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  • COVID-19関連 — PCR全自動検査装置: エリートインジーニアス –  フランスから感謝状が送られたとい素晴らしい装置 – Precision System Science社、は日本の企業です.でも、装置だけでは測定はできない [2020/11/21]

    COVID-19関連 — PCR全自動検査装置: エリートインジーニアス – フランスから感謝状が送られたとい素晴らしい装置 – Precision System Science社、は日本の企業です.でも、装置だけでは測定はできない [2020/11/21]

    エリートインジーニアス

    エリートインジーニアスは、プレシッション システム サイエンス社(Precision System Science; PSS)が開発するPCRの自動検査装置です。機能、オプションの違いにより数種類のラインナップがあります。
    海外、特に欧州での当局による審査がスムーズであるため、日本の企業が開発する医療機器の承認申請は、欧州で行うことが殆どであるとのです。

    そういった中、欧州で販売することが承認されたPSS社のPCR自動測定装置がフランスでCOVID-19のPCR検査で活躍しています。

    サンプル中のウイルスからの遺伝子の抽出などの作業が自働に行うため、専門の技師が必要ではないため、熟練技士の調達という律速がありません。

    取得したサンプルは、加熱処理して滅菌した後、装置にセットするだけで、2時間後には結果が出力されます。

    プレジッション システム サイエンス社、PCR自動測定装置

    http://www.pss.co.jp/product/genelead/lead12plus.html

    でも、装置だけでは測定できない

    測定装置だけでは、PCR測定はできません。装置は、反応を行う条件を自動に設定しますが、その反応そのものは、測定したいサンプルの他に、反応試薬(PCRキット)が必要になります。PCRキットには、核酸抽出試薬、転写酵素、プライマーおよび増幅酵素が含まれます。これらのキットは、高価であるため、機械によって効率的に測定をこなせたとしても、PCRキットの価格が低下してこないと、測定にかかるコストは低くすることは難しいのです。

    PCRキットは、日本製ではありません。日本は、決して世界の技術の中心にはいないのです。

    編集履歴
    2020/07/30 はりきり(Mr)
    2020/11/21 追記 (装置だけでは測定できない)
  • 今日の英語 – bioprocessing fluids; バイオロジクス製造における液状の工程サンプル  [2020/07/29]

    今日の英語 – bioprocessing fluids; バイオロジクス製造における液状の工程サンプル [2020/07/29]

    バイオプロセスに関わる熟語・用語

    bioprocessing fluids
    バイオロジクス製造における液状の工程サンプル
  • 今日の英語 – it could be costly コストがかかる可能性がある – will, can, shall, may もまとめて  [2020/12/29]

    今日の英語 – it could be costly コストがかかる可能性がある – will, can, shall, may もまとめて [2020/12/29]

    could; 可能性がある

    「could」は「can」より控え目な表現になります。「will, can, shall, may」がそれぞれが「過去形」になると「would, could, should, might」、それぞれの持つ意味はそのままに、「控え目な表現, 他人に対して話す時などに使う表現」になるとイメージしておけば良いです。難しい仮定法などは実用的でないです。単純に実用面として、控え目に言いたい時が、過去形を使うシチュエーションです。

    I will : します、I would : したいと思います
    I can : できます、I could : できると思います
    I shall : (willより強いニュアンス)
    I may : するかもしれない、I might : するかもしれない、かも。

    it could be costly.
    コストがかかる可能性がある

    could : 同様の助動詞は、過去形になると弱い言い回しの意味となるため、 可能性がある、のような表現になる

    The error could be costly.
    そのエラーは、コストがかかる可能性がある

    「can」が「could」になり控え目な表現となった場合、「可能性がある」となりますが、「may」もかもしれない、可能性があるという意味なので、よく似ています。ただ、canは「できる」であり、mayは「かもしれない」なので、コアイメージは、canの方が、mayより可能性が高いのです。

    英語の契約書などに、willやshallを使う場合に参考となります。- LEGAL MALL BIZ –

    https://business.best-legal.jp/1436/

    編集履歴

    2020/07/29 Mr. Harikiri
    2020/12/29 「will, can, shall, may」の過去形は、仮定法などと意識せず、控え目な表現になるとイメージする
  • [Bio-Equip] Single Use Mixer

    [Bio-Equip] Single Use Mixer

    ThermoFisher Single Use Mixer

    HyPerformer single use mixer (SUM)、50L, 200L, 500L, 1000L

    HyPerformer/Agegis5-14

  • [Virus-Edu] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染機序  [2020/07/27]

    [Virus-Edu] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染機序 [2020/07/27]

    はじめに

    コロナウイルスの感染機序の1つは、細胞膜とウイルス膜の融合により、ウイルス粒子が細胞膜と一体となり、ウイルス粒子内の遺伝子が細胞内に取り込まれるものと、もう一つは、貪食という機構により、ウイルス粒子そのものが、細胞内に取り込まれ、やがてウイルス粒子からウイルス遺伝子が漏出して細胞内に至るものがある。いずれにしても、細胞内に到達したウイルス遺伝子は、その機能を細胞内に存在する酵素などを利用して発揮することになる。

    新型コロナウイルスの感染機序

    新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) 感染のある過程で、以下に説明する薬剤の臨床試験における抗ウイルス効果のポイントが存在する。

    1a Fusionでの感染

    SARS-CoV-2は、エンベロープを持つウイルスである。このエンペロープであるスパイク・タンパク質が、宿主細胞の表面抗原に対して結合親和性があり、そこに結合することで、最初の感染の足がかりを作る。

    結合すると、ウイルスの脂質二重膜と細胞の脂質二重膜は、膜融合をおこし、ウイルスのRNAが細胞の中に入っていく。

    RNAは、タンパク質の設計図であるため、細胞内のタンパク質合成装置であるリポソーム(Ribosome)により、コードされたタンパク質を合成する設計図となる。

    合成されたタンパク質は、必要な箇所で切断(Proteolysis)されるが、このポイントで、Lopinavir-ritonavirが抗ウイルス効果を発揮する。

    Lopinavir, ritonavir配合剤 – KEGG –
    作用機序: ロピナビルはHIVプロテアーゼの活性を阻害し,HIVプロテアーゼによるgag-polポリ蛋白質の開裂を抑制することで,感染性を持つ成熟したHIVの産生を抑制する.リトナビルは,CYP3Aによるロピナビルの代謝を競合的に阻害し,ロピナビルの血中濃度の上昇をもたらす.本剤の抗ウイルス活性は,ロピナビルによるものである

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057826

    Proteolysisで適当な大きさになったタンパク質(非構造タンパク質:nsps)と小胞体由来の膜(と考えられている)が作る複製/転写複合体(Replication-transcription complex; RTC)が作られ、SARS-CoV-2の複製を媒介するsource

    このRTCの中には、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase; RdRp)が含まれている。このRdRpsourceを阻害する考えられるのが、Remdesivirである。

    Remdesivir – KEGG –

    レムデシビルはアデノシンヌクレオシドのプロドラッグであり、加水分解等による代謝を経て、ヌクレオシド類似体の一リン酸体となった後、細胞内に分布し、代謝されてヌクレオシド三リン酸型の活性代謝物を生成する。活性代謝物はアデノシン三リン酸(ATP)の類似体として、SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼによって新たに合成されるRNA鎖に天然基質ATPと競合して取り込まれ、ウイルスの複製におけるRNA鎖の伸長反応を取り込みから少し遅れて停止させる。

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068750

    1b 貪食での感染

    SARS-CoV-2ウイルス粒子を貪食する形で細胞内にそのまま取り込む(Endocytosis)。細胞内に入ってきた構造体をEndosomeと言う。

    生成初期のEndosomeの内部は、pH6.3で、その後pH4.7sourceと低くなるsource。この段階で抗ウイルス作用を示すのが、Chloroquine, Hydorxychloroquineであると考えられる。

    COVID-19

    以上

    編集履歴
    2020/07/27 Mr.はりきり
    2022/03/12,追記(はじめに: 2つの感染機序の概説)
  • [健康] 疾患名: ALS; 筋萎縮性軸索硬化症 – 年間3,000人の内、孤発性は90% – ロピニロールは発症を半年遅らせることができる  [2021/05/20]

    [健康] 疾患名: ALS; 筋萎縮性軸索硬化症 – 年間3,000人の内、孤発性は90% – ロピニロールは発症を半年遅らせることができる [2021/05/20]

    ALS

    ALS; 筋萎縮性軸索硬化症

    • 日本では、9000人の患者数
    • 毎年3,000人が発症
    • 孤発性は、全体的の90%を締める
    • グルタミン酸受容体に生ずべきRNA編集が不十分であるため→運動ニューロンの死により発症する
    • 2020/10, 新説として、ミトコンドリアDNAの細胞質内への放出による神経細胞ロス(以下の新説参照)

    筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態機序解明および特異治療法の開発研究、東京医科大学

    http://square.umin.ac.jp/teamkwak/message.html

    原因

    新説

    TDP-43が、ミトコンドリアに侵入しmPTPを介してミトコンドリアDNA (mtDNS)の放出を引き起こし細胞質内で蓄積しcGAS / STINGを活性化することで、ALS特有の炎症・神経変性が引き起こされる(Cell, 2020/10)。

    • 神経炎症は、そのアップレギュレーションである核因子κB(NF-κB)とI型インターフェロンに関係している
    • mtDNAは、細胞質DNAセンサーであるcGASが感知 → cGAMP → STING (TBK1)に伝わる (Innate Immune activation) → IFNβ、TNF, IL-6 → Neuron Loss (source:cell)
    • TDP-43 : ALSやタウ陰性のFTLDの変性部位のニューロンやグリア細胞に認められるユビキチン陽性封入体の主要構成タンパク質 (source:実験医学online)

    現説

    ADAR2という酵素が減っているとされる(東京大学医学系研究科の郭伸先生) source: Telescope Magazine

    ロピニロールの臨床試験結果

    2021/05/20, パーキンソン病の適応薬であるロピニロールを投与する(下リンク参照)ことで、発症を約半年間遅らせる効果が見られたとの報道があった(NHK総合)。iPS細胞を用いた試験の成果です。

    筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象としたロピニロール塩酸塩徐放錠内服投与による第Ⅰ/Ⅱa相試験

    https://rctportal.niph.go.jp/s/detail/jm?trial_id=JMA-IIA00397

    ロピニロール, ドパミンD2 受容体系作動薬

    https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066192.pdf

    ロピニロール – PMDA –

    https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1169013G1049_1_03/

    参考文献

    ALSを引き起こすタンパク質の新機能発見 (2020)

    TDP-43は、メッセンジャーRNA(mRNA)と結合する性質を持っており、数多くのmRNAと結合し細胞内での成熟や輸送に働くことが示されています

    https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20200828_1

    筋萎縮性側索硬化症病体におけるTDP-43(2017)

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/2/34_72/_pdf/-char/en

    TDP-43の生理的機能とALS病態における意義 (2015)

    https://www.kitasato-u.ac.jp/ktms/kaishi/pdf/KI45-2/KI45-2p079-085.pdf

    -遺伝性ALS患者81人の臨床情報と生化学的特性の相関を解析- (2012)

    https://www.riken.jp/press/2012/20121218/

    TDP-43 蓄積症の概念と病態解明への展望 (2009)

    https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/049110783.pdf

    シンポジウム 3 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
    司会の言葉

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/3/34_257/_pdf/-char/en
    編集履歴
    2020/07/27 Mr.HARIKIRI
    2020/10/10 追記 (ミトコンドリアの放出が神経損傷に繋がる新説)
    2021/05/20 追記 (パーキンソン病の適応薬であるロピニロールの有効性が確認された)
  • [Data Link] 研究実験施設ガイダンス – 実験施設の設計に参考になる  [2020/07/27]

    [Data Link] 研究実験施設ガイダンス – 実験施設の設計に参考になる [2020/07/27]

    研究実験施設ガイダンス

    研究所計画における建築設備
    568 ~ 572 頁
    ■衛生設備
    ・給水、給湯、排水設備
    ・排水トラップ ・特殊ガス、真空、圧縮空気、スチーム設備 ・電気設備
    ■配管の立上げ及び接続
    ・中央実験台、サイド実験台、流し台 ・配管の立上げ高さ
    ヒュームフード
    573 ~ 574 頁
    ■ヒュームフードの給排気システム
    ・排気風量の設定 ・排気システムの検討
    実験室の設計
    575 ~ 583 頁
    ■安全な化学実験室とするための基本的な施設条件
    ・レイアウトに際しての配慮事項 ・実験室の壁面構成で考えなければならないこと ・研究設備品関連の安全対策
    ■医薬品安全性動物実験室の設計
    ・SPF 動物飼育室の設備
    ■バイオハザード実験室の設計
    ・BSL2 および BSL3 実験室 ・実験分類の名称と封じ込めレベルの対応 ・物理的封じ込め施設の設計
    ■水質検査室の設計
    ・各室設計上の注意点(共通事項) ・部屋別にみた設計上の留意点

    各項目の詳細は、研究実験施設ガイダンス

  • [用語] ワクチンラグ、ワクチンギャップ

    [用語] ワクチンラグ、ワクチンギャップ

    ワクチンラグ/ワクチンギャップ

    欧米で予防接種として使用されていたワクチンが、日本に輸入されず、ある年代で問題が生じている状況。

    大勢の外国人が日本に観光に来るようになることで、問題が大きく表面化しつつある

    麻疹、風疹、ムンプス、これらの混合ワクチン(MMR)、承認済みの個別起業の独自ワクチンを使用させず、厚生省が作らせた統一株ワクチンを使用させた問題

  • [Bio-Edu] BiTE抗体 – 6 x His tagで精製を容易にする [2020/07/27]

    [Bio-Edu] BiTE抗体 – 6 x His tagで精製を容易にする [2020/07/27]

    BiTE抗体とは

    二重特異性抗体(BiTE)は、がん細胞と免疫細胞を引き合わせる。近寄った免疫細胞は、がん細胞を攻撃できるようになる。抗体は2つのそれぞれ異なる特異抗原と結合する「手」を持っている。

    ブリナツボマブ (Blinatumomab) by https://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20181015001/112292000_23000AMX00811_H100_1.pdf

    ヘムライブ

    血友病Aの血液凝固因子第VIIIの代替品となる「ヘムライブラ」も同技術による。ヘムライブラは、抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重得意抗体モノクローナルである。

    BiTE抗体の基本原理は、1つの「手」に、がん細胞に特異的な表面抗原に対する「手」を、もう一方の「手」に、免疫細胞に特異的な表面抗原に対する「手」を持たせる。

    がん免疫療法に新たなアプローチ…二重特異性抗体でT細胞を誘導「ビーリンサイト」が発売, 2018

    https://answers.ten-navi.com/pharmanews/15289/

    歴史

    • BiTE抗体は、実用化は2014/12米国で始まった
    • 2018/11には日本でも上市された
    • Amgen、Sanofi、Rocheなど

    ブリナツボマブ – pmda –

    分子量54kDa, scFv型の二重特異抗体である。6xHis タグを持っている医薬品

    https://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20181015001/112292000_23000AMX00811_H100_1.pdf

    ブリナツボマブ (Blinatumomab) – KEGG –

    薬価 約28.6万円

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067773
  • [Bio-Material] Planova 20Nは金コロイドによる完全性試験が必要だが、BioExでは必要ない

    [Bio-Material] Planova 20Nは金コロイドによる完全性試験が必要だが、BioExでは必要ない

    ウイルス除去フィルター

    もう約40年前、「ウイルスを除去できるフィルター」としてPlanovaは開発された。原理は、除菌フィルターのようにろ過すれば、ウイルスは、膜にトラップされ、ウイルスより小さい分子サイズの物質は膜を通り抜ける(パススルーする)。除ウイルスフィルターと言ってもいい。

    1980年代に本格的に開発が始まり、当時、製造工程でのウイルス除去を確実な技術で確保したかった血漿分画製剤会社と共同研究が行われていた。膜は、再生セルロース膜で、形状はASAHI KASEIが持っていた技術で容易に作ることができるフォローファイバーである。今でもそれは変わらない。

    Planova シリーズは、再生セルロースであり、強度がそれほど高くないため、ウイルス除去処理した膜が、その後の検査でも完全性を維持しているのかの確認として金庫ロイドを使った検査が必要となる。製造現場でのその検査の手間を省略でき、しかも、より高速で処理が可能となる、新しい除ウイルスフィルターが開発されている(BioEXシリーズ)。BioExシリーズについても世界のCMOにおいて実績が蓄積されている。

    競合品

    milliporeのTFF製品に使われている平膜を使った除ウイルスフィルターが競合品となる。圧倒的な処理時間の短縮が可能であるとのこと。ただし、世界での使用実績は、やはり、ASAHI KASEIのPlanovaである。

    Planova™ BioEX ウイルス除去フィルター

    編集履歴

    2020/07/27, Mr.Harikir