[Bio-Edu] 抗体医薬の脱アミド化を抑制するためのアミノ酸添加剤に関する特許出願 (アクテムラ)- 高濃度抗体含有溶液製剤, 2012 – ID3138 [2021/06/06] ID3138

脱アミド化を予防する製剤組成

抗IL-6受容体抗体に対して、50mM以上のアルギニン、メチオニンを含む溶液、更にヒスチジンを含む溶液により二量体化、脱アミド化を抑制する。

  • アルギニン (arginine)
  • メチオニン (methionine)
  • ヒスチジン (histidine)

高濃度抗体含有溶液製剤に関する特許出願

クレーム1(請求項1)が最も重要なので、以下に解説する。

アルギニン及びメチオニンを含有するとあるので、両方の含有が特許範囲である。さらに、クレーム2では、ついてきにヒスチジンを含有することとありので、アルギニン、メチオニン、ヒスチジンを含有することが特許範囲である。

【特許請求の範囲】【請求項1】

 アルギニン及びメチオニンを含有することを特徴とする、安定な抗体含有溶液製剤。
【請求項2】

 さらにヒスチジン緩衝剤を含む、請求項1に記載の溶液製剤。

タイトル:特許公報(B2)_高濃度抗体含有溶液製剤
出願番号:2009548102
年次:2012
IPC分類:A61K 39/395,A61K 9/08,A61K 47/18,A61P 43/00

特許広報(B2)となっていることから、特許が権利かされている。優先権主張日は、2007/12/27となっている。ただし、その他の特許にあるように、5年の特許期間の延長がアクテムラに対して認められている(H29から5年の2022年まで)。

日本の特許検索サイト – J-Platpat

https://www.j-platpat.inpit.go.jp

脱アミド化は、アスパラギンがあると起こりやすいため、抗体の結合ドメインであるCDRにアスパラギンがあると、活性低下のリスクが高まる。ある発明では、アスパラギンをリジンに置き換える方法(抗体安定化方法, 2006)も開発されている。

編集履歴

2019/11/12, Mr. Harikir
2021/06/06, 内容整備(アクテムラが対象であること)