CAPA開始時の文書に適した名称
CAPAの開始時点で用いる文書の名称として、より明確で実務的に適切なタイトルは以下のようなものです:
よく使われる適切な名称(日本語・英語)
よく使われる適切な名称(日本語・英語)
日本語表記 | 英語表記 | 説明 |
---|---|---|
CAPA立案書 | CAPA Initiation Form / CAPA Request Form | CAPAを正式に開始するための起案書。問題の概要・初期評価・原因仮説・対応計画などを記載。 |
CAPA計画書 | CAPA Plan | 是正・予防措置の実施計画と進捗管理を記載。Initiation Formと兼ねる場合も。 |
CAPA実施管理表 | CAPA Action Plan / Tracking Sheet | 具体的なアクションと期限、責任者を追跡管理するフォーマット。 |
CAPA報告書(完了報告書) | CAPA Report / CAPA Closure Report | 実施結果と効果確認を記録し、対応完了を報告する文書。監査対応にも使用。 |
おすすめの命名戦略
文書タイミング | 推奨される名称 |
---|---|
開始時 | 「CAPA立案書」または「CAPA計画書」 |
実施・進捗管理中 | 「CAPAアクションプラン」または「CAPA管理票」 |
完了・効果確認後 | 「CAPA完了報告書」または「CAPA報告書」 |
➡ このように、CAPAのライフサイクルに応じて文書名を分けると、SOPや文書管理が格段に分かりやすくなります。
あわせておすすめのSOP記載構成(文書名と連動)
CAPA関連のSOPでは以下のような構成が理想的です:
- CAPAの対象と判断する条件(OOT、逸脱、監査指摘など)
- CAPAの立案手順(=CAPA立案書の起票)
- 是正・予防措置の検討と計画(=CAPA計画書)
- 進捗・実施管理(=CAPAアクションプラン/管理台帳)
- 効果の確認と完了手続き(=CAPA報告書)
まとめ
表現 | 適切か? | 理由 |
---|---|---|
CAPA報告書(開始時) | ❌ やや不明瞭 | 「報告書」という語が完了後にも使われるため曖昧 |
CAPA立案書 | ✅ 明確 | 開始時の意図が明確で、報告書と混同されない |
CAPA計画書 | ✅ 条件付きで適切 | 計画フェーズであることが明確。実施内容も含める場合は有効 |
以下に、「CAPA立案書」と「CAPA計画書」の**実務で使いやすいフォーマット例(記載項目付き)**をそれぞれご紹介します。
GMP/QMS環境での使用を想定しており、査察・監査にも対応しやすい構成になっています。
① CAPA立案書(CAPA Initiation Form)フォーマット例
CAPAを正式に立ち上げるための文書で、「なぜCAPAが必要か」「どのような問題に対して行うのか」を明確にします。
項目 | 内容 |
---|---|
文書番号(CAPA No.) | 一意に識別する管理番号 |
起案日 | 立案された日付 |
起案者/部署 | 担当者名と所属部署 |
発生事象の概要 | OOS/OOT、逸脱、監査指摘、苦情などの内容と影響範囲(製品名、ロット等) |
発生日時・場所 | 発見日、発生した工程や設備など |
初期リスク評価 | 製品品質、安全性、供給リスクなど(定性的/定量的) |
原因仮説 | 現時点で想定される原因の概要(詳細調査は後続) |
CAPAの目的 | 是正(CA)、予防(PA)、または両方かを明示 |
判断理由(CAPA必要性) | なぜCAPAとして管理すべきか、判断基準とその根拠(SOPの該当条項など) |
承認者 | 品質保証部門など、CAPA管理責任者の承認欄 |
② CAPA計画書(CAPA Plan)フォーマット例
立案後、具体的なアクションを整理し、実施・追跡・効果確認の管理を行う文書です。
項目 | 内容 |
---|---|
対象のCAPA No. | CAPA立案書とのリンクを確保 |
原因調査結果(RCA) | 実施した原因分析(例:5 Whys、FMEA、Fishbone Diagramなど)とその結論 |
是正措置(Corrective Action) | 再発防止のための直接的な対応策、具体的な作業内容 |
予防措置(Preventive Action) | 他製品・他工程への横展開、同種リスクの未然防止策 |
各アクションの担当者 | 担当部門および実施者の明示 |
実施期限 | それぞれの対応の期日 |
実施状況欄 | 実行済/未実行などの進捗を記載(トラッキング可能な欄) |
効果確認方法 | どのように対策の有効性を検証するか(例:再発有無、傾向変化、モニタリングデータなど) |
効果確認予定日 | 評価時期の設定 |
承認欄 | QAまたはCAPA責任者による最終承認欄 |
補足:実務での管理方法
- ExcelやWordで管理する場合が多いが、近年ではLIMSやQMSソフトで電子管理する企業も増加
- SOPに基づき、「立案書 → 計画書 → 完了報告書」の一連をCAPAファイルとして保存・追跡
- 完了後は「CAPA完了報告書」または「Closure Form」で正式終了
以下に、「CAPA立案書」と「CAPA計画書」の**実務で使いやすいフォーマット例(記載項目付き)**をそれぞれご紹介します。
GMP/QMS環境での使用を想定しており、査察・監査にも対応しやすい構成になっています。
① CAPA立案書(CAPA Initiation Form)フォーマット例
CAPAを正式に立ち上げるための文書で、「なぜCAPAが必要か」「どのような問題に対して行うのか」を明確にします。
項目 | 内容 |
---|---|
文書番号(CAPA No.) | 一意に識別する管理番号 |
起案日 | 立案された日付 |
起案者/部署 | 担当者名と所属部署 |
発生事象の概要 | OOS/OOT、逸脱、監査指摘、苦情などの内容と影響範囲(製品名、ロット等) |
発生日時・場所 | 発見日、発生した工程や設備など |
初期リスク評価 | 製品品質、安全性、供給リスクなど(定性的/定量的) |
原因仮説 | 現時点で想定される原因の概要(詳細調査は後続) |
CAPAの目的 | 是正(CA)、予防(PA)、または両方かを明示 |
判断理由(CAPA必要性) | なぜCAPAとして管理すべきか、判断基準とその根拠(SOPの該当条項など) |
承認者 | 品質保証部門など、CAPA管理責任者の承認欄 |
② CAPA計画書(CAPA Plan)フォーマット例
立案後、具体的なアクションを整理し、実施・追跡・効果確認の管理を行う文書です。
項目 | 内容 |
---|---|
対象のCAPA No. | CAPA立案書とのリンクを確保 |
原因調査結果(RCA) | 実施した原因分析(例:5 Whys、FMEA、Fishbone Diagramなど)とその結論 |
是正措置(Corrective Action) | 再発防止のための直接的な対応策、具体的な作業内容 |
予防措置(Preventive Action) | 他製品・他工程への横展開、同種リスクの未然防止策 |
各アクションの担当者 | 担当部門および実施者の明示 |
実施期限 | それぞれの対応の期日 |
実施状況欄 | 実行済/未実行などの進捗を記載(トラッキング可能な欄) |
効果確認方法 | どのように対策の有効性を検証するか(例:再発有無、傾向変化、モニタリングデータなど) |
効果確認予定日 | 評価時期の設定 |
承認欄 | QAまたはCAPA責任者による最終承認欄 |
補足:実務での管理方法
- ExcelやWordで管理する場合が多いが、近年ではLIMSやQMSソフトで電子管理する企業も増加
- SOPに基づき、「立案書 → 計画書 → 完了報告書」の一連をCAPAファイルとして保存・追跡
- 完了後は「CAPA完了報告書」または「Closure Form」で正式終了