はじめに
Synolog NAS製品でDS1621xs+ (数字の21は2021年に発売したことを示す)は,現在(2023/08)所有しているSynology NAS (DS918+, DS920+)とは異なる挙動を示すことがある.
DS1621xs+は,デスクトップ型のNASシリーズのなかでは,フラッグシップの1つにあたり,CPUも高速なものが使われている.そのため,DSM の更新時期は,これらDS918+, DS920+と異なることが多い.
この記事では,DS1621xs+に特有なメンテナンスに関して記載したいと思う.
たまにフルパワーでファン
DS1621xs+を導入して1年余り,もう3回もフルパワーでの冷却ファンのイベントがあった。ファンの設定は以下のように「低ノイズモード」にしているが,突然,ファンがフルパワーで動き出すことは,温度の感知具合で仕方ないことなのだが,なかなか止まらず,止まるまで5分以上はかかっていた.
うるさいファンを低速に!
夏の時期に起こるので,温度感知は正常に働いていると思うが,止まるのに少し問題があるのか,搭載しているHDD数が,DS918+, DS920+が4つに対して6つであるのが問題なかの,稼働状況に問題なかの色々と考えられる.まずは,1つずつ検討していく.
とりあえずファンを元の回転数にもどすには,
- ハードウェアと電源 -> 電源管理 -> ファン速度モード
- 低ノイズモードになつている状態を冷却モードをセレクト
- 適応ボタンを押すと,冷却モードの回転数になる
- 今度は,前述の手順で冷却モードから低ノイズモードに戻す
以上の操作で,低ノイズモードに戻った.しかし,感知温度をリセットしたようなもので,また,徐々に温度が上がれば,ある感知温度でフル回転になると思われため,少し,今後の対応を模索し実施するために,以下に検討と対応策を考察した.
その前に,HDDの温度とフル回転での温度変化を見てみた.
HDD温度
6つあるWDのHDDの温度をストレージマネージャで確認すると,以下のようにだいぶ高温になっていることが分かった.
Table 1. 装着HDDの温度の観測値
HDD番号 | 型番 | 容量(TB) | 強制的にファン停止直後温度(℃)*1 | フル回転で10分冷却後温度(℃) | その後低ノイズモード30分放置後温度(℃) |
1 | WDC WD120EFBX-68B0EN0 | 12 | 43 | 37 | 43 |
2 | WDC WD80EFAX-68KNBN0 | 8 | 49 | 40 | 50 |
3 | WDC WD80EFAX-68KNBN0 | 8 | 50 | 41 | 50 |
4 | WDC WD80EFAX-68KNBN0 | 8 | 49 | 41 | 51 |
5 | WDC WD80EFBX-68AXXN0 | 8 | 47 | 40 | 50 |
6 | WDC WD80EFBX-68AZZN0 | 8 | 47 | 40 | 50 |
*1: しばらくフル回転で冷却されていたためファンがフル稼働し始めた温度より低い温度になっている,と考えられる.
DS1621xs+の環境
- DS1621xs+は,天井付近に設置している
- 搭載HDDはWD製で6つ
- 容量と型番の異なるHDDを搭載している
- 天井付近に家庭用のファンを設置して,天井周囲の温度をSwitchBotシリーズセンサーで感知させ,ある設定温度によりファンをON/OFF制御している
結論
天井周囲の温度が下がってもNASのHDDは,直ぐには下がらない.DS1621xs+は,愚直にファンをフル回転で回していると理解できた.
フル回転でファンが回り続ける場合には,何らかの理由がある.まずは,HDDの温度をストレージマネージャで個別に確認することが大切である.
今後の対策
なるべくなら,NASには負荷がかからないようにしたい.そのためには,夏場に起こるフル回転による冷却イベントの回数を少なくすることが必要である.
今でも,”Switch Bot”を活用してNASを設置している天井付近の温度管理をしているが,夏場に適する設定にする必要がある.季節指定や月指定などが,現状の”Switch Bot”にはできないので,季節がきたら手動でするしかない.
いずれは,もっと自動化を進めたい.なんて...今は思っている.面倒くさい.
編集履歴
2023/08/20, Mr. Harikiri, 夏場のNASのフル回転の原因はHDDの温度,当たり前か!?
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