[Bio-Edu] mAbの薬物動態(PK) [2020/10/17] ID18673

モノクローナル抗体の薬物動態

薬物動態(PK; pharmacokinetics)は、薬物の体内における濃度と消失の速度過程

薬力学(PD; pharmacodynamics)は、薬物の作用部位における薬物濃度と薬理効果を定量

  • IgGの一般的な投与経路 (用語説明 wikipedia)
    • iv (Intravascular; 静脈投与)
    • sc (Subculaneous; 皮下投与)
    • im (Intramuscular; 筋肉内投与)
  • 小さい < リンパ管のリンパ液の流れ << 血管の血液の流れ <大きい
  • 血中半減期
    • 生理的IgG濃度が12mg/mLの場合、IgGの半減期は21日
    • 高濃度に投与するなどするとクリアランスは高まる
    • 薄い濃度であるほど、クリアラスンスは低くなる
  • mAbのpI (等電点)
    • pIが高くなると全身クリアランスが高くなる
    • pIが高くなるとバイオアベイラビリティも低くなる
    • pIが高くなると細胞表面の不電荷とインタラクションする

グリコシル化

グリコシル化は、エフェクター活性と半減期に影響を与える。

  • グリコシルパターン (Glycosylation) 1)
    • 小胞体(ER)では、Mannose (Man)が付くだけ付加される
    • 次のGolgiでは、Manが外され、3つになり、Glactose, Fucose, シアル酸が付加される
    • 5個以上のHigh Mannoseでは、Fucoseが付かないことが原因の可能性も否定できないが、FcγRIIIaとの結合親和性が高まりADCC活性が強くなる
    • Fucosylationは、FcγRIIIaとの親和性を弱めることでADCC活性を低下させる。これを狙った抗体を生産させる産生株がある
    • CDCに影響
    • Asn297アミノ酸
    • アフコシル化 (脱フコース)
      • ADCC活性が高まる
      • クリアランスが高まる
    • ガラクトシル化型
      • FcγRIへの結合性増大する
    • 高Man5, Man8, Man9
  • IgGは腎臓でろ過するには大き過ぎる
    • 腎臓でのクリアランスは無い
  • トランスサイトーシス
    • 血管上皮細胞(neonatal Fc receptor)
    • FcRn
  • エンドサイトーシス
  • ピノサイトーシス
    • 内皮細胞による比較的非特異的な液相エンドサイトーシス
  • 間質空間
    • 細胞外マトリックスで満たされている
    • ゲル状
    • 正電荷
    • 成分は、グリコサミノグリカン(ヒアルロン酸など)、コラーゲンなどの構造タンパク質
  • IgGの排除体積(excluded volume) : ~50%
  • FcRnと結合親和性があるIgG1, IgG2, IgG4の消失半減期は、18~21日で、これは、同等の分子量を持つ他のタンパク質よりかなり長い。
  • IgG3は、FcRnと結合親和性が低く、半減期は、7日と短い
1)

小胞体(ER)での糖鎖修飾、Golgiの各部位での修飾について解説がある。Gorgiの特にくTrans Golgiでは、Galactose、更にシアル酸が付加される。
シアル酸が多い程、血中濃度Cmaxが高くなる。

IgGサブクラス毎のFc受容体タイプとの結合性の強さ。

ヒト血清のIgGのシアル酸付加率は、一般的に10未満であるが、CHO細胞の組換えIgGでは、殆どシアル酸は付加されない。マウス・ハイブリドーマで得たIgGでは、シアル酸比率は50%を超える。



Antibody Glycosylation and Its Impact on the Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Monoclonal Antibodies and Fc-Fusion Proteins (2020)

https://www.researchgate.net/publication/274967692_Antibody_Glycosylation_and_Its_Impact_on_the_Pharmacokinetics_and_Pharmacodynamics_of_Monoclonal_Antibodies_and_Fc-Fusion_Proteins

Biosmilarを作る場合、Glycationのコントロールは重要である。糖鎖付加について、培養添加物を詳細に検討している文献である。

Impact of cell culture media additives on IgG glycosylation produced in Chinese hamster ovary cells (2019)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6590254/

Pharmacokinetics of Monoclonal Antibodies, 2017

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5613179/
編集履歴
2020/07/08 Mr.HARIKIRI