[ED] 生物学 (レジメ) – 生物学とその方法、生命の科学的基礎、生物多様性を整理する – ID6988 [2020/11/03] ID6988

生物学

東京医科歯科大学のサイトに掲載の資料をレジメとしてまとめた。

ベテランでも参考になります。

編集履歴
2020/01/12 はりきり(Mr)
2020/05/23 追記 (「生物学とその方法」をレジメとしてまとめた)
2020/05/26 追記 (「生命の化学的基礎」)
2020/11/03 追記 ( 「進化」取りまとめ開始 ) 

参考文献

東京医科歯科大学より

1. 生物学とその方法

  • 生物学(biology)は、科学(science)の一つ。語源は、ラテン語の知ること(scientist)
  • 発見(serendipity)と帰納(induction)
  • 検証可能性(testability)
  • 仮説(hypothesis)と演繹(deduction)
  • 実験(experiment)
  • 観察→仮説→実験→(観察か仮説に戻る)
  • 科学的な態度(scientific attitude)
  • 科学的な事実(scientific fact)
  • 法則(law) : 相互関係
  • 理論(theory) : 解釈
  • 昔の生物学では、無機物にはない特殊な生気(vital force)が宿る
  • パスツールの実験(フラスコ(白鳥の首)では、滅菌した肉汁は腐らない)
  • 教科書(texbook)と講義(lecture)
  • Referencesとしての原著論文(original paper)、総説(review article)、単行本(monograph)
  • 観察のための道具 : 顕微鏡(microscope)
    • 電子顕微鏡
      • 透過電子顕微鏡(TEM)
      • 操作型電子顕微鏡(SEM)
    • 光学顕微鏡
      • 明視野顕微鏡
      • 暗視野顕微鏡
      • 位相差顕微鏡
      • 微分干渉顕微鏡蛍光顕微鏡
  • 観察のための道具 : その他
    • 細胞培養術
    • 細胞分画法
    • クロマトグラフィ
    • とレーザー技術(放射性同位元素の使用)
    • セルソーター
    • PCR
    • 遺伝子操作
    • ノックアウト技術
  • 系統分類学(Systematics, Taxonomy)
  • 進化生物学(Evolutionary biology)
  • 古生物学(Palentology,地学の一領域)
  • 生態学(Ecology)
  • 行動生物学(Behavioural biology)
  • 解剖学(Anatomy)
  • 形態学(Morphology)
  • 生物機構学(Biomechanics)
  • 組織学(Histology)
  • 組織学(Histology)
  • 細胞生物学(Cell biology)
  • 発声生物学(Physiology)
  • 神経生物学(Neurobiology)
  • 神経生物学(Neurobiology)
  • 内分泌学(Endocrinology)
  • 免疫学(Immunology)
  • 遺伝子学(Genetics)
  • 生化学(Biochemistry)
  • 分子生物学(Molecular biology)

第1章 生物学とその方法

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt1.pdf

2. 生命の科学的基礎

  1. 生物には水 (H2O)が必要である。水は、負に帯電した酸素原子(O)と正に帯電した水素原子(H)でできている。2つの水素原子は、105°の角度で位置しており、水素原子1個を酸素原子2個で共有してしているよな水素結合(弱い結合)している
  2. 水は、正と負に帯電しているため、電荷を持つタンパク質と水素結合を作ることで溶解という状態になる
  3. 生体の構成物は、水、タンパク質(protein)、核酸(nucleic acid)、多糖類(polysaccharide)、脂質(lipid)であり、モノマーの複合体で有るポリマーとして存在している

タンパク質

  1. タンパク質は、アミノ酸のポリマーである。アミノ酸の中心元素は、炭素(C)であり、4本の手があり、2本はアミノ基、カルボキシル基、残り2本には、水素と官能基(R)が結合している。
  2. アミノ酸は、20種類あり、Rが異なっている
  3. タンパク質の2次構造は、αヘリックス構造とβソート構造がある
  4. αヘリックスは、3.6個のアミノ酸残業毎に1回転するヘリックス構造であり、その構造を支持しているのは、アミノ酸残基の>HNの水素原子が、3個先のアミノ酸残基の>COの酸素原子と水素結合を作るためである。Rはラセンの外側を向いている
  5. βシートは、回転せず構造が伸びた状態であり、隣り合ったアミノ酸のベリペプチド同士の間で水素結合を形成しているため、平面状の構造となっている。
  6. これらの構造は、側鎖の種類に依存する。Prolineの側鎖は、環状構造で有るため水素結合を作ることができない。Glycineは、側鎖はHであり、水素が1つと少なく、または、小さいため、水素月号を作れないので、αヘリックス構造は形成しにくい。したがって、二次構造を作らず、タンパク質分子の表面に出てくる
  7. タンパク質の3次構造では、2次構造同士が更に構造をとり立体構造をとることになり、1次構造上で距離が離れているアミノ酸同士が近づく場合が生じる。3次構造を取る場合に関わる側鎖は、親水性と疎水性の側鎖で有る
  8. 親水性は、タンパク質の表面に出てくる。疎水性は、タンパク質の内側に向く。その結果、タンパク質の表面には、凹凸ができる。これらの凹凸は、タンパク質の機能にかかる構造であるこが多い
  9. 4次構造は、同種のタンパク質が重合化している場合で有る。この構造により新たな機能を持つことがある
  10. タンパク質の色々
    1. 構造タンパク質(組織支持) : コラーゲン、エラスチン
    2. 貯蔵タンパク質(アミノ酸貯蔵) : 卵白アポアルブミン、ミルクタンパク質のカゼイン
  11. 運搬タンパク質(生体物質の運搬) : ヘモグロビン、酸素
  12. ホルモンタンパク質(生体機能) : インスリン、成長ホルモン
  13. 受容体タンパク質(信号の受信) : 細胞表面に局在する各種受容体
  14. 収縮タンパク質 (細胞運動) : アクチン、ミオシン
  15. 防衛タンパク質 (病原体からの防衛) : 抗体、補体
  16. 酵素タンパク質 (生体化学反応) : 消化酵素、トリプシン

核酸

  1. 核酸は、ヌクレオチドのポリマーである
  2. ヌクレオチドは、5単糖(リボース or デオキシリボーす)、リン酸、核酸塩基でできている
  3. 核酸と呼ばれている物質には、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)がある
  4. DNAの構造の共通骨格は、でおきしりぼーすとリン酸である。共通骨格の糖から塩基がでている。これら並行する2本のそれぞれの塩基の水素結合により2本鎖の分子になっている
  5. 塩基には、A、G、C、Tの4つあり、水素結合する組合せは、A-T, G-Cである。この結合により、2本の分子はらせんを形成する
  6. DNAの片方のヌクレオチド鎖だけが必要である。5’から3’への塩基の配列に意味があり、それがタンパク質をコードしているRNAの鋳型となっている。
  7. 塩基3個の組み合わせが1つのアミノ酸をコードしているが、塩基のある組合せが1つのアミノ酸に限定されるものではなく、アミノ酸によって、その組合せの数は、多いものと少ないものがある

第2章 生命の化学的基礎

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt2.pdf

3. 生物多様性を整理する

  1. 生物多様性(Biodiversity)
  2. 植物41万種
  3. 動物114万種
  4. (発見されていない種も含めれば、推定1億種)
  5. http://biodiversity.uno.edu/(Biodiversityを実感するサイトへの入り口集)
  6. リンネ(学者)以前
    1. アリストテレス分類 (~18世紀末)
      1. 大きくは、動物と植物に分類
      2. 動物
        1. 有血動物 : 今でいう脊椎動物
          1. 人類
          2. 胎生四足類
          3. 卵生四足類
          4. 鳥類
          5. 魚類
        2. 無血動物
          1. 軟体類
          2. 軟殻類
          3. 有節類
          4. 植物に近い動物
    2. 大航海時代(1400~1650): ラテン語でバラバラな命名
      1. 色々な生物がヨーロッパにもたらされた時期
      2. ラテン語によるバラバラな命名
        1. ノバラ
          1. ある学者は、Rosa sylvestris inodora seu canina
          2. 別の学者は、Rosa sylvestris alba cum rubore, folio glabro
          3. これらは、リンネは、Rosa caninaとした
      3. アジア、アフリカ、アメリカからもたらされた大量な数の新しい生物が更に命名を混乱
      4. この頃、化石は、神の創造物であり、なんかのかわからなかった。
      5. リンネに影響を与えた2人の学者
        1. Nehemiah Grew (イギリス、1641-1711) : 顕微鏡で植物を分類、花が生殖器出有ることを発見(The Anatomy of Plants, 1682)。はじめて比較解剖学(comparative anatomy)の用語を使った。
        2. John Ray (イギリス, 1627-1705)は、イギリスでは博物学の父と呼ばれている。
  7. リンネの自然体型
    • Carl Linnaeus also known as Carl von Linne (スエゥーデン、1707-1778)
    • 分類学の父
    • 神学と哲学に拠り所とする、ランキングとクラス分け
    • 父はルーテル派の牧師
    • 1727/ルンド大学、医学、薬草賭しての植物の研究、採集旅行、
    • 1735/オランダで医師資格、ライデン大学入学、Systema Naturae初版(14ページ、雄しべ/雌しべで分類)、その後10版
    • 1738年スウェーデン帰国、開業医、科学アカデミー、王室宮殿医
    • 1761年爵位を与えられ、Carl von Lineと名乗った
    • 1774年没、息子もすぐに亡くなり、資料は、イギリス自然史家(Sir James Edward Smith)に売却され、これがイギリス・ロンドンにあるリンネ学会が作られる元となった。
  8. リンネの考え方
    • 神の創造物で有る生物を正しく知る
    • 英知と秩序を知ることができる。
    • 「神が創り、リンネが分ける」
    • 多くの植物を集め、スウァーデンで栽培、環境に適応して変化するすることで、種は普遍でないことを知る。
    • 二名法
    • 雄しべは雌しべより優位
    • 花を持たないシダは、隠花植物網と、「Cryptogamiia, plants with a hidden marriage」の意味である。
    • 自然分類ではなく、人為分類であることを認めている
  9. 分類学の基礎
    1. 種の概念
      1. 種(species)は、形態の不連続性(実際にはそうではない)から、属と種名をラテン語で記載する(二名法)
    2. 分類学は、メンデルの再発見以後に目覚ましい発展を遂げた遺伝学に助けられ、新しい発展を遂げた。
    3. 現在では、マイヤの種の定義から、「種とは、実際的にも、可能性においても、互いに交配しうる自然集団である。それは、他の集団からは生殖の面で隔離されている」と定義し、生物学的種を定義する(種分類学)。
  10. 種より上位の体型を分類する分類学を体系分類学という
  11. 界:kingdom > 門:phylum > (亜門:subphylum) > (上網:superclass) > 網:class > (亜網:subclass) > (下網:infraclass) > (上目:superorder) > 目:order > (亜目:suborder) > (下目:infraorder) > (上科:superfamily) > 科:family > (亜科:subfamily) > 属:genus >(亜属:subgenus) > 種:species > (亜種:subspecies)
  12. ヒトは、動物界:Animal Kngdom > 脊椎動物門:phylum vertebrata > 哺乳網: class mammalia > サル(霊長) 目: order primates > サル(真猿類) 亜目: suborder anthropoidea > ヒト類上科: superfamily hominoidea > ヒト科:family hominidae > ヒト属:homo > ヒト:sapiens となり、homo sapiens、と表記する。

第3章 生物多様性を整理する

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt3.pdf

4. 進化

  • 創造説 : The Creation : 6000年前、全てを神が作り出したもの
    • 作り出された全てのものは、その時から変わらず普遍なものである
    • 万有引力の発見者であるニュートンでさえ、神の技を証明したと考えていた。
    • 経済学者であるケインズによるニュートンの研究では、ニュートンは、「理性の時代の最初の人」ではなく、「最後の魔術師」であると評している。
    • ニュートンは、錬金術の研究も行なっていた
  • ダーウィン以前
    • リンネの時代には、新しい種が作られることが証明され、種の不変性が疑われた始めた
    • エラスムス・ダーウィン (1731-1802))は、生物は海に生まれ進化したと述べている。
    • ダーウィンは、植物学者、哲学者、ナチュラリストであった。
    • 家畜化した動物、自然の動物の行動観察により、雄同士の闘争により、その結果として進化すると考えた
    • ラマルク(1744-1829)は、生物の種の変化は認めていなかったが、環境変化に対応していくことは認めていた。
    • すなわち、必要な機能を獲得していく下等から高等へ向かう事であり(用・不用説)、キリスト教の進歩の思想が見られる
    • 生命は、神が作ったのではく、自然発生によって物質から生じたと考えていた
    • ただし、複雑な生物は、はるか昔に発生し、単純なものは、最近発生したとした
    • 用・不用説は時代に認められなかった
    • これらの考えが生まれた背景には、比較解剖学、比較発生額、古生物学の発展が関わっている
    • 比較解剖学者には、フランスのヒュビエ(Cuvier, 1769-1832)、イギリスのオーエン(Owen, 1804-1892)がいる
    • 比較解剖学は、相似(analogy)、相同(homology)という重要な概念も確立された
    • 相同の例として、動物の腕では、5つの部位を考えることができる。カメ、ヒト、ウマ、トリ、コウモリおよびアザラシにおいて、以下の骨を確認できる。
      • 上腕骨
      • とう骨と尺骨
      • 腕骨
      • 掌骨
      • 指骨
    • ハットン、ライエルによって生まれ発展した地質学は、地球が6000年の歴史でないことを示した
    • 以上の背景から、ダーウィンが登場する

以下、途中

第4章 進化

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt4.pdf

第5章 遺伝の法則

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt5.pdf

第6章 すべての生物は細胞から

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt6.pdf

第7章 細胞の構造

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt7.pdf

第8章 DNAからタンパク質へ

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt8.pdf

第9章 タンパク質の生合成

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt9.pdf

第10章 タンパク質のはたらき

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt10.pdf

第11章 細胞周期と細胞分裂

http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf3/Chapt11.pdf