[Synology] DS Note に出先から接続する [2021/04/01]

はじめに

Synologyのアプリ; DS noteは、Microsoft社のOne Noteと良く似た使い方ができるSynology社のNAS専用のServerアンドClientです。複数のクライアントからアクセスできる、すなわち、情報を一元管理することができます。以下、接続設定について解説します。NASで稼働しているサーバー (Note Station)にClient (DS note)を接続するには、一定の原理を知っていないと、その方法も覚えるのに苦労します。手順を覚えることは、自宅にサーバを置いた時点で避けては通れません。でも、最初は、バカチョンで設定できないと、その原理すら理解するスタート地点に立つことができません。また、接続に際し、NAS用に取得したDDNSの名前を使用することで、ISP (Internet Service Provider)から接続の都度もらっているIP Addressが、接続直しなどで変化したとしても、同じDDNSの名前でアクセスが可能になります。これがDDNSの利便性です。

出先からDS noteを使う

SynologyのノートアプリであるDS Noteはクライアントです。出先からサーバであるNote Stationに接続すれば、データを一元管理できます。Note Stationに接続するには、DDNS (無料のDDNSの場合、Synologyの「*.diskstation.me」, 「*.myds.me」などを使うことも可能です。Synology以外では、myDNS.jpなどがある)によるドメイン名を取得しておきます。

NASが1台の場合

あとは、エイリアス、または、ポート番号を付して接続すれば、DS NoteをNote Stationに繋ぐ事ができます。

エイリアスは、規定のポートを使用できる場合に使うものであり、DDNSで接続した時に、所定のNASにつながることを前提にしています。

NASが1台のみであり、そのNASにNote Stationをインストールしている場合は所定のNASとなります。すなわち、規定のポートを使うシステム構成になっているということです。この場合は、設定に戸惑うことはありません。

NASが2台以上の場合

NASが2台以上が、ホームネットワークに繋がっていて、どちらかのNAS、もしくは、いずれにもNote Stationがインストールされている場合、NASが1台の場合の設定を使うと、規定のポートを使うことを前提にしているので所定のNASにしか接続できません。

ホームネットワークに2台以上のNASを構築している場合は、明示的にどのNASに接続するのか指定してあげる必要があります。そのためには、接続する「ポート」の概念が必要です。

設定の概要

DSMの「アプリケーション ポータル」を開き、「アプリケーション」タグからNote Stationを選択・編集を選んで開き、「全般」タグから、ポートを設定します。httpsを選択する場合は、Let’s Encryptなどの証明書の取得が必須です。付随する作業は以下の通り。

  • Routerのポート転送の設定
    • NAS(1)用
      • NAS(1)が直接ドメインにつながっている場合(defaultでNAS(1)につながる設定となっている)
      • 特にポート設定は必要ない → 以下のNAS(1)のアプリケーションの設定へ進む
    • NAS(2)用
      • NAS(2)は、明示的にNAS(2)を指定する必要があるため、以下のポート設定が必要
      • パブリックポート : yyyy
      • プライベートポート : xxxx
      • (yyyyとxxxxは、同じでも良い)
  • Synology NAS(1)のアプリケーションの設定
    • NAS(1) : domainに直接つながっているNAS
    • Note Stationの設定
      • コントロールパネル → アプリケーション → Note Station -> 編集
        • エイリアス : note (最低限この設定で接続可能)
  • Synology NAS(2)のアプリケーションの設定
    • NAS(2) : domainに直接繋がっていないNAS
    • Note Stationの設定
      • コントロールパネル → アプリケーション → Note Station -> 編集
        • エイリアス : 設定しても機能しない。以下のport設定が必要
      • HTTPS port : xxxx
  • DS noteから接続 (iPad/iPhoneのアプリなど)
    • NAS(1)につなぐためのログイン設定
      • https://domain/note
      • ID
      • PW
      • HTTPS: enable
    • NAS(2)につなぐためのログイン設定
      • https://domain: xxxx
      • ID
      • PW
      • HTTPS: enable

ドメイン名の取得がなくても、別途、SynologyのQuickアドレスを設定している場合、そのアドレスでDS Noteへの接続はできます。

また、ローカルネットワークからDS Noteにつなげるには、直接IPアドレスを使用する方法が簡単ですが、ローカルにDNSサーバーを設定している場合は、DNSで名前の解決をしていれば、その名前でDS Noteに繋ぐことも可能です。

参照 : iOS用のDS noteは、最近メンテナンスされていなくて

編集履歴

2019/07/15 Mr.はりきり
2020/08/02 追記 (設定の詳細)
2021/04/01 追記 (はじめに、NASの数が増えると「ポート」の概念が必要であること、図解)
2023/02/25 文言整備