カテゴリー: BIOLOGICS

  • [用語] ベクター ; Vector/バイオ技術 [2022/09/03]

    [用語] ベクター ; Vector/バイオ技術 [2022/09/03]

    ベクター; vector

    1. 遺伝子組換え技術用語
    2. ベクターには以下のような種類がある
      1. プラスミド ベクター : 目的遺伝子を細胞に挿入するために使うリング状のDNA.大腸菌の雄はプラスミドを持っており,その応用技術であり大腸菌の組換えに用いられる.プラスミド自体には大腸菌の内部に入り込む能力はないため,薬剤などを用いてプラスミドを大腸菌の内部に導入する.
      2. ウイルス ベクター : ウイルスは細胞に感染する能力があり,その応用としてウイルス内部の遺伝子に目的遺伝子を挿入して細胞内への目的遺伝子の導入に用いられる
      3. ファージ ベクター : ファージは大腸菌に感染する能力があり,その応用として大腸菌内部へ目的遺伝子を挿入して大腸菌内への目的遺伝子の導入に用いられる
      4. その他,色々なベクターの開発が進められている.

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] QRM [Biotech] [2022/09/03]

    [用語] QRM [Biotech] [2022/09/03]

    QRM

    QRM; quality risk management

    ICHに詳細が記載されている.

    ICH Q8

    • 管理戦略; Control Strategy
    • Quality by Design; QbD
    • 継続的工程確認; Continuous Process Verification
    • 工程の頑健性; Process Robustness
    • 重要工程パラメータ; CPP; Critical Process Parameter
    • 重要品質特性; CQA; Critical Quality Attribute
    • 正式な実験計画; Formal Experimental Design
    • デザインスペース; DS; Design Space
    • 品質; Quality
    • プロセス解析工学; 工程解析システム; PAT; Process Analytical Technology
    • 目標製品品質プロファイル; QTPP; Quality Target Product Profile
    • ライフサイクル; Lifecycle
    • リアルタイムリリース試験; RTRT; Real Time Release Testing
    • 立証された許容範囲; PAR; Proven Acceptable Range

    ICH Q9

    • 意思決定者; Decision Maker(s)
    • 危害; Harm
    • 傾向; Trend
    • 検出性; Detectability
    • 重大性; Severity
    • 製品ライフサイク; Product Lifecycle
    • ハザード; Hazard
    • 品質システム; Quality System
    • 要求事項; Requirements
    • 利害関係者れ Stakeholder
    • リスク; Risk
    • リスクアセスメント; Risk Assessment
    • リスクコミュニケーション; Risk Communication
    • リスクコントロール; Risk Control
    • リスク受容; Risk Acceptance
    • リスク低減; Risk Reduction
    • リスク特定; Risk Identification
    • リスク評価; Risk Evaluation
    • リスク分析; Risk Analysis
    • リスクマネジメント; Risk Management
    • リスクレビュー; Risk Review

    ICH Q10

    • イノベーション; Innovation
    • 医薬品品質システム; PQS; Pharmaceutical Quality System
    • 外部委託作業; Outsourced Activities
    • 管理できた状態; State of Control
    • 業績評価指標; Performance Indicators
    • 継続的改善; Continual Improvement
    • 上級経営者; Senior Management
    • 製造プロセスの能力; Capability of a Process
    • 製品実現; Product Realisation
    • 是正措置; Corrective Action
    • 達成のための手法; Enabler
    • 知識管理; Knowledge Management
    • 品質特性; Quality Planning
    • 品質方針; Quality Policy
    • 品質マニュアル; Quality Manual
    • 品質目標; Quality Objectives
    • 品質リスクマネジメント; QRM; Quality Risk Management
    • フィードバック/フィードフォワード; Feedback/Feedforward
    • 変更マネジメント; Change Management
    • 予防措置; Preventive Action

    ICH Q11

    • 化学変換工程; Chemical Transformation Step

    https://www.pmda.go.jp/files/000222953.pdf

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] SDS-PAGE [Biotech] [2022/09/03]

    [用語] SDS-PAGE [Biotech] [2022/09/03]

    SDS-PAGE

    sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis; SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動.

    1. バイオ医薬品開発には欠かせない分析技術の一つ.
    2. 分子の大きさを測定する
    3. 目的とするバイオ医薬品の品質試験に用いられる
    4. 不純物質の含有量も測定できる
    5. バイオ医薬品である目的分子が分解した場合には,その分解物を分子量などから検出できる

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] 4型コラーゲン= Type-IV collagen [Biotech] [2022/09/03]

    [用語] 4型コラーゲン= Type-IV collagen [Biotech] [2022/09/03]

    4型コラーゲン= Type-IV collagen

    網目構造をとる繊維性コラーゲン。上皮細胞の足場となるコラーゲン。コラーゲンは、グリシン – アミノ酸X – アミノ酸Yの繰り返し構造を1本として、3本の螺旋構造をとる。

    1. グリシン – アミノ酸X – アミノ酸Yの繰り返し構造をとる1本の分子を基本構造とする
    2. 基本構造の3本で螺旋(らせん)構造を作る

    コラーゲン

    https://ja.wikipedia.org/wiki/コラーゲン

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] グロビン [Biotech] [2022/09/03]

    [用語] グロビン [Biotech] [2022/09/03]

    グロビン

    ミオグロビンとヘモグロビンを指す

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] RNA, tRNA, rRNA, etc. [Biotech] [2022/09/03]

    [用語] RNA, tRNA, rRNA, etc. [Biotech] [2022/09/03]

    RNA; ribonucleic acid

    DNAの構成要素は,アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)ですが,RNAの構成要素はA,G,Cおよびウラシル(U)です.

    • DNA: ATGC
    • RNA: AUGC

    Aは,TもしくはUと結合し,GはCと結合します.DNAはこのルールに従い二重らせん構造を作ります.

    RNA – MBL –

    https://ruo.mbl.co.jp/bio/product/epigenetics/article/RNA.html

    RNAの分類

    RNAの分類を以下に示す.

    • RNA
      • mRNA: 遺伝子をコードしているRNAであり,細胞内機関のリボソームにてタンパク質に翻訳される.ncRNA: 遺伝子をコードしていない (none code).以下は分類の一例.
        • Housekeeping; 恒常的に発現し翻訳されている
          • tRNA; transfer RNA, 対応するアミノ酸を結合してリボソームにいるmRNAのもとにそれを連れてくるrRNA; ribosomal RNA(rRNA), 細胞内機関であタンパク質合成機関;リボソームを構成するRNAsnRNA; small nuclear RNAs, スプライシングを行うスプライソソームを構成するRNAsnoRNA; small nucleolar RNA, タンパク質との複合体を形成しrRNA修飾・成熟に関わる
      • Regulatory
        • small ncRNA; small none coding RNA, <200nt
          • miRNA; micro RNA, mRNAと結合することで遺伝子発現調整に関わる
          • piRNA; PIWI-interacting RNA, トランスポゾンという遺伝子多様性機能の制御に関わる
          • tsRNA; transfer RNA-derived small RNA, tRNAが特定のヌクレアーゼによって分解され生じるnc RNA
        • lncRNA; long none coding RNA; >200nt, クロマチン修飾に関わる

    RNAとは?【がんRNA研究分野】

    https://www.ncc.go.jp/jp/ri/division/cancer_rna/20211227164725.html

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] rAAV [Biotech] [2022/09/03]

    [用語] rAAV [Biotech] [2022/09/03]

    rAAV

    recombinant AAV (Adeno Associated Virus), 一般的に、「非増殖性の遺伝子組換えアデノ随伴ウイルス」を指す.

    近年,遺伝子治療用の遺伝子の運搬体として使用実績が進んでいる.

    リコンビナントアデノ随伴ウイルス(rAAV)、パルボウイルスの精製プロトコール

    https://www.cosmobio.co.jp/support/technology/a/axs-20130617-1.asp

    AAVanced Concentration Reagent

    https://www.funakoshi.co.jp/contents/63833

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [用語] Protein A; プロテイン A [Bio-Tech] [2022/09/03]

    [用語] Protein A; プロテイン A [Bio-Tech] [2022/09/03]

    Protein A

    Protein Aは、Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌)の細胞壁に存在する46.7 kDaのタンパク質です。Protein Aは免疫グロブリン(特にIgG)のFc領域に特異的に結合します.IgGとのアフィニティー結合サイト(Ka=10-8M)は4箇所あります。Protein Aは4Mウレアや6Mグアニジン塩酸にような変性剤にさらした後でも活性を保持しています.

    みんなが知りたいプロテインA/G/Lの性質|知っておきたい!タンパク質実験あれこれ 第14回 – Learning at the Bench(新しいタブで開く)

    https://thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/protein-basic14/

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    2022/09/03, Mr. Harikiri
  • [Bio-Equip] 沈澱化した目的物をろ過により脱水し乾燥させてパウダーを得る  – 加圧濾過器/ 日本化学機器製造株式会社 [2022/05/03]*

    [Bio-Equip] 沈澱化した目的物をろ過により脱水し乾燥させてパウダーを得る – 加圧濾過器/ 日本化学機器製造株式会社 [2022/05/03]*

    はじめに

    バイオ医薬品をつくるには,種々の高価な装置が必要です.MRHARIKIRは,バイオの専門家なので,皆さんには,バイオ医薬品の製造や品質分析方法,それ以外にも分析装置,製造装置などについても紹介しています.

    タンパク質の精製では、目的物を個体として回収するために沈澱化処理が行われることがあります。その工程に使用される機器は、ラボ規模程度までは、陶器の「ヌッチェ」と呼ばれる濾過装置が使用されます。コーヒー豆の濾過器と原理は同じです。

    これが、製造規模として大きくなってくると機材としは、ステンレスが使用されサニタリー性が高められます。圧力も強制的にかけることができ、濾過が促進できる構造となって製造処理効率の向上が図れます。

    さらに、今回紹介する加圧濾過器では、減圧することも可能であり、その減圧により含まれる水分/溶剤の蒸発を促進させることが可能です。それにより、当初は水溶液状態で沈澱化していた目的物を乾燥度が高い状態のパウダーにして回収することができます。

    加圧濾過器

    加圧濾過(ろ過)機 各運転プロセスの説明は、サイトから以下のように要約できます。

    1. 加圧濾過器はヌッチェ型で材質はステンレス(SS316)、加圧/減圧の操作が可能です。
    2. 攪拌機が内蔵されており、ケーキの懸濁と溶液添加時の攪拌およびケーキの掻き出しに使用する
    3. 処理液(スラリー)が投入され、圧力を掛けて濾過することで濾液を排出させてケーキを得ます
    4. 洗浄液を加えてケーキを撹拌懸濁して、上記と同様の操作により濾液を排出してケーキを得ます
    5. 減圧乾燥して水分/溶剤を完全に抜きます。
    6. 攪拌機よりケーキを描き上げて取り出し口から出す

    日本化学機器製造株式会社

    大阪市淀川区加島にある「技術の日化機」は、プラントエンジニアリングのパイオニアです。

    その歴史は80年を超え以下の経歴があります。

    1. アルコール蒸留技術を起点に、産業機械、化学、環境など幅広い業界に活用の途を開拓

    事例活用集サイト(サイトマップをクリック)には、詳細な事例が図と共に紹介されています。

    ホームページ – 日本化学機器製造株式会社 –

    https://www.jcem.jp/index.html

    加圧濾過器 – 日本化学機器製造株式会社 –

    https://www.jcem.jp/utilization/filter/process_pres.html

    加圧濾過器の仕様

    型式濾過面積電動機出力 kWD mmH mm
    SNA-112.21,2004,100
    SNA-1.51.53.71,4004,200
    SNA-223.71,7004,200
    SNA-2.52.53.71,8004,200
    SNA-335.52,0004,400
    SNA-445.52,4004,500
    SNA-557.52,7006,000
    SNA-66112,9006,300
    https://www.jcem.jp/utilization/filter/spec_pres.html

    編集履歴

    2022/05/02, Mr. Harikiri (技術の日化機の加圧濾過器)

  • [Bio-Equip] ホモジナイザーは細胞の破砕処理装置 / 連続処理には圧力式のFrench Press (GEA社)、バッチ処理にはビーズを用いたBead Mill (ELE) / その他原理を紹介

    [Bio-Equip] ホモジナイザーは細胞の破砕処理装置 / 連続処理には圧力式のFrench Press (GEA社)、バッチ処理にはビーズを用いたBead Mill (ELE) / その他原理を紹介

    はじめに

    バイオ医薬品をつくるには,種々の高価な装置が必要です.MRHARIKIRは,バイオの専門家なので,皆さんには,バイオ医薬品の製造や品質分析方法,それ以外にも分析装置,製造装置などについても紹介しています.

    バイオ医薬品(バイオロジクス)の製造には、上流工程と下流工程に大きく区別されています。上流工程は細胞培養が行われて、その細胞の増殖により目的物を造らせます。

    使用する細胞が、動物細胞、酵母、昆虫細胞である場合は、細胞外に分泌されるため、遠心分離機などで溶液画分を取得して、製造原料とします。

    しかし、大腸菌の場合は、細胞外に目的物質を分泌させることは通常不可能です。目的物質は、大腸菌の細胞内に留まり、さらに、水溶液に対して不容性として存在します。

    そこで、大腸菌を使用するバイオロジクスの製造では、大腸菌の破砕が実施され、この破砕により不溶性画分となっている目的物を細胞外に抽出させることが必要です。

    その破砕に使用されるのが、「ホモジナイザー」と呼ばれる機器です。

    ホモジナイザーの種類

    細胞を破砕する原理として、以下のようなものがあります。工業的には、消耗コストが少ない圧力によるfrench Pressが多く用いられます。いずれの原理も熱が発生するためタンパク質の変性を抑制するために冷却が必要です。

    1. French Press (French pressure cell press)法
      • 高い圧力を細胞懸濁液にかけて、その圧力にり細い管から出すことで、一気に圧力が解放されて細胞が破裂する
      • 操作は、基本的に連続運転
    2. Sonication法
      • 超音波振動により細胞膜を破壊する
      • 連続処理チャンバー装着可能
      • デメリットは、超音波プローブの消耗があるため消耗品コストとなること、騒音問題などがある。
    3. Bead Mill法
      • 細胞懸濁液とガラスビーズなどの硬い粒子を一緒に攪拌することで高い剪断応力と衝突力二より細胞膜を物理的に破壊する
      • 操作はバッチ方式が基本
      • デメリットは、ガラスビーズなどの消耗品のコストが発生すること、ガラス破片の除去処理などが追加として必要であること
    4. Enzyme法
      • 大腸菌の場合は、リゾチームという酵素を使い細胞膜を溶かすことで細胞膜を破壊する。
      • 操作は、バッチ方式が基本
      • デメリットは、リゾチームの使用コスト、不純物としてリゾチームが混入してしまうこと

    French Press – wikipedia –

    https://en.wikipedia.org/wiki/French_pressure_cell_press

    GEA社

    GEA社は色々な製品を取り扱っています。French Pressの原理であるホモジナイザー製品は以下のリンクから辿れます。

    以下の表には、製造規模のホモジナイザーを示していますが、ラボ用の小型のラインナップもあります。

    圧力(bar)3160
    (L/h)
    5415
    (L/h)
    5400
    (L/h)
    100/
    12065,00080,000
    18022,00047,00056,000
    20021,00041,00057,000
    25019,00034,00045,000
    30038,000
    40012,00021,00028,000
    6007,50014,00018,000
    1,0004,10010,000
    1,2003,1007,000
    1,5002,1005,000
    https://www.gea.com/ja/products/homogenizers/industrial-homogenizers/homogenizer-ariete-3160.jsp

    カタログ(5415,5400)

    GEA – ホモジナイザー –

    https://www.gea.com/ja/products/homogenizers/index.jsp

    ELE社

    バイオロジクス製造に使用実績があるかは調査不足で不明ですが、ELE社には、Bead Mill方式装置のラインナップが揃っています。以下のデータシートから、装置の能力と大きさをイメージすることができます。

    Data Sheet 

    ModelChamber(L)Motor(KW)Speed(rpm)Working capacity(L)Dimension (mm)Weight(kg)
    EDW-55110-150030-2001100x850x1600400
    EDW-1010220-120050-3001400x1100x1750600
    EDW-1515370-1200100-5001550x1100x18001200
    EDW-3030550-100200-10001850x1300x17002200
    EDW-5050750-860>10002200x1500x18002800
    EDW-1001001100-750>15003150x1500x20005500
    EDW-1501502500-580>20003300x1500x23008300
    EDW-4004005000-480>30003300x1500x260011700
    https://www.ele-mix.com/bead-mill/bead-mills.html?gclid=Cj0KCQjwpcOTBhCZARIsAEAYLuXmltqoKdUxCK44NjPPU8ohWW_L4kWVu0gRf1y5xmzPblC7HB6bDUkaAlgmEALw_wcB

    Bead Mill – ELE –

    https://www.ele-mix.com/bead-mill/bead-mills.html?gclid=Cj0KCQjwpcOTBhCZARIsAEAYLuXmltqoKdUxCK44NjPPU8ohWW_L4kWVu0gRf1y5xmzPblC7HB6bDUkaAlgmEALw_wcB

    編集履歴

    2022/05/01, Mr. Harikiri
    2022/05/04, 追記: 細胞破砕方法、ELE社