[GMP] Validation,Verification and Qualificationの違い.医薬品の開発や製造においては文脈で少しだけ異なることもあるとか.[2025/04/21]

Gmp

はじめに

なかなかしっくり理解することができない – バリデーション,ベリフィケーション, クオリフィケーショ.もういっかいまとめてみようかな.対象が何なのか.状況がどうなのか.5W1Hで違いを理解すればいいのかな.ではやってみようか>

先ずは,「AIに聞いてみた!」.

ChatGPT:

以下に「バリデーション(Validation)」「ベリフィケーション(Verification)」「クオリフィケーション(Qualification)」の違いを、GMP/GQP/ICH Qシリーズの定義や実務運用に基づいて明確に比較・解説します。


✅ 概要比較表

用語意味対象主な使用場面規制文書での定義例
バリデーション
Validation
規定された要件に一貫して適合することを証明する文書化された手続きプロセス、方法、システム全体製造工程・清浄バリデーション・分析法ICH Q7, EU-GMP Annex 15, PIC/Sなど
ベリフィケーション
Verification
指定された要件が個々のケースで満たされていることを確認する行為試験結果、製品、データ出荷判定、試験確認、OOS対応などISO 9000, FDA QSR, ICH Q2等
クオリフィケーション
Qualification
設備やシステムが意図通りに機能することを証明する手続き(Validationの一部)設備、ユーティリティ、装置装置導入、施設立上げEU-GMP Annex 15, PIC/S PE009

🧪 1. Validation(バリデーション)

🔹 定義

「プロセス、手順、システムが意図された結果を一貫して出す能力があることを文書化して証明すること

🔹 対象

  • 製造工程(例:無菌製造工程のPV)
  • 分析法(例:HPLC法のバリデーション)
  • コンピュータ化システム(CSV)
  • 清浄バリデーション(空調系)

🔹 規制例

  • ICH Q8~Q10
  • FDA Process Validation Guidance
  • EU-GMP Annex 15

🔧 2. Qualification(クオリフィケーション)

🔹 定義

Validationのサブセットであり、設備やシステムが意図した仕様通りに稼働することを確認すること

🔹 ステージ(代表例)

区分内容
DQ(設計時)設備やシステムが要求要件に合致しているかを確認
IQ(据付時)機器や部品が正しく設置されているかを検証
OQ(稼働時)設備が仕様どおりに機能するか(例:温度、圧力)
PQ(性能時)実際の条件で所定性能が安定的に出るか

📊 3. Verification(ベリフィケーション)

🔹 定義

個別の製品や工程が所定の要求を満たしているかを、測定または観察によって確認する行為

🔹 主な使用例

  • 試験室での規格適合確認
  • 製品出荷時の承認(出荷判定の一部)
  • 洗浄後の残留検査結果の確認
  • バリデーションの一部データの二次確認

🔹 規制文書

  • ISO 9000:2015(品質マネジメント)
  • FDA QSR(医療機器)

📝 使い分けイメージ(例:HPLCシステム導入時)

フェーズ活動用語
装置導入据付・稼働テストQualification(IQ/OQ)
分析法開発メソッド構築と性能評価Validation
日常試験製品毎の結果確認Verification

✅ まとめ(簡易フレーズ)

用語一言で表すと
Validation「工程や手順全体がいつも正しく動くことの証明」
Verification今この結果が正しいかの確認」
Qualification「設備や機器がきちんと動くかの検証」

医薬品ではどうなのかな?

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ChatGPT:

はい、基本的に「バリデーション(Validation)」「クオリフィケーション(Qualification)」「ベリフィケーション(Verification)」の概念は、医薬品の開発・製造分野においても同様の意味で使用されて差し支えありません。 ただし、医薬品分野では特有の文脈や運用上の違いがあり、それらに留意する必要があります。

以下に、医薬品GMPやICHガイドラインに基づいた使い方と、それぞれの違い・補足的意味合いを解説します。


医薬品分野における各用語の使い方

1. Validation(バリデーション)

  • 目的:プロセス・手順・分析法・製造工程が一貫して品質要件を満たすことを、事前に検証して文書化する活動
  • 対象
    • 製造バリデーション(Process Validation, PV)
    • 分析法バリデーション(Analytical Method Validation)
    • 洗浄バリデーション(Cleaning Validation)
    • コンピュータ化システムバリデーション(CSV)

🧾 規制文書例:ICH Q7, Q8, Q9, Q10、FDA PVガイダンス、EU-GMP Annex 15


2. Qualification(クオリフィケーション)

  • 目的:設備・機器・ユーティリティ等が、意図通りに設置され、機能し、目的の性能を満たすことを確認する(Validationの一部として位置づけ)
  • 段階(典型的な4ステージ)
    • DQ(Design Qualification)
    • IQ(Installation Qualification)
    • OQ(Operational Qualification)
    • PQ(Performance Qualification)

🧾 規制文書例:EU-GMP Annex 15、PIC/S PE009、JP-GMP省令、ICH Q9, Q10


3. Verification(ベリフィケーション)

  • 目的個々の製品または試験結果が、あらかじめ規定された受入基準に適合していることを確認する行為
  • 使用場面
    • 日常試験結果の合否確認(製品の放出試験)
    • 分析法バリデーション済みメソッドによる測定結果の確認
    • 清浄状態の目視・測定確認
    • 洗浄確認試験(残留量の限度確認)

重要:VerificationはValidationの代替ではありません(例:分析法開発初期に使用されるVerificationは限定的)


⚠ 医薬品分野における留意点(重要差異)

項目内容
Validation ≠ 一回の試験「継続的に(一貫性をもって)意図通りに動く」ことを証明する必要がある(例:3ロット実施)
QualificationはValidationの一部特に設備や施設に関して、Validationの前提として必ず必要
VerificationはGMP実務の中で頻繁に使用されるOOS対応、製品出荷判定、工程内管理などの「日常確認手順」として扱われる

🧭 実務における適切な位置づけ(図解的まとめ)

                設備や工程の準備段階

【Qualification】…IQ/OQ/PQ

【Validation】…工程や分析法の性能確認

日常試験や製品放出時の確認
【Verification】

✅ 結論

判断内容
同義的に使って良いか?基本的にはYes。ただし医薬品分野ではより厳密に区別され、役割が制度的に定義されている
違いが出るのはどこか?GMP準拠のバリデーション計画、設備導入時のDQ/IQ/OQ/PQ構成、日常品質確認(Verification)時の文書管理など
留意点Validationは再現性と文書化が核心であり、Verificationは即時の適合性判断に使われる。Qualificationは前提条件の確認として必須のプロセス

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日米欧の違い

下に、バリデーション(Validation)、クオリフィケーション(Qualification)、ベリフィケーション(Verification)に関する日本(PMDA)、米国(FDA)、欧州(EMA)での考え方・要求事項の違いを比較表としてまとめます。GMP、ガイドライン、運用実務の観点を踏まえた違いも解説しています。


📊 日米欧における考え方・運用の比較表

項目日本(PMDA/GMP省令)米国(FDA/21 CFR/ガイダンス)欧州(EMA/EU-GMP)
Validation
(バリデーション)
GMP省令第5条において明示的に義務化。3ロット原則が強調される傾向あり。FDA Process Validation Guidance(2011)で**ライフサイクルアプローチ(3段階)**を明確に提唱。EU-GMP Annex 15で詳細規定。ライフサイクル管理と連携。3ロット原則をベースに柔軟性あり。
Qualification
(クオリフィケーション)
Validationの一部として明確に義務化されている(例:IQ/OQ/PQ)。設計段階(DQ)はやや省略される傾向あり。設計からPQまで含めた一連のクオリフィケーションを要求(DQ/IQ/OQ/PQ)。リスクベースで実施深度を調整。Annex 15でDQを含む4段階を正式に要求。QRM(Quality Risk Management)との連携が重視される。
Verification
(ベリフィケーション)
「試験適合性の確認」として品質管理部門で日常的に使用。プロセス検証の代替手段には位置付けられない。ライフサイクル第3段階「Continued Process Verification (CPV)」において、実運用データの継続的確認として活用される。Annex 15では「現場確認」や「工程トレンド管理」として明示。バリデーション完了後の状態監視に相当。
文書要件SOP、計画書、報告書の整備が必須。PMDAは文書の整合性と逸脱時の対応を重視。実施とレビューの記録、継続的改善の記録が求められる。**監査証跡(Audit trail)**も重視。Annex 15でバリデーションマスタープラン(VMP)やライフサイクル文書体系の整備を要求。
考え方の特徴形式的整合性と再現性に重きを置く(→適合性の事後証明型)。統計的手法・QbD・継続的改善など科学的根拠に基づいた柔軟性が強調される。QRMとの一体運用により適用範囲・深度をリスクに応じて調整。柔軟性あり。
CSVとの関係CSV(Computerized System Validation)もGMP適用対象。ER/ES指針に従う。21 CFR Part 11対応。ALCOA+原則、Data Integrity重視。Annex 11とPart 11に基づく適用。リスクベースのCSVが義務化されている。

📌 日米欧の違いの要点まとめ

観点相違点
プロセスバリデーションの考え方日本:従来型(3ロット製造が重視)
米欧:ライフサイクルアプローチ(ICH Q8~Q10と整合)
クオリフィケーション段階の扱い米欧ではDQ~PQの体系が前提。日本ではPQからのスタートや簡略化されることもある。
Verificationの運用日本では「試験結果の確認」としての色が強い。米欧では工程管理の継続的保証手段として重視。
柔軟性日本は「承認書逸脱=再申請」リスクを避ける傾向があり保守的。
米欧は「科学的妥当性とリスク評価」により柔軟に判断。

✅ 補足:ガイドラインの対応付け

分類日本米国欧州
GMPGMP省令、GMP施行通知21 CFR Part 210/211EU-GMP Vol. 4
Validation指針GVP省令、通知FDA Process Validation Guidance (2011)EU-GMP Annex 15
QRM/QbD指針ICH Q8~Q10(準拠)同左+FDA独自ガイドありAnnex 15と連携
CSV指針ER/ES指針(厚労省)21 CFR Part 11Annex 11(+Part 11との整合)

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EMA/EU-GMP/Annex15とは

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ChatGPT:

EMA(欧州医薬品庁)/EU-GMPにおける Annex 15(附属書15) は、バリデーションおよびクオリフィケーションに関するガイドラインであり、EU-GMP Part I(製造所向けGMP基本規定)に付属する形で提供されています。

以下にその概要を構造的に解説します。


📘 Annex 15:Qualification and Validation(クオリフィケーションおよびバリデーション)

項目内容
発行主体欧州医薬品庁(EMA)/欧州委員会(European Commission)
位置付けEU-GMPガイド第1部の附属書(Annex)
最新版2015年10月更新(施行:2015年10月1日)
適用対象医薬品製造所(ヒト用・一部動物用)、無菌/非無菌製剤、API、装置、ユーティリティ

🔍 主な目的

Annex 15は、以下の内容について文書化・計画的なアプローチを通じて保証することを目的としています:

  • 製造設備・ユーティリティ・プロセス・分析法が期待通りに機能し、製品が一貫して品質要件を満たすことを証明する
  • ICH Q8~Q10のリスクベースアプローチと整合
  • バリデーションのライフサイクル管理の実践を推進

📚 Annex 15の構成概要

セクション内容
1. 目的(Principle)バリデーション/クオリフィケーションの必要性、文書化、ライフサイクル管理を明記
2. 文書体系VMP(Validation Master Plan)の作成要件、手順・記録の整備など
3. クオリフィケーションDQ/IQ/OQ/PQの4段階に分類し、各段階の記載要件と内容を規定
4. プロセスバリデーション従来型/連続製造/継続的プロセス確認(CPV)への対応を提示
5. 清浄バリデーション(Cleaning)製品交差汚染の防止と洗浄確認要件(PDE概念含む)
6. トランスポートバリデーション製品の輸送条件が品質に影響しないことの検証
7. 分析法バリデーション分析法のバリデーションと移管(Analytical Method Transfer)の要件
8. コンピュータシステムAnnex 11との整合を図ったCSVへの基本的要求

💡 特徴的ポイント

項目説明
ライフサイクルアプローチプロセスバリデーションを**「初期」「パフォーマンス評価」「継続的確認」**の3段階で管理
リスクベース評価の明確化ICH Q9に基づき、バリデーションの適用範囲・深度をQRMで調整可能
柔軟性の容認従来の3ロット製造に縛られず、科学的妥当性に基づくアプローチを許容
他Annexとの整合Annex 11(CSV)、Annex 1(無菌)、Annex 20(QRM)と連携設計されている

✍ 製薬実務への適用例

適用対象Annex 15での要求内容
新規製造設備の導入DQ, IQ, OQ, PQの順でクオリフィケーション実施
工程変更/サイト移管再バリデーションまたは同等性評価(equivalency)を実施
分析法の導入バリデーション+移管記録(方法移管)
洗浄手順の妥当性PDEに基づく許容残留量、サンプリング法の評価

✅ まとめ

項目内容
名称EU-GMP Annex 15「Qualification and Validation」
意義医薬品製造における設備・工程・手順の品質保証の根幹
位置づけEU-GMPの公式補足文書(Annex)
適用範囲製剤、API、無菌・非無菌、機器、施設、分析法など広範囲
特徴DQ~PQの段階的資格付け、QRMによる柔軟性、CSV・洗浄も包含

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編集履歴

2025/04/21 Mrはりきり