[抗体医薬] イラリス; Canakinumab – 高IgD血症として知られている難病治療薬 by Novartis/中外 [2020/06/23] ID23132

最初に

高IgD症候群(Hyper IgD Syndrome:HIDS)は、別名メバロン酸キナーゼ欠損症(Mevalonate Kinase Deficiency:MKD)とも言い、コレステロール生合成経路に関わるメバロン酸キナーゼ(MVK)の活性低下により発症する周期性発熱症候群である。血清IgDが高値である症例が多いことで命名がなされているが、本邦での初診時にIgDの上昇を認めないことが多い。

Novartisは、IL-1βを標的とした抗体医薬イラリス;canakunumabを持っており、適応症を多数に拡大している。

編集履歴
2020/06/23 はりきり(Mr)

適応症

  • 以下のクリオピリン関連周期性症候群
    • 家族性寒冷自己炎症症候群
    • マックル・ウェルズ症候群
    • 新生児期発症多臓器系炎症性疾患
  • 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)
  • TNF受容体関連周期性症候群
  • 既存治療で効果不十分な下記疾患
    • 家族性地中海熱
    • 全身型若年性特発性関節炎

臨床試験以外の薬理活性など

  • IL-1βに結合(解離定数:40pM)することで、受容体に結合した場合のシグナルを抑制する
  • IL-1β刺激による皮膚線維芽細胞からのIL-6産生を抑制
  • IL-1β刺激による黒色主細胞におげるIL-8のプロモーター活性を抑制
  • IL-1βで誘発されるマウス関節空気嚢への好中球浸潤を抑制
  • IL-1βで誘発されるラットの発熱を抑制

高IgD症候群(指定難病267)

https://www.nanbyou.or.jp/entry/4751

イラリス皮下注射液150mg – Novaritisサイト – より

https://drs-net.novartis.co.jp/siteassets/common/pdf/ila/pi/pi_ila_t_202004.pdf