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  • [特許] クレーム内容を理解するために文献レビュー —「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用」、パテント (2013),Vol.66, No.13 – / Udemyのオンライン・ビデオ講座 で完結する – ID13101[2020/11/29]

    [特許] クレーム内容を理解するために文献レビュー —「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用」、パテント (2013),Vol.66, No.13 – / Udemyのオンライン・ビデオ講座 で完結する – ID13101[2020/11/29]

    技術者としての特許の理解

    通り一辺倒の教育だけでは、理解は決して深まらない

    「特許の流れ」は手続きなので、理解は容易です。しかし、特許文献としてその特許の範囲を理解したり、自分で特許を書く場合手続きではないので、その理解は容易ではありません。今回、特許の内容の理解、特許を書くこと、について方法論を論じている論文を紹介します。

    特許に関わる役者には、現場レベルの研究者/技術者と、特許の専門家である弁理士、また、その間を繋ぐ組織内の専門組織やスタップがいます。

    昔から、「リエゾン」(参考1)を進める動きはありました。特許部門からの提案は、ある時、突然出てきます。しかし、特許の査定を中心とした思考活動を学ぶことに、専門外となる研究者/技術者は、なかなか真剣に取り組みません。

    技術者は、最低限において技術の内容が理解できれば良いため、特許成立に関わる基準が分からないまま、特許の内容を限定的に理解していることが多くあると思われます。

    これが、リエゾンが進まない大きな要因であると、僕は考えています。

    しかし、現場で特許に関する知識が、あやふやのままで良いのでしょうか?。折角の新規の技術が見つかったとしても、認知もできずに公知化することによる技術の流出や、競争相手の特許内容の理解が乏しく、対策が遅れたいするリスクが高まります。

    私も含めて、特許クレームを本当に、腹落ちするように理解ができているのでしょうか?

    今回、この文献を読んで、私は、腹落ちがしました。通り一辺倒の同じような教育やその内容を理解しても、堂々巡りです。尖った内容でアプローチの異なる理解により、停滞していた理解を深められます。

    今回、この文献を読んで、相当程度の理解が深まったと感じています。

    本当の研究者/技術者になる

    自分たちで見つけた新規技術を特許申請することは、競業他社の特許を読み解くよりは、遥かに簡単です。

    外部環境がどうなのかを知り、それを受けて自分たちの強みをどのように維持し、或いは、強めていくのか、そのためには、正確に外部環境を理解する必要があります。

    そこで、他社特許(査定中を含め)に対して、その特許クレームは、どのように読み解けばいいのか、未だ査定中で特許に至っていない公開段階で、そのクレーム内容を読み解いた時、すべてのクレームに特許性があるのか、その特許を受けるに値しないクレームはどれなのか、今後、特許として査定される範囲はどれくらいなのか、そのような判断を迫られる場面は、新規技術に関わる研究者/技術者として遭遇する事は多いと思います。

    特許の専門家にコメントを求めることは、当然必要です。しかし、実務レベルでも試行錯誤しなければならない場面も沢山あり、いつも、専門家のコメントを求めていれば、判断が遅れます。

    スピードが求められる場合や小さな組織では、多能であることも求められます。

    今回、レビューした1つの文献は、そうしたあやふやな技術理解ではなく、明確なメソッドとして、クレームを理解し、また、逆にクレームを書くスキームを提案しています。

    対象発明の理解を通じたクレーム作成方法 の提案,そしてその応用 – パテント (2013), Vol.66, No.13

    https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/201311/jpaapatent201311_045-060.pdf

    Udemyのビデオ学習

    今回の文献執筆者である大瀬さんが、以下に紹介した内容のオンライン教材としてUdemyでの受講が可能になりました。約60本のビデオによる解説と実習は、殆どが5分程度、長くて10分の講義です。僕もこの講義を受講し、2020/11/29に全ての学習を完了したので、少しレビューを述べたいと思います。

    講座タイトルは、「初心者でもわかる特許の書き方講座【初心者向け】【弁理士が教える実践特許講座】」です(定価12,600円)。

    副題 は、「特許知識ゼロでも大丈夫!自分の力で発明を文章にして特許書類が作成できるようになります。「発明を理解、把握するステップ」と「理解した発明を特許文章にするステップ」の2つのステップで誰でも簡単に「特許の書き方」を身につけることができます。」

    僕にとって、講座内容の最も重要な部分は、以下の項目の実習に尽きました。

    1. 実務として技術を「要素」、その「属性」、および、それらの「関係」について全てを、エクセル表などに列挙していくメソッド
    2. 以上で、とりまとめた「要素」、「属性」、および「関係」の説明文をほとんどそのままを使って請求項に記述していくメソッド

    これまでに、複数の書籍を購入し特許の勉強をしてきましたが、実務としてここまで、有益な情報を得ることが殆どできなかったことで、独学に限界を感じていました。しかし、今回、書籍ではなく、オンライ・ビデオ学習によって、また、特に技術者にとってわかりやすい開発されたメソッドによって、請求項というものが、3の要素、すなわち「要素」、「属性」及び「関係」からなっていることを、具体的な事例を実習することで、より良く短時間に知ることが出来ました。その結果、特許の請求項を書くことは、もちろん、誰かが書いた既存の特許の請求項を構造的に理解することができるようになったと思います。大変有意義な講義でした。大瀬さんに最大限の感謝を表します (2020/11/29, はりきり(Mr) )。

    予備知識

    クレーム

    • 1つのクレーム(請求項)は、1つの発明である。
    • 特許請求の範囲は、36条4項1号を満たすこと : 特定の課題を解決できること
    • 要素列挙形式 (一般的)
    • 構造的クレーム形式

    一般的な要素列挙形式

    まずは、「構造的クレーム形式」を読んで、用語を理解した上で、以下の要素列挙形式を読み進めてください。

    • 要素間の関連性が多くなると複雑な文章に陥りやすい
    • 曖昧な内容になりやすい

    構造的クレーム形式

    「構成」とは、「要素」、「属性」、「関係性」を総称する。

    この構成を意識すれば、日本語がシンプルになり、クレームを読み込むことも、クレームを作成することも容易になります。

    • 日本語の文章がシンプルになる
    • クレームが多義的になりにくくなる
    • クレームが不明瞭になりにくくなる
    • 補正がし易くなる
    • 外国語への翻訳がしやすくなる
    • 「要素」 (外的不可)
      • 「装置」の場合は、「部品」のこと
      • 「方法」の場合は、「単一の工程(ステップ)」
      • 「プログラム」の場合は、単一の演算を行う「関数」
    • 「属性」:要素の属性 (内的付加)
      • 絶対的な規定のこと
        • 一般名(ねじ、バネ、キャップ)
    • 「関係性」:要素同士の関係性 (特許の世界では組合せという用語が近い)
      • 「要素」間の関連性を相対的に規定すること
      • 丁寧な観察により他との比較を行うことで、見つけ出す
        • AとBは接続されている
        • Aは、Bの軸受けにより支持されている
        • AとBは、適切なな距離の間隔がある

    請求項の事例

    • 請求項1 (独立請求項)
      • 要素は、aとbを備え
      • 属性は、cとdであり
      • 関係性は、eとf
      • である「装置」
    • 請求項2 (従属請求項)
      • 要素は、gを備え
      • 関係性は、i
      • である「請求項1」の「装置」

    従属請求項は、上位概念のクレームに対して、新規性違反などの拒絶理由が出された際に、争える内容となるように構成しておく役目を持たせるのが良い。

    特許を理解するとは

    対象の発明の内容を理解すること。

    • 刺激 → (発明) → 反応、を理解できている
    • 多様な「刺激」に関しても理解できている

    理解を進める作業

    マインドマップを活用できる。

    1. 「要素」(部品)を抽出する
      • 「要素」の振る舞いを理解していること
      • 例えば、Aユニット、Bユニット、処理部
    2. 要素の「属性」を抽出する
      • 最小の単位で抽出する
      • 複数もあり得る
        • 硬さ
        • etc.
    3. 要素間の「関係性」を抽出する
      • 最小の単位で抽出する
      • 複数もあり得る
        • AとBは接続されている
        • Bとそは接続されている
    4. モデル化
      • 構造化 = (要素-属性) x 関係性
    5. 試動
      • 刺激 → 構造体 → 反応、を観察
    6. 発明の理解
      • 以下の反応が同一の結果となれば、発明について理解している
        • 刺激(入力) → (発明) → 反応(出力)
        • 刺激 → 構造体 → 反応
      • 理解できたと、構造体の細部が描かれていることになり、完全に理解したと言えます。
    7. 考察
      • 付随する機能の気づき

    機能・効果
    (要素、属性、関係)

    1)「新規構成の抽出」へ
    2)「発明の詳細な説明」、「課題を解決するための手段」として「明細書」へ

    新規構成の抽出
    (従来技術調査)

    1)「上位概念の発掘」へ
    2)「背景技術」、「先行技術文献」として「明細書」へ

    上位概念の発掘

    1)「構造的クレーム」へ
    2) 「変形例」、「産業利用性」として「明細書」へ

    構造的クレーム

    明細書

    
    
    
    

    構造的クレームの書き方

    以上を理解していれば、上記、「請求項の事例」に従ってクレームを作ることで、クレームを書くことができます。

    「発明の詳細な説明」欄

    • 構成の説明
    • 機能・作用の説明 : 実例レベルの説明。将来に補正する場合の自由度の担保の役割として利用する。[課題を解決するための手段]での、上位概念化された対象発明が課題を解決することを説明するのと異なる
    • 変形例 : 上位概念化作業の際に見つけた上位概念と含まれる下位概念を記載する箇所。〜のような機構があれば、どのようなものでも構わない。

    「課題を解決するための手段」欄

    • 「特許請求の範囲」をそのままコピペすることが多いが、それをすると、出願後の拡張(不要構成の削除)補正する場合に、それが新規追加事項になる危険性があります (出願当初の請求項の「すべての構成」が課題を解決するために必要と認定されると)
    • 請求項1に記載の発明がどのように機能・効果を発揮するかを簡潔(不要な構成を紛れ込ませない)に記載する

    「発明が解決しようとする課題」欄

    発見した新規構成(要素、属性、関係)を規定として、権利化したい構成をクレームする手法を

    • なぜ、記載順が、「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決するための手段」としないのか  : 権利化を目的としているることから、発明内容に従った課題とすべきとの考え
    • 請求項1 : 要素を羅列、属性および関連性
    • 請求項2 : 要素を羅列、属性および関連性
    • ・・・

    注意点
    構成は漏れなく含まれていれば、不要なものがあったとても試動で完全に動かすことができます。即ち、冗長なものが、含まれている可能性を否定できません。

    • 振る舞いに貢献していない記述を削除する
    • これを、割り算型クレーム構築手法、といいます

    割り算型クレーム

    • 「部品」クレームにまで、削ぎ落とすことは、難しい

    掛け算型クレーム構築法の書き方

    • 構成を更に付加して、上位概念をクレームする。
    • 帰納的に推論する
    • 上位概念とは、共通するということ。それをもっと普遍的な言葉に置き換える
    • 掛け算型クレームは、「部品」クレームになりやすい

    • 発明の本質の抽出 (新規性、進歩性) : 従来の全ての技術と比較して
    • 構成が一致していれば、効果も同一のはず
    • 但し、「要素、属性、関係」と効果との因果関係が自明でない技術領域(化学、材料、バイオ)
      • 構成(要素、属性、関係)が、それぞれ開示されていたとしても、その効果が非自明であれば、進歩性がある場合があります
    • 要素同士の関連性がないのであれば、「寄せ集め発明」です
    • 従来技術の組み合わせの場合は、新規性が無いことが基本ですが、阻害要因がありそれを解決できれば、新規性はあると思われます(コメント)

    完成品クレームと部品クレーム

    • 部品クレームの方が権利範囲が広い

    上位概念化万能論への反論

    • 先ずは、不要構成を極限まで削ぎ落とすことが、広い権利を確保できる
    • その後、上位概念化して、広い特許範囲にしていく。

    知的労働の自動化

    • 構造化することでAI処理の容易性が挙げられる。
    • 構成(要素、属性、関係)は、部品として再利用できる
    • これらをデータベース化して、クレームの自動生成
    • 特許翻訳の自動化
    • 先行技術調査の自動化
    • 特許網構築状況の可視化
    • イ号製品被覆状況の可視化

    参考

    参考1

    パテントリエゾンマン養成講座 – より
    パテントリエゾンマン(特許リエゾン担当者)とは、技術者が発明創出をサポートするとともに、その発明を戦略的に活用することを考える立場の人をいいます。今、特許業界で必要とされているのは優秀なパテントリエゾンマンの存在です。

    https://www.nihon-ir.jp/patent-liaison-man/

    編集履歴

    2020/04/10 はりきり(Mr)
    2020/11/29 追記(今回紹介した「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法 の提案,そしてその応用 - パテント (2013), Vol.66, No.13」の筆者である、大瀬さんが開発した本内容のビデオ教育プログラムについて受講したので、その概要)
  • [COVID-19] 世界のCOVID-19アプリ – イギリス、アメリカ、シンガポール、韓国 (NHK 7時のニュース)

    [COVID-19] 世界のCOVID-19アプリ – イギリス、アメリカ、シンガポール、韓国 (NHK 7時のニュース)

    イギリス : 「C-19」、住所を含めた個人情報の登録と日々の体温を利用者が送信。地域ごとの感染状況等を表示するアプリ。

    アメリカ : 専用の体温計とmobileで体温の地域分布を全米100万人のデータを地図上に表示するアプリ。

    シンガポール : 政府の開発したアプリ。感染者と利用者の半径2m以内で30分間以上の接触を感知

    韓国 : 感染者の行動履歴を滞在地域と時間について、24時間以内に滞在、4日以内の滞在を色分けで表示

    2020/04/10 はりきり(Mr)

  • [Bio-Edu] 沈殿化法によるタンパク質の回収・分離 – 検討方法 –  ID4376 [2025/04/21]

    [Bio-Edu] 沈殿化法によるタンパク質の回収・分離 – 検討方法 – ID4376 [2025/04/21]

    はじめに

    Ribonuclease Aのアセントン沈殿の条件検討につい、学生さんが精力的に実施されている文献の紹介をして、その後、昔から知られている一般的な沈殿法について紹介してします。

    Ribonuclease Aの沈殿精製

    界面活性剤による沈殿生成とアセトンによる 沈殿溶解を利用したタンパク質の回収・分離 - 新居浜工業高等専門学校 第51号 (2014)


    先ず定義から

    • ミセル化に出てくる役者は,水中での界面活性剤の疎水領域と目的物質の疎水性域.これらが結合することで蛋白質の親水性が増加する.
    • 逆ミセル化に出で来る役者は,有機溶媒中での界面活性剤の親水領域とタンパク質の親水領域.界面活性剤は,表面が疎水性,内側が親水性となるような内側に水溶液を内包できる小さな構造を作るとき,親水性であるタンパク質をその内側に閉じ込める.

    AIくんに詳しく説明してもらおう>

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    ChatGPT: 核酸やタンパク質の抽出や沈殿化の工程では、界面活性剤や有機溶媒の性質を利用する場面が多く、その原理の一つとして「ミセル化(micellization)」や「逆ミセル化(reverse micellization)」が関与します。以下にそれぞれの概念と、核酸・タンパク質の操作との関連を解説します。


    🔹 ミセル化(Micellization)

    【定義】

    ミセル化とは、界面活性剤(両親媒性分子)が水中で疎水性相互作用により、疎水基を内側、親水基を外側にして球状構造(ミセル)を形成する現象です。

    【核酸・タンパク質抽出との関係】

    • タンパク質の可溶化:細胞膜を構成する脂質を溶解するためにミセル化が用いられ、**SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)**などのアニオン性界面活性剤が、タンパク質と結合してその疎水領域を覆い、水に溶けやすくします。
    • 核酸抽出の前処理:細胞膜破壊にもミセル形成界面活性剤が使われることが多い(例:Triton X-100など)。

    🔹 逆ミセル化(Reverse Micellization)

    【定義】

    逆ミセル化は、有機溶媒中で界面活性剤が親水基を内側、疎水基を外側にして形成する構造です。これは**疎水性溶媒中で極性分子(例:水分子やタンパク質)**を包み込むための仕組みです。

    【応用】

    • 水/有機溶媒抽出法:タンパク質や核酸などの極性物質を有機相に溶け込ませるために、逆ミセルを形成させる手法がとられます。
    • クロマトグラフィー前の精製:逆ミセル構造を利用して疎水性溶媒中から親水性タンパク質を選択的に抽出できます。
    • 細胞内成分の選択的抽出:逆ミセル化技術は膜タンパク質などを環境制御下で抽出・保持するのに応用されます。

    🔹 まとめ:核酸・タンパク質操作での活用イメージ

    原理溶媒環境構造応用例
    ミセル化水相(極性)疎水基:内側
    親水基:外側
    細胞膜破壊、タンパク質の可溶化
    逆ミセル化有機相(非極性)親水基:内側
    疎水基:外側
    タンパク質の選択的抽出、精製

    補足:他の関連原理

    • 塩析(例:硫酸アンモニウム):タンパク質の沈殿化に用いられ、疎水相互作用を強める。
    • エタノール沈殿法(核酸):有機溶媒により核酸の水和シェルを崩し沈殿させる。
    • PEG抽出法:高分子の浸透圧効果で核酸を選択的に沈殿。

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    逆ミセル抽出法

    • 逆ミセル
      • 無極性溶媒中、極少量の水をコアとして、界面活性剤が会合したナノスケールの分子の集合体
      • 微小水槽が、界面活性剤分子によって、有機溶媒から隔離されている状態
      • この状態では、タンパク質は変性することなく逆ミセルの内部にとじこめられる
    • 操作法
      • タンパク質水溶液を用意
      • 逆ミセルを形成した有機溶液を用意
      • 2つを接触させる
    • タンパク質の逆ミセルへの移行の原理
      • タンパク質と界面活性剤の親水基との静電的相互作用

    逆ミセルからタンパク質の抽出

    • タンパク質を含む逆ミセルに
    • 水溶液を接触させ、界面活性剤との相互作用を弱くする
    • タンパク質は、水層に移動するが、その効率は低い

    逆ミセル抽出法の改良 (Shinらの方法)

    検討タンパク質 : 鶏卵白リゾチーム (14.3kDa, pI:11), 牛膵臓リボヌクレアーゼ(13.7kDa, pI9.6)

    • 界面活性剤による沈殿形成
      • 原理 : タンパク質は水中でイオン性界面活性剤により沈殿形成する
      • 2-エチル(ヘルシル)スルホコハク酸Na(AOT)
      • 等量(5mL)を5sec混和、静置→遠心→ppt→蒸留水で洗浄→Acetone 1vol(5mL)で溶解→0.1M NaCl 10μL→沈殿化→静置→遠心→ppt→Acetone洗浄→乾燥→蒸留水溶解
    • 極性有機溶媒による回収
      • 形成した沈殿を溶解
      • acetone (solubilization◯、precipitation◯)
      • 1-propanol, 2propanol (solubilization◯、precipitation×)
      • ethanol/ethylene glycol (solubilization△/×、precipitation-/-)
    • 電解質水溶液を極少量添加
      • NaCl 水溶液(電解遮断効果、濃度が高いほど沈殿↓)
      • 極性有機溶媒は、タンパク質から外れ、界面活性剤は、極性有機溶媒と混和
      • タンパク質は沈殿のまま回収できる
    • 低い界面活性剤の濃度で処理可能

    硫安、アセトン、TCAなど、タンパク質の沈殿法プロトコールまとめ – ThermoFisher -より

    https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/protocols-of-protein-precipitation/

    トラディショナルな沈殿法

    • 硫酸アンモニウム(硫安)沈殿法
      • マイルドなタンパク質沈殿化法
      • 飽和硫安濃度33%でIgGが沈殿、アルブミンは50%程度で沈殿する
    • アセトン沈殿法
      • 昔の血漿分解製剤で使用
    • トリクロロ酢酸(TCA)沈殿法
      • 酸性等電点を持つタンパク質に適用できる
      • グリシン塩酸法
    • TCA/アセトン沈殿法
    • クロロホルム/メタノール
      • SDSなどを除けるMS(質量分析)用のタンパク質の回収
    • 酸性pH処理
      • pH3~pH5にすることで、沈殿するものもあります。DNAなどの核酸が沈殿します。DNAでなくタンパク質も沈殿するものもあります
      • DNAとタンパク質が共沈したとしても、その他の不純物と分離ができていれば、よしとします。後の処理でDNAとの分離を考えましょう
      • 添加する酸は、タンパク質にマイルドな酢酸を使用します。塩酸は決して使ってはいけません。タンパク変性しやすいためです
    • 食塩(NaCl)添加
      • 3~5MのNaCl溶液を少ない量から適当添加していく方法で、スモールスケールの検討を行います。
      • 酢酸を添加して酸性pHにしても沈殿が生じない場合に、追加的にNaClの添加をすると沈殿することもあります
    • EtOH分画
      • 血漿分画製剤で使用される実製造に使われている
      • この技法は高度である。再現性を得るには、温度管理、pH管理、及び伝導度管理を厳密に制御する必要がある

    参考

    タンパク質精製は、SDS-PAGE分析で検出できる狭雑タンパク質の分離だけでは不十分です。endotoxnや核酸も不純物です。タンパク質から核酸を除去する目的ではないですが、沈澱法としてCTAB沈澱法についても以下に紹介します。この方法も昔から行われていた沈澱法です。

    • CTABによるplasmid DNAとRNA/endotoxinの分離 2)

    検討方法

    マイクロサイズ法

    沈澱化の検討は、200μL程度のガラス製のバイアルを使えば効率的です。Biacore用のサンプルチューブがいい感じに使えます。透明度と数百μLで検討ができて、サンプル量も効率的です。

    操作法

    • 100μLのサンプルをGlass vialに分注
    • 酢酸原液を数μLずつ添加
    • 別途、添加量とpHを確認しておく
    • 酢酸は、タンパク質の溶解性を高めるので、入れすぎは逆効果です
    • ですが、酢酸で低pHのタンパク質溶液にNaClを添加して塩濃度を高めると疎水性がより高まるためタンパク質が沈澱化しやすくなります
    • 分子量が大きいて沈澱化効率は高まります
    • 以上のことを踏まえて、沈殿化条件を決定していきます。

    分析

    • UVスペクトル(A200~700, NanoDropが便利)
      • A260/A280比率は、タンパク質と核酸のコンタミ具合の指標
    • SDS-PAGEによるタンパク質の純度分析
      • 目的物の分子量を指標に評価
    • Endotoxin分析 (option)
      • LAL法 (Kit)
    • DNA分析 (option)
      • PicoGreen (Kit)

    1) Glass vials

    Borosilicate glass vials in a range of sizes and volumes. For use with Biacore systems.

    沈殿化検討に使用する透明なガラスバイアル。ゴム栓も購入できるので、それを使えばしばらく保存が可能。検討である程度たまったら写真を撮ってから廃棄です。

    https://www.cytivalifesciences.com/en/us/shop/protein-analysis/spr-label-free-analysis/accessories-vial/glass-vials-p-05546

    2) Milligram scale parallel purification of plasmid DNA using anion-exchange membrane capsules and
    a multi-channel peristaltic pump (2007)

    低濃度CTAB (0.1-4g/L) 沈殿法によるpDNAとRNA/Endotoxinの分離 : 2g/L or 10g/L CTAB/50mM NaCl溶液を添加し、Incubation20分, cfg(38,000xg 20min, 20℃)/pptを70% EtOHで洗浄し、0.6M NaCl, 25mM Tris-HCl, 1mM EDTA, pH7.4で氷冷下で溶解。

    https://www.researchgate.net/profile/Stefan_Schmidt15/publication/6232344_Milligram_scale_parallel_purification_of_plasmid_DNA_using_anion-exchange_membrane_capsules_and_a_multi-channel_peristaltic_pump/links/59de01f545851557bde325bd/Milligram-scale-parallel-purification-of-plasmid-DNA-using-anion-exchange-membrane-capsules-and-a-multi-channel-peristaltic-pump.pdf?origin=publication_detail

    まとめ

    今回、タンパク質の沈殿化方法の色々を紹介しました。これらの方法で、タンパク質を純度よく精製するには、条件をもっと厳密にコントロールしなければなりませんが、今回紹介した中では、そこまで条件を詰めて設定されたものはありません。

    沈殿化法で、更にタンパク質の精製を極めたいと思っているなら、エタノールを使用した沈殿化による血漿タンパク質の精製方法として、Cohn Ethanol Fractionationが知られているので、それを当たるのも手です。Cohn法では、厳密な条件のコントロールが必要です。例えば、温度(4℃)、pH(酸性から中性に徐々に上げていく)、塩濃度、EtOH濃度(徐々に上げいく)により、血漿から段階的にタンパク質画分を沈殿させていきます。大雑把に言うと、最初に沈殿化する画分には、高分子(Fibrinogenなど)、続いて免疫グロブリン(IgGなど)、最後に、血漿タンパク質として最も多いアルブミムです。少しの条件設定のミスで、純度・回収率が悪化したり、タンパク変性したりします。機会があれば、Cohn Ethanol Fractionについてもご紹介したいと思います。

    今回、紹介したタンパク質の沈殿化法でも、回収率が悪いとか、純度が悪いとかいった場合は、pH, 塩濃度、温度などを見直してみてください。

    編集履歴
    2020/04/09 はりきり(Mr)
    2020/05/23 追記 (はじめに、まとめ)
    2020/09/23 追記 (酢酸の添加、NaClの添加、検討方法)
    2020/11/05 追記 (CTAB沈殿法によるpDNAとRNA/endotoxinの分離)
    2020/12/11 追記 (操作法 by Mr.HARIKIRI)
    2025/04/21 追記 (ミセル化・逆ミセル化の詳細 with AI)

    以上

  • [IT] COVID-19でクローズアップされるVPN – 繋がらない日本の企業 – これからのICT投資が望まれる – ID13044 [2020/11/16]

    [IT] COVID-19でクローズアップされるVPN – 繋がらない日本の企業 – これからのICT投資が望まれる – ID13044 [2020/11/16]

    日本の企業に足りないICTは、と聞かれた時、全てと答えざるを得ない。今回のCOVID-19から見えてきた当面の足りないICTと言えば、リモートワークでしょう。その観点から具体的に示すと以下の通りと考えます。

    • 端末としてのPC
    • ネットワーク回線の容量(バックボーン)
    • VPNサーバーの性能
    • 社内ルーターの性能
    • ネットワークケーブルの更新
    • SkypeからTeamsへの変更

    社内ネットワークに繋がらない!?

    COVID-19の緊急事態宣言が、発出されて在宅勤務が進められる中、Vertual Private Network (VPN)が社内に無い、あっても繋がりにくいなど、問題になっているようだ。

    その根本原因は、ICTに投資をしていないためだ。Windowsにしてもそれを動かすPCにしても、これらはすべてアメリカのインフラを前提にしている。Cloudも然り、VPNも然り、全てのICTは、アメリカ標準である。

    アメリカ標準のPCを使うのに、日本では、それに付随するインフラがアメリカ標準についていけるほど、ICTに投資をしていない。

    その結果、VPNは繋がりにくい。

    アメリカと日本のITC投資の格差

    日本ではICTに対する投資は、中小企業はもちろん、大企業でもアメリカほど進んでいない。その累積額で言えば、全く進んでいないと言っていい。

    総務省の2017年までの統計情報 (第2節 デジタル経済を支えるICTの動向)で示されているのが図1から図3です。米国、英国、フランスと比較しても日本の投資額が低いのが分かります。

    GDPあたりのICT投資額について日米の比較(総務省)を見ると、ほとんど同比率となっている(図4)のだが、安心してはいけない。英国のGDPは、日本のGDPの60%程度しなないにもかかわらず、米国と同等の積極的なICT投資を継続している。2015年までで、英国および米国は、日本に比べて、約3倍の額をICTに積極投資している。

    端的に言ってしまえば、英国は、国力は日本より低いものの、ICT投資に対して積極的に行なっている。

    図1. 日本のICT投資額の推移
    棒グラフは、毎年の投資額で、約30年の間で投資額は増えていないのが分かります。折れ線グラフは、ソフトウェア投資への割合ですが、その比率は増加しているということは、年々ハードウェアに対する投資は少なくなっていると言える。

    図2. 米国のICT投資額の推移
    ICT投資全体の総額は、今日まで約30年の間で積極的な投資が行われたことが分かる。

    図3. 米国、英国、フランスおよび日本のICT投資額の推移の比較
    米国と英国は、姉妹国であると考えていい。ICT投資のパターンは、ほとんど同等に推移している。フランスは、昔に繁栄した国との認識があるかも知れないが、日本は、そのフランスとですら、同等のICT投資の推移を示しているものの、近年、差を付けられている。

    図4. 日米のGDPあたりのICT投資額の推移と比較
    GDPあたりのICT投資額は、日米で同等である。

    図5. GDPの比較
    英国のGDPは、日本の60%弱である。

    これから日本は、ICT投資を積極的にする必要がある

    パラダイムシフト

    今回のCOVID-19によって、日本では、パラダイムシフトが起こります。いえ、世界でこれまで通りに活躍するためには、パラダイムシフトを起こさなければなりません。世界でもパラダイムシフトは起こります。

    ICTへの投資として、これまでは更新にしか行ってこなかったことを、機能アップにも行っていく必要があります。もしも、そうしなかったとしたら、世界から取り残されていくのは明白です。世界の国々は、ICTが必要であり、機能アップが必要であることを、既に理解しています。

    付けは払わなければならない

    日本でも2000年くらいには、ICTへの投資を叫ばれた時期がありました。しかし、景気の低迷、少子高齢化などに理由を付けて、ICTへの投資を維持はしてきたものの、積極的な投資はしてきませんでした。個々の企業のみならず、バックボーンとなる共通のインフラ関連もそうです。その付けは、これから数年間をもって、払わなければならないでしょう。

    とるべき舵の方向

    日本の大企業は、賃金を上昇を抑えて、内部留保を増やしていると言われまます。今後は、手段であるICTに対しても積極的な投資ができなければ、生き残りは厳しいと感がられます。グローバルでは、ICTを使った競争の激化が始まるからです。

    VPNの拡張か? SD-WANか?

    大規模なリモートアクセス VPN サービスの構築 (2007)

    VPN接続とは?VPNの基本とメリット・デメリットを紹介 – NTT PC – (2019)

    Microsoft®Office 365®が遅い原因とSD-WANを利用した解決方法 – NTT PC – (2019)

    VPN

    VPNの技術のベースは、専用線を使わないで、公共のネットワークであるインターネットを利用して、サーバーとクライアント間で、「トンネリング」、「暗号化」および「承認」というプロセスが発生しています。

    おおよそ、1つのVPNを担うサーバーに対して、繋ぐことが可能なクライアント数は、一般的なサーバーを設定した場合、200~500程度です。

    • Pentium 4, 2.8GHz, 1GB

    VPNサーバーを拡張するには、マシン性能をアップすることが考えられますが、クラスタリングすることが最もスケーラビリティがあり、やりやすいと考えられます。

    • メモリー増設
      • メモリースワップ低減
    • キャッシュメモリー増設
      • 応答速度改善
    • クラスタリング
      • 同等のサーバーを追加による負荷分散
    • サーバーとクライアント数のバランス
    • ネットワークケーブルの劣化、規格(100, 1000)の適正使用とアップデート(同時にネットワーク機器の更新も必要)

    SD-WAN

    VPNの技術よりも、もっと優れたSD-WAN (Software Defined WAN : ソフトウェア定義型広域ネットワーク)というものがあります。速度は4倍高速です。

    • SD-WANの開設期間は短い
    • 速度はVPNの4倍高速
    • Cloudツールも使える
    • ソフトウェアを介してアプリケーションやツールの経路(ネットワーク経路)を一括管理
      • Office 365の通信のみに限定したり
      • 各拠点のエッジ装置から直接インターネットへ通信
      • センター拠点への過剰なトラフィックの集中を防止

    Office365が遅い対策

    • ネットワークケーブル、ルーター
    • Excelの計算設定(GPU/CPU)
      • GPUは、画像処理、制御、演算や大きな計算に特化しているので、特殊なケースでは有利だが、起動に時間がかかる
      • CPUは、その他一般的計算に向いている。Excelの初期設定では、GPUになっているが、CPUにした方が早くなるケースもある
      • 設定は、ファイル → オプション→詳細設定→ハードウェアグラフィックアクセラレータ、で行う
    • Skypeは、音が途切れたりすることが多い。欧米ではすでに、Teamsという会議システムに移行しているようだ。日本でも移行しているのは少ない。Skypeは、one to oneの電話の代替から発展してきた経緯があり、多数を介した会議には力不足のようだ。Teamsへの移行が望まれる。

    自宅のネット環境も確認

    自宅で契約しているネット・プロバイダーのサイトに行って、ネットのスピードを確認してください。契約通りのスピード範囲に収まっているかどうか確認して、もしも、著しく速度が低い場合は、自宅のネット・ケーブルが不適切か、劣化の可能性があります。僕もこのような経験があります。ネット・ケーブルを交換したら敵面に3~5倍の速度アップができたのは驚きでした。

    編集履歴
    2020/04/09 はりきり(Mr)
    2020/04/10 SkypeからTeamsへの移行について追記
    2020/11/19 自宅ネット環境の確認

    参考文献

    2060年の世界および日本経済の行方 (2019)

    https://www8.cao.go.jp/space/comittee/01-kihon/kihon-dai5/siryou2-1.pdf
  • [Virus-Edu] WHO が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の治療薬に関する大規模臨床を開始する –  ID13021 [2020/04/09]

    [Virus-Edu] WHO が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の治療薬に関する大規模臨床を開始する – ID13021 [2020/04/09]

    WHOがCOVID-19治療薬の臨床を開始

    4つの薬剤について大規模な臨床試験を開始。

    1. レムデシビル
      • エボラ出血熱など抗ウイルス化合物(ギリアドサイエンス社)
      • RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害(エボラでの効果は確認できていない)
    2. クロロキンとヒドロキシクロロキン
      • マラリア薬
      • 中国の研究では効果があるとされているが、その根拠データは不明
      • クロロキンは細胞実験で多少の効果はあるが、用量が非常に多い
      • ヒドロキシクロロキンは、様々な副作用が知られている
    3. ロピナビルとリトナビルの組み合わせ
      • HIV薬(プロセアーゼ阻害薬)
      • 2000年、米国でHIV感染症の治療に承認されている
      • ロピナビルは、生体内での分解が早い
      • リトナビルは、比較的持続する
      • この組み合わせは、MERSのマーモセットの試験で効果があった
    4. 同じ組み合わせ(ロピナビルとリトナビル)に加えて、
      • ウイルスを不自由にするのを助けることができる免疫系メッセンジャーであるインターフェロンベータ
      • 抗ウイルス効果が期待できるインターフェロンベータの併用だが、副作用も懸念される

    WHO launches global megatrial of the four most promising coronavirus treatments

    https://www.sciencemag.org/news/2020/03/who-launches-global-megatrial-four-most-promising-coronavirus-treatments

    新型コロナウイルスの感染機序

    編集履歴
    2020/04/09 Mr.HARIKIRI
  • [Kw] 浅草寺の大提灯は、戦時の焼失以来、京都の高橋提灯で10年毎に貼り替えられている [2020/04/08]

    [Kw] 浅草寺の大提灯は、戦時の焼失以来、京都の高橋提灯で10年毎に貼り替えられている [2020/04/08]

    浅草寺の大提灯

    1635年(寛永12年)に建立された風雷神門の大提灯は、700kg。戦時中(1942)の焼失以来、10年毎に貼り替えられているとのこと。今年は前倒しされ7年での貼り替えになった。新しく貼り替えられた大提灯は、4/17に設置される
    (NHKニュース)

  • 今日の英語 – on track/delay = 予定通り/遅れあり[2020/04/08]

    今日の英語 – on track/delay = 予定通り/遅れあり[2020/04/08]

    プロジェクトの管理に関する用語。

    計画が予定通りに進んでいる場合 : on track
    遅れている場合 : delay
    未解決 : outstanding
    編集履歴
    2020/04/08 Mr.HARIKIRI
  • 今日の英語 – out of office 会社にいない – out of freeze 溶かす  [2020/04/08]

    今日の英語 – out of office 会社にいない – out of freeze 溶かす [2020/04/08]

    out of office
    会社にいない

    out of freeze
    溶かす

  • 今日の英語 – 休暇をとってます – I am now on an annual leave until ~

    今日の英語 – 休暇をとってます – I am now on an annual leave until ~

    休暇をとっているというフレーズ

    休暇に「leave」を使う


    I am currently on an annual vacation through Friday January 3, 2020.

    I am now on an annual leave until Friday 3rd January 2020.

    I am out on annual leave and will be back in the office on Thursday 7th December.

    I am on annual leave on Monday 8th June returning on Thursday 9th JUNE20.

    Leave (動詞で、去る)、イメージは同じで(去る→いない)、名詞(いない→休暇)として使われており、annual leave on Monday となっている。

    annual leave : 年次休暇

    There will be not a time in responding to e-mails.
    メールに対する返信する時間は無いと思います。

    I took a leave for 2 weeks.

    2週間の休暇を取りました.

    編集履歴

    2020/04/08, Mr. Harikiri

  • [健康] 忘れかけていた健康の大事さ(1) – 愚者は経験から学ぶ [2020/04/08]

    [健康] 忘れかけていた健康の大事さ(1) – 愚者は経験から学ぶ [2020/04/08]

    僕は、

    「愚者は経験から学ぶ」ことを繰り返しながら長らく生きてきました。

    COVID-19で入院する患者さん、特に重症の方のことを慮る(おもんばかる)。体はしんどくて、呼吸は息苦しくて、いつまで続くのか?この苦しさ、と。

    ICU (集中治療室)では、今が朝なのか昼なのか夜中なのか、全く分からない。僕の場合は、看護婦さんに朦朧(もうろう)としながら、いちも時間を聞いていた。重症患者さんに対して医療スタップは、24時間体制で、それぞれの患者さんの治療活動を行なっているため電灯は基本的、ONでした。

    もう何年前になるだろうか。僕がバイクで事故したのは。1991年。

    ICUには、2週間程度いたと思う。もう30年も前のことで細かいことは忘れてしまっているが、思い出しながら、以下に記録しましょう。

    僕は運が良かった。運ばれたのは、救命救急センターという、今では、そのような専門とする組織の呼び名は無くなった。

    事故では、突然に身体が拘束される。僕は、内臓破裂であったため、食事など、1ヶ月後になることも知らずに過ごしていた。

    翌日なのか数日経ったのかは分からないが、面会に来た (というか、危篤の連絡で病院に、別世帯だったファミリーが集まり、それぞれが、思い思いに待合の椅子で寝たり座ったりして待っていてくれていた)家族に対して放った一言は、

    「腹減った」

    であった。

    夕食前の事故であったので、その日の昼食が、次の食事までの最後の食事となった。

    入院中は、食事無しに付け加えて、水分も口からとってもいけなかった。

    食事無しは、何で代替しているのか? それは、鎖骨の下にある太い静脈 (鎖骨下中心静脈) に栄養点滴により供給される。

    水分補給は、点滴によって賄っているので、口からの水分補給は、基本的には必要ない。が、喉は乾くので欲求は伝えるものの、受け入れられない。

    徐々に回復して体力が戻りつつある時期、ドクターから流動食をしましょうと言われた。

    しかし、期待したものとは全然異なっていた。まずは、記憶に浅いが、その時期は、数週間から1ヶ月の間、食事をしていなかったため、「食べ物などの固定物や液体」の飲み込み方を忘れてしまっているのである。

    これまで通りに、水分を飲もうとしても飲めない。ストローで少し吸って、その少しの量を飲み込むのすら誤飲して気管に入れてしまう程だった。

    人間の能力の劣化は、身動きができず呼吸をしているだけの生活では、凄まじいほど速い。

    水の後の食事と言うべきか、最初の食事は流動食とは程遠く、

    ネクターの「ピーチ」

    でした。

    鎖骨下中心静脈カテーテル

    鎖骨下中心静脈カテーテル挿入 – 慈恵ICU勉強会 (2011) より

    http://www.jseptic.com/journal/jreview_088.pdf

    2020/04/08 はりきり(Mr)