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  • [バイオ医薬] 製造におけるバイオバーデン管理について

    [バイオ医薬] 製造におけるバイオバーデン管理について

    はじめに

    バイオ医薬品の製造における精製工程は下流工程と称され,培養工程とは異なりオープン作業が基本である.例えば,カラムに樹脂を充填する作業はオープンで行われるため,細菌などの汚染のリスクがあり管理が必要となる.これをバイオバーデン管理という.パオバーデンによる細菌などの毒素汚染のリスクも含まれる.細菌汚染により製造バッチの廃棄による経済的損失も無視できない.一旦発生すれば,カラム樹脂の廃棄,根本原因の解明とサイトの消毒作業により操業が停止することで大きなコストが発生する.

    以下,cytivaのwhite paperからまとめた.

    バイオバーデン

    潜在的な微生物汚染物質として以下の形態が考えられる.それぞれの特徴をしることでリスク軽減が可能となる.バイオバーデン管理として器具のNaOH洗浄は代表的な処置法である.

    1. 細菌
    2. ウイルス
      • 細菌より小さくマイクロろ過ではまったく除去できない
      • 脂質膜を持つウイルスでは溶剤・界面活性剤で不活化される.
      • ウイルス除去膜(ナノろ過)である程度の比率で除去可能
      • 1M/0.5M NaOH処理による不活化データがある
    3. カビ(真菌)
      • B. subtilisなど胞子形成細菌
      • 胞子はケラチン外層であり化学物質(NaOHなど)や熱に耐性を持つ (対応策は,1M NaOH, 22℃,1時間処理による不活化)
      • 121℃過熱や次亜塩素酸ナトリウム,過酢酸などの酸化剤には弱い
    4. 外毒素
      • 一般的に分子量が大きいタンパク質で抗原性がある.
      • グラム陽性・陰性菌の細胞内で生成され一般的に熱に弱い
      • ペプチドベースの外毒素は熱・化学体制がある
    5. 内毒素
      • エンドトキシンはグラム陰性菌の外膜由来で熱耐性のリポ多糖類).
      • エンドトキシンの不活化には,0.1M NaOHが有効
      • 0.1M NaOHよりは0.5M/1.0Mでの不活化は高い効果を示す(0.1Mでは50時間,1.0 M/0.5 Mでは8時間から20時間の処理で検出限界以下となる)

    バイオバーデンの発生源

    1. 土壌,空気,植物,動物及びヒト : 細菌,真菌,ウイルス
    2. 様々な経路を経て製造プロセスに侵入する
    3. 原材料
      • 製品と直接接触する原材料や加工助剤は潜在的リスク
        • カラムレジン,UF膜

    対策

    1. ろ過
    2. クロマトグラフィー
    3. 低pH処理による不活化
    4. Solvent detergent (溶剤洗剤)処理
    5. 保持時間の短縮
    6. オープン作業の削減
    7. プロセス水の監視
    8. エリアの微生物粒子の監視
    9. 衛生活動,適切な教育訓練とSOP

    バイオバーデン管理

    1. CytivaのProtein A
      • 樹脂の微生物規格として100 CFU/mLから20 CFU/mLに削減された.
      • 樹脂のエンドトキシン規格として<5 EU/mLが導入された.
    2. シングルユースバッグの使用
      • 事前に消毒された製品を使い捨てで使用する
    3. 洗浄 (装置,レジン及びUF膜)
      • 一般的には,1M NaOHが使用される.
      • 保管管理の条件
    4. 自動化
      • カラムパッキングなどの人を介さない自動化
        • レジンの包装からの取り出し(人の介入)
        • 自動充てん装置(人の介入なし)によるレジンの充填
      • 連続製造技術
        • ホールドタイムの短縮
        • ただし,製造バッチサイズが大きくなると製造期間が長くなり逆にリスクが高くなる.
      • バッファの自動化導入による準備
        • 自動バッファ調製(in line conditioning)によるリスク低減化によりfoot printeの削減や調製の簡素化
        • 再現性の高い調製

    Bioburden: current innovations and practices to address …

    バイオ医薬品開発・製造 バイオバーデンコントロール …

  • [臨床試験] 統計解析における信頼区間とは.医薬品の臨床的意義は統計解析から評価される

    [臨床試験] 統計解析における信頼区間とは.医薬品の臨床的意義は統計解析から評価される

    目次

    はじめに

    専門はバイオ医薬の研究開発と臨床サンプルの調製に関するCMC関連であるが,臨床試験についても少し知識を補充したいと思う.

    臨床試験の結果について評価する場合,統計解析した値で評価されるが,今ひとつ,用語とその評価についての関連性が分からなかった.以下は,Copilotに質問して理解を深めて最終的に得た知識をレジメにした.

    レジメは,以下に直下にまとめた.Copilotとの会話はその下に参考として列挙した.

    レジメ

    1. 医薬品の効果があるかどうかの判断は,事前に設定した成功基準の閾値との比較で行う.
    2. 効果があった患者数と臨床サイズ(母数)から,95%信頼区間(95%の確立で信頼できる値である範囲)は,下限値と上限値という用語で表される.
    3. 成功基準の閾値は,根拠のあるデータから算出されるが,新薬やワクチンなど,一般的な閾値は経験的には存在している.
    4. 臨床試験の結果,95%信頼区間の下限値が20%,および上限値が50%と計算された時,事前に設定した成功基準の閾値が30%であったなら,この臨床試験で使用した薬は成功基準を満たしていないことから,効果を発揮していないと判断される可能性が高い.

    Copilotとの会話

    (1)95%信頼区間と成功基準の閾値

    Q : 以下の文章は論理的に正しいか? 出てくる数値の単位および意味についても教えて 「臨床試験の結果,「治験薬投与6カ月の症状の改善効果があり改善した症例割合」[95%信頼区間]は20.0% [5.6, 40.4] であり,95%信頼区間の下限が事前に設定した成功基準の閾値30%を下回った」

    Copilot :

    この文章について論理的な正確性を検討し、出てくる数値の単位および意味について説明します。

    文章の論理的正確性

    文章は以下の内容を含んでいます:

    1. 臨床試験の結果について述べています。
    2. 「治験薬投与6カ月の症状の改善効果があり改善した症例割合」という指標を用いています。
    3. この指標の95%信頼区間が20.0% [5.6, 40.4] であると述べています。
    4. 95%信頼区間の下限が事前に設定した成功基準の閾値30%を下回ったと述べています。

    この文章は論理的に正しいと言えます。特に、信頼区間が指標の範囲を示しており、事前に設定された閾値と比較している点が明確です。

    数値の単位および意味

    文章中の数値の単位と意味は以下の通りです:

    1. 20.0%:
      • 単位: パーセント (%)
      • 意味: 標本割合の推定値。標本のうち20.0%が「症状が改善した」と報告されています。
    2. [5.6, 40.4]:
      • 単位: パーセント (%)
      • 意味: 95%信頼区間の範囲。95%の信頼水準で、真の母集団割合が5.6%から40.4%の範囲に含まれると推定されます。
    3. 30%:
      • 単位: パーセント (%)
      • 意味: 事前に設定された成功基準の閾値。治験薬の効果を評価するための基準値です。

    関係性

    信頼区間の下限値5.6%が成功基準の閾値30%を下回っているため、これは治験薬の効果が設定された基準を満たしていないことを意味します。成功基準の閾値30%は、治験薬が臨床的に有効とみなされるための最低基準であり、これを下回る場合、治験薬が期待される効果を発揮していないと判断されます。

    全体として、この文章は論理的に整合性が取れており、数値の単位および意味も正確に記載されています


    (2)信頼区間を理解するための関連用語

    Q: 統計解析において信頼区間を理解するために必要な関連する用語やパラメータについてその項目と意味

    Copilot :

    統計解析において信頼区間 (Confidence Interval) を理解するためには、いくつかの重要な用語やパラメータを知っておく必要があります。以下に主要な項目とその意味を紹介します。

    1. 母平均 (Population Mean):
      • 全体の母集団の平均値です。これは理論的な値であり、通常は直接測定できません。
    2. 標本平均 (Sample Mean):
      • 母集団から抽出した標本の平均値です。母平均の推定に使用されます。
    3. 標準誤差 (Standard Error):
      • 標本平均のばらつきの程度を示します。標準偏差を標本サイズの平方根で割って計算されます。
      • 標準誤差 =標本サイズ ÷ ルート(母標準偏差)
    4. 信頼水準 (Confidence Level):
      • 信頼区間が真の母数を含む確率を示します。通常、95%や99%などが使用されます。
    5. 臨界値 (Critical Value):
      • 信頼水準に対応するz値やt値です。例えば、95%の信頼水準ではz値が約1.96になります。
    6. 信頼区間の幅 (Width of the Confidence Interval):
      • 信頼区間の上下限の差を示します。標準誤差と臨界値の積で求められます。
    7. 自由度 (Degrees of Freedom):
      • t分布を使用する場合に考慮されるパラメータで、通常は標本サイズ-1で計算されます。
    8. 点推定値 (Point Estimate):
      • 母数の最良の推定値であり、例えば標本平均が点推定値に相当します。
    9. 信頼区間の下限値 (Lower Limit):
      • 下限値 = 標本平均 – (臨界値 × 標準誤差)
    10. 信頼区間の上限値 (Upper Limit):
      • 上限値 = 標本平均 + (臨界値 × 標準誤差)

    (3)期待される効果がないと判断されるとは

    Q : 信頼区間の下限値が成功基準の閾値より低い場合になぜ期待される効果が発揮されないと言えるのか? 成功基準の閾値は,そもそもどのような計算によって求められたのか?

    Copilot :

    信頼区間の下限値が成功基準の閾値より低い場合に期待される効果が発揮されないとされる理由と、成功基準の閾値がどのように計算されるかについて説明します。

    期待される効果が発揮されない理由

    信頼区間は、特定の信頼水準で真の母集団パラメータが含まれると推定される範囲を示します。例えば、95%の信頼区間は、95%の確率でその範囲に真の母集団パラメータが含まれることを意味します。

    信頼区間の下限値が成功基準の閾値を下回る場合、次の理由で治験薬の期待される効果が発揮されない可能性があるとされます:

    • 信頼区間の下限値は、治験薬の効果が最も低い場合の推定値を示します。下限値が閾値より低い場合、効果が基準を下回る可能性があることを意味します。
    • 成功基準の閾値は、治験薬が臨床的に有効とみなされるための最低基準です。信頼区間の下限値がこの基準を下回ると、治験薬がこの基準を満たす確率が低いことを示唆します。

    成功基準の閾値の計算方法

    成功基準の閾値は、臨床試験の設計段階で事前に設定される目標値や基準値です。以下のような方法で設定されることが多いです:

    1. 臨床的意義に基づく設定:
      • 医療や臨床の専門家が、治験薬が有効とみなされる最低限の効果を設定します。例えば、症状の改善が一定割合以上でなければ臨床的に有意義でないと判断される場合です。
    2. 過去のデータに基づく設定:
      • 同様の治験や研究の過去のデータに基づいて閾値を設定します。これにより、治験薬の効果を他の治療法と比較して評価できます。
    3. 統計的基準に基づく設定:
      • 統計的な手法を用いて、効果が偶然によるものではなく、統計的に有意なものであることを示す閾値を設定します。

    成功基準の閾値は、試験の目的や治療対象となる疾患の特性、過去の研究データなどに基づいて慎重に設定されることが重要です


    (4)成功基準の閾値による判断

    成功基準の閾値が10%とは,標本サイズに対して10%が効果があるとの意味でよいか

    はい、その通りです。成功基準の閾値が8.6%である場合、これは標本サイズに対して10%の割合で効果があることを意味します。具体的には、治験薬が臨床的に有効とみなされるためには、標本のうち少なくとも10%が改善を示さなければならないということです。

    例えば、標本サイズが100例の場合、成功基準の閾値10%に対応する成功例の数は10例(実際には小数点の場合は整数に変換して評価)となります。すなわち、100例中10例以上が改善を示さない場合、治験薬は臨床的に有効とみなされない可能性が高いです。

    信頼区間の下限値がこの閾値10%を下回ると、統計的に見て真の効果がこの基準を満たさない可能性が高いことを示唆しています。


    (5)開発医薬品の種類ごとの成功基準の閾値

    Q: 成功基準の閾値について一般的に使用さるめ目安の数値はあるか

    Copilot :

    成功基準の閾値は、試験の目的や治療対象となる疾患の特性、過去の研究データなどに基づいて異なるため、一般的に一律の数値があるわけではありません。ただし、いくつかのケースや分野でよく使用される目安の数値があります。

    一般的に使用される目安の数値

    1. 新薬の臨床試験:
      • 効果の改善が20%以上を目安とすることが多いです。例えば、既存の治療法と比較して20%以上の改善が見られるかどうかが成功基準になることがあります。
    2. ワクチンの有効性試験:
      • ワクチンの有効性試験では、通常50%から90%以上の効果を目指します。例えば、インフルエンザワクチンでは50%以上の有効性が期待されることがあります。
    3. デバイスの有効性試験:
      • 医療機器やデバイスの試験では、効果の改善が10%から30%以上を目安とすることが多いです。
    4. 行動介入の試験:
      • 健康行動や生活習慣の改善を目指す試験では、5%から20%以上の改善を目指すことがあります。

    閾値の設定基準

    • 臨床的重要性: 閾値は、治療の臨床的重要性を考慮して設定されます。例えば、患者にとって有意義な改善が見られるかどうかが基準となります。
    • 過去のデータ: 同様の治験や研究の過去のデータに基づいて設定されることがあります。
    • 規制当局のガイドライン: FDAやEMAなどの規制当局が提供するガイドラインに従って設定されることがあります。

    成功基準の閾値は慎重に設定される必要があり、試験の目的や期待される効果を反映した数値であることが重要です。

    編集履歴

    2025/02/22, Mrはりきり

  • [今日の英語] 三菱ケミカムグループは米投資ファンド・ペインキャピタルに田辺三菱製薬を売却

    [今日の英語] 三菱ケミカムグループは米投資ファンド・ペインキャピタルに田辺三菱製薬を売却

    2025/02/7に発表された田辺三菱製薬の記事から.

    The Mitsubishi Chemical Group annouced the sale of Mitsubishi Tanabe Pharma to US investment fund Bain Capital.

    investment fund : 投資会社(ファンド)

    sale of xxx : xxx の売却

  • [WP] WordPressのヘルスを改善させるために「AAA Option Optimizer」を導入した

    [WP] WordPressのヘルスを改善させるために「AAA Option Optimizer」を導入した

    はじめに

    WordPressのツールにあるサイトヘルスにpreloaderエラーがでていた.WordPressのバージョンアップに際して出てきたようだ.調べてみるとpreloaderのサイズが大きすぎるので,不要なreloadは(800kbに)削除しろ,とのこと.そこで,ネット検索で「AAA Option Optimizer」を導入してみた.

    AAA Option Optimizer

    AAA option optimizerは,使用されていないのにpreloadしているpreloadを読み込み時間とともに表示してくれる.大きい読み込み時間のpreloadを外して数日様子を見ることにした.設定は,削除しても元に戻せるので不具合があれば,preloadに再設定すればいい.

    AAA Option Optimizerでチェックを外すと直ぐにサイトヘルスのpreloaderの数は反映される.この数は,当初1800超あったので,前述したように読み込み時間が大きかった10個程度のpreloadを削除した後は,数が多かった同じ様な名前(eme_*)のもののチェックを外した(500程度).これでpreloadの数は1500台に少なくすることが出来た.このまま様子を見て問題なければゴミ箱に移動させようと思う

    編集履歴

    2025/02/18, Mrはりきり
    2025/02/21, eme_の付いたpreloadをpreloadしないようにした.

  • PIC/Sにおける部屋のグレードについて

    PIC/Sにおける部屋のグレードについて

    Grade A

    1. 高リスク作業
    2. 重要区画 (無菌操作ライン,充填区画,施栓,開口状態での一次包装,ファーストエア保護での無菌接続)
    3. 気流保護 (RABS, アイソレータ内一方向気流作業)

    Grade B

    1. 無菌操作
    2. 調製・容器充填
    3. アイソレータを使用しない場合
      • Grade Aのバックグラウンドのクリーンルーム
      • 連続的な差圧モニタリング
    4. アイソレータを使用する場合
      • Grade Bより低い等級のクリーンルームを検討し得る

    Grade C/D

    1. アイソレータを使用しない場合
      • 無菌操作法により容器充填済み
      • 無菌製品の製造
      • 比較的重要でない段階
    2. アイソレータを使用する場合
      • バックグラウンドはクリーンルーム
    3. 最終滅菌法による製品の調製・容器充填の作業

    クリーンルームと重要区画

    1. 微粒子/微生物の拡散/蓄積を最小化するために露出する全ての表面は平滑・不浸透性,且つ破損が無いこと
  • PIC/SとICHの関係性? 役割について簡単な比較

    PIC/SとICHの関係性? 役割について簡単な比較

    PIC/SとICHについて

    PIC/S とICHについてCopilotを活用して比較しました.

    簡単にPIC/SとICHを述べると以下の通りになります.

    1. PIC/Sは,欧州における規制当局が主導してまとめられた原薬及び製剤に関するGMP関連のガイドラインです.
    2. ICHは日米欧が主導して規制の共通化を目指してまとめられた医薬品の開発・申請などに係わるガイドラインです.

    Copilotとの質疑応答:


    Q1 : PIC/S GMPガイドラインについて,主導しているものは誰か,また,ICHとの関係性.

    Copilot : PIC/S GMPガイドラインは、Pharmaceutical Inspection Cooperation Scheme(医薬品査察協同スキーム)によって主導されています。このガイドラインは、医薬品の製造における基本的な品質管理基準を定めています。

    ICH(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)との関係性については、PIC/S GMPガイドラインはICHのQ7Aガイドライン(Active Pharmaceutical Ingredients)の基礎となっています。つまり、PIC/S GMPガイドラインはICHの基準を取り入れており、両者は製造基準の国際的な調和を目指しています。


    Q2 : PIC/S GMPとは

    PIC/S GMP(Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme Good Manufacturing Practice)は、医薬品の製造における品質管理基準を定めた国際的なガイドラインです。このガイドラインは、医薬品の安全性と効果を確保するために設けられています。

    PIC/S GMPは、以下のような内容を含んでいます:

    • 序論:ガイドラインの概要や目的。
    • Part I:製剤GMP:医薬品の基本要件。
    • Part II:原薬GMP:医薬品有効成分の基本要件。
    • Annex(付属書):特定の製造プロセスやシステムに関する詳細な基準。

    このガイドラインは、国際的な調和を目指しており、多くの国々が参加しています。日本も2014年にPIC/Sに加盟し、国際的な品質基準に準拠しています。


    Q3 : PIC/S GMPガイドラインとICH GMPガイドラインの関係性

    PIC/S GMPガイドラインとICH GMPガイドラインは、両者ともに製薬業界における製品の品質を確保するための基準ですが、それぞれ異なる背景と目的を持っています。

    PIC/S GMPガイドラインは、Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme(PIC/S)によって策定されたもので、主にヨーロッパ諸国の規制当局が共通の基準を持つことを目的としています。PIC/Sは、製品の品質を確保するための国際的な協力を促進するための組織です。

    一方、ICH GMPガイドラインは、International Council for Harmonisation(ICH)によって策定されたもので、世界中の規制当局が共通の基準を持つことを目的としています。ICHは、製薬業界の国際的な協力を促進し、製品の開発と製造の品質を向上させるための組織です。

    つまり、PIC/S GMPガイドラインはヨーロッパに焦点を当てたものであり、ICH GMPガイドラインは世界的な規制当局に対応したものです。両者は共通の目標を持ちつつも、その適用範囲と背景に違いがあります。


    Q4. PIC/S GMPとIHC GMPのとりまとめ主体は何か?

    PIC/S GMP(Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme Good Manufacturing Practice)は、国際的な薬品製造基準の取りまとめを行うための組織です。この組織は、薬品製造の品質を確保するために、各国の規制当局が協力して作られました。

    一方、IHC GMP(International Harmonization Council Good Manufacturing Practice)は、国際的な製品の品質と安全性を確保するための基準を設定する組織です。この組織は、製品の製造プロセス全体にわたる品質管理を強化することを目指しています。

    どちらの組織も、製品の品質と安全性を確保するために重要な役割を果たしていますが、それぞれ異なる焦点と目的を持っています。


    Q5. PIC/S GMPとICHについて,ヒストリーに関して発足時期やその他イベントについて退避して教えて

    PIC/S GMP (Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme)

    • 発足時期: 1995年に設立されました。これは、1970年に設立されたPharmaceutical Inspection Convention (PIC)を発展させたものです。
    • 背景: PICは、欧州自由貿易連合 (EFTA) によって設立され、医薬品の製造に関する査察の相互承認を目的としていました。しかし、1990年代初頭には、EU法との不整合が問題となり、新たな加盟国を受け入れることが難しくなりました1。そのため、PICと並行してPIC Schemeが設立され、これらが共にPIC/Sとして知られるようになりました。
    • 主な目的: 医薬品の製造に関するGMP (Good Manufacturing Practice) の国際的な調和と、査察当局の品質システムの開発・実施・保守を目指しています。

    ICH (International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)

    • 発足時期: 1990年に設立されました。
    • 背景: ICHは、アメリカ、ヨーロッパ、日本の規制当局が協力して設立されました。当初は、医薬品の開発に関する技術要件の調和を目的としていましたが、その後、医薬品の品質、安全性、有効性に関する要件の調和にも取り組むようになりました。
    • 主な目的: 医薬品の開発と製造に関する国際的な調和を促進し、医薬品の品質、安全性、有効性を向上させることを目指しています。

    事務連絡 平成24年2月1日 PIC/SのGMPガイドラインを活用 …

    PIC/SのGMPガイドライン

    編集履歴

    2025/02/15 Mrはりきり

  • 再生医療用医薬品~ アクーゴ~ (サンパイオ)

    再生医療用医薬品~ アクーゴ~ (サンパイオ)

    まとめ

    1. 機能性の細胞
    2. 開発番号 : SB623
    3. 2024/7/31に先駆け指定制度のもと条件及び期限付き製造販売承認を取得
    4. サンパイオが開発している脳内移植用の再生医療製品
    5. 細胞の由来 : 健康成人骨髄液由来 肝細胞系乾漆細胞を加工・培養して作製された骨髄由来加工間質系幹細胞 (国際一般名 : バンデフィテムセル)
    6. 脳内の損傷した部位に移植する
    7. 移植部位では,FGF-2が増加し損傷した神経細胞の再生力が増すことで,治療効果が期待される
    8. サンパイオ : 2001年に米国のカリフォルニア州で創業,アンメットニーズが高い中枢神経系領域の疾患を主な研究開発・事業化領域としている.

    編集履歴

    2025/02/14 Mrはりきり

  • PIC/S GMP 英語用語集

    PIC/S GMP 英語用語集

    概要 : general overview

    適応範囲 : scope

    原則 : principle

    医薬品品質システム : pharmaceutical quality system (PQS)

    建物 : premises

    設備 : euqipment

    ユーティリティ : utilities

    人員 : personnel

    特有の技術 : specific technologies

    環境と工程のモニタリング : environmental and process monitoring

    品質管理 : quality control

    用語解説 : glossary

    外部委託作業の管理 : management of outsourced activities

    予防的な保守管理 : preventative maintenance

    清浄化及び消毒 : cleaning and disinfection

    リスクマネジメント : risk management

    無菌製品 : sterile producrts

    アクセス制限バリアシステム : restricted access barrier systems (RABS)

  • [FDA] ある会社/サイトのFDAによる査察実績を調べるにはInspection Classification Database.

    [FDA] ある会社/サイトのFDAによる査察実績を調べるにはInspection Classification Database.

    はじめに

    製造サイトや分析サイトなど,医薬品に係わる製造や品質についてFDAは査察を実施している.日本でもPMDAや都道府県がGMP適合性について検査しているが,今回は,FDAについて以下に述べる.

    US : Inspection Classification Database | FDA

    JP : 品質確保に関する取り組み | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 – 1. GMP/GCTP Annual Report

    EU : Inspections and compliance | EMA annual Report

    PMDAではGMP適合性調査に合格すると合格書が発行されるが,FDAではそのような制度はなく,どのような状態かは,以下の公式ウェブサイトで公開されているので,その記載から類推することになる.

    Inspection Classification Database | FDA : FDAが行った調査結果や査察の詳細が食品,医薬品,医療機器について記載されている (以下,FDA Dashboards – Home).

    FDA Dashboards – Home : FDAの調査結果,コンプライアンスデータが視覚的に表示される.企業名で検索すると属するサイト・リストが出力される.該当するサイトをクリックし,FDA Actions TimelineとInspectionsの結果を確認する.NAI (No Action Indicated)となっていれば,そのサイトは問題ないと分かる.

    その他参考Home

    FDA Warning Letter

    FDAが発行したワーニングレターを閲覧できるサイトを探したが,以下のHomeしか探せていない.

    Warning Letters | FDA : 調査結果に基づいて発行された警告書ゃ改善指示が公開されている.2020年より以降のレコードはFOIリクエストしなければ得られない.

    CDERの活動

    FDA-TRACK: Center for Drug Evaluation and Research Dashboards | FDA : FDAの医薬品評価および研究センターのパフォーマンスを追跡・評価するためのツール.承認プロセスや規制の進捗状況を視覚的に確認することができる.このHomeの序文には以下のように目的が記載されている「FDAの医薬品評価研究センター(CDER)は、研究と発見の初期段階からFDAによる承認、一般市民による広範な使用まで、医薬品開発—のあらゆる側面をサポートしています。CDERは、医薬品の承認前と承認後の両方で、品質、安全性、有効性の確保に努めています。言い換えれば、公衆衛生を保護するための私たちの努力は、私たちが承認する医薬品のライフサイクル全体に広がっています。CDERは、FDA-TRACKを使用して、四半期ごとに、政策と科学の策定、承認前の安全性レビュー、承認後の安全性監視を通じて、このライフサイクル全体にわたる関与を強調するパフォーマンス指標を報告します。」.

    Forms:

    Form FDA 483

    FDAが施設を調査した際に作成される指摘事項などを含む報告書.発行されない場合もある.

    Form FDA 356h

    新薬の承認を申請するためのフォームです。新薬または簡略新薬(ジェネリック医薬品)を人間用に承認する際に使用されます。

    Form FDA 1572

    臨床試験の主要な調査者(Principal Investigator, PI)が責任を持つことを証明するためのフォームです。PIは臨床試験の倫理的かつ科学的な実施に対する責任を負います。

    Form FDA 1571

    Investigational New Drug Application (IND) の一部として、臨床試験の開始をFDAに通知するためのフォームです。これにより、試験薬が人間で試験される前にFDAの承認が得られます。

    Form FDA 2253

    市販後の医薬品や生物製剤の広告および販促資料をFDAに提出するためのフォームです。これは、製薬会社が広告やプロモーション活動が規制に準拠していることを確認するために使用されます。

    Form FDA 483a

    Inspectional Observations(検査観察事項)を記録するための補助的なフォームです。これにより、FDAの検査官が検査中に見つけた問題を詳細に記録できます。

    Form FDA 3983

    DMF (drug master file)を申請時に使用する.

    etc.

    Forms | FDA

    編集履歴

    2025/02/10 Mrはりきり

  • [WP] Mrはりきりのサイト.あれ? アクセス数が少ないし,404 (page note found)の表示が.,おかしくなっていないか?

    [WP] Mrはりきりのサイト.あれ? アクセス数が少ないし,404 (page note found)の表示が.,おかしくなっていないか?

    思えば最近,Ultimate Memberを再導入してからおかしかった.404のヒット数が多いし,アクセス数が結構な勢いで減少していることに気がついていたが,いずれ回復すると楽観していた.対処してみた時に何となくなおった気になって深刻には考えず今日まですごしてきた.追加で何度か日を変えてブラウザで表示させてみたが問題の表示はなかった.

    しかしである.どうやら正常にはなっていなかった.確認してみると,サイト全体がUltimate memberプラグインのデフォルト設定により,「ログイン中のユーザーがアクセスできるサイト」なっていた.これまでは,対処した時にはログインしての作業であったことでサイトの表示は正常に表示されていたようだ.以下,詳細である.

    詳細:

    今日,確認してみたアクセス数(上図)で,実線が直近の4週間.グラフによると1/25からアクセス数が漸減していおり回復していない.

    予測アクセス数は前の期間から推定すると点線に近づくはずだが,今日(2/9)の時点では,0に近い一桁のアクセス数にまで激減していることが分かる.

    いつもメンテナンスに使用しているPCのEdge(wordpressにログインしたまま)でサイトを見てみたが表示される.しかし,アクセスのグラフはサイトが異常であることを如実に示している.このままではいけない!

    不吉な予感があったので,なにげに昔のiPadを取り出してきて,充電し「Mrはりきり」のサイトをアクセスしてみた.404の表示が出た.ん? はやりおかしい.

    そこで,いままでの作業を思い起こしてみた.たぶん,1/20にインストールした「Ultimate Member」が原因の可能性が高い.

    Ultimate Memberの設定->アクセスを確認したところ,「ログイン中のユーザーがアクセスできるサイト」に設定されていた.

    「誰もがアクセスる可能なサイト」に設定しなおした.

    設定が正しいかどうかは,サイトにログインしていないブラウザでアクセスしてみないと判断がつかない.しかし,wordpressにログインした後,ログアウトする方法が分からない.更に,通常使用のEdgeではログインしているので使えない.加えて,前述のiPadのブラウザからは,wordpressにログインしてしまったため,このiPadも使用できない.

    ログインしていないブラウザで確認する必要がある.最近は使用していないChromeをPCから立ち上げて,当サイトを表示してみた.

    OKだ.表示できた.問題ない!

    以上が対応の全てで,アクセスが「普通」になってから3週間とだいぶ経過してしまったが,対策完了となった.

    いつも,当サイトをみてくださっている皆様,長らくお待たせしました.復旧しました.今から閲覧可能です.これらかもよろしくです^^;

    2025/02/09 Mrはりきり