[日本薬局方] 微生物限度試験 [2025/01/21]

微生物限度試験

微生物限度試験は日局に記載(4.05)がある.また,培地の性能試験は5回以上行い統計的に問題ないものを使用するようです.

試験菌の調製 :

  1. マスターシードロットから継代数5回を超えないこと(シードロットシステム)
  2. 細菌及び真菌の各試験菌は,表中に記載の自要件で個別に培養し試験する.
  3. 試験菌懸濁液の調製には,ペプトン食塩緩衝液 pH7.0,又はリン酸解消液 pH7.2を用いる.
  4. カビの一種にはPolysorbate 80を0.05%加えても良い.
  5. 懸濁液は2時間以内,又は2~8℃で24時間以内に用いる.
  6. など.
日本薬局方 一般試験法4.05 微生物限度試験

Ⅰ.非無菌製品の微生物学的試験:生菌数試験

  • TAMC(Total Aerobic Microbial Count)とは、総好気性微生物数のことを指します。これは、培地に接種された試料から生菌数を数えるための指標です。
  • TYMC(Total Combined Yeasts and Molds Count)は、総真菌数のことを指し、酵母とカビの生菌数を合わせた数です。

Ⅱ.非無菌製品の微生物学的試験:特定微生物試験

  • 胆汁酸抵抗性グラム陰性菌
  • 大腸菌
  • サルモネラ
  • 緑膿菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • クロストリジア
  • カンジダ・アルビカンス
  • リステリア・モノサイトジェネス
  • など

リンク : 4.05 微生物限度試験法 – PMDA :

記載内容は,目的とする菌種に応じて培地のチョイス,菌種の入手先及び培地性能(総好気性微生物数が≦100 CFU)となどの記載がある.

培地の種類 :

  1. ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト( or カンテン)培地
  2. サブロー・ブドウ糖カンテン培地
  3. ポテト・デキストロースカンテン培地
  4. MPNソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地

4.05 微生物限度試験法 – PMDA

微生物試験法に用いる培地及び微生物株の管 理 – PMDA

Lesson2「第18改正日本薬局方:4.05 微生物限度試験におけ …

事務連絡 – PMDA : <一般試験法 微生物限度試験について> Q1 15局の微生物限度試験法でバリデーション(適合性)を取得済みの試料について、 第一追補の試験法での再バリデーションは必要であるか。 A1 試験法が異なるため、第一追補での適合性

生薬及び生薬関連製剤の微生物限度試 – PMDA

5.02 生薬の微生物限度試験法 – PMDA

微生物限度試験の方法 – クリタ分析センター株式会社

医薬分野における微生物試験技術の 動向と今後の展開 (住処分析センター)

培地

SCD液体培地 – 株式会社アテクト SCD: ソイビーン・カゼイ
ン・ダイジェスト.

微生物限度試験培地 Merck 【通販モノタロウ】

微生物限度試験液体培地 チューブ Merck 【AXEL】 アズワン

Thermo Scientific Oxoid and Remel 医薬品製造向け微生物

菌種

日本薬局方に規定される菌種がnite (製品評価技術基盤機構)のホームページに記載があります.リストに無い菌種についても協力してくれるようです.菌種の供給元はほとんどがNBRCがリストされています.

日本薬局方に規定された供試菌株 | バイオテクノロジー | 製品 …

NRBC株を購入するには,以下のリンクからアカウント登録,オンラインカタログによる申し込み,支払いとなります.

NBRC株の入手方法

・ATCCとNBRCの番号の関係(FAQ by nite) : FAQ | バイオテクノロジー | 製品評価技術基盤機構 – NITE

・フナコシから購入する場合は以下のリンクを参照のこと.

ATCC®製品の選択から納品まで | ATCC®製品ご利用( …

・住商ファーマから購入するには以下のリンクを参照ること.

ATCC | 取り扱い商品 | ATCC分譲サービス | 住商ファーマ …

・関東化学から購入する場合は以下のリンクを参照のこと.

標準菌株 | 標準菌株 | 標準菌株・精度管理 | 微生物検査 …

・レーベンジャパンから購入する場合は以下のリンクを参照のこと.

レーベン・ジャパン株式会社 | Microbio logics® ATCC | 標準菌株

レーベンジャパンの製品の特長

  1. ATCC®社と同等製品(ライセンス契約取得)
  2. 冷蔵保存(2~8℃)が可能な凍結乾燥品
  3. 継代数は3世代以内(1~2世代もあり)
  4. 簡易包装でユーザーフレンドリー
  5. 微生物試験のコントロールに最適

日本薬局方(第十八改正)には、生物学的試験法/生化学的試験法/微生物的試験法として、以下の6つの試験方法が収載されている.

4.01エンドトキシン試験法
4.02抗生物質の微生物学的力価試験法
4.03消化力試験法 : 消化酵素剤の原体及び製剤のでんぷん消化力、タンパク消化力及び脂肪消化力を測定する方法。
4.04発熱性物質試験法 : 発熱性物質の存在をウサギを用いて試験する方法
4.05微生物限度試験法 : 非無菌製剤や製剤原料に適用される存在する微生物を確認する試験方法
4.06無菌試験法 : 無菌であることが求められている原薬又は製剤に適用される微生物汚染を確認する試験方法

編集履歴

2024/10/17 Mrはりきり
2024/10/18 菌種購入について追記
2025/01/23 文言整備