ロード量
タンパク質の精製には,樹脂への吸着を多用する.吸着に吸着する目的のタンパク質は,効率性の面から出来るだけ多くを吸着させるべきである.
しかし,吸着可能な最大量で吸着させるべく,目的タンパク質を含む溶液をカラムにロードしていくと,最大吸着容量に達するまでに,乗除に吸着できずに漏れ出てくる.
漏れ出てくる量は,合理的に見積もりロードを決定すなければならない.求められた吸着容量をBinding Capacityという.
Break Through Point
ResinのBinding Capacityを求めるには、カラムクロマトにおいて、目的物を含む溶液をカラムにロードしなから、カラムから出てくる液をフラクションとして回収していく。ある時点のフラクションを測定し、目的物の濃度が、ロードサンプルの濃度(100%)と比較して、その濃度が5%を超えた時点のロード量をBreak Through Pointという.
Binding Capacity
Break Through Pointのロード量を更に、一般的には70%~80%にした値をBinding Capacityと定義する.Protein Aカラムを使用する抗体の精製では、これがベストプラクティスである。
イオン交換クロマトの2つの方法
イオン交換クロマトでは、精製を優先した場合、Binding Capacityのロード量で行うクロマトは一般的ではない。一方、少なめのロード量(30% Binding Capacity)で吸着させて,溶出バッファのグラジェント効果を高める方法がラボ精製では良く使われる.
グラジェント精製
インタラクションに強度の高低を持たせることができるイオン交換クロマトなどの場合、グラジェントによる精製は純度を上げるには効果的である(page 2).
少ないロード量では、カラムの上部にしか、目的物が吸着していない状態とすることができる。その状態からバッファグラジェントを開始すると、カラムの上から下まで移動していくにつれて,初期の吸着物集合体は、Resinとの相互インタラクションに違いがあればある程,それぞれの成分は、分離されていく.
ステップワイズ精製
グラジェント精製は,実製造スケール(スケールアップされた)では,同一のクロマトを実施して品質を一定に管理すことは,一般的に難易度が高い。そのため,実製造では、グラジェント精製は行われることは少ない.
そこで、グラジェント精製に極力近づけたステップワイズ精製が選択されることが多い(page 3).
ステップワイズ精製のロード量は,精製効率が犠牲になる場合があるものの、ロード量をBinding Capacityに近づけられる可能性もあり、COGs改善の可能性も考えられる(page 3).
Break Through Point for Capturing
カラムの吸着容量