[GMP] CAPAとは?GMP/QMSにとって重要なツール/プロセスである.是正措置のみに止まっていないか? – 運用体制を含め具体的にどうするか [2025/04/03]

Gmp

CAPA開始時の文書に適した名称

CAPAの開始時点で用いる文書の名称として、より明確で実務的に適切なタイトルは以下のようなものです:


よく使われる適切な名称(日本語・英語)

よく使われる適切な名称(日本語・英語)

日本語表記英語表記説明
CAPA立案書CAPA Initiation Form / CAPA Request FormCAPAを正式に開始するための起案書。問題の概要・初期評価・原因仮説・対応計画などを記載。
CAPA計画書CAPA Plan是正・予防措置の実施計画と進捗管理を記載。Initiation Formと兼ねる場合も。
CAPA実施管理表CAPA Action Plan / Tracking Sheet具体的なアクションと期限、責任者を追跡管理するフォーマット。
CAPA報告書(完了報告書)CAPA Report / CAPA Closure Report実施結果と効果確認を記録し、対応完了を報告する文書。監査対応にも使用。

おすすめの命名戦略

文書タイミング推奨される名称
開始時「CAPA立案書」または「CAPA計画書」
実施・進捗管理中「CAPAアクションプラン」または「CAPA管理票」
完了・効果確認後「CAPA完了報告書」または「CAPA報告書」

➡ このように、CAPAのライフサイクルに応じて文書名を分けると、SOPや文書管理が格段に分かりやすくなります。


あわせておすすめのSOP記載構成(文書名と連動)

CAPA関連のSOPでは以下のような構成が理想的です:

  1. CAPAの対象と判断する条件(OOT、逸脱、監査指摘など)
  2. CAPAの立案手順(=CAPA立案書の起票)
  3. 是正・予防措置の検討と計画(=CAPA計画書)
  4. 進捗・実施管理(=CAPAアクションプラン/管理台帳)
  5. 効果の確認と完了手続き(=CAPA報告書)

まとめ

表現適切か?理由
CAPA報告書(開始時)❌ やや不明瞭「報告書」という語が完了後にも使われるため曖昧
CAPA立案書✅ 明確開始時の意図が明確で、報告書と混同されない
CAPA計画書✅ 条件付きで適切計画フェーズであることが明確。実施内容も含める場合は有効

以下に、「CAPA立案書」と「CAPA計画書」の**実務で使いやすいフォーマット例(記載項目付き)**をそれぞれご紹介します。
GMP/QMS環境での使用を想定しており、査察・監査にも対応しやすい構成になっています。


① CAPA立案書(CAPA Initiation Form)フォーマット例

CAPAを正式に立ち上げるための文書で、「なぜCAPAが必要か」「どのような問題に対して行うのか」を明確にします。

項目内容
文書番号(CAPA No.)一意に識別する管理番号
起案日立案された日付
起案者/部署担当者名と所属部署
発生事象の概要OOS/OOT、逸脱、監査指摘、苦情などの内容と影響範囲(製品名、ロット等)
発生日時・場所発見日、発生した工程や設備など
初期リスク評価製品品質、安全性、供給リスクなど(定性的/定量的)
原因仮説現時点で想定される原因の概要(詳細調査は後続)
CAPAの目的是正(CA)、予防(PA)、または両方かを明示
判断理由(CAPA必要性)なぜCAPAとして管理すべきか、判断基準とその根拠(SOPの該当条項など)
承認者品質保証部門など、CAPA管理責任者の承認欄

② CAPA計画書(CAPA Plan)フォーマット例

立案後、具体的なアクションを整理し、実施・追跡・効果確認の管理を行う文書です。

項目内容
対象のCAPA No.CAPA立案書とのリンクを確保
原因調査結果(RCA)実施した原因分析(例:5 Whys、FMEA、Fishbone Diagramなど)とその結論
是正措置(Corrective Action)再発防止のための直接的な対応策、具体的な作業内容
予防措置(Preventive Action)他製品・他工程への横展開、同種リスクの未然防止策
各アクションの担当者担当部門および実施者の明示
実施期限それぞれの対応の期日
実施状況欄実行済/未実行などの進捗を記載(トラッキング可能な欄)
効果確認方法どのように対策の有効性を検証するか(例:再発有無、傾向変化、モニタリングデータなど)
効果確認予定日評価時期の設定
承認欄QAまたはCAPA責任者による最終承認欄

補足:実務での管理方法

  • ExcelやWordで管理する場合が多いが、近年ではLIMSやQMSソフトで電子管理する企業も増加
  • SOPに基づき、「立案書 → 計画書 → 完了報告書」の一連をCAPAファイルとして保存・追跡
  • 完了後は「CAPA完了報告書」または「Closure Form」で正式終了

以下に、「CAPA立案書」と「CAPA計画書」の**実務で使いやすいフォーマット例(記載項目付き)**をそれぞれご紹介します。
GMP/QMS環境での使用を想定しており、査察・監査にも対応しやすい構成になっています。


① CAPA立案書(CAPA Initiation Form)フォーマット例

CAPAを正式に立ち上げるための文書で、「なぜCAPAが必要か」「どのような問題に対して行うのか」を明確にします。

項目内容
文書番号(CAPA No.)一意に識別する管理番号
起案日立案された日付
起案者/部署担当者名と所属部署
発生事象の概要OOS/OOT、逸脱、監査指摘、苦情などの内容と影響範囲(製品名、ロット等)
発生日時・場所発見日、発生した工程や設備など
初期リスク評価製品品質、安全性、供給リスクなど(定性的/定量的)
原因仮説現時点で想定される原因の概要(詳細調査は後続)
CAPAの目的是正(CA)、予防(PA)、または両方かを明示
判断理由(CAPA必要性)なぜCAPAとして管理すべきか、判断基準とその根拠(SOPの該当条項など)
承認者品質保証部門など、CAPA管理責任者の承認欄

② CAPA計画書(CAPA Plan)フォーマット例

立案後、具体的なアクションを整理し、実施・追跡・効果確認の管理を行う文書です。

項目内容
対象のCAPA No.CAPA立案書とのリンクを確保
原因調査結果(RCA)実施した原因分析(例:5 Whys、FMEA、Fishbone Diagramなど)とその結論
是正措置(Corrective Action)再発防止のための直接的な対応策、具体的な作業内容
予防措置(Preventive Action)他製品・他工程への横展開、同種リスクの未然防止策
各アクションの担当者担当部門および実施者の明示
実施期限それぞれの対応の期日
実施状況欄実行済/未実行などの進捗を記載(トラッキング可能な欄)
効果確認方法どのように対策の有効性を検証するか(例:再発有無、傾向変化、モニタリングデータなど)
効果確認予定日評価時期の設定
承認欄QAまたはCAPA責任者による最終承認欄

補足:実務での管理方法

  • ExcelやWordで管理する場合が多いが、近年ではLIMSやQMSソフトで電子管理する企業も増加
  • SOPに基づき、「立案書 → 計画書 → 完了報告書」の一連をCAPAファイルとして保存・追跡
  • 完了後は「CAPA完了報告書」または「Closure Form」で正式終了

ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11