[Kw] 産業用インクジェットプリンターに関わる労働安全衛生法の改定 – 規則の遵守とリスクアセスメントの実施 [2020/10/21] ID14136

インクジェットプリンターに関わる法令

有機則

法改正にり、産業用インクジェットプリンター(IJP)のインクに、有機溶剤が使用されていると、労働安全衛生法の遵守が求められます。

これまで関係がなかった以下の規則への対応が義務付けられました。作業内容によっては、資格の有無が問われます。

有機溶剤中毒予防規則(有規則)というのがあります。

  • 54種類の有機溶剤
  • メチルエチルケトン(MEK)、アセトンは、IJPに一般的に使用されています。
  • 有機溶剤中毒予防規則(有規則)への対応 (罰則規定があります)
  • リスクアセスメントの実施

有機溶剤中毒予防規則(有規則)への対応

  • 発散源の密閉、局所排気装置、プッシュブル型換気装置のいずれかを設置
  • 保護具の着用
  • 作業環境管理
    • 有機溶剤作業主任者の選任
    • 定期自主点検の実施(1回/年)
  • 作業環境測定
    • 作業環境測定士による(2回/年)
  • 掲示と保管
  • 有機溶剤等健康診断の実施(定期健康診断以外の追加の実施: 2回/年)

リスクアセスメントの実施

  • 産業用インクジェットプリンタ(IJP)の新規導入、インク交換の際にリスクアセスメントの実施されていることが求められる

リスクアセスメントの実施手順の概要

KYT (危険予知訓練)の手法により、どのような状況で使用している時に、どのようなリスクが潜んどており、それが顕在化したときに、人体に対してどのような被害が起こるかを、感受性の高い頭で具体的に想像しながら洗い出す。発生頻度、インパクトなどから、リスクを見積もる。リスクの重大度から、リスク対策を考える。頻度が低く、発生したとしてもインパクトが低い場合、リスクを受容することもあり得る。全てのリスクに対して対策を打つ合理性はない。

リスクの低減化・回避

インパクトが低くても、発生確率が高い場合、ある程度の発生頻度の低減化対策の立案が必要である。作業の仕方や保護具の装着など、リスクに見合った対策を考える。

もしも事故が発生してしまい、インパクトが大きい場合、すなわち、健康被害、金銭的な大きさなどが考えられる場合は、保険の加入なども対策の一つである。労災以外の任意の保険なども考慮できます。

リスク発生の視点ではなく、被害の低減化策という視点もあります。健康被害に繋がる事態が発生した場合でも、作業環境として、手袋、保護メガネ、安全靴、換気、シャワー施設など、作業環境の対策も考えることができます。または、そのような提言か策が施された部屋に移動してからの作業の実施など、標準作業に関わる作業手順の改訂も対策となります。

これら発生前、発生後の対策・回避策について作業担当者への教育を実施した場合、教育記録も残します。

編集履歴
2020/04/23 はりきり(Mr)
2020/05/20 追記 (リスクアセスメント)
2020/10/19 追記 (リスクアセスメントの実施手順の概要)
2020/10/21 追記 (IJPの関連情報としてのHACCP)

以上

参考文献

労働安全衛生法の改定を正しく理解してする 日立産機システム – より

https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/solution/column/005/

注意すべき有機溶剤中毒予防規則と労働安全衛生法 – KEYENCE – より

https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/packing/chapter04/two-statutes.jsp

有機則とインク
KEYENCE – より

https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/inkjet/qa/solvent.jsp