カテゴリー: Synology

Synology NASについてハード/ソフトの投稿

  • [Synology] Wi-Fiルーター RT2600ac/RT6600axをSoftbank Airに接続してワイヤレスAPとして使用する – 次世代ルーターRT6600についても解説 [2022/10/11]

    [Synology] Wi-Fiルーター RT2600ac/RT6600axをSoftbank Airに接続してワイヤレスAPとして使用する – 次世代ルーターRT6600についても解説 [2022/10/11]

    Synology RouterとSoftbank Air

    家庭で使用するには,過度と思える高度な機能を持つSynology社のWi-Fiルーターですが、blogなど自宅からの発信や出先からのNASのデータ閲覧など高度なことをする場合は外せないのがSynology社のルーターです。出先からどうしてもFree Wi-Fiを使用して自宅のローカルネットワークに繋げなければならない場合など,VPN Plusによる接続は強い味方です.

    これまで、ルーター製品RT2600acが、僕の家でも活躍していましたが、2022年の春頃にRT6600ax * という新しいWi-Fi規格(結果3バンド)および2.5GbE * に対応した高速ルーターが上市されました。一時期品薄になった時に、少し高額でしたがAmazonで手に入れて2022/08から運用しています。

    * RT6600axの特徴
    Wi-Fi接続を複数のネットワークに分離:
    例えば以下のような構成が可能です。基本的にIoT機器は、Wi-Fi接続されています。その接続で脆弱性がある場合、ネットワークが分離されていないと、すべての接続されているデバイスに脅威にさらされることになります。Wi-Fiネットワークの分離が重要であることが理解できます。

    (1) ホームネットワーク :
    プライマリネットワークに接続します。Safe Accessによる悪意のあるコンテンツ(例えば、シッピングサイトやアダルト)をデフォルトプロファイルに簡単に作成して、お子様のオンライン上での行動を管理することができます。

    (2) ゲストネットワーク :
    ゲストネットワークを簡単に分離し、ChromecastやAirplayデバイスへ接続設定が可能です。より厳しい帯域制約とウェブフィルタリング、などにより接続品質が危険なデバイスによって影響されないようにします。

    (3) IoTネットワーク :
    一般的にIoTデバイスは、アップデート頻度が低く脆弱性が高めです。これらデバイスをプライマリネットワークから切り離すことで、潜在的な悪意のある攻撃のバックドアになることを防止できます。一方通行ファイアウォールルールも活用します。

    (4) オフィスネットワーク :
    サーバーやデバイスを分離することで、ネットワークが外部のリソースをホストしている場合や同僚が遠隔地からアクセスする場合に干渉やセキュリティの問題を回避することができます。

    (5) 監視ネットワーク :
    IPカメラ接続ネットワークを隔離、単方向ファイアウォール、独立したトラフィック制御ルールにより、監視タスクの中断、速度低下を抑制が可能です。

    * 2.5GbE(2.5 giga bit ether): 有線規格。歴史的には10baseT→100bastT→1000baseT(1Gbps: giga bit per second), 1GbE)と普及してきた。近年10GbEの普及があると思われたが、なかなか普及しなかったことからその途中を補完する2.5GbEが市場投入されてきている。

    有線LANはいよいよ2.5Gbpsの時代へ!

    2.5GbEカンタン導入術 – planet comm –

    https://www.planex.co.jp/articles/lan/25gbe_no2/

    これまで使用していたRT2600acは、「別宅」に設置しました。別宅には、Synology NAS DS918+を設置しています。Wi-FiルーターはSoftbankの「Softbank Air」です。Softbank Airの有線端末にRT2600acを接続し、RT2600acのWi-Fiにはローカル・デバイスを接続することにしました。

    Softbank Airは、無線の電話回線を使用するWiFiルーターであるため設置工事が不要です。Softbank Airの前には、AU Speed Wi-Fi Homeを2週間使用していました。僕の地域ではSpeed Wi-Fiでは、その通信速度は朝では問題ありませんでしたが、夜7時を過ぎると100bpsと極端なスピード劣化が頻繁にありました。それが我慢できずに、Softbank Airに乗り換えたのでした。Softbank Airは、AU Speed Wi-Fi Homeと比較して極端な通信速度低下はなく満足しています。

    というわけで、Synology NASを使用していて高度なことをしているのに、Softbank Airにネットワーク・セキュリティやローカル通信を任せてはおけないと思い、本宅からRT2600acを別宅に持ってくることにしました。

    僕のネット環境ですが、RT2600ac/RT6600axおよびNASは、同じSynology製であることから、その操作性は同じでそれぞれの管理は楽です。RT2600acは2台あります。故障に備えてもう1台準備していたので、一台は別宅に設置して、もう一台は本宅に予備機として保管しておくことにしました。本宅には、blogサーバーとしてDS920+があります。ルーターにはRT6600axを置きました。RT6600axのローンチと同時にSRMもバージョンアップされました。より高いセキュリティ性や操作性を期待しています。

    RT2600acのSRMバージョン: SRM 1.2.5-8227 Update 5 (2022/09/23現在),
    添付のVPNクライアントのライセンス数は1ですが、追加で20(RT6600axでは増加したことを確認済み、CPUの処理能力に依存しているので妥当な数のはずですが、要確認)まで増やすことができます。今は、その追加は無料で可能です。

    (Release notes)

    RT6600axのSRMバージョン: SRM 1.3.1-9346 Update 1(2022/09/23現在),
    添付のVPNクライアントのライセンス数は1ですが、追加で40(最大同時アカウント数)まで増やすことができます。今は、その追加は無料で可能です。

    (Release notes)

    工事がいらないおうちのWi-Fi – Softbank –

    https://www.softbank.jp/internet/special/air/?utm_source=gkt&utm_medium=cpc&utm_campaign=air&utm_content=2_4_1_10000&gclid=Cj0KCQjwj7CZBhDHARIsAPPWv3eB62-kELQR9C5stZGksVD0IROhFTmGqrEdOBz_t211F9GOXezkiJkaAlt8EALw_wcBhttps://www.softbank.jp/internet/special/air/?utm_source=gkt&utm_medium=cpc&utm_campaign=air&utm_content=2_4_1_10000&gclid=Cj0KCQjwj7CZBhDHARIsAPPWv3eB62-kELQR9C5stZGksVD0IROhFTmGqrEdOBz_t211F9GOXezkiJkaAlt8EALw_wcB

    Synologyルーターを選ぶ理由

    以下に示したような機能/アプリがあり、いろいろな作業が可能です。例えば、セキュリティの維持のための基本的な設定(DoS攻撃対応、ログイン回数制限など)、VPN (Virtual Private Network)によるローカール環境での作業、また、ルーター自体のiPhoneアプリによる管理の容易性、などが特徴として挙げられます。

    SRMとは

    SRM (Synology Router Manager) は、Synology ルーターのOSです。PCのWIndowsにあたります。Webブラウザ/アプリからアクセスして作業します。

    アクセス方法は、以下の2種類が用意されています。Webブラウザでは出来ないことが、アプリではできたりと、少し挙動が異なっています。操作に悩んだ時は、切り替えて作業をしてみてください。

    1. Web ブラウザにより指定のポートにてurlにアクセスしてログインする。
    2. iPhoneアプリ「DS Router」を使用してログインする。

    Synologyルーターを管理するために主に使用するアプリを以下に示します。

    ルーター用アプリ

    1. パッケージセンター:
      標準でインストールされていない機能をインストールしたり、アプリのアップデートしたりする機能があります。Synology NASのDSMにも搭載されているアプリです。
    2. コントロールパネル :
      通常管理に使用する機能群が集約されています。ユーザー設定、地域設定、証明書、SRMのアップデートなど。
    3. ネットワークセンター:
      特にネットワーク管理の機能が集約されています。(1)状態、(2)インターネット、(3)ポート転送、(4)ローカルネットワーク、(5)トラフィックコントロール、(6)セキュリティ、(7)操作モード、などの管理ができます。以下、選択して特記しておきます。
      1. (3)ポート転送:
        ワイヤレスAPモードのRT2600acでは使用できなくなる。因みに、RT6600axではワイヤレスAPモードが選択できない。
      2. (4)ローカルネットワーク:
        ワイヤレスAPモードのRT2600acでは使用できなくなる。使用できなくなるとRT2600acのWi-Fiに接続しているデバイスがあるのに、そのデバイス名を確認できなくなるため非常に困るが、DS Routerを使用すると下のメニューにある「デバイス」から確認できるので、今はこの方法で対応しておく。
      3. (5)トラフィック コントロール:
        ワイヤレスAPモードのRT2600acでは使用できなくなる。
      4. (6)セキュリティ:
        証明書の発行管理などの操作が可能です。
      5. (7)操作モード:
        1. (1)ワイヤレス ルーター:
          Synology NASをプロバイダー経由でインターネットに繋ぎインターネットを使用する場合に使用します。
        2. (2)ワイヤレスAP:
          今回の事例のように、すでにプロバイダーに接続するルーターがあって、そのルーターにSynologyルーターを接続する場合に使用します。
        3. (3)ワイヤレス リピーター:
          Wi-Fiの距離を伸ばす場合に使用します。一般家庭では必要ありません。RT2600acではこの機能は使用可能ですが、RT6600axには搭載されていません。
    4. ネットワークツール:
      pingや経路の検査ができます。脅威のあるパケットを監視するアプリ「Threat Prevention」で脅威として認識されているIPアドレスを、このツールで検査したりできます。
    5. Threat Prevention:
      パケット内容を監視して脅威のレベルに応じてアラートしてくれたり、パケット自体のドロップをしてくれます。アドオン・アプリです。パッケージセンターからインストールして使用します。使用には外付けUSBメモリの接続が必要で、ログ記録に使用します。
    6. VPN:
      このコロナ禍で一気に知られることになった。外部からのアクセスツールです。アドオン・アプリです。パッケージセンターからインストールして使用します。使用には外部ネットワークから接続するため、サイト(IPアドレス)に対するLet’s Encryptなどから得た「証明書」のインストールが事前準備として必要です。

    つまづいたこと

    iOSのWi-Fi設定で「インターネット未接続」、Windows PCで「Npcap Loopbakc Adapter」

    この問題が起きた当初は、Synology NASおよびSynology RouterをSoftbank Airへの接続が原因であると思い込んでいました。ネットネーブルを抜き差しして確認しました。Synology RouterをSoftbank Airに接続し、Synology NASは未接続とすると、iOSでの「インターネット未接続」は表示されませんでした。そこで、Synology NASの設定に原因があると考え、その設定をあれこれ変更しましたが、解決しませんでした。

    何気にWindows 11のSurface Pro 6の下のメニューにあるWi-Fiアイコンにマウスカーソルを持って行った時、「Npcap Loopback Adapter」の表示が出てきました。ググってみると、自分自身にpingを送る時などの検査に使用するもののようです。解決方法は、「Npcap Loopback Adapterという項目が有効になっているはずなので無効化せよ」とのことでした。結局、これを無効化することで、Windows11の「Npcap Loopback Adapter」の表示は消えましたが、iOSでの「インターネット未接続」については、若干、表示が消える時があるものの、まだ表示の継続、たまに表示が消えるなどの状態は改善できてませんでした。

    しばらく様子を探った結果、Synology NASの通信の多さが原因でした。以下の項目でまとめたように、NASにはバックアップ設定をSynology Driveを使っていることで、バックアップが完了していないファイルの転送によるトラフィックが回線を占有する状態となって、iOSが、「インターネット未接続」を判断したようです。NASでのバックアップが完了した後は、この問題は解決しました。

    しばらく様子を探った過程で、ルーターの接続形態(下図)は「ワイヤレスルーター」および「ワイヤレスAP」のいずれでもSoftbank Airを介したインターネット接続が可能であることを確認できました。現在は、「ワイヤレスルーター」で設定しています。この設定により、Softbank AirをDNSとてアドレスを与えられるデバイス群とSynology NASをDNSとしてアドレスを与えられるデバイス群とにローカルアドレスを分けることができました。これによって以下の設定が可能になります。

    1. ホームオートメーションに使用している温度計、赤外線リモコン、スイッチなど制御関係のデバイスが接続されているネットワークをその他のネットワークから切り離す。
    2. データ共有などを利用するWindowsマシン、iOS, Synology NASをホームオートメーション関連のネットワークから切り離す。
    Figure

    VPNクライアント

    Synology Routerの製品別において,同時接続できるVPNクライアント数は以下の通りです.

    デバイス モデルクライアント VPN アクセスライセンスの最大数
    RT6600ax40
    WRX56020
    RT2600ac20
    MR2200ac10
    RT1900ac10
    クライアント VPN アクセスライセンス │ Synology VPN Plus | Synology Inc.

    Npcap Loopback Adapter -ボッチSEのパドリングブログ-

    https://paddling-blog.com/1910-2

    まとめ

    別宅にRT2600acを導入しました。RT2600acは最も外部にあるSoftbank Airに有線で接続しています。RT2600acには、NASやPCおよびiPadなどをWi-Fiで接続しました。

    ローカルネット内は、RT2600acを経由させることで、PC、iPadなどの間で行うファイル転送が高速になると期待できます。おそらくSoftbank AirはRT2600acと比較してそれほど高性能ではないと考えられるためです。

    以上

    編集履歴

    2022/09/23 Mr.Harikiri
    2022/09/24 追記: RT6600axの特徴
    2022/09/29 追記: iOSの「インターネット未接続」とWindows 11の「Npcap Loopbakc Adapter」の問題について。
    2022/10/11 追記: (1)iOS「インターネット未接続」問題の解決したことについて、(2)Softbank AirとSynology Routerの共存設定(ワイヤレスルーター、ワイヤレスAP)。
    2023/04/10 追記: Router別の同時接続可能なVPNクライアント数
  • [Synology] リモートNASのファイルを他拠点のサーバーNASに同期 / バックアップの高度化 [2022/08/16]

    [Synology] リモートNASのファイルを他拠点のサーバーNASに同期 / バックアップの高度化 [2022/08/16]

    はじめに

    会社のNASや個人のNASでも複数の拠点がある場合、本拠地のNASとサテライトのNASのファイルを同期して、データインテグリティを高めたいという需要は当然出てきますね。

    Synology NASでは、簡単にNASのファイルを同期させることが可能です。

    サテライトでPCやiPadで作成したファイルは、サテライトのNASに保管するのが合理的です。ネットワーク速度は高速であるためです。サテライトNASに保管されたファイルは、NAS(達)が都合の良い時間を使ってサテライトNASからサーバーNASにアップロードして同期してくれます。サーバーNASでは、サーバーとしての役割であるバックアップもさせることで、データインテグリティは高いレベルで維持されます。

    設定の概要

    ファイルの保存先をサーバー、目的のファイルを持っているNASはクライアントです。それぞれのNASにSynologyが提供するアプリ「Synology Drive Server」をインストールして、接続設定をすれば、ファイルの同期が開始されます。あとは、クライアントの同期設定したフォルダに保存したファイルは、自動的にサーバーにアップロードされ同期されます。

    アプリ

    必要なアプリは、Synology Drive Serverです。

    • Synology Drive Server
      • サーバーNASとクラアインとNASにインストール
    • アイコンは、以下の3つがアンストールされる
      • Synology Drive Adminコントール
        • サーバーNASで接続しているNASの表示などの管理
      • Synology Drive
        • クライアント・アプリ
      • Synology Drive ShareSync
        • クライアント・アプリ
        • 同期したいフォルダーの設定など

    設定

    サーバーNASの設定

    • サーバー側のDDNS (Synology, myDNS)と証明書(Let’s Encrypt)を設定する。証明書が期限切れでも、「信用する」に「はい」とすれば、設定は可能ですが、それば身も蓋もないので、しっかり設定する。
    • サーバー側の証明書が期限切れすると、同期が切れるので、適時更新の必要があり、一部マニュアル設定が必要

    クライアントNASの設定

    • Synology Drive ShareSyncアプリからDDNSのIPアドレス、UIおよびPWでアクセスし、2ファクター認証して接続する

    編集履歴

    2022/08/07 Mr. Harikiri
    
  • [Synology] Plex Media ServerのiPadからの管理 [2022/03/28]

    [Synology] Plex Media ServerのiPadからの管理 [2022/03/28]

    ID4973

    はじめに

    SynologyのNAS製品で音楽や動画などを見るためにSynology独自のアプリがあります。DS Audioは音楽、DS Videoは動画です。DS Audioは出先からでも問題ありませんが、DS Videoは、出先からの視聴には重くて使い物になりません。なぜなら、ローカル環境、太い回線を前提とした仕様になっているためです。

    そこで、出先からのインターネットからでも視聴できるような仕様となっているPlex Media Serverとクライアントを使うことにしました。

    ここで記事にするのは、iPadからの管理についてです。iPadからは少しトリッキーなので、ここにまとめました。

    インストール

    パッケージセンターからインストールできます。新しいバージョンのPlex Media Serverもパッケージセンターから、ファイルを選択するかたちでパッケージになっていなくてもインストールできます。でも、パッケージになっているものを使用することが問題の発生のリスクを考えると良いように思います。

    管理

    管理者の管理の項目は以下のようなものがあります。

    1. フォルダーを選択して名前を付けてライブラリを作成する
    2. 追加ユーザーの設定としてアクセス可能なライブラリを設定する
    3. プレイリストを作成する(ユーザーも可能)
    4. 追加したファイルの情報をスキャンする

    ここで記載しておきたいことは、「フォルダを選択して名前を付けてライブラリを作成する」操作です。

    iPadのSafariからDSMにログインしてPlex Media Serverにログインした場合、その操作ができません。「+」の表示が見当たらないからです。Chromeもで然りです。その原因は、Plexクライアントに切り替えてしまうからです。Plexクライアントは、その操作ができる仕様にはなっていないと思われます。

    そこで、Web BrowserをEdgeに変更してみました。その結果、Plexクライアントに切り替わることなく、ブラウザ上でPlex Media Serverにログインができました。「+」の表示もありました。

    出先にはWindows Surfaceは持って出ることはほとんどありません。重いからですが、いつも携帯しているiPadからでもEdgeを使うことで、出先からのPlex Media Serverの管理ができることがわかりました。

    新しい共有フォルダの追加

    共有フォルダを作成した後、以下の設定を確認します。

    コントロールパネル -> 共有フォルダ から、追加したい共有フォルダを選択し「編集」をクリック。「権限」をクリックする。

    1. 「ローカルユーザー」でPlexを「書き込み・読み込む」を設定する
    2. 「システムユーザー」でPlex Media Serverを「書き込み・読み込む」を設定する。この操作により、Plexの管理画面の操作で、フォルダの追加が可能となる

    編集履歴

    2022/03/27, Mr. Harikiri
    2022/03/28, 追記(新しい共有フォルダを追加する設定方法)

  • [用語] NAS; Network Attached Storage

    [用語] NAS; Network Attached Storage

    NAS : Network Attached Storage

    1. NASはパソコンという分類からは外れる
    2. NASのOSのほとんどはLinuxである
    3. 24時間、365日稼働を前提とし、消費電力は抑えられた設計となっている
    4. 従って、不具合の検知の目的から定期的な管理作業を実施しなければならない。
    5. また、外部ネットワークからの脅威も高まるため、その対策に関する管理も日常にしなければならない
    6. ディスプレイを接続できる端子すらなくシンプルにストレッジ装置として作られている
    7. NASでの作業は、NASにログインしてWeb上で行う
    8. すなわち、ローカルネットは少なくとも構築しておかなければならない
    9. ストレッジは、安全なデータ保管を前提にしているためRAIDで運用するのが標準的である
    10. そのためには、RAIDは、RAID5またはRAID6を選択する
    11. 以上、若干面倒な内容もありますが、それほどおじけることはありません。好きで始めたのなら、自然に身に付きます。
      (by Mr.Harikiri)

    編集履歴

    2022/02/15, Mr.HARIKIRI

  • [Synology] 自宅にNASを設置しWordPressを構築 – blogサイトを立ち上げる – DS918+/DS920+ — 動機編からDS1621xs+拡張序章編[2022/01/04]

    [Synology] 自宅にNASを設置しWordPressを構築 – blogサイトを立ち上げる – DS918+/DS920+ — 動機編からDS1621xs+拡張序章編[2022/01/04]

    はじめに

    その頃、PCいじりも飽きてしまっていました。NASは、まだ、おもちゃのROCKDISKを使用していた頃です。PCでメディアサーバも構築していましたが、常時稼働は消費電力が大きく、常時稼働には覚悟が必要でした。おもちゃのNASには、PCのHDDデータのバックアップの役割を担わせていました。その頃、オモチャでないNASというものの存在を知りました。自宅でサーバーとしてメディアサーバになるとか、チャンとしたデータバックアップの使い方もあるとか、色々と知るにつれて、オモチャではなくチャンとしたNASを自宅に設置して、メディアサーバーや高度なデータバックアップの用途に使用したいと考えるようになりました。そしてWordPressを構築するに至るのでした。

    Synology NASの導入の最初の理由

    それでも、本格的なSynology NASを購入した当時は(2018 / 11)、まさか、blogをするとは思っていませんでした。選択したNASはSynology NASには、まず、メディアサーバーを構築して家庭内で楽しんでいました。Synologyを選んだのは、ソフトウェア性能が高いと思われたからです。やっぱり使い勝手にも関わるソフトウェアは重要です。

    NASを導入した当時、DiskStation Manager (DSM)に用意されているパッケージをインストールして遊んでいたアプリは以下の通りです。Audio StationVideo StationPhoto Station、などでしたが、それでも、出先から繋いで喜ぶ程度で十分でした。

    Audio Station: 音楽ストリーミング

    Video Station: ビデオストリーミング

    Photo Station: 写真閲覧・共有

    数ヶ月経過したくらいからblogでも、と思い立ったわけですが、今となっては、パックアップの選択肢が多い、BtrfsやRAID 6にも対応できるDS918+を選んだ事は、間違いではなかったと思います(2020/04/24追記)。ただ、RAID6は、個人ではやり過ぎですね。RAID6では、パリティHDDが2つ必要です。個人では、パリティHDDは1つのRAID5にしておいて、追加で古いHDDにバックアップを取る体制にしておけば十分です。

    世の中は進んでいた

    2018年まで10年以上の間、NASがこんなに高性能となっていたことを知りませんでした。それに、オープンソースソフトウェア(OSS)のWordPress(※)というものがあって、blogのサーバーの基本中の基本ということも。

    基本的にNASのOSはLinuxが採用されています。実は、「blogのサーバー」と表現しましたが、WordPressの機能は、blogの内容の編集、訪れたネットユーザーへのレスポンス(ワン・カラムやサイド・カラムにしたり)、画像の表示、広告の表示など、いわゆる、ホームページを作成するアプリケーションです。実際にパケットを処理してレスポンスするサーバーは、実は、Apacheというwwwサーバが担っています。WordPressは、Apacheを介してinternetの世界に発信されるのです。便宜上、以下では、WordPressをblogサーバと表現します。

    blogサーバは、WordPressだけではない

    実は、WordPressというのは、CMS (Content Management System)と言って、その他類似するシステムがあるようです。
    https://baremetal.jp/blog/2019/08/26/913/
    シェアは、WordPressがトップ(34%)ですが、その他のCMSも上記のリンクに記載があります。2位は「Joomla」, 3位は「Drupal」, 4位は「Shopify」と続き、それぞれのシェアは5%以下です。詳細は、リンクをご参照ください(2020/09/24, Mr. Harikiri)。

    • WordPress
    • Joomla
    • Drupal
    • Shopify

    おもちゃのNAS

    これまでの約10年間、オモチャのNASやDesk TopのWindowsをメディアサーバーにしたりして遊んでいました。オモチャのNASとは、IO-DATAのRockDiskを意図していますが、もちろんOSはLinuxです。NASに採用されているLinuxでは、最小限の機能でシンプルに稼働できるようにチューンされています。

    WordPressはデータベース・システム(MariaDB)を使う動的なWebサイトです。昔は、静的なフォルダー形式でページを配置していました。

    それは、IBMが開発したOS/2というPC用のOSがWindowsに対抗して頑張っていた時代のことです。MicrosoftのWindows NTとIBMのOS/2には、一部同じコードが使われていた時期がありました。この事実は、MicrosoftとIBMは一時期、Windowsを共同開発したしていたためです。結局、IBMのOS/2によるPCにおけるOS地位の奪還は叶いませんでした。

    • MD-DOSからWindows
    • WindowsとOS/2
    • UnixからLinux
    • Windowsは生き残った

    その頃に市販が開始された「IBM HomePage Builer」というホームページ作成ソフトを使ってローカルに自分だけのためのホームポージを作っていました。静的にページを配置(保存)して静的にリンクを貼るタイプです。目的は、自分だけの「知識のポータル・サイト」を持つことで、いつでも参照できるようにすることでした。忘れてしまいそうなことや、今後、しっかり覚えたいことなど、どんどん追加していました。今では、Synology NASが、そのかわりになっています。当時の「静的なホームページ」の作りは、構造上では至ってシンプルです。作成した目的のhtmlファイルが存在するリンクを作っていくだけです(2020/07/10追記)。

    しかし、データベースを使用できないことは、その他の関連情報の自動表示など、動的な表示は全くできなかったため、必要と思われたことは、せっせとhtml文で追加するしかありませんでした。WordPressでは、データベースを使用しているので、様々なプラグイン(plug-in)、または、知識がついてくれば自分でコーディングすることで、複雑な機能を簡単に追加することができます。本当に素晴らしいことです。

    レンタルサーバーの選択肢はなかった

    ブログ(blog)を立ち上げる場合、自宅のPCやNASを用いずに、プロバイダーのサーバーをレンタルすことが多いと思います(レンタルサーバー)。初期投資も少なくて済むし、知識もあまり必要ではありません。不具合の対応やバックアップサービスがあったり、何よりサーバー(機器)のメンテナンスが必要ありません。

    PCを長年趣味にしてきた愚か者としては、自宅から情報発信したいと思うのは抑えきれませんでした。

    データ保護の観点や速度など、自宅で構(かま)えるよりは、レンタルサーバーが効率的で良いことは明らかですが、自宅にサーバーを置くという「今は茨の道」であったとしても、その向こうには「素晴らしい世界」があることを信じて、今日までコツコツとblogサイトを構築して来ました。

    セキュリティについてもコツコツとやっていくことも必要です。セキュリティに関しては、NASとしての対策、WordPressとしての対策の2つに大きく分けることができます。これらは、それぞれ必要です。

    NASサーバーを構築する

    ひと昔では、サーバーと言えばPCでしたが、今時は、NASでサーバーをお手軽に構築できるようになりました。個人でも十分に高性能な機種を低コストで選べます。

    僕の考えでは、(1) PCは、何かの作業をするGearです。複雑な作業を短時間に実施する高性能なCPU、沢山のメモリ、高解像度のディスプレイが必要です。創造的な作業を短時間にできる性能が基準軸です。(2) NASはサービスを提供するGearです。ある程度ルーチンになったことをサービスするには、PCのように高性能は、ある意味必要ではありません。サービスに必要な性能が基準軸になります。

    Synology NAS – DS918+をチョイス

    NASの導入は、少し奮発して2018年末にSynology NAS DS918+を購入しました。色々調べてみるとBlogサイトには、WordPressという素晴らしいサーバーアプリを使用するのが一般化しているようでした。

    2020/07から、DS920+をSSD 1TBでblogを移行しました。以下の関連記事もご覧ください。サイトのレスポンスが改善すること、および、サイトに訪れてきてくれた際のHDDのアクセス音の静音化のために新規に購入して、blogを移行させました (2020/08/01 追記)。

    WordPressや関連するPHPなどの書籍やネットで調べたりして、先ずはNASの構築を開始しました。

    WordPressはPHPというプログラム言語が使われています。PHPは発信するページの体裁を整えるために使われています。サーバー管理者は、少し込み入った事をしようとしない限り、基本的にこのプログラム言語を理解する必要はありません。まず、基本は、テーマと呼ばれる基本プログラムを選択し、更に必要な追加機能は、沢山のプラグインから追加すれば済みます。

    • 基本を提供するのが、「WordPress」であり、PHPで作られています。以下に説明するものも「PHP」で作られいます。
    • WordPressでは、さらに、表示体裁やちょっとした機能を提供するために、「テーマ」を選択します。
    • さらに、機能を強化したい場合は、「プラグイン」という追加機能をインストールします。
    • 更に、足りなければ自分で自信で以上のコードを書き換えて好きな機能を追加できます。ここはハードルが高いです。
    • 表示系では、html文のスタイルを操作できるCSS (Cascading Style Sheets)という文法の言語で定義する方法が使われます。

    個人で使用する場合、プラグインは、最低限度の範囲で使用する限り費用はかかりませんが、機能アップした有償版もあるので必要に応じて購入できます。僕も5つ程度を購入(クレジットカード)しました。

    現在使用している有償版プラグイン

    当初現在(2022/02)
    1Cool Timeline Pro更新せず使用継続
    2Encyclopedia Pro (1年のサブスクリプション)更新せず使用継続 (レスポンスが遅くなるので、代替処理のための自作コードを開発注。その内アンインストール予定)
    3EWWW (画像数に応じた支払い)画像数が増えて追加支払いで使用継続
    4Advanced Ads Pro (1年のサブスクリプション)2回の更新で使用継続 (使用していない機能が多くコスパが低いので自作コードに置き換え処理注)
    5(ポストと画像の配置を綺麗にしてくれるプラグイン, プラグイン名は失念)AMP非対応でありレスポンスが遅くなるため、今は使用してない。

    外付けHDD

    データのバックアップとしてUSB接続で外付けHDDを使用しています。個人的な実績として信頼性があるのは、センチュリーのHDDケースです。

    必要なマシーンとプログラム (基礎編)

    1. 自宅でNASの構築(出先からのアクセス管理、セキュリティ)
    2. WordPress (ページの体裁等、サーバー管理者の思いを具体化してApacheに繋げる)
      • NASにインストール
      • WordPress用のプラグイン・ソフト : 画像表示、投稿の表示、広告の表示、など色々あります。
    3. Apache HTTP Server (クライアント端末との通信を担うサーバーソフト)
      • NASにインストール
    4. MariaDB (blogなどの文書や動画などは、個別のファイルとして、このデータベースに登録され検索される)
      • NASにインストール
      • 動的ホームページ構築のエンジンです
    5. PHP (WordPressのphpファイルをプログラム言語として処理する)
      • NASにインストール
      • バージョンが、5や7があります。blogサイトのレスポンスは、5は最悪です。7以降を使いましょう。

    アプリ/ツール

    先ずは、NASのパッケージセンターから、DSM (Disk Station Manager)用の必要な機能を選び、NAS用のアプリとしてインストールできます。アプリをインストールするとは、基本的にNAS上にサーバーを置くことを意味します。アプリには、Microsoftの「one note」と同様のことができる「note station」やメディア関連では、「メディアステーション」や「Audio Station」などがあります。出先からNASにアクセスできます。

    次に、Windowsやモバイル(携帯電話など)から操作するためのアプリとしてPC用であれば、「Download Center」で取得してインストールできます。これは、基本的にNASに対するアクセス・ツールです。

    Download Center – Synology –

    https://www.synology.com/en-global/support/download/DS918+#utilities

    最後に、モバイル用のアプリは、iPhoneを使用しているのであれば、App Storeでアプリをインストールできます。「ds」、「synology」で検索できます。これは、NASの管理ツールであったり、クライアントとしてのアプリであったりの機能が使えるようになります。

    参考

    結局、大変参考になったのは、ネットからでした。Synology NASとWordPressを使って基礎からシステムを構築されて、情報発信されている観音寺さんの「ホームネットワーク研究所」は、丁寧に解説されています。

    私みたいな新参者でも理解が助けられます。1から10までお世話になっているサイトです。

    以下の事を実現させたい方には、力強いサイトなので是非訪れてみてください。

    • Synology NASの運用、関連ツールの設定
    • WordPressの導入と設定

    ホームネットワーク研究所 : https://nw.myds.me

    Synology NASの型番について

    Synology NAS製品の型番について分かっている範囲で説明します。

    • DSは、「DiskStation」を意味しています。
    • RSは、Rack mount型です。「RackStation」と明記されています。
    • SAは、Rack mount型です。明記されていなので、憶測ですが「Storage Achiever」では無いかと、説明文から理解しました。
    • FSは、Rack mount型です。「FlushStation」と明記されています。link
    • 「9」は、拡張ボックスを使って可能な最大のドライブスロット数です。
    • 「20」は、発表した年の下二桁
    • 「+」は、不明ですが、無印の型番から少し機能を向上させたものと理解できます。
    • DS920+とDS720+は、数字から拡張ボックスを使用して可能なドライブスロットの最大数の違い(9と7)だけです。CPUなどは同一なので性能は同等です。
    • 因みに、DS920+のWeb Serverとしての反応性能スコアは、下のグラフから10862です。一方、DS1621xs+のWeb Serverとしての反応性能スコアは、64730です。DS920+の約6倍です。

    更に高性能なNAS

    現在は、DS920+でblogのサーバーを立ち上げていますが、Serverのレスポンスに不満を持っています。実は、DS920+にはHDDスロットの4つ全てを使用してSSDでRaid5を構築しているのですが、DS918+のようにメモリ(標準システムメモリ: 4GB)の追加(8BGx2)やキャッシュ(SSD)の追加はしていません。それでもSSDの構成ではシステムの再起動は数十秒で完了します。DS920+をフルスペックする手もあるかもしれません。それでも、基本性能として更に高性能なNASを触ってみたいのです。ネット回線の問題もあるかも知れないので、持っている不満は解決するかはわかりません。

    DS920+のカタログ

    DiskStation DS920+
    Scalable NAS with SSD cache acceleration capability

    https://www.synology.com/en-global/products/DS920+

    DS920+ Data Sheet

    https://global.download.synology.com/download/Document/Hardware/DataSheet/DiskStation/20-year/DS920+/enu/Synology_DS920_Plus_Data_Sheet_enu.pdf?_ga=2.14052148.2022724892.1636367018-1993726491.1635251237

    DS920+とDS720+のカタログ比較 – Synology –

    https://www.synology.com/en-global/products/compare/DS920+/DS720+

    因みに、その内に導入したいと考えているNASはDS1621xs+です。DS1621xs+とDS920+の比較が、下のリンクに示されていますが、PHP反応性能は約6倍です。

    DS1621xs+は、High End NASと説明されており、採用されているCPUは、DS920+搭載のものより高性能である「Intel® Xeon D-1527 4-core 2.2 GHz」です。具体的な性能比は、DS920+が10,000程度、DS1621xs+が60,000程度と約6倍のPHP反応性能差があります。それに見合うだけの周辺性能(メモリ、3つのLANポートの内1つは10G)が付加されています。価格も高価で約3倍です(DS920+が約7万円、DS1621xs+が約21万円)。

    DS1621xs+とDS920+のカタログ比較 – Synology –

    https://www.synology.com/en-global/products/compare/DS920+/DS1621xs+

    DS1621xs+のカタログは以下のリンクを参考にしてください。

    メモリーは、ECC(Error-Correcting Code)メモリーが使用できます。ECCメモリーは、金融機関や高度な化学計算において1ビットでもエラーが許されない分野で使用されているメモリーです。

    DiskStationDS1621xs+

    High-end scalable NAS in desktop form factor

    https://www.synology.com/en-global/products/DS1621xs+

    DS1621xs+は、Rack mount型の高性能なServerと比較しても、約半分の性能まで迫っています。Desk Top型のNAS Serverとしては、相当な高性能です。

    Performance

    Synology strives to enhance the performance of our NAS with every software update, even long after a product is launched. For enterprises and users that demand uncompromising performance from their servers, check the figures below to find the most suitable choice.

    https://www.synology.com/en-global/products/performance#sa_and_xs_plus

    実は、2021年年末に、DS1621xs+を購入しました。WD 8TB HDD Red Plus x 2とDS918+から抜いたRed HDD x 4の合計 6HDDの構成です。今はPlexを導入してホームサーバーとして性能を確認中です。その内、レポートします(2022/01/04, by Mr.HARIKIRI)。

    まとめ

    この記事では、Synology NASを使ったblogサイトの立ち上げの取っ掛かり、および、近況(2022/01/04)について記事にしました

    関連記事

    編集履歴

    2019/05/06 はりきり(Mr)
    2020/04/24 追記(関連記事)、読み返した感想です。もう1年も経ち懐かしく思い出しました。
    2020/05/01 追記(レンタルサーバーの良さについて) 2020/07/10 追記(静的ホームページ)
    2020/08/01 文言整備、追記(DS920+について)
    2020/08/10 追記(OS/2とWindows NTは、元々同じOSだった)
    2020/08/15 文言整備
    2020/09/24 追記(WordPress以外のCMS)
    2021/02/12 追記(文言整備、バックアップとセキュリティ関連の記事リンク)
    2021/08/28,追記(アプリ/ツール)
    2021/11/18,追記(その内、High End NASと銘打っているDS1621xs+を導入したい)
    2022/01/04,追記(購入した有償版プラグインリスト)
    2022/02/06,コード修正(Adsense関連Pluginを自前コードに置き換え)
    2022/02/13,Post ID212は編集画面の表示ができず内容の修正ができなくなったため(アクセス数518)、新しいPost (ID37765)に転記し、Redirect処理した。
    2022/06/10, 文言整備

  • [Synology] 2 要素認証 (2 factor authentication )の再設定方法 – Google AuthenticatorとSecure SignInの比較 [2022/09/03]

    [Synology] 2 要素認証 (2 factor authentication )の再設定方法 – Google AuthenticatorとSecure SignInの比較 [2022/09/03]

    ID36781

    2要素認証

    2要素認証は、端末にランダムな6桁のコードを1分間表示させて、そのコードは、ログイン対象であるNASと同期しており、設定されたユーザー毎に正しいコードをパスワードの次に入力しなければログインできない認証方法です。

    注) その同期というのは時間を使用しているようです.以下のような経験をしました.あるNASにログインする際,2 Factorのコードを入力したときエラーする頻度が増えてきました.ある日,回数制限によりログインできなくなりましたが,別の管理者権限でログインして,時刻の更新をすると解決しました.解決方法は,以降に述べています.

    Synology NASにおける2要素認証

    iOSの端末からログインする場合、DSM7では大きく分けて2の認証アプリを使用できます。1つは一般的に従来から使われているアプリと、もう1つはSynologyが提供する専用のアプリです。

    これらはメリット/デメリットがそれぞれあるので、好みに合ったアプリを使用できます。

    おすすめは、

    「Google Authenticator」

    です。このアプリでは、他の端末に登録した内容を複製/移動することが可能です。

    例えば、iPhoneにある複数の登録内容をiPadに送れます。送る場合もQRコードを使用します。

    Synologyが提供する

    「Secure Signin」

    では、端末に登録した内容を他の端末に複製/移動させる機能がありません。ただし、1つおしゃれな機能画あります。2 factor コードによる認証ではないのですが、パスワードを入力する代わりに別な方法の使用が可能です。その機能は、表示された数字を認証するように促す方法です。これは今流行りの方法で、みなさんも良くご覧になると思います。この数字が表示されてから、その数字を「Secure Signin」アプリから同じ数字をタップすることで承認されるという仕組みです。この方法は、おしゃれで洗練されているとは思いますが、数字が表示される画面には、パスワードからログインする方法も提供されており、少しセキュリティが低いです。2 factorコードを使わない場合は、おしゃれで洗練され便利な機能です。

    まとめ

    Google Autheticator

    機能は以下の通りです。

    • 2段階認証
    • 端末からの他の端末への登録内容を、複製/移動できる

    登録は、先ず、コントロールパネル > セキュリティ > 2要素認証から、2要素認証をチェックします。その後、ユーザーとグループで設定したいユーザーを編集します。この方法では、一般的な2要素認証のアプリが使用可能です。

    一部のユーザーにおける再登録には少しコツが必要です。今後は、DSMがアップデートされれば修正や改善されるかも知れません。

    管理者AでユーザーBを再登録する場合、

    1. 管理者Aで、コントロールパネル > セキュリティ > 2要素認証から、管理者Bの2要素認証のチェックを外します。この場合、その他ユーザーの編集画面で2要素認証が有効となっているユーザーの設定が消えることはありません。
    2. ユーザー設定画面から、Bの2要素認証を無効にする。
    3. コントロールパネル > セキュリティ > 2要素認証のチェックを付ける。
    4. 以上の設定の後、ユーザーBによるログイン際はパスワードでログインできる。その後、以下の画面で真中のログイン方法(Verification code (OTP); 2 要素認証)を選択して設定処理を進めていきますします。現在(DSM 7.0.1-42218)は、「Google Autheticator」が使えます。今後のアップデートでは、以下に説明している「Secure Signin」への使用が強制されるかもしれません。

    Secure Singin

    機能は以下の通りです。

    • 2段階認証
    • 端末からの他の端末への登録内容を、複製/移動ができない
    • パスワードの代わりに数字のタップと端末からの認証機能(2段階認証ではない)

    DSMの右上にあるユーザーのパーソナル情報をクリックすると、ログイン方法を選べる画面が現れます。この方法では「Secure Signin」アプリしか受け付けません。

    問題があるとき

    2 Factorのコードを入力してもエラーで、ログインできないとがあります。その原因は、NASの時間が狂っている場合に起きます。NASの設定で地域オプション・時間の画面で、今ずくアップデートのボタンを押してネットの標準時間に合わせる操作をしてみてください。解決するはずです。タイム・サーバーの変更も実施してみてください。同期エラーしていることも考えられます。

    具体的な手順は以下の通りです.

    1. コントロール パネル → 地域オプション → 時間 → 今すぐアップデート

    モバイルデバイスの時間がSynology NASと異なるのはなぜですか? – Synology Knowledge Center –

    https://kb.synology.com/ja-jp/DSM/tutorial/how_to_sync_time_between_mobile_NTP

    再設定

    2 Factorのコードを再設定するには以下の手順で行います.

    まず,管理者による作業は以下の通りです.

    1. Synology NASのDMSに,管理者でログインする
    2. コントロールパネル → ユーザーとグループ
    3. 「再設定したいユーザーを選び,編集タグを押す」
    4. 「2要素認証を無効にするを押す」
    5. 「保存する」

    次に,再設定したいユーザーによる作業は以下の通りです.

    1. Synology NASのDMSにログインする
    2. 指示に従って,2要素認証の再手続を進める.
    3. 少し具体てには,必要なアプリのダウンロードのためののQRコードの表示の後に表示されるQRコードを継体プリにインストールした「Google Authneticator」または「Secure Signin」で読み込むと,完了.

    以上の作業で2 Factor (2要素)認証の再設定は完了です.

    編集履歴

    2022/01/04, Mr.HARIKIRI
    2022/06/30, 追記; 2 Factorコード入力でエラーしてログインできない時の対処法
    2022/09/03, 追記: 2 Factorの再設定の手順

  • [FAQ] Synology NASの共有フォルダに端末でアクセスする[2021/12/29]

    [FAQ] Synology NASの共有フォルダに端末でアクセスする[2021/12/29]

    ID36097

    はじめに

    PCやiPhoneなどの端末からSynology NASにアクセスする方法の記載です.

    Synology NASに端末で接続

    接続の流れを以下に示す.

    1. ウェブブラウザからquickconnectの設定で与えられたIPアドレスを使用して接続する.
    2. DDNSの設定が完了しているなら,そのIPアドレスを使用てできる.
    3. 接続するとUser ID/Passwordの入力画面から,それらを入力する.
    4. 二段階認証を設定しいるなら,コード発生ソフトが発生するコードをコピペして入力する
    5. 以上で,大半のログインは可能.
    6. アクセスするサーバーによっては,ポート番号をIPアドレスに付ける必要がある.

    Synology NASにWindowsやiPadなどの端末で接続して共有フォルダに設定したフォルダにアクセスできない場合、その設定の確認の詳細についてSynologyのサイトにまとめページがあるので以下に示します。

    Synology NASの共有フォルダにSMBまたはAFPからアクセスできません。どうすればいいですか?

    https://kb.synology.com/ja-jp/DSM/tutorial/Why_cant_access_shared_folder

    編集履歴

    2021/12/29, Mr.Harikiri
    2023/10/08,追記 (接続の流れ)

  • [運用] Synology NASのサービスポート – 設定が必要になった時に参照したいデフォルト・ポート [2021/12/29]

    [運用] Synology NASのサービスポート – 設定が必要になった時に参照したいデフォルト・ポート [2021/12/29]

    はじめに

    Synology NASに端末で接続してサービスを受ける場合、サービスごとに特定のポートに接続する必要があります。いわゆる、ポート番号のことです。

    Synologyのサイトにポート番号のまとめページを以下に示します。

    デフォルトのポート番号は,安全性を高めたいときには,違う番号の使用も考慮します.これらの設定管理は,管理者の責任です.

    DSMサービスではどのネットワークポートが使われますか?

    https://kb.synology.com/ja-jp/DSM/tutorial/What_network_ports_are_used_by_Synology_services

    編集履歴

    2021/12/29, Mr.Harikiri
    2023/10/08,追記(ポート番号設定のリスクに応じた考え方)

  • [Synology] Let’s Encrypt 証明書をインポートで設定が失敗した結果、遠隔ログインができなくなった場合の対処法 [2021/10/18]

    [Synology] Let’s Encrypt 証明書をインポートで設定が失敗した結果、遠隔ログインができなくなった場合の対処法 [2021/10/18]

    ID32737

    はじめに

    Synology NASでは、色々なサーバーを立ち上げることができます。blogもその他SynologyのアプリもInternet経由で出先から接続できるのですが、最近ではも証明書も必須になっています。証明書がない場合は、接続ができないことが多いのでどうしても証明書は取得してNASやRouterに設定しておく必要があります。

    Let’s Encyptの証明書については、Synology NASであれば自動的に3ヶ月の期限が切れるまでに更新してくれるはずです。しかし、それができていな場合があります。

    そのような時には、マニュアルでRenew/新規作成して更新できます。しかし、僕のようにSynologyのルーターと、NASを複数立ち上げている場合、Let’s Encryptの仕様であるところのポート80を開けている機器のみが証明書を作ることができます。これは大きなな制限です。

    blogサーバーはWeb Serverなので、ポート80を当てておかないといけません。その他の機器には、ポート80を割り当てることができなくなります。

    そうすると、その他の機器には、blogサーバーのNASで取得した証明書を、そのNASからExportして、それをその他の機器にImportすることで、証明書の設定をするしかありません。

    証明書のImportに失敗

    Exportした証明書を使って、その他の機器にImportするのはいいのですが、ミスして失敗する場合には、その機器には接続できなくなることがあります。

    証明書なしで接続する

    SafariやChromeで証明書が無い、期限切れ、不備な場合に、注意コメントが出てデフォルトでは接続をしないようになっています。それでも強制的に接続できるオプションが表示されるので、それをクリックして続行することができます。

    しかし、証明書の設定のミスの具合がもっとひどい場合には、SafariやChromeでは上記の強制接続できない場合があります。

    最後の手段

    Fire Foxを使用すれば、SafariやChromeでは強制接続ができない場合でも、強制接続のオプションが表示されます。それをクリックして続行して接続させることができます。

    Fire Fox

    以上の操作は実際に実施した作業の内容ですが、Fire Foxは、Windows版で行いました。iOS版(iPad/iPhone)での実績はありません。今度、機会があれば、iOS版で試してみたいと思います。

    • Safari
    • Chrome
    • Google
    • Edge
    • Fire Fox

    その他の接続方法

    Internet経由でどうしても接続できない場合、VPNで繋いでやれば接続できる場合があります。この方法も選択肢の1つです。

    編集履歴

    2021/10/18, Mr.Harikiri
    2023/02/25, 文言整備
  • [Synology] セキュリティ改善法 – Threat Preventionとファイヤーウォールの運用を連携する  [2021/08/01]

    [Synology] セキュリティ改善法 – Threat Preventionとファイヤーウォールの運用を連携する [2021/08/01]

    はじめに

    Synology NASおよびRouter製品のセキュリティの話です。今回は、Router製品の上位機種であるRT2600acのパッケージ「Threat Prevention」の分析結果をネットワーク管理者としてファイヤーウォールとの連携について解説します。

    Threat Preventionは、日々、怪しいパケットの重大度に応じて、バケットを「ブロック」、「アラート」及び「何もしない」の3つの基本的な処理を実行してくれます。

    怪しい動作をするパケットのデータベースは、外部のデータベースであり有志によって日々アップデートされています。Threat Preventionでは、重大度の高いパケットは、デフォルトでドロップ(ブロック)されます。

    たまには、Routerの管理者は自らで、Threat Preventionのログを確認して、怪しいパケットのIPアドレスを確認し、頻繁にアクセスするIPアドレスに対して、ファイヤウォールによる拒否設定をしておくことが、ネットワークセキュリティをより安全に維持できると考えます。以下は、そのルーチンワークとしての設定して方法を簡単に解説しました。

    ルーチンワークの概要

    1. Threat Preventionのログの日々の確認
    2. 怪しいIPアドレスを認識したら、
    3. ファイヤーウォールの設定で、そのIPアドレスを拒否設定

    ルーチンワークの詳細

    • 週に一度は、Threat Preventionのログを見る
    • Threat Preventionからのドロップ通知メールを活用しても良い
      • 例えば、通知メールがきたら、そのタイミングを活かしてThreat Preventionのログを確認する
    • Threat Preventionのログを確認して、アクセスしてくる(ソース)、または、自サイトのデバイスからの、アクセス先(ディスティネーション)として、頻度の多いIPアドレスを確認する
    • Threat Preventionのログにおいて、自動でドロップされているものは、セキュリティに重大な影響を与えるものと認識されているので、そのIPアドレスを手元に控える(コピー)
    • ネットワークセンターのセキュリティからファイヤウォールタグを開き、そのIPアドレスの「拒否」設定を行う

    Threat Preventionでは、アラート処理に留まっており、ドロップしていないことがログよりわかりました。何かの対応策が必要です。

    Threat Preventionの操作

    ネットワークセンターの操作

    ネットワークセンターのセキュリティからファイヤーウォールを開いて、目的のIPアドレスを「拒否」設定する。「作成」タグを開いたら、設定画面が現れる。以下の設定リストを参照して、「名前」、目的のIPアドレスは「ソースIP」、「操作」は「拒否」に設定、その他はデフォルト(すべて)で問題ないと思います。

    Alert

    ET POLICY Outgoing Basic Auth Base64 HTTP Password detected unencrypted

    • ID/PWをHTTP経由で送信する場合に、MD5アルゴリズムでBASE64(バイナリ基数64)に変換(エンコード)される。これは決して暗号化を意味していない
    • DDNSのサービスを提供している「myDNS.jp」関係で、このファルター検出に引っかかることがある(要調査)。

    RT2600acにいて

    Synology RT2600ac (WiFiルーター)については、以下の記事もご参照ください。

    まとめ

    Synology Router RT2600acのパッケージツールとして、「Threat Prevention」と「ファイヤーウォール」の連携による運用(ルーチンワーク)の事例を解説しました。

    Threat Preventionは、Synology Routerのパッケージなので、その他のメーカーのルーターで、同様の機能があれば、今回と同じ概念で運用が可能だと思います。因みに、Threat Preventionは、シンプルなIDSのひとつですが、一般的な家庭用ルーターには装備されていません。

    編集履歴

    2021/03/22, Mr. はりきり
    2021/05/08, 文言整備
    2021/08/01, 文言整備