[日本薬局方] 微生物限度試験・無菌試験および関連する試験 [2024/10/17, 2025/06/09修正]

まとめ(微生物限度試験と無菌試験の違い)

項目微生物限度試験(4.05)無菌試験(4.06)
品目対象非無菌製剤(経口薬、外用薬など)無菌製剤(注射剤など)
目的微生物汚染レベルの確認微生物が1つも存在しないことの確認
検出対象微生物の数と特定菌の有無あらゆる微生物の存在
判定基準限度内なら可1個でも存在すれば不合格
培養期間3~5日(菌種により異なる)14日間(好気・嫌気両方)
使用する菌試験対象とする微生物陽性対照菌(6種以上)で試験性能確認
使用する培地選択培地・平板寒天など液体培地(TSB、FTM)
合否基準限度内 or 特定菌なし微生物の発育なし=合格


微生物試験法および関連試験法の一覧

日本薬局方(第十八改正)には、生物学的試験法/生化学的試験法/微生物的試験法など微生物に関連する試験項目として6つが抽出できるが,4.03は微生物関連の試験には直接関係しないが、以下にリストした.

日本薬局方(第十八改正)において、嫌気性細菌および好気性細菌の検出に関連する試験法は以下のとおりです。​


1. 微生物限度試験法(収載番号:4.05)

  • 概要:​非無菌製品や原料中の微生物汚染レベルを評価する試験法で、一般生菌数、真菌数の測定や特定微生物の検出を行います。​
  • 関連する細菌の検出
    • 好気性細菌:​一般生菌数の測定として、好気性細菌の数を評価します。​
    • 嫌気性細菌:​特定微生物試験において、Clostridium sporogenes(クロストリジウム・スポロゲネス)などの嫌気性細菌の検出が規定されています。​

2. 無菌試験法(収載番号:4.06)

  • 概要:​無菌性が求められる製剤に対し、微生物が存在しないことを確認する試験法です。ろ過法や直接接種法で実施し、一定期間培養して判定します。​
  • 関連する細菌の検出
    • 好気性細菌:​培地性能試験および手法の適合性試験において、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Bacillus subtilis(枯草菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)などが試験用菌株として使用されます。​
    • 嫌気性細菌:​同じく、Clostridium sporogenesが試験用菌株として使用され、嫌気性細菌の検出が行われます。​

さらに、参考情報として以下の関連する項目:​

参考情報番号項目名概要
G4-2-180微生物試験法に用いる培地及び微生物株の管理微生物試験に使用する培地の調製方法や品質管理、試験に用いる微生物株の取り扱いについての指針を示しています。
G4-3-170保存効力試験法製剤中の防腐剤の有効性を評価する試験法で、製剤が微生物汚染から保護されることを確認します。
G4-4-180エンドトキシン試験法と測定試薬に遺伝子組換えタンパク質を用いる代替法従来のエンドトキシン試験法に代わり、遺伝子組換えタンパク質を用いた新しい試験法についての情報を提供しています。
G4-6-170微生物迅速試験法従来の培養法に比べ、短時間で微生物の検出・定量を行う迅速試験法についての指針を示しています。
G4-7-160遺伝子解析による微生物の迅速同定法微生物の同定を迅速かつ正確に行うための遺伝子解析手法についての情報を提供しています。
G4-8-152蛍光染色による細菌数の迅速測定法蛍光染色技術を用いて、細菌数を迅速に測定する方法についての指針を示しています。
G4-9-170消毒法及び除染法医薬品製造環境や器具の消毒・除染方法についての基準や手順を示しています。
G4-10-162滅菌法及び滅菌指標体医薬品や器具の滅菌方法および滅菌効果を評価するための指標体についての情報を提供しています。
G4-4-180のような番号の意味とは?

これらの番号は、日本薬局方の「参考情報(General Information:GI)」セクションに付けられている管理番号です。

例:
G4-4-180
→ 「General(G)」 + 「第4章関連(4)」 + 「通し番号(4-180)」

🔹 日本薬局方における位置づけ

種類内容法的拘束力
正文(本編)公定試験法、基準、定量法など(例:4.01 エンドトキシン試験法)あり(法的拘束力を持つ)
参考情報(GI)実務上の指針・補足的知識・新技術の紹介など(例:G4-4-180)なし(参考扱い)

以上,これらの試験法や参考情報は、医薬品の製造・品質管理において、微生物学的な安全性を確保するために不可欠です。​


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