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[用語] CRISPR-Cas9遺伝子編集技術 ID21955

CRISPR/Cas9ゲノム編集技術

2020/10/07, ノーベル化学賞の受賞者に、ゲノム編集技術のCRISPR/Casを開発した2人の研究者が選ばれました。Emmanuelle CharpentierとJennifer Doudnaです。

当該技術は、微生物が本来持っている防御システムの一部です。ファージの侵入を防ぐために、細胞内にあるものを発現しています。あるものとは、CRISPR RNA (crRNA)分子です。このcrRNAは、防御する目的のファージなどの遺伝子を標的にしていて、それと相補的に結合できます。結合した際、crRNAがガイドとなって、核酸分解酵素Casが、ファージ由来のその核酸分子を切断します。

2人は、化膿連鎖球菌などで、CRISPR/Casの防御システムによる分子機構を明らかにし、crRNAを人工的に合成し、核酸分解酵素Cas9とともに細胞内に導入しました。それによって、標的のDNAを特異的に切断できることを証明しました(Science, 2012)。

用語

  • CRISPR-Cas9 :Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats CRISPR-Associated Proteins 9

CRISPR-Cas9システムの理解に役立つコスモバイオのサイトです。

ゲノム編集技術の基礎知識を余すところなく解説します!CRISPR-Cas9 基本の「き」- コスモバイオ –

https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/CRISPR-Cas9-introduction-apb.asp?entry_id=15520

ゲノム編集技術の進展

  • 第1世代
    • ジンクフィンガーヌクレアーゼ (ZFN)
    • 核酸結合モジュールにタンパク質を使用
  • 第2世代
    • テールヌクレアーゼ (TALEN)
    • 核酸結合モジュールにタンパク質を使用
  • 第3世代
    • CRISPR/Cas
    • 核酸結合モジュールにガイドRNAを使用
    • タンパク質合成が必要ではなくなり、ノックアウト/ノックイン・マウスの作成が容易になるなど、技術の進展がめざましい

参考

  • 大腸菌ゲノムにあるリピート配列は、CRISPRシステムにおける免疫システムである
編集履歴
2020/10/09 Mr.はりきり