に記載原則として不可。電子記録を原記録とみなす傾向例外は「電子記録にアクセス不能な古い機器」など限定的
🇺🇸 米国(FDA)「Data Integrity Guidance」(2018)明確に否定。「印刷されたコピーは原記録ではない」原記録は電子的なものであり、監査証跡の維持が必要
🇪🇺 欧州(MHRA)「GxP Data Integrity Guidance」(2018)原則不可。印刷物は「セカンダリ記録」扱い印刷内容が原記録と一致するか照合義務あり

共通しているのは「電子的記録(生データ)へのアクセスが必要」という立場


🛠 4. 特例対応の考え方(どうしても紙が残る装置の場合)

例外的に印刷物を原記録とする場合には、以下のような管理体制が要求されます:

要件管理内容
正当性装置に電子記録保存機能がなく、技術的・経済的に更新困難
SOP整備「紙を原記録として運用する」SOPが整備されている
操作履歴誰がいつ出力したかを記録(紙に署名、タイムスタンプなど)
改ざん防止出力紙への物理的封印、スキャン保存、定期レビュー
移行計画長期的には電子記録への移行を計画(設備更新含む)

📌 5. まとめ:監査/査察対応の観点

チェックポイント対応の要否
出力された印刷紙に「原記録」としての正当性があるか?✅ 評価必須
原記録とみなす場合、それを正当化する文書・手順は整備されているか?✅ SOP等で明記
電子データと紙の整合性は定期的に確認されているか?✅ トレーサビリティ要件
今後、電子記録化の検討・移行計画はあるか?✅ 推奨事項(監査で聞かれる)

🔧 補足:紙出力の例で特に問題視されやすいもの

  • 検体分析装置のピーク面積印刷物(HPLCなど)
  • 恒温槽・冷蔵庫の温度記録紙
  • QCでの装置ログ(プリンター出力)

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2025/04/17 Mrはりきり

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